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2019/12/26

超人の面白ラーメン紀行 267 文京区本郷 『札幌ラーメン三好』

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先週の土曜日の本郷界隈散策で出くわした札幌ラーメンの店。この時もう一つ眺めた本郷の古本屋の一つ、森井書店に草野心平関係の古本を買いに来たのだ。ネットで探していたらここの古本屋にぶち当たったので、電話してすぐ駆けつけた。で、遅いランチにとこの札幌ラーメンを選んだのだ。要は札幌系の味噌ラーメンしかも素朴な味噌―西山製麺の黄色い縮れ太麺、多めでシャキシャキ感のあるモヤシをはじめたっぷりの野菜、大きいチャーシュー、あふれるほどのコーンとバター、そうそう、1980年代の札幌駅から大通り界隈にあったラーメン店の味を求めて―を食べたかったのだ。
味噌バター(910円)を頼んだ。無料だったのでモヤシそれにスープも追加した。一啜りの感想は似て非なるもの、ナンチャッテラーメンで出汁がイマイチ、インパクトがない。平べったく縮れているようでいないような中細麺、モヤシは茹で過ぎてシャキシャキ感はほとんどない、バターは少し小さいとナンチャッテラーメンそのもの。その中でもチャーシューだけはまあまあ。全体的に小ぶり、あの大ぶりの素朴な札幌味噌ラーメンはどこへ行った? 見れば中国系のラーメン店の様子。客は3、4人いたか。店内も少し暗い感じ。折角期待して入ったのに、これでは看板倒れだ。

文京区本郷『札幌ラーメン三好』1.スープ★☆2.麺☆☆3.トッピング★☆4.接客係・雰囲気☆5.価格★

【追記】穴あきスプーンは使わなかった、いな、使えなかった、必要なかった、邪魔だった(笑)
【追記2】偶然にコンビニで新発売のカップラーメンの札幌ラーメンを見つけ試食。スープはリアルなラーメン店顔負けの味だ。(2019.12.26 記)
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2019/12/23

クロカル超人が行く 244 本郷 根津 谷中 千駄木 日本橋 秋葉原

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アメリカはアトランタに住んでいる友人一家(奥さんと息子)が一時帰国。一日筆者の案内で下町散策をした。総歩数、25000歩。下記は所々で撮影した写真。


【写真説明】

❶東大赤門前で記念撮影。このあと構内のショップへ。東大が独自に開発したアミノ酸もの。日本酒、ボールペンなど文具類、ネクタイまで揃えた東大グッズが所狭しと置いてある。❷金魚坂。創業350年、カフェも兼ねた錦鯉の卸問屋。開店前、いけすの金魚見て終わりに。❸金魚坂の幟。❹金魚坂外観。名物黒カレーは案内板で。❺『たけくらべ』や『にごりえ』などで有名な明治時代の作家・歌人樋口一葉が貧乏時代に通った旧伊勢屋質店。今は跡見学園の持ち物。❻菊坂下道沿いに住んでいた樋口一葉も使ったという井戸ポンプ。❼梨の木坂にある明治30年代に建てられた旅館鳳明館。アトランタ一家は興味津々。次はここに泊まるのかしら。❽弥生美術館・竹久夢二美術館。この日は雑誌『なかよし』の原画展開催で女性陣多数来館。夢二のメランコリックな世界に魅了される。“かわいい”の先駆者。着物姿の女性の顔の形、目、口の描き方が独特。その色使い、造形美。アトランタの主がこれ何と読むんだっけと説明文の“寡黙”を指した。カモク、silenceと思わず言い換えみたいに応えた筆者だったが、すかさず、not talk very muchだと主が呟いた。流石、アメリカ生活が長いだけある。❾高級魚や松本で北海道のもことこ産の蜆(150g、900円)を購入(夜、試食したが大きくてやわらか、美味)。狭い店内に高級食材がコンパクトに並ぶ。このマグロは美味しいよと店主。小さなマグロが2000円!❿SWEDEN GRACE店内。スウェーデン製の鍋敷きを購入。⓫猫好きの女優の川上麻衣子さん(本人に許可をいただいて撮影)は猫町にお店を。⓬川上麻衣子さんの北欧グッズの店外観。⓭千駄木の中華料理店『天外天』でランチ。ここは地下鉄千駄木駅すぐ近くにあった時から何回か訪ねている。特に麻婆豆腐とザーサイが美味。遅いランチ後日本橋へ。コレド室町テラス2階『誠品生活』のカフェコーナーのタピオカミルクティー。ウーム、これがタピオカ?? 雑貨を見たあと書店(有隣堂)を一巡。ジャンルで区切られた本や雑誌が並んでいて見やすいが客入りがイマイチ。⓮鉄板200℃秋葉原店のコースメニュー。


