« 超人の作家の文章披瀝 詩人西脇順三郎「ニューヨークと近代美術」 4 | トップページ | 超人の面白映画鑑賞 マルガレータ・フォン・トロッタ監督『ハンナ・アーレント』 »

2013/11/30

超人の作家の文章披瀝 詩人西脇順三郎「ニューヨークと近代美術」5

この美術館にはマティスのダンスをしている裸の人たちの大きな絵もあった。またセザンヌの「水泳者」という大物もあった。みんな驚くべき価値のものばかりであるが、実に無造作にかけられている。見る人も無造作に見ている。私はそうした雰囲気が好きだ。近代絵画などはもったいぶってかいたり、見たりするものではないと思った。また近代絵画は芸術の遊びとして見るべきであって、あまり精神的に見ないことにしたい。グッゲンハイム美術館も近代美術であるが、ここで私の知らないピカソの初期のキュービズムらしい静物で、非常に美しいものを見た。それは「時計製造人」というセザンヌの近くにかかっていた。私はニューヨークへ来て初めて近代芸術のあり方というものを知った。

45年前の小文だが、西脇順三郎のニューヨーク見聞の率直な感想やニューヨーク近代美術館の近代絵画に接する姿勢が伺えて興味深い。更に、西脇順三郎独特の言葉使いや文章の運び具合も感得でき、旅人の諧謔性も垣間覗く。

« 超人の作家の文章披瀝 詩人西脇順三郎「ニューヨークと近代美術」 4 | トップページ | 超人の面白映画鑑賞 マルガレータ・フォン・トロッタ監督『ハンナ・アーレント』 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 超人の作家の文章披瀝 詩人西脇順三郎「ニューヨークと近代美術」 4 | トップページ | 超人の面白映画鑑賞 マルガレータ・フォン・トロッタ監督『ハンナ・アーレント』 »

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31