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2015/11/29

クロカル超人が行く 182 北鎌倉から鎌倉へ プチ散歩

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紅葉見に北鎌倉にプチ散歩。一昨年にアメリカから友人夫妻が帰国したときに案内した臨済宗・円覚寺派本山円覚寺(弘安5年、1282年創建。開祖は北條時宗、開山は高尚無学祖元、仏光国師)だが、今年の紅葉はそのときより色づきがイマイチだった。境内には北欧から来た外国人女性のグループも。山門➡仏殿(宝冠釈迦如来坐像)➡大方丈➡国宝・舎利殿➡佛日庵➡開基廟➡国宝・洪鐘(おおがね)入口(時間切れで見られず)などを散策。円覚寺には修行僧20数名を含め全部で60名くらいがいるとは案内所の人の話。この寺の創建の目的は、蒙古襲来で戦没した多くの霊を敵味方なく弔うことだった(円覚寺のパンフレット)。坐禅会も開催中。家人が初心者坐禅にチャレンジしてみたいと宣うたー。
晩秋の夕暮れ、北鎌倉から鎌倉方面へ。民家の間に洒落た店を出しているところが増えた感じだが、中には年だから閉店するという絵画店主も。良い絵もあるのでヤクオクで売りますと。さらに交通量の多くなった道路の脇道を進むと、キューピーなど軒先に置かれたユニークな友野風呂店を過ぎ、建長寺付近に焼き煎餅屋を発見。焼きたての大きな煎餅を頬張ることに。パリパリ感もあって香ばしかったこと、醤油好きには堪らなかった。12、3分後鶴岡八幡宮のすぐ近く、小町通りの端の小田原の干物屋(正式名は『山安 鎌倉店』)に到着。ここはアジなど美味な干物が激安で売っているところで、最近では鎌倉に来れば必ず寄る店だ。ここの試食コーナーで小耳に挟んだ話。この店で売れ行きのいい比較的大き目のアジの干物が最近では獲れなくて店頭に並んでいないらしい。

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店に入ると確かにそのアジはなく、仕方なく大き目のアジの干物をゲット。今夜の夕食は余程のサプライズがない限り魚系で決まりだ。さて、アイスに目がない家人を振り抜きながら、灯りがともった小町通りの陶器店に形や色合いのいい筆者好みの湯呑み茶碗を物色するも、残念ながら手頃なものがなかった。鎌倉駅前で一息ついたあと家路に。帰りの鎌倉駅はホームから落ちそうになるほどの混みようで、さながら通勤時のラッシュアワーのようだった。

晩秋の色づき具合も人次第

寺紅葉焼煎餅の色に負け

若い子のゆく秋寂し街灯り

円覚寺添えば映えるか紅葉女(もみじびと)

キューピーの冬支度見る鎌倉道

[supllement]

Engakuji :
Engakuji Temple was founded in the 5th year of the Koan Era (1282).Its patron was Hojo Tokimune of the Kamakura Shogunate, who played an important role in the battles against Mongolia.The founder of the temple was the high-ranking priest, Mugaku Sogen (Bukko Kokushi), who arrived in Japan from China. Engakuji was built mainly to honor the war- dead from both sides of the conflict.

The Temple of Spirit :
Engakuji endured several major fires as well as periods of decline. Priest Seisetsu in the end of the Edo Era reconstructed the monastery to consolidate the foundation into Engakuji's present form. In the Meiji Era, many unsui (zen novices)and koji (lay trainees)came to practice Zen meditation under the direction of Imakita Kosen and Shaku Soen, making Engakuji the center of Zen gatherings in the Kanto area. Today, with its Zen meditation halls, variety of Zen meditation sessions, and summer courses, this temple is loved by many and is thus known as “The Temple of Spirit. (from Engakuji's pamphlet)