トウキョウに
師走姿の
エトランジェ


はにかみ屋
日本語届かず
冬明かり


老夫婦
冬空あおぎ
一安堵


【追記】本郷界隈の樋口一葉旧居跡、谷中コジャレ界隈で浴用束子を購入し、となりの『Bangobooks』で草野心平の本をゲット。


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2019/12/21

超人の面白読書 144 井上萬葡『オシャレなスイスワイン 観光立国・スイスの魅力』

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【写真: ⑦⑧日英語による本書の要約】

 

 

ボジョレー・ヌーボーの季節に新たなワインについての蘊蓄を傾けた、いな、芳香な香りを文章から嗅ぎ取れる本が出た。井上萬葡著『オシャレなスイスワイン 観光立国・スイスの魅力』だ。著者は日本で唯一のワインジャーナリストで在日スイス商工会議所会員(SCCIJ)。外資系のホテルなどでワインセミナーの講師も務めている。いわゆるハウツーものではなく、本格的なスイスワインと文化について書かれた本で、著者の熱量が充分に感じられるオシャレで素敵な本だ。最新情報を盛り込みながら、スイスワインの歴史、産地と特徴、古城めぐり、芸術家、20年に一度のワイン祭り、チーズ・ワインの食文化、自然農法、詩人リルケのエピソードなど内容は多岐にわたりしかも濃厚。タイトルが示しているようにスイスワインの言及はもちろんのこと、文化や観光までわかりやすくていねいに解説していてガイドブックには最適だ。口絵のスイスワインの産地イラストマップ(写真③)や未だにファンの多いオードリー・ヘップバーンの墓(写真④)、ブドウ畑に植えられた薔薇(写真④)、裏表紙(写真②)や本文に挿入されたスイスワイン祭りのカラー写真(写真⑤⑥)も際立った光彩を放っている。現地に行って困らないように問い合わせ先のURLや現地語をルビ付きで表記したりと著者の思いやりが感じられる本でもある。一読して“いいね”が何度もつきそうな好著。ここでスイスワインと文化についてほんの少し触れてみたい。筆者も青春時代に書いた小さな冊子の冒頭にリルケの『ドウイノの悲歌』から詩句を引用したことがあった――。今となっては遠い昔の出来事だ。リルケが書いた葡萄に関する詩を本文から書き写してみよう。

 

雪の名ごりは
日増しに消えて
灰褐色の土肌が
またあらわれる もとの場所に

 

敏捷な鋤がもう働いている
人は思いだす 緑が
特に好きな色であることを

 

丘の斜面にひとは結う
やがてやさしい四目垣を
葡萄に手を貸してやるがいい
葡萄はお前を知って 身をさしだす

 

(中略)

 

なんと倹(つつま)しいのだろう 葡萄は。
ほとんど花もつけないで
ただ未来の香りをそっと放っているばかり
それは苦労した土地が迷信深く
約束をしないでいるかのようだ

 

(中略)

 

オルガンの鍵盤のような葡萄山の段丘よ
一日中 日光がそれをたたいている
それから興える葡萄の蔓から酒杯へと
鳴りひびいていく移調よ

 

