« 2017年2月 | トップページ | 2017年4月 »

2017/03/30

超人の面白ラーメン紀行 231 町田『胡心房』再訪

1490878328790.jpg

仕事で町田に来たついでに昼飯にと再訪したのが『胡心房』。久し振りに入った感想はともかく接客力抜群。普通ラーメン店は接客にイマイチの店が多い中ここは違った。前に入ったよりテキパキしている感じだ。外国人の脇に座ろうと思って座りかけたらこちらへお願いしますと奥のテーブル席に案内された。女性店員曰く、あそこの椅子は少し高く壊れていますと。外国人にラーメンの感想を尋ねたかったが・・・。
定番のラーメンを頼んだ(700円)。豚骨魚介系でトッピングに柔らかチャーシューやレタスなどがのっているのが特徴。味は良いが好みかも。カウンターで食べていた中年男性は旨い、旨いと連呼して帰っていった。それだけではない、その後の青年も旨いと呟き帰って行ったのだ。豚骨魚介系が好みの人には堪らないのかも。筆者的にはもう少しすっきりしたスープがほしい・・・。

花冷えのラーメンにレタス笑み全開

2017/03/28

超人の生真面目半分転生人語 12 公衆トイレ考

トイレ(便所)の話は古来様々なエピソードが語られ書かれているが、筆者が最近読んだ最たるものが文豪谷崎潤一郎が昭和初期に書いたエッセイ、『陰翳礼讚』のなかの厠についての考察だ。これはいちいち説明するほどでもあるまい。文庫本で読めるのでぜひ手にとって読んでほしい。ともかく彼なりの美学があり、含蓄があってオモロイ。昭和初期の、関西のトイレ事情がリアリスティックで、特に奈良に行ってトイレに入った話は秀逸である。
さて、前置きはこのくらいにして本題に入ろう。
いつもより比較的早く目が覚めたせいかー午前5時半過ぎかなー体調がイマイチで、肩が凝ったりして動きが鈍く、ひょっとしたら血圧が上がっているのかなと疑心暗鬼になりながら仕事で電車に乗ったり歩いたりしていた。そしてT駅北口で下車、小さい方の用を足すためトイレに入った。すると、 一面が水浸し状態なのだ。「何だろう、掃除したばかりなのかしら」と足元を注意して用足し状態に入った。そのとき掃除のおばさんが入ってきて、「何を、この水浸し状態は」とぶつぶつ言って不思議がっていた。筆者が「おばさんが掃除したんじゃないの」と言ったら、「いや、今から掃除するところなの」とおばさん、困った様子。「えっ、そうなの」と筆者。「それじゃ、一体どうなってるの」と筆者が呟き、辺りを見渡した。すると、左端の大きい方使用の洋式トイレの便器が異常をきたしているではないか、しかも汚物が浮かび水が満タン、すでに溢れ出した状態なのだ。少し距離があったから臭いはそれほどでもない。恐らくは何らかの原因でトイレが詰まり、便器から水が流れてトイレの床を水浸しにしたのだ。ということは、水浸しになったところには汚染されたものが混じっていたことになりはしないか。あぁ、汚い。しまった!それにしても大きい方の用を足した人は酷い、自分の始末もできず垂れ流しとはー。やりきれない気持ちだ。公衆トイレの最低限のマナーは遵守してもらいたいものだ。掃除のおばさんが可哀想。見てしまったことの強い憤り、残像が瞼に残った。次に入ったY駅東口出口を過ぎた地下街端のトイレの清潔なこと、先ほどのトイレとは段違いだった。気持ちが晴れ晴れしたことは言うまでもない。世界一清潔な都市は東京だと1週間ほど前にテレビのニュースでランキングを伝えていたが、まだまだの感を強くした。よく利用するT駅もリニューアルしたにもかかわらず、公衆トイレのマナーが悪いのか相変わらず汚い。定期的に清掃しているはずなのに。特に夕方から遅い時間が酷い。皆が利用するトイレだからマナーを守ってきれいに使いたいもの。家人曰く、駅の女子トイレも汚くて入りたくないっー。
これはスカトロジー(糞尿趣味)の話ではないのだ。


