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2020/07/24

【追悼詩】M・K君に捧ぐ一篇の詩

【追悼詩】 M・K君に捧ぐ一篇の詩


暑中お見舞い申し上げます

お元気ですか
体調はいかがですか

今書いている詩は
もうすぐ完成ですか

一篇の詩を送ります
読んでいただけますか

〈沈黙〉

また会える日まで
コロナには気をつけて

2020年 盛夏


君は何も語らずに
笑みを浮かべて
地球の台地に還った
沈黙は金と言いたげに
静かに

そうそう
君に告げるのを少し躊躇い
しまっておいた言葉

言葉の河へ
言葉の海へ


確かなことが一つ零れ
その波形がだんだんと
拡がって


いない
いる

柔らかく澄んだ
イメージと比喩のサーカスが
君のポエムの持ち味

深海に根を張って
楽しく踊っている

新年の手紙には
イメージの拡がりをみせた

おおらかな文字
書き改めた文字

全ては風になって
飛んでいった


いない
いる

君は一足先に
永遠を見に出かけた

ありがとう
さようなら

2020.7.24 0:50

関連記事❶を読むはこちら→https://crocul.cocolog-nifty.com/callsay/2019/10/post-9b0b6d.html
関連記事❷を読むはこちら→https://crocul.cocolog-nifty.com/callsay/2019/10/post-f2532d.html

2020/07/19

超人のジャーナリスト・アイ 61 元国連事務総長ハマーショルド殺害説報道 5

ローデシアの報告書を読んだオスロの国立病院のトール・ヤコブ・エイデ教授は、これは簡略な報告書だと答える。
この簡略な報告書は身体を多少詳しく調査したりはしているが、完全に検視解剖はしていないようだとエイデは書いている。
殺害されたハマーショルドの写真があるが、それはエンドーラの死体安置所で入手したものだ。現在この写真は王立図書館のハマーショルド文書館にあるが、この写真を見た人はごく少数の人たちだけである。ハマーショルド家は写真の公開をはっきりと禁じているのだ。ダーゲンス・ニーヘーテル紙は写真の内容を知らなければいけないと不首尾ながらも要請した。何年か後にノルウェー人の歴史家で作家のボーデル・カタリーナ・ナエヴィダルが、何日かだけという条件でその写真を借り出せたのは幸いだった。その写真は一人のアルキヴィストによって取り出され、後に彼は王立図書館でその地位を保った。その写真で分かることは、ハマーショルドの頭には損傷は何もなかったことだ。
オスロのノルウェー国家犯罪警察庁の犯罪専門官にその写真を鑑定してもらった。私は写真が修正されているということがはっきりと判った。かなり荒削りに仕上げてあるのだ。ダーゲンス・ニーヘーテル紙に犯罪専門官のアスク・ロヤーンは言うのだ。【2007.3.31の記事】

【追記】この記事を書いて13年が経つが、今日の毎日新聞朝刊(2020年7月19日)日曜版の国際政治学者藤原帰一の〈映画の愛〉で、元国連事務総長ハマーショルドの事故死を追ったドキュメンタリー映画を紹介している。タイトルは“誰がハマーショルドを殺したのか“。陰謀説みたいな映画でパラノイアのような作品と藤原先生は評している。その毎日新聞の記事を読むはこちら→


https://mainichi.jp/articles/20200719/ddv/010/070/002000c

【追記2】毎日新聞7月24日朝刊のコラム「金言」には、ハマーショルドが俳句を嗜んでいたことが書かれている。その記事を読むはこちら➡https://mainichi.jp/articles/20200724/ddm/002/070/102000c

