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2015/09/17

超人の面白TV映画鑑賞  学歴の値段~集金マシーン化した米大学の真実 3

大学における様々な問題を鋭く抉るこの映画は、アメリカの高等教育機関がおかれている現状を見事に写し出している。この映画の主題はもちろん大学の学費高騰とそれに伴う信じられないほどの莫大な学費ローン問題だ。大学の現状をリポートし解決策を探る試みである。大学の格付け、大学の激化する競争、公立大学の発展史、1960年代のジョンソン政権下での連邦奨学金と給付型奨学金の設立、レーガン政権下での高等教育費予算の削減、物価の値上がりに伴い高騰する学費、教育よりも研究に偏りがちな研究者、パーティー化した大学、豪華な大学会館、スポーツ施設や寮、増え続ける学費ローン(その額今や1兆ドル、日本円で約120兆円!学生一人平均10万ドル~20万ドルの借金)、学長の法外な高額報酬(ハーバード大学の学長の報酬額は約80万ドル、日本円で9,600万円!)、学生の質の低下とそれを補うチューターの導入、オンライン教育(MOOC、ユダシティ、エディックスなど)で巻き返しを図る大学の模索等がややスピーディーかつシリアスに展開されている。大学という“象牙の塔”の地殻変動は、今まさにchallenge、change、chance(「挑戦」して「変革」が得られれば、新たな良い「機会」が得られるとの意の3つのC、これは筆者の造語)が必要なことをこの映画は教えてくれる。ここで気になったフレーズがある。それはオンライン教育のユダシティの創設者が語った言葉だ。「青い錠剤を選んだ人は20人、赤い錠剤を選んだ人は不思議の国」というフレーズだ。青い錠剤はバーチャルに留まることを意味し、赤い錠剤は現実の世界に目覚めるということの意味だそうだ。
映画はハーバード大学のキャンパス風景を写し出すところから始まる。17世紀イギリスのケンブリッジを模して、より良い社会のリーダーを育成するために設立されたのがこの大学で、最初大学は教会の副産物だったという。大学問題に詳しい専門家や学長、学生や父兄、先生や大学の職員などのインタビューを交えて、ハーバード大学、カリフォルニア大学*、コロラド州立大学、アリゾナ州立大学、ディープ・スプリングス・カレッジ、スペルマン大学、クーパー・ユニオン大学、ウェズリアン大学、スタンフォード大学、コミュニティカレッジ、サンノゼ大学などの現状と取り組みを紹介し、クーパー・ユニオン大学の学費問題解決に向かう現状リポートやサンホゼ州立大学のオンライン教育のchallengeを紹介し、最後は学費制度改革を訴えてこの映画は終わる。前半は大学がおかれた学費高騰や学費ローンの急激な増加現象を追いながらも様々な問題を取り上げ、高等教育機関としての大学の多様性を紹介。後半は学費問題を掘り下げる一方、ハッキングハウスなど中退者他を救済するオンライン型教育の新たな取り組みをリポートしている。これはややもするとフォローを見逃す視点だろう。柔軟織り混ぜた色彩豊かな映像、的確な現状分析と変革を語ったインタビューアーたちからリアルで分かりやすいアメリカの大学の現状が見えてくる。一見華やかに見えるアメリカの高等教育機関には今格差が拡がり、学費が払えなければより良い教育が受けられない危機に直面しているのだ。(続く)

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