―R.M.リルケ著、富士川英郎訳『ブァリスのスケッチ七篇 或はささやかな薔薇の年』より
(本文P.146~P.147)

 

スイスワインと言えば、希少価値のあるワインで価格は少し高めだがひょんなことから愛飲している―といってもクリスマスシーズンくらいだが―スイスはバーゼル ラント州のセルビルとクルースで生産しているGschwind ゲシュビントワイナリーのSteibängler Pinot noir シュタインバングラ―〈赤〉だ。口当たりが良くなめらか、初心者向きのワインでもある。
Pic00000d _20190807_200232 【写真: 代表的なブドウの品種のPinor Noir ピノ・ノワールとChasselas シャスラ(本書P.28 主なブドウ品種を参照)】

 

本書を読めばあなたもワイン通 !! 読んでから飲むか、飲んでから読むか。さて、あなたならどうする?

 

井上萬葡著『オシャレなスイスワイン 観光立国・スイスの魅力』 CPCリブレ No.11 エコーする〈知〉 定価1800円+税
2019年10月25日刊行 クロスカルチャー出版
本書は書店やアマゾンなどネット書店などで購入できるようです。興味のある方はクロスカルチャー出版のホームページを参照されたい。
URL: http://crosscul.com

 

 

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【追記】【大垣書店の大垣守弘社長と本店店長】

 

 

【追記2】著者から写真が送られてきました。紀伊国屋書店天王寺MIO店やジュンク堂大阪本店の一角に本書が。みなさん、手にとって読んで見てください。(2019.12.15 記)

 

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【追記3】朝日新聞2019年12月19日朝刊の広告。
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【追記4】『図書新聞』2020年1月11日、月刊『たる』2020年1月号に書評が掲載されたみたい。(2019.12.26 記)
その書評を読むはこちらです⇒

図書新聞・雑誌たるの書評 - 20191226211718.pdf

 

👀【追記5】2020年2月23日付『京都新聞』に内容を的確に捉えた書店人の書評が掲載されたみたい。因みに、記事の提供は某書店のM社長です。
その記事を読むはこちら➡Image0 👀その前に書き手の方から送ってもらったものはこちら→

京都新聞書評欄 - 20200224160353.pdf

 

👀本書のP.64~P.68には「ホラー小説の招待」、『フランケンシュタインFrankenstein』と『吸血鬼Vampyre』ができるまでが書かれているが、筆者は偶然にも土曜日の昼にスカパーで2017年エル・ファニング主演の映画『メアリーの総て』を視聴した。それで本書を思い出したのだ。その映画の内容等についてはこちら⇒https://gaga.ne.jp/maryshelley/  (2020.4.27 記)

 

2019/12/19

超人のジャーナリスト・アイ 177 谷川俊太郎作 国境なき医師団に寄せるの詩

毎日新聞の日曜版に出たばかりの詩人谷川俊太郎さんが、今度は毎日新聞2019年12月18日の夕刊に国境なき医師団の展示に寄せた詩を書いた。


国境なき医師団に寄せる


傷ついて赤い血を流し
痛みに悲鳴を上げるのは
敵も味方もないカラダ
ココロは国家に属していても
カラダは自然に属している

肌の色が違っても
母の言葉が違っても
信ずる神が違っても
カラダは同じ
ホモ・サピエンス

続きを読むはこちら→

毎日新聞に掲載された谷川俊太郎の記事 - 20191219125414.pdf

先ごろアフガニスタンで銃で撃たれて亡くなったペシャワールの会現地代表で医師の中村哲さんもそうだったが、武器で平和は解決しない。紛争地の人々に治療を続けている国境なき医師団(MSF)が難民や避難民の苦しみに焦点を当てる展示を都内の千代田区外神田のアーツ千代田3331、1階のメインギャラリーで22日まで開催中。毎日新聞の記事から。