2020/07/16

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策 18 最終回

面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策
【その14】最終回

ヤコブスドッティル首相は接触追跡チームを讃えた。そのチームは彼女の3人の息子の1人を隔離した(彼女の夫は2週間サマーハウスに連れて行っていたのだ)私は国境を再開する計画について訊いてみた。彼女はヨーロッパのすべての国々がこの問題で苦慮しているのに気づいていた。
「私たちが考えたのは、ステップを慎重に踏むことでこの実験をスタートしました。国民が検査か隔離かチョイスできます」と言った。「もしうまくいかなければ調整します。少なくとも次の数ヶ月間。今年はアイスランドの観光部門は救済できません。そのことはわかっています。しかし、私たちは人びとが入国したり出国したりできる保障が必要です。健康管理システムにあまりプレッシャーをかけずに成し遂げたい。だからそこは微妙なバランスを取ることです」
その日の夕方は天気は快晴で肌寒かった。外で食べるには肌寒いが、ニューヨークの気候を考えればレイキャビークはむしろ爽やかな方だ。
屋外のカフェは混んでいた。レストラン側はテーブルを2メートル離すように客に頼んだ。いくつかのレストランを覗いてだが。私が気づいたことは、その景色が完全に元の日常に戻った様子だということ。それにしても今は異国風にみえる。ちょうど夕食の時間帯で人びとは友人と会って寛いでいた。1人の旅行者にとって、これは氷河あるいはクジラを見学するよりもさらに良い抽選だろうと思った。

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策 17

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策
【その13】

ヤコブスドッティル首相の発表の次の日、私はカリ・ステファンソンと話をした。「あなたは首相と話をしたいのですか」と訊かれて頷いた。彼は記者秘書にかけてくれたが出なかったので、直接首相のヤコブスドッティルに電話をかけた。彼女が電話に出た。
ヤコブスドッティル、44才。左翼グリーン運動のメンバーだ。彼女は2017年に首相になった。アイスランド憲政に波乱のあった年だ。2つの政府が迅速な引き継ぎで衝突、1つは性犯罪者を巡るスキャンダル、もう1つは沖合いの資産を巡るスキャンダルで。彼女は内閣府で有名な格好良いビルで働いている。そのビルは18世紀の終わりに刑務所として建てられた場所だ。
私は彼女のオフィスに案内された。ほとんどあなたの意見に賛成するわと言った。ステファンソンと議論するよりやさしかったからだ。私は彼女にアイスランドが他の多くの国より新型コロナウィルスの扱い方で、うまくできたことについてどう思うか訊いてみた。「すごく身近に中国のニュースを追いかけていたの」と言った。「だからアイスランドで陽性反応が出ないうちに準備を始めたのよ。初めからはっきりしていたことは、科学と医学の専門家によって導き出されたということ」彼女は続けた。「専門家たちはとても謙遜だった。彼らが言っていたことは「新型コロナウィルスについて本当に私たちは何も知らない」ということ。思うに、プロセスの長所は「次に何が起きているのか私たちには分からない」ということだ。

2020/07/15

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新と型コロナ感染拡大克服策 16

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策
【その12】

制限は5月初めに緩め始めた。私が到着した頃には再開していた。集まりでの制限は50人に引き上げられ、人びとはまた、美容室に集まった。私が宿泊していた向かい側に昔アイスランド国立電話会社が入っていたビルは、ホテルに替わっていた。毎日ホテルのガーンと響く音で目が覚めた。「観光客はいないが、レイキャビークの店は閉まったままだ。ニューヨークの5番街に匹敵する街のラウガヴェグルを散策した。古着店のスプートニクが開いていた。水着やビキニ、バス用スーツが売っている店だ。トロールドールやアイスランドの土産品を置いているオジンは、更なる通知があるまで閉まっていた。トールやアイスランド語が話せないといわれている他の土産品店、アイスランドメモリーズなどの店もだ。ツメノドリの置物やヴァイキング船のモデルを詰めた、ある店のそばで足を止めた」(この点ではシナリオ5の合法的違反だ。私は自分で検査を受けていた。結果は陰性だった)2人の女性が働いていた以外は空っぽだった。
「観光客相手の店なのに、観光客がいないの」1人が言った。商売の話をすると、彼女は肩を丸めた。
「普段なら混雑していて歩けないほどなの」
ウィルスを効果的に排除して―私が滞在中の週にはわずか1症例が確認されただけ―アイスランドは現在、羨ましくもぎこちないところにいることがわかる。はっきりしていることは、入国する人びとが少なくなればなるほど、新しく発生することも減るということだ。しかし、人が訪れないということは、空室なホテル、売り残るトロールそれに仕事が何千と無くなるということた(アイスランドは政府の救済が必要になるかも知れないのだ。新型コロナウィルスがパンデミックにならないうちに財政難に陥りつつあった)。
私は修正された隔離ルールと闘っているときでさえ、アイスランド当局は、コーヒーバーや公衆トイレをチェックしながら、国境を再開する方法を探っていた。5月12日にカトリン・ヤコブスドッティル首相が6月中旬には訪問客を受け入れる計画を発表したのだ。発表ではケフラビィックに着いた外国人は3つのオプションが与えられる。新型コロナウィルス検査の確認証を提示、PCR検査を受け、隔離される。検査を実施するのは誰か。すべてを軌道に乗せる方法が特定できないでいる。

