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2020/04/10

超人の詩鑑賞 T・S・エリオット『荒地』エトセトラ

T・S・エリオット作
『荒地』 (The Waste Land)


The Burial of the Dead


April is the cruellest month, breeding
Lilacs out of the dead land, mixing
Memory and desire, stirring
Dull roots with spring rain.


Ⅰ 死者の埋葬


4月は最も残酷な月、死んだ土から
ライラックを目覚めさせ、記憶と
欲望をないまぜにし、春の雨で
正気のない根をふるい立たせる。
(岩崎宗治訳)


四月は残酷極まる月だ
リラの花を死んだ土から生み出し
追憶に欲情をかきまぜたり
春の雨で鈍重な草根をふるい起こすのだ。
(比較参照: 西脇順三郎訳)


『荒地』Ⅰ 死者の埋葬 冒頭4行。

訳注。『荒地』は難解な詩である。絵画や文学におけるモダニズムに親しみをもっている読者は、シュールリアリズムにおけるコラージュを見るように、この詩を読みとることできるかと思う。だが、この詩は意味を拒否したコラージュではない。一見ばらばらな断片の集積に見えようと、この詩は意味への意思をはっきりともっている。〈中略〉。第一次大戦後のヨーロッパの荒廃を意味するものとして受け取られた。1922年の歴史的情況において、それは正しい理解であった。だが、この詩はそうした時事的関心を超えて、人類史の中の死と再生についても深い洞察を含んだ詩である。『荒地』という題名は、中世ヨーロッパのアーサー王伝説の中の「聖杯伝説」から来ている。―T・S・エリオット作 岩崎宗治訳『荒地』 岩波文庫 2019年より引用。


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4月は笑えない、最も残酷な月だ!
現代人類史に暗い影を落としている。
コロナが猛威をふるって
人間社会を危機にさらしているのだ。


今朝の東京駅構内は人は疎らで異様にがらんとしていた。
昨夜担当大臣が都内をパトロールして8割かた夜の不要不急を避けているか偵察したとメディアのインタビューに応えていた(実際に目にした光景は4割くらいと)。8割かただとコロナ感染拡大が収まるとみての行動だ。まさしく監視社会。それにしても目に見えない戦争は怖いが、その光景はさらにディストビアの様相を呈している。


【追記】「西脇順三郎を偲ぶ会」の事務局から届いたばかりの小冊子『幻影』No.36の最新号(太田昌孝先生の講演と永田隆史先生の寄稿など)と毎日新聞(2020年1月4日)文化欄(文学逍遥第22回案内人大野裕之(脚本家・プロデューサー)『西脇順三郎詩集』)を読むはこちら→

西脇順三郎詩集 - 20200501110938.pdf


幻影最新号 - 20200501114801.pdf

【追記2】「西脇順三郎を偲ぶ会」会報『幻影』最新号(No.36 2020.1)を楽しく読んだ。太田先生の西脇詩への熱い思いは、至るところに散りばめられていて読む者にもその情熱が伝わってくる。『西脇順三郎物語』の有効活用は太田先生はじめ会員の方々の手弁当によって実践中と会報にも書かれていた。願わくば太田先生の執筆による(共著)『詩人西脇順三郎―その生涯と作品』も活用してもらいたい。有名な「天気」や「雨」の詩の評釈は何度読んでもおもしろく新鮮だ。永田隆史先生の西脇順三郎英詩のことやT・S・エリオットの『荒地』詩の訳や語釈の話には、先生独自の深い味わいを感じたほど。
コロナ禍の4月で思い出したのが、T・S・エリオットの詩で、筆者はほんの触りを書いたのだ。(2020.5.5 記)

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