« クロカル超人が行く 174 神田小川町『ポンチ軒』 | トップページ | 池袋のラーメン店『大勝軒』創業者の死 »

2015/04/01

超人の生真面目半分転生人語 4 ノーベル文学賞候補エピソード

昨夜、衣替えしたばかりのNHK夜9時の「ニュースウォッチナイン」でノーベル文学賞に至る過程を小特集していた。川端康成が日本人で初めて受賞した1960年代、そこにはノーベル委員会から密かに推挙依頼を受けた日本文学研究者ドナルド・キーン氏らの葛藤があった。ノーベル賞の候補や選考過程については50年間守秘義務があったため、候補者選びにはいろいろと推測が飛んでいたが、最近50年が経ってようやく情報公開されるようになった。少しずつ当時の真相が解り始めてきたのだ。文学賞候補には、谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫そして西脇順三郎の名前が挙がっていた。番組では新星キャスターが日本文学研究者のドナルド・キーン氏を訪ねインタビューを試みていた。今だからいえる真実ー。やはり若い三島由紀夫に取らせたかったが、彼はまだ若いのでチャンスはまだあるからと、文化勲章など大きな賞はキャリアの証として受けるという日本の年功序列の習慣を踏まえて、谷崎、川端あたりを考えていたと打ち明けた。我らの詩人西脇順三郎はこの限りでは4番目の候補だった。その後谷崎は亡くなり、川端が受賞(サイデンステッカー訳『Snow Country』の果たした役割は甚大)、三島は自決した(1970年11月25日。筆者は朝日新聞が夕刊トップで彼の死を伝えていたことを鮮明に覚えている)。驚いたことに、2年後、川端も逗子マリーナでガス自殺して果てた。

追記 ノーベル文学賞候補に挙がっていた谷崎潤一郎の話を一昨日書いたばかりだが、今度は谷崎潤一郎の創作ノートがネガフィルムの形で発見、とまたもやNHK「ニュースウォッチナイン」が報道。番組制作関係者には相当の文学好きがいるのかと疑いたくなるような連日の文学関連報道だ。
それはさておき、谷崎潤一郎の話の続き。戦時中、谷崎がこれらの散逸を恐れて友人に頼んでカメラに収めてもらったものらしい。出版社が新たな谷崎潤一郎全集を編集中に倉庫から出てきたという。そのネガフィルムから『細雪』、『春琴抄』や『陰翳礼讚』などの執筆メモが読み取れ、作家の頭のカオスを覗ける面白さがあると指摘しまた、今回の発見は極めて奇跡的と谷崎研究家で早稲田大学の千葉俊二教授が語っていた。新たに谷崎ブームが起こるかも。映画のリメイクやら、“谷崎源氏”の読み直しもあったりと。そんな感じもする筆者だが・・・。(2015.4.3 記)

追記 またもや谷崎潤一郎の新発見資料の話を4日付毎日新聞朝刊が伝えている。今度は筆者の会社宛にもメールで案内が来た神奈川近代文学館の「没後50年 谷崎潤一郎展」で、その新発見資料が公開される。最初の妻との間に生まれた鮎子に送った未発表の書簡225通と詩人の佐藤春夫宛の人妻との恋を打ち明けた手紙1通だ。谷崎の父親としての顔が伺い知れるものなど谷崎研究者やファンには堪らない資料かも。(2015.4.4 記)

« クロカル超人が行く 174 神田小川町『ポンチ軒』 | トップページ | 池袋のラーメン店『大勝軒』創業者の死 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« クロカル超人が行く 174 神田小川町『ポンチ軒』 | トップページ | 池袋のラーメン店『大勝軒』創業者の死 »

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31