« クロカル超人が行く 173  町田市民文学館『常盤新平展』 3 | トップページ | クロカル超人が行く 173  町田市民文学館『常盤新平展』 5 »

2015/03/29

クロカル超人が行く 173  町田市民文学館『常盤新平展』 4

常盤新平の風貌は硬派なイメージでやわな翻訳ものに携わっていた人とは、失礼ながら想像しにくい。しかし、人は見かけによらずこういった人が意外な職業に就いていることが多いのだ。
『常盤新平展』を約1時間半かけて観たわけだが、全体的な印象からいえば、パネルの説明書に従い、陳列してある作品をただ眺める平凡なものだった。空間利用一つ取ってももっと立体的な工夫がほしいところだ。限られたスペースにすべてを盛り込むことは無理としても、ある種の変化やサプライズが見られなかった。前にも言及したが簡単な展示目録がなかったのが残念。岩手県水沢生まれの仙台育ちで、父親(この父親とは葛藤があった)が税務署員(最後は会津若松で税理士として死去)だったため、東北地方を何ヵ所か移っている。英語に目覚めたのは仙台の高校時代。この頃意外にも同人雑誌に詩も書いていた。同人雑誌に掲載された2篇の詩を読むと、やや心情吐露風で決して上手いとは言えない。大学時代はもっぱらアメリカのペーパーバックや雑誌の耽読時期だった。その中から次第に好みの作家を見つけ出し、大学院生活最後の頃には最初の翻訳を手掛けている。本格的な翻訳書、E・S・ガードナーの『腹の空いた馬』刊行の前年で児童読物、ラルフ・ ムーディーの『開拓の勇者』を訳している。常盤新平、26歳。早川書房では雑誌「エラリイ・クィーンズ・ミステリ・マガジン」や「ミステリマガジン」の編集長を長く務めた。やがて社内のゴタゴタがあって早川書房を辞めることになる。〈続く〉

« クロカル超人が行く 173  町田市民文学館『常盤新平展』 3 | トップページ | クロカル超人が行く 173  町田市民文学館『常盤新平展』 5 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: クロカル超人が行く 173  町田市民文学館『常盤新平展』 4:

« クロカル超人が行く 173  町田市民文学館『常盤新平展』 3 | トップページ | クロカル超人が行く 173  町田市民文学館『常盤新平展』 5 »

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31