2020/07/14

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策 15

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策
【その11】

アルナルソンは帰国するとすぐに気分が悪くなった。彼の娘が新型コロナウィルスの家族の検査を申し込み、デコード社に提出された。陽性反応が出たときに、アルナルソンはアーティストの友人が借りていたスタジオに隔離された。毎日看護師と医師のチームの誰かから電話が入った。「体調はいかがですか?」「彼らが訊ねた。「症状はどうですか。助けが必要ですか」」彼は思い出した。「本当に驚きました。彼らの仕事が分かって快適でしたね」非常事態で呼び出される電話番号を受け取った。「彼らはそんに多くの電話を受け取っていないと思います。理由は彼らが積極的だったからです」「隔離されている間に妻と娘は新型コロナウィルスで最初陰性反応が出ていたがかかってしまいました」彼女らは同じ治療を受けた。みんな病院やクリニックに行くのを止めた。
アルナルソンは1人で6週間過ごした。家族と離れて彼は一度回復しても帰宅しなかった。その間アイスランドの他のところと同様に彼は毎日2時に始まる3人組のブリーフィングを見ていた。「政治家、医師、疫学者の3人組はヒーローです」とアルナルソン。「彼らは冷静に人びとに話しかけています。事実と基本を踏まえて。こういうやり方なら政治や政治家は必要ないんですよ。」
発生の真っ只中アイスランド政府は、20人以上の集まりを禁止した。また、高校や大学も閉鎖した(小学校やデイケアセンターは時間を制限して開けていた)。

2020/07/13

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策 14

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策
【その10】

今日アイスランドは今尚遠い。一番近いグリーンランドは氷に覆われていて、首都のヌークは100マイル離れたところにある。しかし、アイスランドはジェット機やクルーズ船を利用して死ぬまでに行ってみたい目的地になっていた。去年200万人の外国人が訪れた。これは10年前の4倍に達している。アイスランドの新型コロナウィルスの犠牲者は多分驚きに値しないが、休暇を楽しむ人だったはずだ。名前を公表していないが、オーストラリア人で、彼は3月6日に亡くなった。クジラ見学で有名な北の海岸の小さな町フサビークのクリニックに着いて直ぐの3月16日に亡くなった。
検査で陽性反応が出た彼の未亡人は隔離を命じられた。アイスランド人から同情をされたラケル・ヨンスドッティルという女性が、「私たちから愛を込めて」とフェスブックに書き込みをした。だからフェスブックを見た人たちが彼女に投稿してきたのだ。1万人以上の投稿があった。「あなたは私を見たこともなく知らないけれど、あなたのことを気にかけています」ヨンスドッティルが書いた。
アイスランド人もまた、旅行好きだ。2018年には人口の80%が休暇で海外に出かけている。私は海外からウィルスを持ち込んだレイキャビークの何人かに話を聞いた。絵画のディーラーをしているビョルクール・アルナルソンのギャラリーに行ってその話を聞いた。その時店は閉まっていた(ルール4b: インタビューを受けた人たちだけはジャーナリストと対話ができた)。
一般にはデンマーク系アイスランド人アーティスト、オラクル・エリアソンの名前で知られるアルナルソンは、3月の初めにニューヨークのアーモニーショーに出演した。ショーの後に手食料理が出る賑やかなパーティーに出席した。「私が初めてではありません」彼は私に語った。「しかし、アイスランドで何が起きているか知っていました。ヨーロッパで起きていることも。ニューヨーカーの信頼に心を打たれたんです。彼らは起きていることを信じなかったか、起きていても何とかやっていけると思っていたんです」

