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2015/12/29

クロカル超人が行く 186 岩波ブックセンター信山社で『丸山圭三郎著作集』の解題を読む

久し振りに神保町交差点近くにある『岩波ブックセンター信山社』に寄ったら、ある本を携えてレジに歩み寄る年配者に遭遇。この年配者は学者?そんな風に見えなくもなかったが、彼が携えていたのはあのフランス語学者で言語哲学者、とりわけソシュール研究第一人者の丸山圭三郎の著作集だった。筆者はその名前を久しく忘れかけていたのだ。彼は比較的若くして亡くなったが(60歳くらい)、その死因が知りたいとずっと思っていたのだ。この人こそ今や百科全書派的存在の鹿島茂より前に一世を風靡したフランス語の研究者だ。店内で年配者が持っていた本を書棚で見つけた。当時を回想したエピソードが『丸山圭三郎著作集』最終巻の解題で愛弟子が書いている。かつてのNHKテレビの語学番組「たのしいフランス語 基礎編」の講師(因みに応用編の講師は渡辺守章だった)で、筆者も高校時分通学前に視ていたのだ。ゲストは確かモレシャンなどが出演していたように記憶している。鼻に抜ける鼻音が得意の、その洗練された軽妙酒脱な語り口と都会的なセンスは特に印象深い。講師の丸山圭三郎の影響もあってかフランス語は高校時分から大学にかけて夢中になった。急いで付け加えて書けば、ラジオフランス語は朝倉季雄先生だった。先生は友人Y君の担任で単位が足りなく卒業が危ぶまれていたY君を何とか卒業させてくれた人だそうだ。その朝倉季雄先生が丸山圭三郎のフランス語はちょっとねぇ、と言ったとか。しかし、愛弟子は恩師丸山圭三郎と一緒にさせて頂いた席で、冗談を交えた流暢なフランス語を話すのを目撃した、とこの著作集の解説で書いている。恩師のフォローを忘れない。立ち読み(最終巻の第Ⅴ巻は1冊、7,000円と高価!)して面白かったのは、丸山圭三郎の意外な側面を開陳していたことだ。一つはワイン愛飲家で食通、一つは競技カルタの名人(父君が国文学者だったことも影響していたか)、また、カラオケの達人特に「恋心」は丸山風にアレンジがかかっていて絶品とか。専門のフランス語や言語哲学者の顔を持つ反面、趣味もまた豊富だったと愛弟子は書いている。丸山圭三郎は中央大学在職中に癌で亡くなった。やはり―。最近ではソシュールの本の新訳他も出たりしているが、当時の丸山圭三郎のソシュールについての見解も(その昔『月刊言語』などで読んだはず)読んでみたい。高価なので図書館から借りて読んでみるつもり。以上が“立ち読み”での感想だ。それにしても最近の日本でのフランス語の人気のなさは目に余るー。それは大学の第二外国語の選択でも顕著だという。
因みに、加賀野井秀一・前田秀樹編『丸山圭三郎著作集』全巻の構成は次の通り。第Ⅰ巻 ソシュールの思想、第Ⅱ巻 文化のフェティシズムへ、第Ⅲ巻 言語の深層/深層の言語、第Ⅳ巻 生命と過剰 第Ⅴ巻 人と思想。

追記 ついに図書館に出向いた。『丸山圭三郎著作集』や単行本を借りに。Y市の人口は現在約370万、図書館を利用する人は人口で第3位のO市と負けないはずだが、何かが足りないような気がする。新刊書?レファレンス本?予算?O市は図書館行政や収集能力が優れていると兼ねてから思っている一人だが、その点Y市は少し意識が違うような気がする。それはそれとして今回図書館に出向いて公共図書館のあり方を考えさせてもらった。『丸山圭三郎著作集』第2巻は何と貸出中だった。びっくりぽんや。でも、人口比で言えば少な過ぎか―。もっと読まれていい本だ。