2019/12/18

クロカル超人が行く 244 関西学院大学構内の紅葉 2019年 VS 2018年

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今年と去年の紅葉の色づきがわかる写真。関西学院大学構内だが、撮影した場所が正門から少し左側の経済学部・商学部研究棟近く(今年、2019年12月11日撮影)と正門から奥右側文学部研究棟近く(去年、2018年11月30日撮影)のもの。

紅葉色ボルドー色になりにけり

2019/12/16

超人の面白ラーメン紀行 266 JR・横浜市営地下鉄戸塚駅『らぁ麺 ふじ松』

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駅周辺をちょっと数えただけでも15、6軒が犇めくラーメン激戦区戸塚に新規参入したラーメン店『ふじ松』。新宿、池袋、横浜駅にあるラーメン店『はやし田』の姉妹店で和食をイメージした淡麗系ラーメンだ。日曜日の夜に寄って、早速醤油らぁ麺(800円)を頼んだ。少し待って出てきたラーメンは見た目小さな感じのどんぶりで、トッピングもシンプル系。半透明な大山鶏スープを一啜り、旨味成分を凝縮したような味わいだが少し甘さが。コショウを借り入れたら甘さが中和された。ストレートの中細麺は、かん水の臭いが少し鼻につき(この臭いは久し振りだが)、麺が思ったより硬い。美味だが微妙な味わい。今までの淡麗系ラーメンとは一味違っていた。さらにトッピングの低温処理した肩ロース豚と鶏むね肉のチャーシューのやわらかさ加減も美味だが微妙。穂先メンマとほんの散らしたネギ、すべてはシンプルに仕上げた感じだ。
カウンター12、ボックス16の計28名が入れる店内、厨房が広くしかもスタッフの数も7名と普通のラーメン店より多い。スタッフも元気よく応対していた。客入りはまあまあ。ラーメン500円など企画ものもあってか並んでいるらしい。すぐ近くには10月に開店した会津系それに故佐野実の支那そばや本店、横浜家系と老舗や新興ラーメン店が並ぶ。このラーメン店は、トツカーナ1階通り側の焼き鳥屋『小路』やカレー屋『千吉』のあとになるが、さて、ラーメンビジネスが吉と出るか見ものだ。最後に一言、内装の和風仕立てには更なる工夫が必要かも。
JR・横浜市営地下鉄戸塚駅『らぁ麺 ふじ松』1.スープ★★☆2.麺★★☆3.トッピング★★☆4.雰囲気・接客★★5.価格★★

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2019/12/12

クロカル超人が行く 243 大阪難波 フランス料理店『草月』

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【特選黒毛和牛フィレステーキコース】

①食前酒アスティスプマンテ
②オードブルサラダ盛り合わせ
③フォアグラのポワレ
④本日のスープ コンソメ
⑤旬の新鮮魚のムニエル
⑥特選黒毛和牛フィレ肉のステーキ
⑦デザート盛り合わせ
⑧コーヒー
飲み物はビールと赤ワイン

