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2020/02/03

超人の面白読書 145 雑誌『すばる』2020年2月号 北野道夫「予測A」を読む 3

そして、主人公が部屋でセルフプレジャー(マスタベーション)する場面。

私は部屋の机の前に一人座って、性器に血が集まって来るのを感じた。
「僕は■■さんのことを考えて毎日エロいことをしている。300回回した」
「へえ、数えてるの?」
私のもう一つ告白を、■■は電話口で聞く限りは平然と受け止めたようだった。
「引かないの?」
「男ってそういうものなんでしょう?」
きっと年上の男に教えてもらったのだろう。■■のクラスメートたち、童貞の、10代の男子たちが家で何をしているか、男なら誰でも知っていることだ。
「これからも続けるの?」
「たぶん」

(P.25)


主人公と同じ会社の女性が交流した男性と情事にふける場面。


✳2 (成人向け)

池本の陰茎が鈴木の膣に半分入ったところで、ホテルの部屋の電話が鳴った。向こう三部屋先まで聞こえるようなけたたましい音だった。池本は無視して続けようとしたが、鈴木は膝を狭めて池本の動きを制した。
「出て」
池本は鈴木と半分繋がったまま、生っ白い腕と身体を伸ばして枕の上の電話を取った。ベルが止まって静かになる。池本は憮然とした態度で応答し、受話器を鈴木に差し出した。
「きみと話がしたいって」
「誰?」
「女の人」
役立たずと心の中で罵りなから、鈴木は受話器を受け取って耳に当てた。
「もしもし」
「鈴木さん、あなたと話がしたいんだけど、一時間後に池袋に出てこられる?」
「どなたですか」
「会ったら教えてあげるわ。断るとあなたにとって面白くないことになるって、分かるでしょう?」
鈴木には朝から違和感があって、家を出るときにははっきりと視線を感じたら、すっと尾行され、今も監視されているのかも知れない。だからこんな電話に敢えて出たのだ。
「高田の差し金ですか」
「詮索は無駄よ」
池本がにやりと口を歪ませて陰茎を一気に根元まで差し込み、激しく腰を振り出す。ベッドが軋み、身体は波打ち、接合部は泡立ったが、鈴木は無表情を崩さず、平然と会話を続けた。
「今、取り込み中なんです。2時間後じゃだめですか」
「私は結構忙しいの。1時間ですべて済ませて池袋まで来て。あなたならできるわ」
電話の女は鈴木が今何をしているか分かっているような口振りだった。池本は相変わらず一生懸命腰を振っているが、鈴木にはまったく響かない。膣の中で陰茎がだんだん失ってゆく。
「なら、あなたが渋谷まで来たらどうですか?」
「嫌よ、あんなどぶ臭いところ」
池袋だって大差ないだろうと思ったが黙っていた。電話が切れると、鈴木は頭上に受話器を持っていって器用に本体の上に戻した。
「あのさ」
池本が気まずそうに見下ろしている。
「全然気持ちよくない?」
こいつは相手がよがらないと自分も気持ちよくなれないタイプか、面倒くさいな、これきりにしようかな。鈴木は両足を池本の腰に絡めて密着し、恥骨同士をぶつけた。
「我慢してたの、もう、馬鹿!」
萎えかけていた陰茎が再び鈴木の中で実体化してくる。そして最大限のそれを軽く締め付けてやると、池本はあっけなく果てた。

(P.39)


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