2015/11/26

超人の面白ラーメン紀行 210 JR岡山駅・麺屋匠

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岡山駅西口にある老舗のラーメン店『浅月本店』に行きたかったが単純なミスで叶わず、駅ナカの『麺屋匠』に入った。場所を移して4年目のこの店は白黒のモノトーンを基調とした洒落た造りで、供されたラーメンのどんぶりには鮮やかさが際立つ絵柄と緩やかなカーブが施されていて、さながらモダンボウル的。そんなモノトーンの中で動く、カワイイ系2人のヤングガールズ(1人は研修生)が映えていた。醤油ラーメン(730円)は鶏ガラスープに細麺ストレート、トッピングのチャーシューもまあまあ。ここは岡山、ご当地のラーメンにあらず、東京で食べている感じだった。長浜系の豚骨で濃口醤油が岡山ラーメンらしいが。
岡山・麺屋匠 1.スープ★★☆2.麺★★3.トッピング★☆4.接客・雰囲気★★☆⒌価格★★

超人の面白ラーメン紀行 209 神戸・らぁめんたろう 阪急六甲店

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そういえば神戸ラーメンとはあまり聞いたことがないが、その中で本店が三ノ宮にあるラーメンチェーン店、『らぁめんたろう 阪急六甲店』に初めて入った。知り合いの勧めである。オススメの豚骨系らぁめんたろう(900円)を頼んだが、スープが博多系とも違って独特の味。今まで食べたことのない、やや甘さのある豚骨薄味系といったところ。細麺ストレート系、トッピングのチャーシューは柔らかくて美味。自家製の大根のキムチ(お世辞にも美味とは言いにくいが)がのっているのが最大の特長。2時半過ぎに入ったので人は疎らだった。
神戸・らぁめんたろう 阪急六甲店 1.スープ★☆2.麺★★3.トッピング★★4.接客・雰囲気★☆⒌価格★☆

2015/11/23

クロカル超人が行く 181 大阪 EXPOCITY (エキスポシティ)

昨日19日にオープンした〈三井ショッピングパーク ららぽーとEXPOCITY〉と8つの大型エンターテイメント施設。コンセプトは万博のコンセプトを引き継いだ形の『遊ぶ、学ぶ、見つける』楽しさをひとつにである。
EXPOCITY(エキスポシティ)は、地上1階~3階、敷地面積172,239.68㎡、延床面積約223,000㎡の複合商業施設。(三井不動産のwebsiteを参照)

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【写真左上から : エキスポシディ入口 案内図 ららぽーと外観 イングリッシュ ビレッジ 最寄りの駅近くにある木々の間から見える岡本太郎作「太陽の塔」】

① NIFREL(ニフレル) 水族館、動物園、美術館で感性を豊かにする「生きているミュージアム」② 109シネマズ大阪エキスポシティ 地域最大11スクリーンの最新シネコン、IMAX次世代レーザー ③ ANIPO(アニポ)「動物キャラクターの移動遊園地」をテーマにしたアミューズメントゾーン ④ OSAKA ENGLISH VILLAGE(オオサカ イングリッシュ ビレッジ) 日本初の「体験型」英語教育施設(上4番目の写真) ⑤ Orbi Osaka(オービイオオサカ) 2016年初頭オープン予定 日本最大級の大迫力で匂いや霧などの演出を体験しながら楽しめるシアターなど。⑥ REDHORSE OSAKA WHEEL(レッドホースオオサカホイール) 2016年春オープン予定 120メートルをこえる日本一高い大観覧車 ⑦ ポケモンEXPOジム ⑧ENTERTAINMENT FIELD(ひつじのショーンファミリーファーム) 体験型アミューズメントパーク。8つの大型エンタ―テインメント施設が掲載されているパンフレットを見ながら紹介したが、ついでにショッピングゾーンのららぽーとにある2つの食空間の店の紹介は下記の通り。食い道楽大阪のバラエティに富んだ庶民の味に各国の新鮮な味も加味され、多種多様な食文化が楽しめるように工夫を凝らしているようだ。
左サイドの【レストラン街 EXPO KITCHEN】には18店舗が軒を連ねる。洋食他 ミツケキッチン SOBA DINNING 結月庵そじ坊 定食 ごはんとわたし 洋食レストラン BARBARA EXPO RESTAURANT 鉄板・お好み焼き 大阪 粉もん お好み焼き 五郎ッペ食堂 回転寿司 大起水産回転寿司 焼肉 焼肉 平城苑 とんかつ工房和幸 中華・飲茶 浪漫路 KITCHEN ワールドビュッフェ BUFFET RESTAURANT Atlantic カジュアルレストラン Egg's Things ショップ&カフェ GUNDAM SQUARE スィーツビュッフェ スィーツパラダイス キャラクターベーカリー BC-bakery フライドチキン KFC 串揚ビュッフェ 神楽揚処本串家 洋食他 万博食堂 うどん 元祖セルフうどんの店 竹清。
右サイドの【Food Pavilionフードコート】には17店舗が並ぶ。牛たん 仙臺たんや利久 ソフトクリーム 町村牧場 ジュースバー フルーツバーAOKI ラーメン RAMENEXPRESS 博多一風堂 セルフうどん 讃岐うどん まごころ たこ焼き・粉もの たこ焼き発祥のお店 大阪玉出 会津屋 オムライス 元祖オムライス 北極星 親子丼 鶏三和 天丼 日本橋 天丼 金子半之助 つけ麺 つじ田 ハワイアン ハワイアングルメバーガー クア・アイナ 中華 チャーハンスタジアム 追立 韓国料理 Korean Kitchen まだん タイ料理ティーヌン イタリアン PIZZERIA Tana Formo FRESCA 全国ご当地どんぶり 全国ご当地 丼ぶり屋台 駄菓子 静屋。