追記  今朝のネットには常磐線の電車の中で長椅子めがけて立ち小便をしている輩が映し出されていた。夜遅くのここの車両は人がいなかったようだが、とんでもない勘違いである。別に酒に酔っていたわけでもないらしく、次の駅辺りで下車していったという。全く呆れてしまう。恐らくこの車両は即取り換えものだろう。JRの方もこんな乗客がいて大迷惑に違いない(2017年4月27日 記)。

2017/03/26

超人のドキッとする絵画 30 国立新美術館『ミュシャ展』2

1490525782846.jpg

【聖アトス山 正教会のヴァティカン 1926
405×480 cm テンペラ、油彩/カンヴァス プラハ市立美術館】

1490525784041.jpg

【ロシアの農奴制廃止 自由な労働は国家の礎 1914
610×810cm テンペラ、油彩/カンヴァス プラハ市立美術館】

1490525784987.jpg

【イヴァンチツェの兄弟団学校 クラリツェ聖書の印刷 1914 610×810cm テンペラ、油彩/カンヴァス プラハ市立美術館】

2017/03/25

超人の面白ラーメン紀行 230 即席ラーメン『利尻昆布ラーメン』

1490413640459.jpg

旨いと評判の利尻漁業協同組合のとろろ昆布入『利尻昆布ラーメン』(塩味、238円)を有楽町駅近くの「北海道どさんこプラザ」でゲット。最初は夜食で袋の裏に書かれたシンプルな調理法で、2度目は昼飯に家にあった野菜(タマネギ、ネギ、ピーマン、海苔)少々を茹で玉子をトッピングして、そして3度目の具にはモヤシ、ネギ、玉ネギ、ピーマンそれにウィンナーを炒め、茹で玉子を添えて完食。利尻昆布を練り込んだ麺それにとろろ昆布を混ぜたスープ、さすが利尻の昆布だけあって潮の香りが醸し出すなか、アッサリした塩味がほどよい。即席麺とは思わぬ逸品。


2017/03/24

クロカル超人が行く 199 イタリア料理店 新宿『トラットリア・ターボロ・ディ・フィオーリ 新宿伊勢丹店』

1490332820693.jpg

たまたま昼飯にと入ったのがこの店『トラットリア・ターボロ・ディ・フィオーリ 新宿伊勢丹店』。ランチメニューから本日のスパゲッティ ツナときのこのクリームトマト(980円)、ミニピッツァ(200円)それにアイスコーヒーをチョイス。多少待たされたが昼時間帯なので仕方がない。スパゲッティは少々しつこかったか。

2017/03/20

クロカル超人が行く 198 日本橋『たいめいけん』

Img_0644_3

日本橋にある老舗の洋食有名店『たいめいけん』。有楽町の北海道物産アンテナショップで即席ラーメンの“利尻昆布ラーメン”を予約(22日に入荷)した後、休日出勤の家人の慰労を兼ね訪ねた。電話では30分待ちと言われたが、思ったより客の入れ替えがスムーズに流れたため15分待ちで済んだ。白、黒、焦げ茶色の店内の色調は落ち着いていて、それと呼応するかのようにホールを仕切る年配の女性たちにプライドと貫禄を感じつつ・・・。が、忙し過ぎたのかオーダー落としのシーンも。これには笑った!昭和初期の“モボ・モガ”モダニズム時代を今に伝える風情はしっとり感があってちょっぴりセピア色。この店の3代目は多趣味でアイデアマンの料理人としてテレビでも人気がある。そうそう、店の入口には3代目のパフォーマンスシーンのポスターもあった。
ボルシチとコールスロー(各50円、但し最低一品注文!あっさりしていて美味)、アスパラとポテトのにんにく炒め(アスパラが新鮮で食感は抜群)それに名物オムライス(1700円。ほんわかしてさっぱりした味、ボーノ)など老舗の洋食屋の味を堪能した。と同時に、ビールや赤ワインも少々嗜んだ。約40名の客はほとんどオムライスかオムライスのバリエーションを頼んでいた。

