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2020/02/04

超人の面白読書 145 雑誌『すばる』2020年2月号 北野道夫「予測A」を読む 4

奇妙な想像物をこしらえて滑稽がっているシーンも。

*3 (全年齢向け)

今日も合併相手の男子校から生徒会の役員が4人来て2時間ほど議論していったが、委員会の女子たちの頭の中はチ●コのことでいっぱいだった。
男子生徒たちが退室するとき、女子生徒たちは誰も立ち上がらなかった。彼女たちの股間に生えたチ●コがはち切れんばかりに勃起していて、立ち上がれなかったのだ。
それが生えてきたのは1ヶ月前のことで、委員会の女子生徒たち全員に同時に発生した。◻◻の娘の★★も例外ではない。
女子生徒だけになると、教室はたちまち賑やかな声で溢れる。会議資料の上に携帯端末や菓子や化粧道具が広がり、会議の内容はすぐに忘れた。
「ウサイン君ってチ●コでかそうだよね」
「え―、ガダイがいいからって分からないよ。李君のチ●コ見てみたいな」
「クリス君は?」
「被ってそう」
〈中略)
こんなことは親にも教師にも相談できないが、別に問題はない。彼女たちは真っ先にクロールに相談した。
「オッケー・クロール、うちらチ●コが生えてるんだけど?」
クロールによれば、それは想像ペニス〈イマジナリー・チ●コ)というものだった。想像妊娠はよく知られているが、その前段階として想像ペニス、想像性交があり、妊娠の後には想像出産、想像子女がある。
主な原因はストレスで、彼女たちの場合は男子校との合併というストレスが、意識、無意識、物理、様々な位相で影響を及ぼしていると考えられる。

(P.45-P.46)

そしてこの物語は次のように書いて終わる。


こうしている間にも、妻は間男に抱かれているかも知れない。現在進行形で私の家族は消滅し、仕事は奪われ、社会や歴史や自然環境は誰かの都合で改変されつづけている。それなのに私は、ここでこうしてロボット掃除機の小娘のAIを相手にセクハラごっこに興じている。これも誰かの予測通りだろうか。

(P.67)

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