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2019/10/08

超人の面白読書 143 粥塚伯正著 詩集『婚姻』

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雨の練習

あめあめ
あめ降る
地面です

あめあめ
あめ雨降る
学校です

きょうは雨の授業です
これから雨に入る練習です
はじめます

整列
雨も整列
雨にならへ
ひとりの生徒が
雨の数を
かぞえはじめると
みんなかぞえはじめる
雨じゃないことまで数にいれ

校庭で
さわりあった
こどもたちの聲が
道ばたに流れてゆき
集まってきて
相談しあっている
まとまらないから
ぼくしゃがむね

あめあめ
あめ降る
地面です

さあみんな散らばらない
雨に入る練習つづけるよ

ぼくは
たえまなく降っている雨をみている
みどり色の計画をしたことがあった
ぼくは雨をよけず
新しい天体の設計図をつくっていた
砂場ステーションを崩したとき
世界の環っかもいっしょに崩れていった
いろんなことを考えていたんだ
同級生の目玉が

雨のなかを泳ぎはじめた
泳ぎつかれ雨滴のなかに入って
休んでいる

みんな雨に入れないから
先生の番だからね
ぷーっ プーっ
笑わない!
先生は雨を通りぬけたけど
うしろのほうからやってきた
別のひとになって
それっておとなの特性だとぼく思う

はい、雨のなかに入れたひと

一滴の雨のなかから
指先がでてくる
みんなでひっぱる
ひっぱりだされたのがぼく

誰だかわかりません
先生は、
なんか歪んでいるけど
すぐもとに戻るからねといっている

ひとり入れたから
これで雨の練習おしまいだって
みんな散っていく
校庭にコウモリ傘が立っている
きっとここは宇宙になるところだ
ここから星や環っかとばすんだ
ぼくのからだまだちょっと粘菌ぽいけど
雨のなかに入れたからね
あと、せんせ
いいわすれたけど
きょう身長一センチのびました。


ぼくは今日もいわきで生きている

頬をかすめる
毎時0・23マイクロシーベルトの
風に吹かれ
3月11日のことを
思いだそうとしています

(中略)

鎮まらず!
鎮まらず!

死者たちよ叫びつづけよ
この惨状!

鎮まらず!
鎮まらず!
死者よ生者よ
たましいよ

生きつづけるため
生きつづけるため

しずまらず
しずまらず
しずまらず


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