仕事で移動中にモノレールに乗ったら、万博記念公園駅近くに新たな複合商業施設がオープンしたばかりなのを知って少し寄り道してみた。この付近は1970年の大阪万博会場だったところで、今回はパスしたが筆者はここから仕事で民博へよく出かけたものだ。その当時はがらんとしていてタクシーを乗るのにも台数が少なく一苦労したのを覚えている。万博記念公園内にある岡本太郎の作品「太陽の塔」だけがとてつもないスケールと不思議な造形美で圧倒的な存在感を示していると勝手に思っていたが、この公園は紅葉の名所としても知られているのだ。それこそ今がみどころ。そんなところに新たな商業施設のオープンである。時代は流転するのだ。新たに老若男女が楽しめるアミューズメントパークに生まれ変わった。オープン2日目とあって最寄りの駅から商業施設のエキスポシティまで人が絶えなかった。若いカップル、学生、関西のおばちゃん、子ども連れの家族、実年夫婦等様々。さすがにまだ中国人やタイ人など外国人の観光客は押し寄せていなかった!筆者は時間もなかったのでほんの少し覗いただけだった――。
ところで、昨晩夕食に手頃な和幸のとんかつを食べたくなったので、それらしき店をネットで検索後、まずはナンバの高島屋のレストラン街に出かけたが本物のとんかつ和幸ではなく、グループ店で値段も高めだった。次に今度はキタの大阪駅周辺で店を探したがなかった。仕方なく阪急三番街にある別の店(大阪では有名な店かも)で食べたのだ。とんかつ和幸は、東京周辺には結構店があるのに大阪駅周辺(南船場や西ノ宮などにはあるが店数は少ない)には一軒もないのは不思議だった。食い道楽の大阪には関東勢はそもそも無理かと思っていた矢先、この新しい商業施設エキスポシティのレストラン街EXPO KITCHENのパンフレットに“工房和幸”の文字を見つけてびっくりぽんや!次回の楽しみとしたい。エキスポシティの紹介がいつも間にかとんかつ店の話に。
さてさて、三井不動産が開発した新感覚の複合商業施設は浪花の賑わいを何色に染めてくれるか楽しみだ。昨日は大阪府知事・市長選のダブル選挙日、自公が維新組に敗退。大阪都構想が再浮上するか?政治の混乱のために権力を無理に行使して血税を無駄にすることだけはやめてもらいたい。庶民のために魅力ある地方政治の実現を期待したい。
(註。この記事は11月20日~23日にわたって書き綴ったもの)