2015/12/27

クロカル超人が行く 185 ライトアップの東京駅

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ライトアップした東京駅をスマホで撮影。昨夜のテレ東の人気情報番組「アド街」年末スペシャルでも東京駅を特集していた。歴史的建造物の東京駅は綺麗に修復されて蘇り、今や“世界の東京駅”に生まれ変わろうとしている。この夜はライトアップの東京駅見物と洒落込んだ人たちがそれなりにいた。中には車椅子で見に来た年配の女性も。残念ながらライトアップされた丸の内側は今工事中で何年か後にはバスやタクシーの新たな乗り場に変身するらしい。


2015/12/25

クロカル超人が行く 184 日比谷公園内「東京クリスマスマーケット 2015」

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“Woodcraft from Germany”
の文字が見える。

メリークリスマス !

たまたま日比谷公園で開催中の「東京クリスマスマーケット 2015」(12月11日〜25日)開場直前を覗いた。その目玉がドイツのクリスマスマーケット常連のクリスマス ピラミッド。ドイツのザイフェン村ではその昔銀や錫などの鉱物の産地として栄えたが没落、生活に困った人々が鉱物をさくために使っていたロクロで木を削りオモチャを作った。その後18世紀末にエジプト遠征から帰ったナポレオンの兵士がこの工芸品を見てエジプトのピラミッドに似ていたことからクリスマスピラミッドと呼ばれたという。ギネス級の高さ(14m)を誇る。クリスマスツリー以前はこのピラミッド型だったとか。(「東京クリスマスマーケット 2015」のパンフレット)筆者がこの工芸品を見るのは初めて。なかなか“見上げた”ものだ。
日本でも流行りだした感のするクリスマスマーケットだが、もともとはドイツやオーストリアで夜の長いこの時期に広場で繰り広げられている出店中心のイベント。

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2015/12/22

超人の面白読書 112 中村忠夫著『西脇順三郎の風土 小千谷を詠んだ詩の数々』余滴

今年の夏にこのコラムで書評した、中村忠夫著『西脇順三郎の風土 小千谷を詠んだ詩の数々』が第9回新潟出版文化賞(文芸部門)を受賞した。中村先生の地道な研究が認められた。本当におめでとうございました!詳細は小千谷市立図書館のホームページを参照されたい➡http://www.city.ojiya.niigata.jp/site/library

2015/12/14

超人の新刊紹介 光本 滋著『危機に立つ国立大学』

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このコラムでも幾度か書いた大学問題、2015年6月8日の文科大臣の国立大学文系統廃合通知についてはマスコミにも取り上げられて波紋が広がっている。通知内容の解釈を巡って文科省は誤解を解くのに躍起になっていた。そんな中、国立大学の文系統廃合問題を鋭く抉る、光本滋(北海道大学准教授)著『危機に立つ国立大学』(本体:1,200円)がクロスカルチャー出版から12月25日に刊行された(この文章は12月25日以降に追記)。本書は、高等教育行政の専門家が大学関係者はもちろんのこと、一般読者にも分かりやすく書かれた解説本。国立大学の学部・大学院組織の動向と問題、国家統制の進行、また、国立大学の組織運営と財政の問題を歴史的に辿り、国立大学の法人化の問題の構造を明らかにし、世界的な視座で危機打開の方向を探る。国立大学授業料の日本と外国の比較データ、関係法令、年表、参考文献付き。いま、必読の書。この一冊を読めば国立大学の変質がよく分かる。詳細内容を知りたい方はこちら➡http://www.crosscul.com

追記 最近の類書では日比嘉高(名古屋大学准教授)著『いま、大学で何が起こっているのか』(本体:1500円 ひつじ書房 2015年5月刊)などがある。

追記2 この本を早速読まれた方の反響。
関東学院大学国際文化学部 矢嶋道文先生(比較文化史)
「タイミングがとても良い。参考文献に掲載されている先生のお弟子さんがいらっしゃいますので紹介しておきます」(2015.12.28)
横浜市立大学国際総合科学部 高橋寛人先生(教育行政学)
「いま国立大学が危機に直面している根本原因は法人化にあり、その法人化による変質について、これほど簡潔にまとめている本はほかにありません」」(2015.12.28)