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【写真の時計は動いていた!】


師走の浪花の夜
老舗のフレンチ
ワンコースに花が咲き

美味
C'est si bon

ワイン本とウィスキー会社の話
ええよ
ええよ


そうして
ミナミの夜は更けた

2019/12/11

クロカル超人が行く 242 大阪ミナミ『法善寺横丁』

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大阪ミナミのこの一角は火災があって一時どうなることかと心配だったが回復した模様。“包丁一本さらしにまいて・・・”と唄った藤島桓夫の名曲『月の法善寺横丁』、大阪人“聖地”の『法善寺』。30代に当時の取次店のY常務に案内されたところで、めっちゃ懐かしい。今回浪花の女性にガイドしてもらい、水かけ不動で祈願。そして、夜の法善寺横丁をチラリと覗いて、近くのホテルの36階のラウンジで浪花の夜景を楽しんだ。眼下に一際目立つ“御堂筋線のニーオンライト”がとてもきれいだった。元『新歌舞伎座』の写真に変身・変容の紆余曲折を語るより、浪花のど根性とユーモア精神が感じられるモダン建築の方に目を向けた方がよりリアルさが感じられる。そうそう、霊柩車を連想させる(その日本独特の霊柩車が今モンゴルでも走っているとか)。冠婚葬祭業大手の『ブルゴ』が、つい最近『ホテルロイヤルクラシック』の名前でオープンしたホテルだという。この向かいにはぼでじゅうの看板が見えるが、そこは昔『ナンバブックセンター』という書店があったところ。もちろん親会社はぼでじゅう。酒好きの鹿児島出身の書店員がいた。高島屋から転職した男性で、故郷の英雄、西郷どんがよっぽど好きらしく讃えること讃えること、それは尋常ではなかった!彼とは道頓堀でよく呑んだ。後年その店がみのもんた司会の店再生番組で取り上げられ放送された時には驚いた。古き良き時代の一幕である。

2019/12/10

超人の面白北欧映画鑑賞 スウェーデン・デンマーク合作映画『 リンドグレーン』

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12月上旬はスウェーデンのストックホルムではノーベル受賞式の時期。今回ノーベル化学賞を受賞した吉野さんが英語で専門のバッテリーに関する内容を動画を入れて分かりやすくスピーチしている映像がテレビで放映された。舞踏会に出なくてもいいならと出席したらしいが、何とも庶民的で微笑ましい。
そんなスウェーデンの恒例の行事のなか、昨日(2019年12月7日)から劇場公開中のスウェーデン・デンマーク合作映画『リンドグレーン』を岩波ホールで鑑賞。『長くつ下のピッピ』など多数の著作があるスウェーデンの児童文学者アストリッド・リンドグレーンAstrid Lindgrenの若き日の苦悩を描いた秀作。偉大な児童文学者にも光と影が――。その影に光をあてた10代後半から20代前半の、言わば、思春期の若い女性の屈折した姿を追った映画だ。作家としてデビューする前――その子ども時代の体験が後の傑作を生み出す――のよくある話で、自我に目覚めた身勝手な少女がやがて大人の女に変身していくさまをリアルに描き出している。ここには女性監督の厳しくも優しい眼差しがある。
スウェーデン南部のスモーランドで農場を営む敬虔なクリスチャンの家庭。アストリッド(ヒロイン)は、家の手伝いをするも反抗的な10代を過ごす。教区の委員を務める父と無口だが気丈夫な母それに兄妹弟と自然豊かな農場で働くアストリッドは、文才があることを父親に認められるも反抗的な思春期を迎えたのか、村の遊技場に顔を出すなどしてグレ始める。そんなとき父が小さな新聞社の助手の仕事を見つけてアストリッドを預けるが、新聞社の主は離婚寸前、精神的に追い込まれた状態で、ふと若い少女に目がくらみ過ちを犯す。やがてアストリッドは子を身ごもり思い悩む。はじめは村の噂など世間体を考慮して、新聞社の主の言うとおりにストックホルムに出て秘書の学校で学ぶが、同僚にデンマークで一人で産める場所があることを聞きつけ、そこで生むことを決心してデンマークの女性弁護士のもとへ行って産む。新聞社の主の離婚が成立するまで産んだ子どもを預かってもらうも、その主は離婚裁判成立を金銭で解決(はじめはかんつう罪で刑務所行きと言っていたことを信じ覚悟していたアストリッド・・・)。アストリッドは不祥事を金銭で済ました主の軽率な行動に怒り、子どもラーシュを一人で育てることを決意する。が、子どもを引き取って育てるが、離ればなれに暮らしたことがかえって災いしなかなかなつかない。出版社の編集部に職を得て仕事と子育てを両立させようと懸命につとめるもうまくいかず悩む。そんなとき上司であるリンドグレーンが何かつけ面倒をみる。やがて二人に愛が芽生える――。映画はここで終わる。このあとはリンドグレーンの助けもあって、作家デビューを果たす。力強く生きる女性と子どもへの愛情をたっぷりかけた子どもための物語を紡ぎだしていく。それは苦悩した思春期があったからこそ可能だった・・・。
スウェーデン南部のノスタルジックな美しい田園風景、田舎と都会をつなぐストックホルム行きの蒸気機関車、さらに船でデンマークに渡る二国間跨ぎ、いずれも精神的には苦痛の時期で、見える景色はいかほどだったか。それを醸し出すには余りある秋冬色、何となく陽射しのないモノトーンの世界を演出。しかし、強く生きる意志に、そう、ベートーベンではないが、苦痛を乗り越えてやがて歓喜に至る――。驚きに値しないかもしれないが、筆者が昨夏訪ねたストックホルム市立中央図書館の2階で、ヒロインアストリッドが苦悩についての本を借り出すシーンに出くわしたときには思わず親近感を抱いた。