2015/11/14

超人のジャーナリスト・アイ 159 花の都パリで同時多発テロ

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なぜか今朝は朝5時すぎに目が覚め、携帯やテレビを視ていたら、初めに薩摩半島で震度4の地震のニュースが入り、その後8時過ぎに今度はパリでテロ事件が発生したとのニュースが流れた。パリのテロ事件は時間が経つにつれ詳細がだんだんと明らかになってきた。日本時間14日朝早く、パリのバタクラン劇場(2015年1月に襲撃された仏週刊誌シャルル・エブドリ社はここから数百メートルのところにある)のロックコンサート中に男らが銃を乱射し人質をとって立てこもり、その後警察隊が突入し容疑者2人を射殺した。15分くらい銃を撃ち続けたと伝えられている。また、パリのレストランでも発砲や、パリ郊外のサッカースタジアムの入口付近でも爆発があり、少なくとも6か所でテロ事件が起きた。フランスとドイツの親善サッカー試合ではオランド大統領も観戦していた。オランド大統領は非常事態宣言をし、国境をすべて封鎖したと。このテロ事件で少なくとも120人以上が死亡、この中には中国人も含まれていると報道されたが日本人はいない模様。オバマ大統領もこう声明を読み上げた。

"This is an attack not just on Paris, it's an attack not just on the people of France, but this is an attack on all of humanity and the universal values that we share.'

今年の1月に風刺問題でテロ事件が起きたパリで、また、恐怖のテロ事件が起きた。世界の秩序は悪の道を辿り始めているとのことか、資本主義の功罪がさらに顕在化している証左なのか、平和とは何か、対話での解決策はできないものか等々。このまま行けばハンチントンのいう“文明の衝突”になりかねないと懸念するジャーナリストも。大いに考えさせられるショッキングな事件だ。写真と一部の文章は2015年11月14日付の雑誌「New Yorker」の電子版から。

追記 外国人観光客や通勤客、地方出身者の乗り降りで増々混雑化、巨大化するJR東京駅でこのような事件が起きたら想像を絶する惨事になることは間違いない。想像するとだけでも空恐ろしい―。筆者は通勤でJR東京駅を利用しているが、地震もそう、こういった事件に巻き込まれないとの保障は何もない。常に危険と隣り合わせで生きているのが私たちの暮らしなのだ。目覚めよ、自覚せよ――だろうか。

追記2 パリ同時テロ事件の最新情報では128人が死亡、99人が負傷したと報道されている。フランスの有力紙「Le Monde」紙の電子版を読むはこちら。「テロリストの軍隊が行った戦争行為」というオランド大統領の発言が見出し。犯行はイスラム過激派「イスラム国」(IS)が声明を出して判明、どうやらフランスがシリアに空爆していることへの報復だと伝えられている。
http://www.lemonde.fr/

追記3 この悲惨な事件に関して参考になるアメリカのNPR(National Public Radio、アメリカの公共ラジオ)のサイトはこちら。(2015.11.15 記)
http://www.npr.org

追記4 最新情報ではこの事件の死者は129人、重軽傷者352人、そのうち99人が重傷。犯行グループは3グループにわかれて襲撃(実行犯はパリ警察の発表に基づき7名と報道された)、その一つ、自爆テロを実施したサッカー場入口には犯人のパスポートが落ちていて、そこからシリアやエジプトから来た人間と判明、そのなかにはギリシャに上陸した難民の軌跡もあったという。(2015.11.15 記)

2015/11/13

超人のジャーナリスト・アイ 158 スウェーデンの学校襲撃事件 4

Regeringen satsar nya pengar på flyktingar

議会が難民対策に新たな投資

スウェーデン議会は木曜日予算計画を変更し、2015年秋の予算に1100万クローナ(日本円で約1億5600万円)を追加予算に計上したと発表。予算は難民受け入れがスムーズ化するよう1年間発動される。難民受け入れに使われる予算について保守党や左翼党とも合意。特にすべての地方自治体に行き渡る。難民の子どもにはお金がかかる。教会、スポーツクラブなどの機関も予算が更に必要だ。議会はいつ予算を発動するかまだ決めていないが、対策を講じるためには借金したり節約をすることになると財務相のマグダレーナ・アンダーション。―「8sidor」2015年11月12日の電子版から。

2015/11/12

クロカル超人が行く 180 横浜みなとみらい クウィーンズ スクウェアのクリスマスツリー

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パシフィコ横浜で開催中の「図書館総合展」に出かけた。今回のテーマの一つ、“世界をつなぐ図書館”に興味があったから、少し聴講し少しブースを覗いた。