追記3 『中央公論』2016年2月号の特集は、国立大学 文系不要論を斬る。文科省・企業にこれだけ言いたい/55国立大学 学長アンケート、大学アンケートにみる大学の悲鳴 一“省”功成りて万骨枯れる(竹内洋) 、「世界」に認められたければ文系に集中投資せよ(佐和隆光)他。 文部科学大臣インタビュー 「国公私立大学の枠を超えた統廃合も視野」(馳 浩)。また、雑誌『暮しの手帖』No.79 Winter 12月―1月号の潮田信夫のコラム「今日より明日 60」学びを豊かにする教養 で、文系廃止の問題を扱っている。教養とは何かについて江戸時代まで遡って言及している。そしてこう書いている。「文科省の通知に端を発した文系大学アンケート教育をめぐる紛糾は、結局のところ『教養とは何か』をめぐる意見の相違に帰着するのではないか。」(2016.1.14)

※雑誌『暮しの手帖』No.79 Winter 12月―1月号の潮田信夫(元毎日新聞論説委員。帝京大学教授)のコラム「今日より明日 60」学びを豊かにする教養 を読むはこちら。「20160119135358.pdf」をダウンロード

「図書新聞」2016年2月13日号に書評が掲載されました。書評を読むはこちら。「20160205203704.pdf」をダウンロード

京都新聞、長崎新聞、秋田さきがけ新聞、琉球新聞、沖縄タイムスの5紙に掲載されました。
コンパクトに紹介されています。地方紙の記事をよむはこちら。「20160314180843.pdf」をダウンロード
(2016.3.14 記)

熊本日日新聞にも掲載されました。(2016.3.15)

新潟大学の三浦淳先生(ドイツ文学者)のブログ(2016年3月13日)で評価の高い書評が掲載されました。
書評を読むはこちら→http://blog.livedoor.jp/amiur0358/archives/1053893001.html (2016.3.29)

2015/12/09

クロカル超人が行く 183 仙台市地下鉄東西線


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2015年12月6日に開通したばかりの仙台市地下鉄東西線国際センター駅。新車両にワクワクしながら到着を待った。すると、水色のラインの電車が滑り込んできた。

「トンネルを抜けるとそこは雪国だった。」

“トンネルのなかからすぐに滑り込んできた。
水色の電車だ。”

八木山動物園駅と荒井駅を結ぶ全長13、7㎞。初乗り感想は少し狭いが明るい車両で、京都市営地下鉄東西線に似ている感じ。

追記 河北新報によると、地下鉄東西線の開業初日の乗降者数は、当初の予想の8万人を大幅に下回り、4万9千人だった。

2015/12/07

超人のジャーナリスト・アイ 161 スウェーデンの成人教育の取り組み

スウェーデンは2017年から新たな地方自治体による成人教育を実施すると発表。下記はスウェーデンの小さな新聞「8 sidor」から筆者の試訳。

Alla ska kunna få studera på Komvux
すべての人が地方自治体の成人教育で学べる

スウェーデンの全国民は、成人後でさえも高校教育が受けられる。その法案が議会に提出されて2017年から実施される見通しだ。アイダ・ハドジアリック大臣がダーゲンス・ニーヘーテル紙に寄稿。地方自治体による成人教育(Komvux)は成人のための教育だ。そこでは高卒の資格がない成人でさえ際立つ科目を履修すれば資格を取ることができる。議会が考えているのは、成績が悪かった人でさえ良い成績を修めるために地方自治体の成人教育で学べるだろうということだ。高卒の資格を持っていなかった人たちは就職が難しかった。議会が期待するのは、新法案がスウェーデンの就職増加につながることだ。法案には毎年5億3千5百クローナ(日本円で約77億4千1百万円)のコストがかかる。(2015年12月4日号「8sidor」の国内の記事から)