2020/07/12

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読かむ アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策 13

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策
【その9】

アイスランドは地球上で人の住める場所で最期の土地だった。9世紀の終わりの時期までは。デコード社による実践された遺伝学的分析が示しているのは、アイスランドの初期の住人は、主にノルウェーやイギリスの島々からやって来た男性だった(女性はヴァイキングに捕まり強制的に連れて来られた)。
何世紀もの間どこから誰が来ようがアイスランドへの旅行をほとんど邪魔する者はいなかった。効果がなかったようだ。低い人口密度と結びついた孤立には免疫を保持する傾向がみられた。例えば、この国には黒死病(ペスト)は存在しなかった。しかし、病気が潜り込んだときに免疫がない集団に影響して拡大してしまった。1707年に1人のアイスランド人がコペンハーゲン旅行中に天然痘に罹患、彼は帰国途中に死亡して海に埋葬された。彼の遺品の洋服が南の海岸のエイラルバッキの町に引き上げられた。そして、1709年頃発生が爆発、国の人口の4分の1が死亡した。

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【アイスランドの地図】―ウィリアム・モリス
大塚光子訳『アイスランドへの旅』より

2020/07/11

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策 12

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策
【その8】

代わりに施設が削減されたようだ。新型コロナウィルスのアイスランドの致死率は、確認されたところでは80人に1人、ちょうど0.56%で世界でもっとも低い数字だ。数字が低いので疑惑が上がった。ミュラーの部局は、発生し始めてからどんな理由であれ何人死亡しているか調査することを決定した。判明したのは、アイスランドの死亡は新型コロナウィルスが到来して以来実際に下がっていた。
私はミュラーにマスクについて訊ねてみた。マサチューセッツでは州知事が発令した高官命令で店の入口、タクシー乗車、公共機関ではマスク着用を義務化し、違反者には300ドルの罰金が課される。アイスランドではマスクはほとんど話題になっていない。ミュラーが言うには、マスク着用は病気や風邪の人には助言できるが、ともかく人は市中で歩き回るべきではないのだ。「付加したり、安全性について見誤った考えを持つとは思わない」「また、マスクは時々使用して濡らして使えなくすることです」とミュラーが言った。ミュラーはアイスランドの新型コロナウィルス克服についての発言には慎重だった。3人組やアイスランドのためにも、彼女は自分が功績があったことに迷惑している様子だ。ボタンを押して彼女が行く一番遠いところは次のようにいうことだった。「過去に金融破綻があった国です。雪崩、地震や火山爆発など自然災害についても対処しています」国の新型コロナウィルスに関する経験について私に見せてくれたスライドには「成功?」というラベルが貼られていた。