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【写真 : 筆者が聴講した講演会】

デジタル化ねぇ。ツールばかり便利になるも、コンテンツの充実も図らなきゃ。紙文化も“噛み”しめる時代か、図書館の役割はいかに。帰りにクウィーンズ スクウェアでクリスマス ツリーに遭遇。もう、クリスマス! ともかく1年が過ぎるのが早いのだ。

景色盛る今はモミジかツリー過ぎ


2015/11/10

超人のジャーナリスト・アイ 158 スウェーデンの学校襲撃事件 続々

2015年11月6日付の「8sidor」の記事大意。

Boenden för flyktingar kan ta slut

スウェーデンのモルガン・ヨハンソン移民相は、難民の施設を打ち切ると発表。最近では毎日1500人以上の難民がスウェーデンに押し寄せ、増え続けている。モルガン・ヨハンソン移民相が語ったところによれば、難民の施設をまもなく打ち切るという。また、スウェーデンにやって来る人たちは我々が施設を確保できないことに耳を傾けなければいけないとも。自分たちの住むところが確保できなければドイツかデンマークへ引き返えしてもらわなければならない。移民局の委員がすべての地方自治体に2万ヶ所の難民用の新しい場所を探すよう依頼。テント生活者は現在4万人と移民局の委員。金曜日の夜マルメでは50人が眠る場所がなかった。ノルシェッピングの移民局までバスでの移動は仕方がなかったし、当局の施設の床で眠らなければならなかった。モルガン・ヨハンソン移民相はスウェーデンにやって来る難民たちがスウェーデンでの受け入れはむずかしい状況だと理解してほしいと。どのくら時間がかかろうともそんなに多くを受け入れられないことは明らかだからだ。このことを聞いてやって来る人が少なくなることを期待したい。

