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2019/08/06

超人の面白読書 141 雑誌『世界』8月号の特集2 出版の未来構想 12

さて、ここまで書いてきて今更ながらIT産業の凄まじい発達――それもわずか四半期くらいの時期に――には脅威すら感じてしまう筆者だが、それはアメリカから忽ちのうちに全世界を駆け巡り、今や世界を一変させたばかりではなく、人々の暮らしに広く深く浸透してしまった。コミュニケーション ツールがコンピュータ、パソコン、スマホのSNSと益々コンパクトになり、掌サイズで操作ができるようになって便利になったのだ。今やツイッターで世界を動かす某国の大統領を見れば分かるというもの。そしてそれは出版業界をも様変わりさせた。紙媒体と電子媒体の攻防である。

次にドイツとアメリカの出版界の現状報告をジャーナリストと常日頃から出版社との版権売買などを手がけているエージェントの二人のエッセイから手短に感想を述べてみたい。今回の特集2ではイギリスの現状報告がないが、英語圏の代表格のアメリカをピックアップすれば足りる。昨夏北欧、ヘルシンキとストックホルムを訪ねた際に書店(ヘルシンキのど真中の「アカデミア」、ストックホルムはセントラル ストックホルムから地下鉄で20分のところにある「アカデミー」とアーランダ空港内のペーパーバック中心の書店)に立ち寄った。スウェーデンでは大分前に再販制を撤廃していて、大手出版社の何社かがコングロマリット的な複合企業体を形成している。また、書店は大手チェーン店が支配的らしい。ネット書店の「Bokus」もその一つ。筆者も試しに本を購入したことがある。また、コングロマリットのBonnier社から直接電子本も購入したことも。概して本は高め、品数は豊富でやはり英語圏や独語圏の翻訳ものも多い。カズオ・イシグロや村上春樹は人気で棚に陳列してあった。

ドイツの出版界の話は、雑誌『図書』でも何回か取り上げていてご存知の方も多いはず。現にこのエッセイでもドイツでの読書傾向を調査した資料に基づいて、「昨今の生活スタイルの変化が読書に費やす時間を減らしている」と同じことを書いていたが、やはり現代人は何処も同じで“忙しすぎる”のかも。それより何よりドイツの出版社、取次店、書店の“直近”の動向が知れて勉強になった。(続く)

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