2020/07/10

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策 11

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策
【その7】

ミュラーはパソコンにグラフと図表を描いた。これは一人あたり他の北欧諸国よりまた、イタリアやイギリスよりも多く症例があったことを示していた。アイスランドの北西のボルングアルヴィークの町やウェストマン諸島、南の海岸沖の列島では自宅治療で発生し、ハンドボール大会で始まったようだ。
「最初の数は恐ろしいほどだった」ミュラーは語った。国の成功は早い時期にスタートしたことで、取扱件数を低く抑えられたと考えている。アイスランド大学病院と伴走している“3人組”は、1月にミーティングを始めていた。「中国で何が起きているのか」彼女は思い出した。「私たちは緊急事態局や道路でさえ人が倒れて死んでいる写真を見たんです。だから何か恐ろしいことが起きたことは確かだった。他の国に拡大するかは知らなかったんですよ。チャンスがなかったから準備したのです」「例えば、国が医療従事者に対して充分な保護装備を用意していなかったから、病院関係者がすぐに防護衣をもつと多く買い始めたんですよ」
一方、ミュラーは“バックアップ”チームを立ち上げ始めた。「アイスランドでは皆が知り合いなんですね」と彼女が言った。「私はアイスランド医療学会長で看護学会長に電話を入れました」最近退任したばかりの他の仕事を続けた看護師で緊急事態に署名した人だ。新しい症例がすぐに診断されスタートすると、パンデミックで閉めていたオフィスの医師と共に、バックアップチームが電話で人びとをカウンセリングした。「もしあなたが70才で血圧が高ければ、毎日電話できますよ」ミュラーが私に語った。「もしあなたが若くて健康ならば、1週間に2度で良いかも知れません。これで数少ない病院入場許可や集中治療の許可が得られたことになるんです」

2020/07/09

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【その6】

その夜神聖なる3人組は、奇跡的な救助をしようとバスローブを身につけていた。アイスランドの歳入の約40%は観光業が占めている。イギリス、アメリカやドイツからやって来るすべての人たち―新型コロナウィルス感染拡大でホームステイしているが―向けに環境を整備するため、政府はアイスランド人はあえて国内旅行をするよう要請した。レイニッソン、グズナソン、ミュラーは、別々の部屋に入った。レイニッソンはホール側、他の2人は反対側に入った。3、2、1とカウントして彼らはドア(可笑しな出で立ちだが)を開けることになっていた。それからレイニッソンはカメラを覗き、さわりどころを喋った。「万一の場合に備えよう。」(そうしたときはカメラクルーは大笑した。現地語のアイスランド語で笑いを誘うような言葉を発したに違いないと想像してみるしかなかった)1人がやればあとの人も続けると、私は国立アレルギー・感染病研究所の所長アンソニー・ファチ、疫病コントロール・予防センター長のロバート・レッドフォードそれに政府のコロナ対策のコーディネーターのデボラ・バークスを写真に収めようとした。
ハプニングが起こったとき私は翌朝ミュラーと会う約束を取りつけていた。彼女は港近くにあるスマートなガラスのタワーにある事務所に戻っていた。座って彼女が最初に言ったことは、「ごめんなさい。アメリカが大変な困難に直面していることを2月はじめから知っていたの」だった。ミュラーは集中治療の外科医で、1990年に彼女はアイスランド海岸警備のドクターヘリの最初の女性になった。仕事は病人を扱うため北アトランティック海で低空して漁船に乗り込むような危険な仕事を伴っていた。2018年に彼女は衛生局の最初の部長に就任した。

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策 9

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策
【その6】

「これは極端にバランスを取ったやり方で成し遂げたんです」また、「当局はすべて正しかったと思いますよ」他方で私にそう言った。「全体的に見てすばらしいことは、アイスランドでは公衆衛生局の運営で絶えず行ってきたということです。彼らは計画を提案して制度化した。私たちは幸運だったんですよ。政治家が彼らを手中におさえてくれたからね」

レイキャビークで私は議会からそう遠くない、アールデコ調のビルの閉鎖していないホテルに宿泊した。ある夜ホテルに戻ってみると、ホテルの通路を遮って撮影隊や乱雑に置かれた機材を見つけた。カメラの前で2人の中年の男性と女性が立っていた。白いテリーバスローブを纏っていた。わずか2日の宿泊だったけれど、私は合点がいった。彼らは新型コロナウィルスに対するアイスランド政府の考えを伝えているチームだった。国の非常事態管理部長のヴィジュール・レイニッソンと疫学者のポロルフール・グズナッソンそれに衛生局部長のアルマ・ミュラーだった。レイニッソン、グズナッソンそれにミュラーは、アイスランド海岸警備局の臨時新型コロナウィルス指令センターで一緒に働いていた。3月、4月、5月のほとんど決まって午後2時に共同のブリーフィングを行っていた。その時に彼らは事実に基づいて何を知らせるかしないかを議論した。時々パンダミックについて子どもに話しかけるように話をした心理学者をゲストに招いた。彼らはよく誤った情報に警告を発した。例えば、漂白剤を飲めばウィルスと戦う意欲が命取りになるというようなこと。アイスランド人の4分の3はある時点で同調した。レイニッソン、グズナッソンそしてミュラーが「トリオ」になったことは有名だ。ある人は“神聖なる3人組”だと私に語った。