この小さな記事でも明らかなように、スウェーデンでの難民受け入れの事態は深刻さを増すばかりだ。

2015/11/06

超人のジャーナリスト・アイ 158 スウェーデンの学校襲撃事件 続

下記は2015年10月23日に雑誌『New Yorker』に掲載されたスウェーデンで起きた学校襲撃事件の記事。筆者の試訳。

スウェーデンでの襲撃事件とアイディンティティーの危機

スウェーデンで起きた人種差別的な動機に根差した襲撃事件は、移民について理想の衝突をすでに経験している国を震撼させている。

「私たちは机に避難したわ。みんな怖がっていて泣き叫んでいたの」手を震わせている11才の女子生徒が木曜日にクラスメイトと犯人の後ろでどのように隠れていたかを記者に語ってくれた。犯人は変装していて長い時間閉じ込め二人を殺害し、数人を負傷させた。長時間閉じ込められて気の毒だったが、アメリカでは学校襲撃事件が一週間毎に起こっていて日常的だ。しかし、ヨーテボリーの北80kmの産業都市で、普通は平和なトロルヘッタンの小中学校で事件は起きた。その校外にいた父親の傍に、先ほどスウェーデン語で話してくれた少女がハンカチを覆いながら立っていた。娘に呼ばれてどのように駆けつけたか父親が説明しているとき、彼女は何度か瞬きをしてはうつ向いていた。叫びながら娘に急いで駆けつけてと懇願されたので、足元は浴室用のサンダルのままだった。
襲撃事件はスウェーデンを震い上がらせた。狂暴な犯罪は1961年以来初めてだった。生徒たちは一人でよく通学していた。誰もが通学できるようにと正門は旋錠されていず無防備のままだった。これは他の国では単純で危険なものと見抜いていたはずなのだが、スウェーデンではこれは社会が開かれ、市民に受け入れられているという、自覚的で深く根差された実践なのだ。
21才の犯人アントン・ルンディン・ペーターションは地元のスウェーデン人だった。目撃者によると、彼は黒いトレンチコートを着、マスクをかけ、黒いヘルメットを着用して学校に到着した。彼は大きな刃物で犠牲者を切りつけた。校門でイラク出身の教師補助を襲撃したあと、彼は白い肌の生徒をすぐに避けて現れた。スウェーデンの警察の話では、その代わりソマリア出身の15才の生徒を見つけ、殺害するまで進み続けた。そのあとすぐに警察が犯人を射殺、犯人は病院に運ばれたが死亡した。警察によると、彼の遺書から襲撃の理由が人種差別的な動機に裏付けられた憎悪犯罪だということが明らかになった。
アンダー・シュベリング・ブレビックとの事件とは似ていないが、ノルウェーの過激派が2011年の夏のキャンプ場で69人の人たちを殺害しテロリズムのかどで逮捕されたが、ルンディン・ペーターションは銃を所持していないが多数の死亡者を出した。
彼は多くの時間をインターネットで過ごす、孤独な青年という家族のよく見かけるパターンだった。そのインターネット上にはナチスドイツと反移民の極右主義者に引かれる痕跡があった。
引き下ろす前に、彼のフェスブックのプロフィールには数人の友人とドイツのヘビメタのバンド、ロマンシュタインのロゴがあった。人種差別主義者でフェミニストの彼らにシンパシーを感じていたことは確実だった。ルンディン・ピーターションが犯人だと判ったあと、右翼のグループがネット上で人種統合から国を守ったと告げた。
トロルヘッタンは極端に分離政策をとっている都市で、学校の近辺では人口の半分が外国人出身者だとスウェーデンの政治学者が言う。ドイツのような気前の良いヨーロッパの国々が、亡命者の手続きをきつくしたり移民のエキスパートが「誘引」と呼んでいることを制限したりしてきたときでさえ、スウェーデンは南部の国境を大開放したままで、亡命者の四分の三を受け入れながら国連の難民条約の幅広い解釈を採用する立場に立ってきた。
ヨーロッパ大陸の内と外にある国境支配の崩壊で亡命者処置についてヨーロッパのシステムに明らかな欠陥があることが見えてきたことやアフガニスタンの最近の悪化している現象によって、亡命を受け入れてシリア人に永住権を広げるという、ヨーロッパでもユニークなスウェーデンの政策が取ってきたように、この数カ月スウェーデンへの移民流入を容易にしてきた。
わずか950万のほとんどが同一民族の国で、人口の14%が現在外国人出身者で占められている。その数は上昇するとみられている。学校襲撃事件は移民局が発表したわずか数時間後に起きた。その発表は今年スウェーデンに19,000人が到着し、その数は前の推計のほぼ3倍でバルカン戦争時の難民の数を上回っているというものだった。
毎日約1500人以上の亡命者が到着し続けることによって内政の危機が起きた。12ヶ所ある亡命センターがここ数ヶ月の間に放火されたのである。最近の世論調査によれば、ポピュリストで移民反対党のスウェーデン民主党が急激に人気を獲得しているという。脆弱な緑の左翼の連立政権は、政権を維持するためにはいくつか妥協しながら、移民問題について中道右派と再交渉を強いられてきた。学校襲撃事件が起きた木曜日、スウェーデンのステファン・レーフベン首相は、突如トロルヘッタンの犠牲者とその家族と話すため彼らとの会談を延期した。
スウェーデンの歴史家ラーシュ・トレゴート氏が先週スウェーデンのラジオ局で語ったことが状況を的確に描いたとみている。スウェーデンは今理想の衝突を経験しているのだ。伝統的なスウェーデンの理想と自国のイメージには、一生懸命に働いて納税をする国民国家の誇りや容認の堅いイメージがまとわりついて回っている感じだ。しかしながら、さらに進化したスウェーデンの理想―多くの人が抱いている―は、より普遍的な人権に焦点が当てられてきている。高雇用の維持、市民として生きていくための住宅や社会福祉の保障それに国境を守ることというように、時には国民国家の伝統的な優先権を先に進めて、可能な限り多くの亡命者を支援したいことに力をいれている。
移民や難民の開放と同時に、フェミニスト外交という海外支援に多大な貢献をすることによって、スウェーデン政府は、人道主義者の超大国であることを誇りたいのだ。「自国のイメージ」と議会で反移民党を公言している党をもっていることヘの不快感を抱いてしまった自国のイメージとが、不幸にも最近まで極右派と重なることを恐れて、スウェーデンの政治家が保留しているのだ。スウェーデンが処理できることの限界があるかどうか移民のデリケートな問題について議論を避けているのだ。
現在スウェーデンもまた、国内のテロの行動にレッテルを貼ってしまうようなトラウマを持つだろう。確かなことは、ノルウェーのイェンス・ストルテンベリーのブレビックの射殺事件に対する穏やかなアプローチの線上に沿って、人種差別主義者の外国人恐怖症や憎悪に対して力強く宣言するには、絶えざる開放と忍耐が要求されるだろう。しかしながら、人道主義者の強い理想を維持している間、伝統的な社会とのコミニケーションを取ることにおいて市民の信頼を維持するためには、小国で裕福な国家は移民に対してさらに慎重になるざるをえないという人もいることも事実だ。
UNHCR(国際高等難民弁務官事務所)が最大の難民危機とずっと呼んでいることをみても、次世代に最も痛みの伴う複雑な政治的闘争になるだろうし、また、多くのスウェーデン人にとってまさに個人の問題に発展するはずだ。。