Dsc_0063 _20170320_195859

色冴えるたいめいけんのオムライス

追記 『たいめいけん』再訪。柴又→銀座シックス→たいめいけんのコース。今回は時間帯が少し早かったせいか並ばずに済んだ。ハムオムレツを食した。美味。(2017.9.18 記)

Img_0708


2017/03/17

超人の面白ラーメン紀行 221 神田須田町『Ginza Noodles むぎとオリーブ Clam Ramen』マーチエキュート神田万世橋店

1489835515112_3

フレンチ出身の人がチャレンジした、ヨーロッパの香り漂う何ともユニークなラーメン店が銀座にあって、「ぶらり途中下車の旅」でも紹介された。進化系(?)ラーメンの『Ginza noodles むぎとオリーブ Clam Ramen』だ。その店を訪ねてみようと機会を伺っていたが、偶然にもコンビニでこの店のカップラーメン(へぇ、発売されてんだ!)をゲットして、本末転倒や、と思いつつ神田須田町の煉瓦造りを活かしたルネサンス・ 万世橋マーチエキュートの一角を訪れたのが今日!狭い食空間ながらなかなかオシャレ。「ミシュラン」に3年連続選ばれた店らしく、ニューウェブラーメン系のキング、いや、クイーンかー。
初めて入った店では普通はその店の定番ものを注文するのだが、定番の「鶏そば」(880円)にはこの店の売りの蛤がないので、一度注文した「鶏そば」を取り消して「鶏・煮干・蛤トリプルそば」に。いや、「ぶらり旅」で旅人のタレント(?)が蛤の味に大分興味をそそられたみたいだったので、その残像が残っていたのだ。5、6分経って注文のラーメンがテーブルに運ばれてきた。店の男性が「左側にむね肉、ひねってあるのがナルト、白い細長いものはメンマではなく山芋、蛤は右側に。普通のラーメンのイメージとはかなり違います」と一応説明。親切である。さて、例によってスープを一啜りしてみた感想は、埼玉、群馬、香川3県の老舗メーカーの醤油(メニューから)をブレンドそれに大山鶏がらと魚介をミックスしたスープには透明感があり、コクがあってマイルド、独特な舌触りだ。これって、どこかの味に似ていやしないかと思い出していたら、中華そばの『藤本』の味に似ていた。
和洋折衷だ。美味。麺は細麺ストレート、トッピングはなかな華やか。チャーシューではなく鶏のむね肉(低温調理で歯ごたえが少々)、メンマと違った感触を味わえる山芋、海苔、水菜、一味添えた蛤と役者がフレンチ風に衣替えした感じだ。完食。トレビアン!昼時の午後2時過ぎ、カウンター7席、テーブル席8席、テラス席もあって、店内に6人、テラス席にはアジアからの観光客が6名くらいはいたか。店は男性2人と女性が2人。雰囲気もまあまあ。この店のほかに銀座本店、さいたま新都心店、日本橋店の4店舗あり。
フレンチ系ラーメンと言えば、“道頓堀神座(かむむら)”で有名な神座チェーンだが、今や関西圏だけではなく、関東圏にも進出していて渋谷や横浜にも店舗がある。現在37店舗展開中。筆者は道頓堀、大阪、渋谷の店で食べた。コンソメスープと野菜が豊富なのが特徴だ。

住所 : 東京都千代田区神田須田町1-25-4 マーチエキュート神田万世橋1階
電話 : 03-3258-3131 営業時間 : [月~土]11:00~22:00 [日・祝]11:00~20:00 定休日 : なし

神田須田町『Ginza noodles むぎとオリーブ Clam Ramen』マーチエキュート神田万世橋店
1.スープ★★★2.麺★★☆3.トッピング★★☆4.接客・雰囲気★★5.価格★☆