2020/07/07

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超人の読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策
【その5】

一方、デコード社も陽性に戻ったアイスランド人すべてからウィルスを配列していた。ウィルスが人から人へ移ると突然変異を取り出した。これらを分析することで遺伝学者は、病気の拡大を地図化できる。発生の初期段階ではイタリアアルプスからアイスランドへ帰国した旅行者が最初の感染者だと思われていた。しかし、デコード社の研究者が発見したのはイタリアに注目している間に、ウィルスが静かにイギリスをはじめ他のヨーロッパ諸国へ紛れ込んだという事実だ。アメリカの西海岸の旅行者がある系統で、もうひとつの系統は東海岸から持たされをたものだった。東海岸のものはイタリアあるいはオーストリアからアメリカへ輸入されヨーロッパへ戻ってきたのだ。
感染した人のウィルスを順序よく配列することで、デコード社の研究者もまた、いかに感染拡大したかについて仮説を立てることができた。「最大の関心事はすべてのデータに子どもが両親を感染させた症例がたくさんあることだった」ステファンソンが私に語った。ステファンソンは度々アイスランド政府を批判している。彼は漁業会社の経営から病院の財政まで幅広い問題について新聞で頻繁に意見を述べ続けてきた。(数年前に彼はある嘆願書を閲覧した。それは政府が健康管理にお金を費やすことに成人人口の3分の1が署名したものだった)彼はいつ何時も必ずと言っていいほど大臣と次から次へと口論になった。3月にアイスランドデータ保護局が、デコード社の要求について即座にルール化はできないと言ってきた。ステファンソンはフェスブックで長い間非難してきた。しかし、私がステファンソンにアイスランド政府の新型コロナウィルスに対しての応えを訊ねると、彼は親切な言葉をかけてくれただけだった。

閑話休題。改めてアイスランドの地理的位置を地球儀で確認したら、今更ながらアメリカからはそう遠くない位置にあることが分かる。極東の日本からはやはり遠い―。そして、この小国は遺伝子研究では先進国なのだ。

2020/07/06

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超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策
【その4】

ステファンソンはアイスランドの最初の症例が発表された後の数日は新型コロナウィルスの研究に没頭することに決めた。新型コロナウィルスの致死予測をラジオで聞いた朝、車で会社に向かった。「感染した人の3.4%が死に至るんですよ」ステファンソンが思い出した。「致死数の数え方が理解できなかったんです。社会のウィルス浸透を知らないんですよ。だから私は仕事に戻って同僚と仕事についたんです。私はアイスランドでは一般集団を検査することを申し出るべきです」と彼らに言った。
アイスランドの大学病院はすでに新型コロナウィルスの症状のある人々を検査していた。しかし、無感染者や軽い症状の人々を検査することによってデコード社では多くの症例を掬い上げるが、一方では、見逃しも生じた。これらの症例もまた、追跡チームの仕事になった。アイスランドは5月17日までにウィルス検査を人口の15.5%まで実施した。アメリカでは3.4%だった。