以上が『New Yorker』の記事だが、この文章を読んだだけでもスウェーデンの苦悩がみえてくる。大昔スウェーデンの人口は800万くらいしかなかった。その当時送られてきた最新資料には、教育改革を示した図表や解りやすい社会制度の図式があって、日本より大分先を行っていると思ったものだ。そう、高校の時分だ。筆者のスウェーデン理解はそれほどではないが、それなりの趣味的な付き合いで年季は入っていると勝手に思っているのだが。
さて、最近の難民問題は“夢の国”化した一部のヨーロッパの国への流入が信じられないほどの動きをみせて、ヨーロッパ諸国は頭を抱え続けている。まさしく苦悩するヨーロッパだ。シリアの内戦がもたらしたものは広くて深い。地理的にはかなり離れているファーイーストの日本だが、この事態を他人事と聞いて済ます訳にはいかないはずだ。私たちにできることは何かを考えなければならない時期である。もちろんスウェーデンの学校で起きた襲撃事件は痛ましい出来事で決して起こってはならないが、防止策も考えなくてはならない。アメリカではこのところ学校での襲撃事件が多発していて、これまた糸口が見い出せないでいる。銃規制だけはいち早く制度化してもらいたいものだ。人種差別問題がまた、表面化していて痛々しい事件が起きている。
筆者は出社前に毎朝海外のニュースを観ているけれども(15分余りだが)、特にヨーロッパの放送局では難民のニュースはリアルタイムで報道されている。荒海を越えられずに犠牲になった難民もたくさんいる。資本主義が産み出した格差社会、とりわけ負の連鎖が新天地へと駆り出している。しかも最小で最大の効果を発揮する文明の利器を携え、集団移動を容易にしている。GPSを頼りに荒海を越えて移動しているのだ。この10月だけでもその数21万人ともいわれている。スウェーデンの例が物語っているように、社会の弾力性が今問われているのだ。それは私たち一人ひとりの問題でもある。この事件はそれを如実に示してくれている。

追記 雑誌『New Yorker』は1925年創刊の高級週刊誌、一時期経営難もあったようだが、今や100万部以上を誇るアメリカのクオリティーペーパーだ。センスは抜群、日本にはこの手の雑誌がないのが残念だ。

2015/11/05

クロカル超人が行く 179 世田谷文学館『詩人・大岡信展』 余録

筆者の書棚から取り出した大岡信の本。

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詩集『遊星の寝返りの下で』(書肆山田版 初版 昭和52年12月刊)の内容の一部。

「20151105130447.pdf」をダウンロード

世田谷文学館で配布されていた大岡信の詩篇。

「20151105122245.pdf」をダウンロード

2015/11/03

クロカル超人が行く 179 世田谷文学館「詩人・大岡信展」

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秋晴れの文化の日の今日、芦花公園にある世田谷文学館に足を運んだ。今12月6日(日)まで「詩人・大岡信展」が開催中だ。前から三島市に出来た「大岡信ことば館」に行ってみたいと思っていたから、比較的近場での開催はありがたい。