_20170317_225224_11 Dsc_0060

食べ蛤(がい)はスープに仏味トレビアン


2017/03/16

超人の面白ラーメン紀行 220 六本木 『アオリの神隠し 総本店』

Img_0642_4

Img_0643_3

久しり振りに六本木ミッドタウン周辺を歩いた。国立新美術館で『ミュシャ展』を観に行った帰りに立ち寄った店がラーメン店『アオリの神隠し総本店』。飯田橋駅近くのラーメン店『たかはし』で3時間半前に食べ、美術鑑賞後にまたラーメンである。こんなことは初めてだ。美術館に行く前にこの店を通りかかったら人集りができていたので興味津々、どんな店かと思わず呟いたのだ。で、帰り道この店の前 でお子さん連れの若い女性に「この店は何系?」と訊ねたら「トンコツかな、美味しいですよ」と教えてくれたのでついつられて入ってしまったのだ。想定外の出来事だ。『一蘭』似の仕切りのある食空間で好みも選べる。筆者は中辛を選択したけど、辛くて咳き込むこと咳き込むこと、肝心の味がぼけてしまったほど。演出たっぷりの暗い店内を元気に応対していたのは若い女性。聞けば店は一ヶ月前にオープンしたばかりらしい。
頼んだアオリラーメン(980円)はトンコツ系。麺は極細麺ストレート系、味は豚骨マイルド(クセがなく結構イケる)、トッピングは柔らかチャーシュー、海苔、メンマ、玉子、刻みネギ少々のシンプルデザインで、どんぶりの色合いが何とも廓的な空間を醸し出し、黒と深紅っぽい色でエロい。10席以上ある仕切られたカウンターではなぜか子どもたちがはしゃいでいた。若いラーメン好きのママたちが連れてきているのだ。それにしてもここから3、4軒先には昔夜遅く〆に立ち寄ったラーメン店(筆者の記憶が正しいければ)が風化したまま置き去りにしてある。確か目印は墨で書かれた屋号が入った提灯。昔の栄華今何処ー。

六本木『アオリの神隠し 総本店』1.スープ★★★2.★★☆3.トッピング★★4.接客・雰囲気★★☆5.価格★☆


2017/03/13

超人のドキッとする絵画 30 国立新美術館 ミュシャ(ムハ)展

2017年3月8日から開催中の「ミュシャ展」(6月5日まで開催)。混雑が予想されるため早めの観覧をと考えて、先週の土曜日の午後六本木の国立新美術館に出掛けた。「ミュシャ展」を観覧するのは、堺市立文化会館、森美術館、そごう美術館に次いで4度目。主に大作「スラブ叙事詩Slav epic」を観るためだ。春になっても天候が落ち着く様子もなく、寒暖の差が激しい三寒四温の日々が続いていて土曜日の午後も例外ではなかった。そんな土曜日の午後、久しぶりの国立新美術館訪問だった。当日券購入に30分近くは並んだが、あとはスムーズに鑑賞できた。意外と混んでいなかったのだ。あの上野の「惹冲展」での長蛇の列を経験した者としては多少肩透かしを喰った感じだ。

写真が許可されたアートスペースで2枚をゲット。このコラム用に多少加工。
このスラブ叙事詩は題材のスラブ民族の歴史を描いた点(伝統に偏りすぎの感も)といい、その大きさといい、圧倒的な迫力をもって観る者を楽しませてくれる。更に付け加えれば色使いや構図の巧みさもー。

1489392746543_2

【「ミュシャ展」図録表紙】

1489392749566

【スラブ菩提樹の下でおこなわれるオムラジナ会の誓い スラブ民族復興 1926 (未完成) 390×590cm テンペラ、油彩/カンヴァス プラハ市立美術館】

1489392748582

【スラブ民族の賛歌 スラブ民族は人類のために 1926 480×405cm テンペラ、油彩/カンヴァス プラハ市立美術館】

(続く)