2020/07/05

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策 6

超人の面白読書  雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策
【その3】

数日後資格があるため否が諾になった。私はジャーナリスト用の調整された隔離部屋に入らなければならなかった。感染防止の規則のリストはシングルスペースで4ページに達し―本当は使わない―公衆トイレの使い方についての但し書きも含まれていた。シナリオ6つで構成されていた。それは「私企業設置の公人の面接」、「個人の屋外設置での面接」で、各人の扱い方を詳しく指示してあった。「仕事場での公務員の面接」が許されていたが、様々な条件が付いていた。(「公共団体の部長は、面接を受けないとしても、知らされ面接した人に告知しなければならない。ジャーナリストはサイトを見れない。案内人でさえ。しかし、面接用スペースだけは見ることができる」)
アイスランド航空はこの時点ではボストンからの散発的なフライトを除いて、アメリカからのサービスを中断していた。私が離陸した日の土曜日はローガン国際ターミナルは厳粛で霊廟のような静けさだった。航空券1枚でもカウンターは閉まっていた。機内で私は200席近くのうち満席の14席を数えた。私は前の列にいた1人の女性と少し話した。彼女はアイスランドのサッカー選手のフィアンセを訪ねるところだった。しかし不幸にも彼女は最初の2週間は別々のアパートで過ごさなければならないだろう。
明らかに数か月は設置されていなかった機内の雑誌は、雪の中で休暇を楽しむ人たちの写真で一杯だった。それは他の時代の遺物として輝く刷り物として読める。乗務員の一人が私に言ったのは、パイロットを含むすべての同僚のほとんどが3ヵ月の告知を告げられたことだ。彼らは臨時便だけ搭乗していた。一般的には憂鬱になるにもかかわらず、どこかへ飛んでいけるスリリングな面があった。前週の8週間、私が行った最も遠いところは酒屋だった。
アイスランド国際空港ケフラビークに着いたとき、私は良心の最初の危機に直面した。様々な活動が制限されるなか、知ってはいたがショッピイングはできた。しかし、アイスランド航空は夜の10時でフライトの食事サービスは中止していた。免税店には入れたか。実行したのだ。その夜の夕食はビールとリコリス(甘草)だけだった。
次の日ステファソンがホテルに私を迎えに行くことを申し出た。(危機2。「面接をした人は隔離したジャーナリストからできるだけ大きく2メートルの距離を開けなければならない」)わたしがポルシェに乗り込んですぐに、彼がどこの出身と質問した。私が西マサチューセッツと答えると、「恐らく世界一退屈なところだろう」と高らかに言った。
71才のステファンソンは背が高く、広い肩幅を持ち、白髪でヘミングウェイ張りの白い顎髭を生やしていた。80年代と90年代はほとんど彼はアメリカに住んでいた。シカゴ大学で教え、その後ハーバード大学で教えた。病気と遺伝的変化の関係を研究するため、国の小さな近交的集団を使うという考えを抱いて帰国した。これは以前人間のゲノムは規則正しく配列されていた。ステファンソンは海図のない海を航海していた。彼はデコード社を設立し大企業に育てたが、他と同じく2008年の金融危機で破産した。デコード社は現在「アムゲン」というアメリカのバイオテク会社が所有している。会社はレイキャビークの地方自治体の空港からほど遠くない、なめらかで金属加工が施されたビルに入っている。地下の冷凍貯蔵室には大雑把にいえば、国の2人に1人の18万人のアイスランド人の血液サンプルが貯蔵されている。