花 Ⅱ


花もまた 物質であり
物質であることによって
宇宙の輝かしい突起となる

私は精神をもっていると信じている
けれども私の精神はもっていない
花や葉っぱの純粋な形態を

光 水 空気 土
花の形態を展開させるために
宇宙はそれ以上のものを必要としなかった


「水の生理」1960─1967


約2時間たっぷり編年体で織り成された大岡信の詩宇宙に遊んだ。三島・沼津での幼少期と初期の同人誌など、一高時代(仏文で担当教官は寺田透だった)の雑誌に参画(仏文学者の渡辺一夫に原稿依頼した校内文芸誌の現物も陳列)、東大時代(国文専攻)、卒論は「夏目漱石論」(現物陳列)、詩を書く傍ら「ポール・エリュアール論」(現物陳列)など詩論やシュールリアリスム研究も。読売新聞記者から大学教員時代へ。その間に「櫂」など詩誌(現物陳列)に参画、書肆ユリイカの社主(詩集の刊行など)や南画廊の店主(コンセプショナル アートや現代美術の紹介者)、加納光於、武満徹などの画家や音楽家との出会い、連詩連句の実作と海外での講演、数々の詩集や詩論の本、折々の歌の原稿やバリエーションのある書籍等々が展示・展開されている。何よりも目を引いたのは上梓した本はもちろんのこと、数多く展示されているノートに万年筆で綴られた“詩稿”の類いだ。細字で細かいが整然と書かれた詩片など大岡信の几帳面な一面、とりわけ詩の“源泉”を読みとれるほど。筆者的には大岡信が指摘した西脇順三郎の萩原朔太郎との交友関係疑惑について西脇順三郎が大岡信に送った手紙の文章や懐かしい書肆山田(当時の山田耕一社主とは大分親しかった)刊の書籍に魅了された。雑誌『詩学』に載った大岡信の西脇順三郎論も大変興味あるところ。その昔文学研究者だか作家だったか、それとも、知人の読書人だったか忘れたが、大岡信の評論はみんな誉めすぎでほんわかしていて面白くないと言っていたが。さて、本当だったか。それはさておき、読書量と幅広い知識は相当なものだ。ここにディスプレイされている有名な詩は一つひとつ読んだ。昔読んでいたものが大半で、ほとんど忘れかけていたが、蘇ったのだ!あの大岡コトバが。同じコトバでイメージを脹らませることが得意で、ナンセンス語も散りばめられている。ここではひらがなの多用が効果的で、やわらかく、自由にのびやかに詩群が遊泳し戯れているのだ。これこそ大岡信の真骨頂だ。ナンセンス詩と言えば、谷川俊太郎だが、彼は大岡信詩の最大の理解者で良き伴走者だ。対談で詩の分析となると、いつもその辺は大岡に任せますと言っていた…。作家北杜夫のユーモアに溢れた手書きの某共和国の表彰状も面白くて思わず二度読んでしまった。大岡信が飲むと大変で、さらに飲み過ぎると訳の分からないフランス語が飛び出す始末と。ビデオ鑑賞では晩年の自宅の様子が写し出されていたが、その書棚は何と筆者のものと同じだった!その書棚は某先生から譲り受けたもので、今仕事場で光彩を放っている。今度は三島行きを決行する番だ。世田谷文学館の館長はマラルメ論などで有名な仏文学者の菅野昭正氏で、話題性のある企画を次々と打ち出している。
もうひとつ面白いことを発見したことをつけ加えてこのコラムを終わりたい。賢明な読者諸氏は、昨日世界ラグビー世界大会でニュージーランドが優勝したことはニュースで知っていたと思うが、日本も強豪南アフリカを破るなど大活躍し世界が注目したことは記憶に新しい。その中心メンバーでユニークな“祈り”のポーズでキックした、今やすっかり有名になったラガーマン、太郎丸歩氏(たった今入ったニュースでは、彼はオーストラリアのラグビーチームに移籍したと伝えた)がいる。詩人・大岡信の近況を写し出したビデオに登場した品のいい愛猫の名前が何と“太郎丸”だった!これは偶然にせよGREAT MARU⭕

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【写真左上: 館内で唯一撮影できた会場入口。 写真左下: パンフレットの一部。 写真右下: 似顔絵の判を4ヶ所、パンフレットに押して悪戯書きしたもの。最初は記念の判押しだったが、左下がかすれてしまって再度判をポンポンと押したらユーモラスなものに。偶然の産物】

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