忘れていた、最初と最後のシーン。作者とおぼしきおばあさんが、自分の部屋で本を読んで励まされた読者からの手紙を読んでいるところから始まり、ラストシーンもここへ戻る。2000年のはじめに亡くなったが長生きしたようだ。彼女の作品は世界中で読まれていてその数は膨大だ。

上映時間: 2時間03分。岩波ホールで2020年2月7日まで。

2019/12/06

クロカル超人が行く 241 相鉄・JR新駅「羽沢横浜国大駅」

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2019年(令和元年)11月30日に相鉄線がJRと乗り入れ、海老名から新宿まで30分くらいで結ばれた。たまたまこの辺に用事があったので、新駅「羽沢横浜国大駅」に立ち寄ったのだ。試しに横浜国大まで歩いてみたが30分ほどかかった。初めてで要領が掴めず遠周りしたかもしれない。駅周辺は更地でこれからといったところ。しかし、横浜国大へは密集する住宅街を通り抜けて行かなければならない。いずれにせよ、横浜国大へはどのルートもそれなりに時間がかかるようだ。

2019/12/04

冬の花 シクラメン

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シクラメン。冬のひざしをあびて何と色鮮やかなこと!
シクラメンといえば、四半期前に布施明が唄った「シクラメンのかほり」がチョー懐かしい。
彼の叙情的な唄が瞼に浮かぶ。元はといえば、あの小椋桂の作。彼の唄い方にはギター片手にもの静かに淡々と唄いあげる印象が強い。そこに人をひきつける魅力が隠されていたかも。彼ののびやかな声調とともに。ここ最近のことばで語れば、ええよ、ええよ、かな(笑)。


シクラメン今年もツヤふやし窓ガガミ


師走3日、晴。暖気。

2019/12/02

クロカル超人が行く 240 横浜中区 県立神奈川県立文学館「中島 敦展」余滴

「三月記」

唐の玄宗皇帝の時代。李徴は、若いころから学問に秀で、科挙に及第して官吏となったが、片意地で協調性がなく、人と交流することもほとんどなかった。下級官吏でいるよりは、詩人として名を残そうと役人を辞めるが、文名は上がらず、果てに失踪してしまう。
失踪の翌年、同じく官吏で、李徴の数少ない友人であった袁さんが、役目で山道を行くと、猛虎に遭遇する。「危ないところだった」と呟いたその声は、紛れもない、失踪した李徴のものだった。李徴は、己の数奇な運命を静かに語り出す。


「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」によって虎と化した男の独白を通じ、人間心理の深淵に迫ったこの作品は、発表から80年近く経ったいまも、広く読み継がれている。
李景亮撰「人虎伝」という中国の古典をもとに書かれてはいるものの、「人虎伝」と「山月記」では、李徴が虎と化した理由が大きく異なっている。また、自筆ノートからによると、(中略)「ボク場合、自尊心といふやつが、猛獣でしたよ」と書いている。
―図録「中島 敦展 魅せられた旅人の短い生涯」P.42より

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