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2016/09/25

超人の面白テレビ観賞 ETV特集「武器ではなく命の水を~医師・中村哲とアフガニスタン~」 3

中村は800人収容の巨大モスク(授業料無料の小学校を併設)も建てた。日本から6000キロ離れた中近東の山岳地帯のアフガンで活躍する、一人の勇気ある日本人医師中村哲の仕事に賛辞を贈りたい。本当に役立つこととはこういうことなのだ。映像は褐色の砂漠から緑の沃野に変わった風景を写し出す。用水路ができたことで治安が良くなり、平和な暮らしが戻って来たと地元の人々の喜ぶ表情も映し出す。今や用水路は9ヵ所、アフガン東部3郡に跨がり、田畑面積16000ha、60万人を潤す規模に。今後国連とJICAとの連携も視野に入れて事業を更に進めるという。中村は言う。「これは平和運動ではない、医療の延長なのだ。・・・戦いをしている暇はない・・・。争いことがなくなり、平和になったが、これは結果であって平和が目的ではない・・・」
緑野した広大な光景と現地の人々に感謝され祝福されている中村の表情が筆者の瞼に焼き付いた。15年の歳月を追った取材も見事である。

このあとユーチューブで8月26日記者クラブでの中村哲医師の講演を視聴した。アフガンの医療・診療所つくり、農業用水路建設活動費は、ぺシャワールの会の会員12000人の寄付3億円によって成り立っていると。1984年NPOの派遣でパキスタンのハンセン病など感染症治療を皮切りに医療活動を開始し、その後アフガンにわたって灌漑用水路建設にも従事して32年、日本人にはあまり馴染みのないイスラム圏山岳地域の、民族(多民族)、宗教(イスラム教)、政治(部族中心の緩やかなシステム)、経済、文化の違うアフガンで様々な活動を続けている。その原動力は“武器ではなく命の水”を広めていこうとする強いパッションである。彼は誰か僧侶の言葉だと断った上で、「一隅を照らす」という言葉を発した。自分のやってきたことの意味をこの言葉に託したのだ。小柄でやや細いが優しい目、濃い眉毛、髭を生やしハンチング帽子を被った、白髪の69歳の人懐っこそうな九州人は、流暢なアラビア語と英語を話す含羞の人であり、また、信念の人でもある。彼の功績は数々の賞が物語っている。こういう人にこそノーベル賞を差し上げてほしいものだ。

【追記】ペシャワールの会現地代表の医師中村 哲さんが、アフガニスタンで何者かによって殺害された。移動中だったらしく運転手やボディーガードなど仲間も巻き込んでの惨劇だった。現地の警察は計画的な犯行と発表。善意の人がこのような形で亡くなるとは何とも残念である。中村さんの好きな言葉は、「照一隅」だった。大きな野望を抱くのではなく、ごく日常の身近なところをやることだと言っていた。至言。ご冥福を祈りたい。(2019.12.13 記)

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