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2019/08/02

超人の面白読書 141 雑誌『世界』8月号の特集2 出版の未来構想 10

[近代出版システムの形成と衰退]のところで星野氏が次のように書いている。「日販やトーハンなどの総合取次は、雑誌や書籍を書店に運んでいるだけではなく、書店から販売代金を回収し出版社に支払う決済機能や、大手や老舗出版社に対しては納品された出版物の代金を売れる前に一定割合を支払ったり、大手書店が新規店を出すとき、納品した商品代金の支払いを一定期間猶予するなど金融的機能、さらには書店が経営破綻しても出版社への支払いは保証する信用保証機能など、出版取引に関わる広範な機能も提供してきた。まさに日本独特の出版プラットホームだった」。また、物流コストの値上がりや雑誌販売の減少により現状維持が困難になり、物流コストの一部負担や卸値率の引き下げを出版社に持ちかけているという。そんな中、取次大手のトーハンが支援に乗り出すなど取次店の口座開設が以前より容易になったことで独立系の“ひとり出版社”が多くなったようだ。既存事業者なのか新規開業者なのかには関わりなく、時代の変化に対応して自ら新たな仕組みを作り出していこうとする人々が登場しやすい時代なのだ。執筆者はこれを前向き、ポジティブに受け取っている。明治、大正、昭和、平成の長いレンジの出版流通史を繙けば、その時々の新たな“出現”とエボックを見出だせるが、今の時代の変革はそれより巨大なうねりであることは確かだ。

さて、雑誌の衰退やデジタル化でその販売が見込めなくなった総合取次は、その活路を再び書籍販売に大きく舵を切ったようだ。それは星野氏が示した直近の日販やトーハンの事業計画を見れば明らかだ。執筆者が雑誌の崩壊とあえて書く所以でもある。(続く)

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