こういったスウェーデンの斬新な成人教育の取り組みに日本も見習ったらどうか。高福祉や難民受け入れの“大国”の社会教育政策に学ぶべきこともあると思うのだ。日本は今大学などの高等教育に躍起になっているが、それよりも社会教育を地方自治体と組んでもっと充実させるべきだと考えるが。

2015/12/05

超人の面白写真 富士山初冬遠景

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望遠レンズ付きのカメラで収めたかったほど富士山が小さい。肉眼ではもっと大きくくっきりと見えた。

遠景のどこが嬉しか白き富士

2015/12/03

超人のジャーナリスト・アイ 160  カリフォルニアでの銃乱射事件

今日未明カリフォルニアの障害者施設で銃乱射事件が起きた。先日コロラドの病院で銃乱射事件が起きたばかりだ。またもや惨劇である。下記はNPRの電子版からの転載。

At least 14 people were killed and more than a dozen others wounded when up to three suspects armed with long guns entered a facility in San Bernardino, Calif., and began shooting, authorities said Wednesday.
Hours after the shooting, which began at 11 a.m. local time, TV images showed a bullet-riddled, dark colored SUV hemmed in by police tactical vehicles and surrounded by officers in what appeared to be a residential neighborhood. San Bernardino Police Sgt. Vicki Cervantes says police officers traded fire with occupants of the SUV.
"I believe there may be a suspect down," she said, but she warned that she did not know if that situation was connected to the earlier shootings.
At a later press conference, Cervantes said a police officer sustained non-life-threatening injuries. She also said one suspect had been hit and one suspect may still be "outstanding."
"I believe there are two at this time being dealt with," Cervantes said. "If there were originally three suspects, there's still possibly one outstanding."
At an earlier press conference, San Bernardino Police Chief Jarrod Burguan said the suspects opened fire at the Inland Regional Center, which is part of the California Department of Developmental Services and serves people with developmental disabilities.
Asked about the number of suspects, the police chief said, "I have repeatedly been told the number is three," though he cautioned that the information was coming from witnesses at the scene. Burguan said the attackers fled in what was potentially a dark SUV. He did not provide a description of the suspects or discuss a possible motive.
"These are people that came prepared," the chief said. "They were dressed and equipped in a way to indicate that they were prepared and they were armed with long guns not handguns."
The assistant director of the FBI's Los Angeles field office, David Bowdich, said at the news conference, "Is this a terrorist incident? We do not know."
Burguan also said that several hundred people who were in the building were taken to a safe location and that buildings in the surrounding area had been locked down.
Roads near the scene have been shut down and the San Bernardino County Sheriff's Department was warning people to avoid the area.
Terry Petit said his daughter works at the Inland Regional Center and that she said she was inside when the sound of gunfire erupted.
He choked back tears as he read her texts toABC 7 Eyewitness News: "People shot. In the office waiting for cops. Pray for us. I am locked in an office."
San Bernardino Mayor R. Carey Davis said in a statement that the community "experienced severe loss and severe shock" Wednesday.
"It is critical in moments like these, our City unites in supporting the victims, their families, and the effort against crime in our City. We will continue to utilize all safety resources available to the San Bernardino community to deal with this tragedy," he said.
A White House official said that President Obama was briefed by his homeland security adviser on the San Bernardino shooting.
"We don't yet know what the motives of the shooters are, but what we do know is there are steps we can take to make Americans safer and that we should come together in a bipartisan basis at every level of government to make these rare as opposed to normal," Obama told CBS News Wednesday. "We should never think that this is something that just happens in the ordinary course of events, because it doesn't happen with the same frequency in other countries."
This is a developing story. Some things that get reported by the media will later turn out to be wrong. We will focus on reports from police officials and other authorities, credible news outlets and reporters who are at the scene. We will update as the situation develops.
To see more,
http://www.npr.org/.

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