« クロカル超人が行く 171  国立 鰻店『うなぎ 押田』その前に | トップページ | クロカル超人が行く 171 国立 鰻店『うなぎ 押田』 2  »

2015/03/05

クロカル超人が行く 171  国立 鰻店『うなぎ 押田』 1 

鰻店『うなぎ 押田』に入る前に、鰻に関するとっておきのエピソードを一つ。本か雑誌で読んだのか今となっては記憶が曖昧だが、歌人の斉藤茂吉の鰻好きはつとに有名で、戦中疎開先にも鰻の缶詰を持ち込み、疎開が終わって自宅へ帰るときも余った缶詰を持ち帰ったほど鰻好き。息子の精神科医・随筆家の斉藤茂太の話が面白い。茂太が見合いすることになり、宴席に父である茂吉も出席した。人生の節目の儀式に鰻の蒲焼きが出ていざ、食べるときになった。茂太のお相手の女性(もちろん後の奥方)が緊張のあまり一箸つけただけでそのままの状態が続き、見かねた茂吉がもったいないと思いその鰻の蒲焼きを食べてしまったというのだ。大好物の鰻がずっと目の前におかれてあるのに堪らなかったのかも知れない。後年茂太が夫人から「あたしだって、喉から手が出るほど食べたかったの。それなのに、あなたのお父さんたら…」と言われたという。げに食べ物の恨みは恐るべし。この場合は鰻である。斉藤茂太や斉藤宗吉(作家の北杜夫)のご兄弟の書きものには鋭い人間観察のなかにもオブラートに包んだユーモアがある。下記は鰻好きの茂吉の歌。

戦中の鰻のかんづめ残れるがさびて居りけり見つつ悲しき

〈続く〉

« クロカル超人が行く 171  国立 鰻店『うなぎ 押田』その前に | トップページ | クロカル超人が行く 171 国立 鰻店『うなぎ 押田』 2  »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: クロカル超人が行く 171  国立 鰻店『うなぎ 押田』 1 :

« クロカル超人が行く 171  国立 鰻店『うなぎ 押田』その前に | トップページ | クロカル超人が行く 171 国立 鰻店『うなぎ 押田』 2  »

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31