« 超人のニューヨーク訪問記 2013年初夏 11 ブロードウェイ周辺  | トップページ | 超人のニューヨーク訪問記 2013年初夏 12 タイムズスクエア周辺のお店など  »

2013/06/25

クロカル超人が行く 176 東京アメリカン・センターでの講演 『アメリカの大学で「日本」を教える、学ぶ、考える」を聴きに行く

知人のJ氏からメールが届いて、興味あったら行ってみたらと。出かけた場所がこれまた不思議、2、3ヶ月前に来た場所だったのだ!それも同じJ氏のご好意だったが、その時は筆者の求めていた雑誌のバックナンバーがなかった。それで国会図書館に問い合わせたら、その雑誌ならネットで見られるとのこと。早速ネットでその特集号にあたったが肝心の記事が見いだせないままにニューヨーク行。実はニューヨークで出している雑誌の特集号を読みながら、現地で取材しようと考えたのだった。
前置きはそのくらいにして、東京アメリカン・センターでの講演会の話。初めて参加したが刺激的で大変興味深かった。講師はケンタッキー大学日本研究プログラムディレクターで文化人類学がご専門の井上雅道先生。テーマは「アメリカの大学で「日本」を教える、学ぶ、考える」。アメリカ滞在20年以上のベテラン研究者が自分の体験談を語り、文化人類学手法を駆使して日本のポップカルチャーを分析し自説を披瀝。司会は文教大学准教授の前嶋和弘先生(アメリカ政治)。午後6時半から2時間、前半は講演、後半は質疑応答の構成。聴講者20名。
アメリカの地方のケンタッキー大学で教えている講師が、バックグランドの違う様々な学生を対象に日本の現代文化の一つ、今やクールジャパンの代表格であるアニメを取り上げ、その関わり具合と彼らを虜にさせる本質を自ら教え、学ぶ、考える、いわば、不確実性から確実性を会得していくプロセスのなかで、キーワード、アジール(聖域、特別なエリア、避難所)とマルチチュード(多数性)を中心概念に読み解く野心的な試み。多少早口なことと抽象度が高い言辞が気になったが、アニメについての文化人類学的な考察はエキサイティングだった!知識の伝道者だけではなく、学生とともに―多種多様な彼らをサポートしながら―学び、考えることの実践報告でもあった。また、講師が接した「日本」に興味を抱いた学生を取り上げ、事前→事後の関わり具合のプロセスを考察しているあたりは大変示唆に富んでいた。筆者的には多種多様な有様を共有していくことだと思うのだ。それには想像力・創造力と配慮が必要なのだが―。余談になるが、今朝のアメリカのABCテレビが伝えるところによれば、アメリカのテキサスの白人女子学生が入学拒否の件で大学を訴えた由。複数化、混迷化するアメリカの象徴か?
質疑応答にはオーストラリア留学が長かった男性、九大の建築学専攻の先生、イギリス滞在が長く、これからハーバード大学に入学する若い学生、東京新聞の記者、慶応のカウンセラーの女性、通訳者など6、7人が質問した。その後に支援者側のアメリカ大使館文化交流担当の方が、講演で宗教的なことには言及しなかったが宗教についてはどう考えているのかと質問した。講師が答えるなかに日本に似た現象を発見。よく言われていることだが、やはりチャーチ離れ、宗教に無関心な学生が多いという。チャーチ当事者が現実に対応仕切れなくなっているのでないかというのが講師の指摘だった。講演の最後に講師がアメリカに渡ったロシア人(日本語も堪能でしかもアメリカ人と結婚している由)が無国籍化していく話をしていたのが印象的。アメリカ人でもない、日本人でもない、ロシア人でもない、筆者的には地球人の出現が現実的になって来たといったところか。アニメが描く理想郷(カワイイコスチュームパフォーマンも含めて)もただ単に現実的な逃避、夢想の世界に遊ぶことではなく、新しい価値観の想像・創造かも。このセミナーはContemporary American Studies Consortium of Japan(CASCJ)の一環。充分に理解できたかは不確かだが面白かった。会場のアメリカン・センターはセクリティーが厳しかった以外、小奇麗でセミナーを聴くには適した小空間だった。。
講演者の著作 : 『生―権力の臨海 : アメリカの大学警察を人類学する』(『文化人類学』)や『海上ヘリ基地問題と日本人類学 : 沖縄県名護市辺野古でのフィールドワークの覚書』(『現代思想』)など。

« 超人のニューヨーク訪問記 2013年初夏 11 ブロードウェイ周辺  | トップページ | 超人のニューヨーク訪問記 2013年初夏 12 タイムズスクエア周辺のお店など  »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 超人のニューヨーク訪問記 2013年初夏 11 ブロードウェイ周辺  | トップページ | 超人のニューヨーク訪問記 2013年初夏 12 タイムズスクエア周辺のお店など  »

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31