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2019/03/04

自由の女神像にあるエマ・ラザラスの詩再考

The New Colossus

Not like the brazen giant of Greek fame,
With conquering limbs astride from land to land;
Here at our sea-washed, sunset gates shall stand
A mighty woman with a torch, whose flame
Is the imprisoned lightning, and her name
Mother of Exiles. From her beacon-hand
Glows world-wide welcome; her mild eyes command
The air-bridged harbor that twin cities frame.
"Keep, ancient lands, your storied pomp!" cries she
With silent lips."Give me your tired, your poor,
Your huddled masses yearning to breathe free,
The wretched refuse of your teeming shore.
Send these, the homeless, tempest-tost to me,
I lift my lamp beside the golden door!"

(Emma Lazarus, 1883)

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【コラージュ Ⅰ】

「The New Colossus」(14行のソネット詩)筆者訳。

新しい巨像

かの有名なギリシャの巨像とは違い
土地と土地を支配の手足で跨ぎ
海に洗われ 夕日に染まる港に
立つのは力強い女性
稲妻を閉じ込め 松明を持つのは亡命者の母
広く世界に向け歓迎の光を照らす
優しい目が二つの街を囲む吊り橋の港を見渡す
「古い国々よ、華やかさをとっておくがいい」
と静かに語る
「疲れはてた 貧しい人たちを
自由の息吹を求め寄せ合う群衆を
海岸で惨めに拒まれた人たちを
わたしのところに預けてください
祖国もなく 動乱に翻弄された人たちを
わたしのもとに送ってください
わたしは松明を掲げて見守ろう
金色の扉のそばで !」

アメリカのトランプ大統領は6日、テロリストの対策を目的にした入国禁止の新大統領令を発令。イラクを除くイラン、シリア、リビア、イエメン、スーダン、ソマリアが対象国で、アメリカ入国を90日間禁止する。ビザやグリーンカード保有者は対象外。実施は3月16日から。移民の国アメリカが再び閉ざし始めたのだ。大義はどうであれ大きな外交政策転換であることは間違いない。空港などアメリカの入口で混乱が再び起こるかも。

アメリカよ!

自由と寛容さはどこへ行った?

追記 アメリカのトランプ大統領の移民政策が大きな波紋を呼んでいる。移民の国アメリカで移民をしめだす政策が親子分離の悲惨な扱いを招いていて国際社会から非難を浴びているのだ。(2018.7.24 記)

下記は最新の移民に関する「ニューヨーカー」の電子版記事→https://www.newyorker.com/news/our-columnists/immigrants-keep-coming-as-trump-grows-ever-more-hostile

追記2 明日11月6日はアメリカの中間選挙。メディアの報道によれば、上院では50対44で共和党が優勢で下院は202対195で民主党が上回っている。中米のホンジュラスなどからアメリカへ向けて移民キャラバンが続いていてその数4000人とも7000人ともいわれている。2600キロに及ぶ距離を徒歩で行進中なのだ。ホンジュラスでは政情不安が続いていて殺人などが日常茶飯事に起こっているという。それもアメリカの援助が削減されたからだとも。アメリカのトランプ大統領は、国境越えをおさえようと軍を派遣、6日の中間選挙前に移民問題がまた浮上している。寛容さをもった抜本的な解決策はないのか。一方、少子高齢化で働き手が不足している日本も他人事ではない。目先にとらわれず熟考した移民政策がまたれる。(2018.11.5 記)

追記3 先週の日曜日(2018年11月11日)に放送したTBS朝の番組「サンデーモーニング」でアメリカトランプ大統領の移民政策に関連したコーナーではアンカー役のジャーナリスト青木氏が、エマ・ラザラスのこの詩の一部を引用していた。それほどまでに若いニューヨーカーが書いたこの詩は移民のことを語ってあまりある。(2018.11.15 記)

追記4 メキシコとアメリカの国境沿いに壁を建設することで大統領と議会がその予算をめぐって揉め、決着がつかずに去年の12月から深刻な事態が続いている。一部の公務員は1ヶ月給料をもらえず離職する人たちも出て大混乱を引き起こしているのだ。トランプ大統領の選挙公約実現というが、移民の国で成立しているアメリカ特にトランプ大統領は、この詩にあるようにその原点を噛みしめて打開策を打ち出してほしいものだ。(2019.1.21 記)

2019年2月5日のトランプ大統領の一般教書演説についてニューヨーカー誌の記事。その記事を読むはこちら➡https://www.newyorker.com/news/current/trumps-dangerous-scapegoating-of-immigrants-at-the-state-of-the-union

追記5 トランプ大統領は2019年会計年度で国境の壁建設費に57億ドル(約6300億円)を要求したが、揉めに揉めて議会が可決した予算では13億7500万円。このためトランプ大統領が非常事態を宣言、議会の承認を得ず大統領権限で予算を組み替えて最大67億ドルの財源を捻出。これに対し、アメリカ議会の上下院の長(民主党ペロシ下院議長と上院シューマー院内総務)は、「議会の憲法上の権限を守るため、議場、裁判所、公衆の場、あらゆる機会を活用する」との共同声明を発表し、壁建設の阻止に全力を挙げる姿勢を示したと毎日新聞(2019年2月17日朝刊)が報道。(2019年2月17日 記)

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