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2019/12/21

超人の面白読書 144 井上萬葡『オシャレなスイスワイン 観光立国・スイスの魅力』

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【写真: ⑦⑧日英語による本書の要約】

 

 

ボジョレー・ヌーボーの季節に新たなワインについての蘊蓄を傾けた、いな、芳香な香りを文章から嗅ぎ取れる本が出た。井上萬葡著『オシャレなスイスワイン 観光立国・スイスの魅力』だ。著者は日本で唯一のワインジャーナリストで在日スイス商工会議所会員(SCCIJ)。外資系のホテルなどでワインセミナーの講師も務めている。いわゆるハウツーものではなく、本格的なスイスワインと文化について書かれた本で、著者の熱量が充分に感じられるオシャレで素敵な本だ。最新情報を盛り込みながら、スイスワインの歴史、産地と特徴、古城めぐり、芸術家、20年に一度のワイン祭り、チーズ・ワインの食文化、自然農法、詩人リルケのエピソードなど内容は多岐にわたりしかも濃厚。タイトルが示しているようにスイスワインの言及はもちろんのこと、文化や観光までわかりやすくていねいに解説していてガイドブックには最適だ。口絵のスイスワインの産地イラストマップ(写真③)や未だにファンの多いオードリー・ヘップバーンの墓(写真④)、ブドウ畑に植えられた薔薇(写真④)、裏表紙(写真②)や本文に挿入されたスイスワイン祭りのカラー写真(写真⑤⑥)も際立った光彩を放っている。現地に行って困らないように問い合わせ先のURLや現地語をルビ付きで表記したりと著者の思いやりが感じられる本でもある。一読して“いいね”が何度もつきそうな好著。ここでスイスワインと文化についてほんの少し触れてみたい。筆者も青春時代に書いた小さな冊子の冒頭にリルケの『ドウイノの悲歌』から詩句を引用したことがあった――。今となっては遠い昔の出来事だ。リルケが書いた葡萄に関する詩を本文から書き写してみよう。

 

雪の名ごりは
日増しに消えて
灰褐色の土肌が
またあらわれる もとの場所に

 

敏捷な鋤がもう働いている
人は思いだす 緑が
特に好きな色であることを

 

丘の斜面にひとは結う
やがてやさしい四目垣を
葡萄に手を貸してやるがいい
葡萄はお前を知って 身をさしだす

 

(中略)

 

なんと倹(つつま)しいのだろう 葡萄は。
ほとんど花もつけないで
ただ未来の香りをそっと放っているばかり
それは苦労した土地が迷信深く
約束をしないでいるかのようだ

 

(中略)

 

オルガンの鍵盤のような葡萄山の段丘よ
一日中 日光がそれをたたいている
それから興える葡萄の蔓から酒杯へと
鳴りひびいていく移調よ

 

―R.M.リルケ著、富士川英郎訳『ブァリスのスケッチ七篇 或はささやかな薔薇の年』より
(本文P.146~P.147)

 

スイスワインと言えば、希少価値のあるワインで価格は少し高めだがひょんなことから愛飲している―といってもクリスマスシーズンくらいだが―スイスはバーゼル ラント州のセルビルとクルースで生産しているGschwind ゲシュビントワイナリーのSteibängler Pinot noir シュタインバングラ―〈赤〉だ。口当たりが良くなめらか、初心者向きのワインでもある。
Pic00000d _20190807_200232 【写真: 代表的なブドウの品種のPinor Noir ピノ・ノワールとChasselas シャスラ(本書P.28 主なブドウ品種を参照)】

 

本書を読めばあなたもワイン通 !! 読んでから飲むか、飲んでから読むか。さて、あなたならどうする?

 

井上萬葡著『オシャレなスイスワイン 観光立国・スイスの魅力』 CPCリブレ No.11 エコーする〈知〉 定価1800円+税
2019年10月25日刊行 クロスカルチャー出版
本書は書店やアマゾンなどネット書店などで購入できるようです。興味のある方はクロスカルチャー出版のホームページを参照されたい。
URL: http://crosscul.com

 

 

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【追記】【大垣書店の大垣守弘社長と本店店長】

 

 

【追記2】著者から写真が送られてきました。紀伊国屋書店天王寺MIO店やジュンク堂大阪本店の一角に本書が。みなさん、手にとって読んで見てください。(2019.12.15 記)

 

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【追記3】朝日新聞2019年12月19日朝刊の広告。
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【追記4】『図書新聞』2020年1月11日、月刊『たる』2020年1月号に書評が掲載されたみたい。(2019.12.26 記)
その書評を読むはこちらです⇒

図書新聞・雑誌たるの書評 - 20191226211718.pdf

 

👀【追記5】2020年2月23日付『京都新聞』に内容を的確に捉えた書店人の書評が掲載されたみたい。因みに、記事の提供は某書店のM社長です。
その記事を読むはこちら➡Image0 👀その前に書き手の方から送ってもらったものはこちら→

京都新聞書評欄 - 20200224160353.pdf

 

👀本書のP.64~P.68には「ホラー小説の招待」、『フランケンシュタインFrankenstein』と『吸血鬼Vampyre』ができるまでが書かれているが、筆者は偶然にも土曜日の昼にスカパーで2017年エル・ファニング主演の映画『メアリーの総て』を視聴した。それで本書を思い出したのだ。その映画の内容等についてはこちら⇒https://gaga.ne.jp/maryshelley/  (2020.4.27 記)

 

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