2017/03/03

超人の面白ラーメン紀行 219 横浜・伊勢佐木町『玉泉亭』

1488502349620_2

サンマー麺の発祥地の一つとして知られている『玉泉亭』。この近くにある映画館に行ったついでにぶらついていたらこの店があるのに気づいた次第。実はラーメンを食べようと家系ラーメンを探していたのだ。店を見つけ出したがさて、今度はどちらに入ろうかと迷ってしまった。この辺は滅多に来ないのでサンマの乗っているラーメン(笑)にしようと『玉泉亭』に入ってサンマー麺(600円)を食べた。誰かが長崎チャンポンみたいと書いていたが、確かに野菜たっぷりのシンプルな醤油味であんかけが絶妙。“身体にやさしい栄養たっぷりのラーメン”とは店のお品書きに添えてあった。午後の3時、中華料理店内はがらがらで男性客一人に母子二人連れのみ。レジ付近には朝ドラ「まれ」でだらしない父親役を演じて好評(?)だった大泉洋の写真やタレントの色紙が。2、3年前に入ったポルタ店の方がここより客は入っていた。場所柄か?いやいや、デイープなエリアにはラーメン店が似合っているのかやたらにラーメン店の看板が多い。激戦区かも。夜のお仕事帰りに一杯か―。急いで付け加えればサンマー麺のサンマーとは中国語で生馬と書き、「生」→しゃきしゃきとした、「馬」→上にのせると意味だそうだ。


横浜・伊勢佐木町『玉泉亭』1.スープ★☆2.麺★☆3.トッピング★★4.接客・雰囲気☆5.価格★★★

1488544693660.jpg

↑新家系ラーメンのチェーン店。店の前を通ったら10席位のカウンター席は満杯。

1488599189983

→音楽演奏などに使われる多目的ホール『クロスストリート』。名付け親は歌手のゆず。『玉泉亭』の前にあるモダンな建築だ。右端に『玉泉亭』の“亭”の看板が見える―。

2017/03/01

超人の映画鑑賞 エゴン・シーレー死と乙女 続

ドイツ語圏の映画(オーストリアとルクセンブルクの合作)を観たのは久し振りだ。アメリカの映画とは違ってスケールの大きさはないが、陰翳のある、しっとりとした映像美を楽しんだ。モデル出身のシーレ役(ノア・サーベトラ)の男優の演技もアクションにキレがあるし新鮮、それより何よりカフカ似の顔が印象的。妹ゲルテイ役(マレシ・リーグナー)の女優の顏立ちもふくよかさが感じられかつ妖艶、そのほかの女性たちも個性的。舞台となったヨーロッパ中央の風景もいい。装飾美のクリムトと内面美の求道者エゴン・シーレの対照的な世紀末ウィーンのアール・ヌーボー的絵画だが、確かに風貌も対照的。この映画は想像していたほどエロくなかった。
ここで改めてエゴン・シーレのモデルたちーそう、西洋の女性美に想いを馳せてみたい。凹凸のある、エキゾチックな、表現力に富んだ顔立ち、華麗な髪、くっきりとした目と鼻それにエロチックな口元、豊かな乳房、脱ぎっぷりの良さと大柄かつなだらかな曲線を描く、背筋と臀の抜群のスタイル、茂った森にさ迷えと言いたげな陰翳のある谷間、スラッと長く伸びた、野性味たっぷりの脚の、いわば、外面と雲母のような脆さとアンニュイ感を漂わせる内面をあわせ鏡ように持つ、美の具現者たちはシーレの独特なくねったポーズや色遣いのマジックに果たして感応したか。この命題はさておき、かのモデルたちのヌードに典型的な西洋的な女性美を見出したとすれば、一方でこれとは対照的な美意識を耽美的な作品を多く書いた、あの文豪谷崎潤一郎の随筆『陰影礼讚』の日本女性の美に触れた一節に見出だすことができる。
「あの、紙のように薄い乳房の付いた、板のような平べったい胸、その胸よりも一層小さくくびれている、何の凹凸もない、真っ直ぐな背筋と腰と臀の線、そう云う胴の全体が顔や手足に比べると不釣合に痩せ細っていて、厚みがなく、肉体と云うよりもずんどうの棒のような感じがするが、昔の女の胴体は押しなべてああ云う風ではなかったのであろうか」
(平成28年刊新潮文庫版「解説」で作家の筒井康隆が指摘しているように表現に問題はあるが、80年以上前に書かれた歴史的遺産として捉えて)そしてこう書く。「美は物体と物体との作り出す陰翳のあや、明暗にあると考える」と。
エゴン・シーレの作品の価値は今や高値の4000万ドル以上といわれている。映画の次は日本での新たな展覧会開催があるかも。

« 2017年2月 | トップページ | 2017年4月 »

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31