2020/07/04

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策 5

アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策
【その2】

追跡チームもまた、52人のメンバーまで成長していた。彼らはレイキャビークのあるホテルの会議室でシフトしながら働いていた。ホテルは観光客がいないので閉まっていた。晒された人を見つけるため、チームのメンバーが搭載明細表をスキャンしたり、セキュリティカメラの痕跡をスキャンしていた。バスのなかやレクチャーホールで隣に座ってピンポイントを試みた。
病気になったある男性は、最近コンサートに行っていた。彼が唯一思い出した男性は、妻がいる間接触していた。しかし、追跡チームが捜査してコンサート後にパーティーを行っていたことが分かった。
「この集まりでは人々はハグしたり、同じトレーで食べたりしていたんですよ」パルマソンが私に語った。「だから決定が下されたんです。すべての人を隔離することをね」もしあなたが海外からアイスランドに帰国したら、あなたも電話を受け取っていたはずです。あなた自身も隔離されると。同時に、国は新型コロナウィルステストを積極的に行ってきた。世界のピーク時に一人ひとり。
アイスランドは都市封鎖をしなかった。例えば、ナイトクラブやヘアサロンなどのビジネスだけは例外的に封鎖した。レイキャビークの誰もがマスクをかけていなかった。5月中旬にパルマソンに話を聞きに行った。追跡チームはほとんど誰も残っていなかった。前週アイスランドのすべてでわずか2人だけ新型コロナウィルス感染症例が確認されただけだった。国はどうしても曲線を平にすることはできなかった。事実上排除したかのようにみえた。
私は3月にアイスランドに行く予定を立てていた。新型コロナウィルスと関係のない記事を書くためだった。突然出張が取り止めになったのだ。EUはアメリカ人の入国を禁止し、アメリカはヨーロッパからの入国を禁止した。フライトはキャンセルされた。私の身に起こる前は復活しないように思えた。アイスランドの新型コロナの反応について書いていたらどうなったか━。
私はネットを見て学んだ。それは入国するすべての人が、2週間隔離される方法について要点を簡潔にまとめてある書類を提出する必要があるということ。私は外務省に出向き、ジャーナリストとして適用外にしてくれないかと交渉したが、返ってきた答えはノーだった。
私はいくつかメールをし電話をかけまわった。アイスランドの人口は、デンバーの半分の36万5千人で、よく知られているように緊密関係にある。文字通りほとんどの人が他の誰かとつながっているのだ。もし2人が自分たちの家族がどのように絡み合っているか知りたければ、de CODEデコード(遺伝子解読)と命名されたアイスランドのバイオテック会社が経営する遺伝子データベースで調べられるのだ。アイスランドはたくさんの人々を検査できた。というのも、発生最中、デコードを使用するため最先端施設をウィルス検査用に替えたのだ。神経学者で国の有名人である社長のカリ・ステファンソンに連絡を取った。彼はうまく切り抜けられるだろうと私に語った。

2020/07/02

超人の面白読書 雑誌『ニューヨーカー』を読む アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策 4

下記は試訳。因みに、原文はA4用紙で15頁以内、試訳は7回ほどのパートに分けて掲載。この報告でアイスランドの新型コロナウィルス対策の現状が分かって大変興味深い。


アイスランドの新型コロナ感染拡大克服策
【その1】

2月28日の朝、レイキャビ―クの警察署の刑事エバール・パルミ・パルマソンが上司に呼び出された。アイスランドの新型コロナウィルスと確認された症例ではなかったが、国の国民保護防災局が新設された。PCR検査で陽性反応が出たら、チームは接触した人の追跡を追う必要がある。「私たちは話していたんですよ。最初の症例が出るのはこの1週間だろうと」パルマソンは思い出した。「その2時間後に電話を受け取りました」ドロミテスでスキーをしていたある男性が国の最初の新型コロナウィルスの感染者と知らされた。
他の警察官と2人の看護師それに犯罪の専門家がパルマソンのチームに割り当てられた。「追跡テクニックを用いて人々を見つけ出し、症例から情報を収集しました」パルマソンが語った。「チームが学習した男は感染する前の数日間アイスランドに帰国していました」その時彼は皆と同じように、仕事をしたり仲間と会ったりして過ごしていた。彼の近くで15分以上過ごした人は誰でも潜在的には感染していたと考えられる。(「近く」とは半径2m以内、6feet以上と定義された)彼が最初に感染を経験する前の数日間過ごした人は誰もである。
チームは66人の名前のリストを捜し出してきた。夜中までに66人すべての場所を特定し14日間強制的に隔離した。最初の症例に続いて3件以上、6件以上それからアタックした。3月までにアイスランドでの確認された新型コロナウィルスは、60人、70人そして100人までに増加していた。
国の人口の割にはアメリカの増加よりはるかに速かった。一方、追跡チームが行った人数は忽ちに上がっていた。ある感染者は5人あるいは56人以上近くにいた可能性が高かった。ある若い女性は、PCR検査で陽性反応が出る前はクラスに出席し、劇の練習をし、合唱の練習にも参加していたなど大変活発に行動していた。彼女の接触は200人近くになった。すべての人が隔離された。

2020/07/01

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