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2013/04/28

超人の面白ラーメン紀行 171 新横浜ラーメン博物館内 ロサンゼルスのラーメン店『IKEMEN HOLLYWOOD』 続

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新横浜ラーメン博物館に来たのは10年振りくらいか。館内はラーメンブーム(仕掛け人はここか、否長年丁寧にご当地のラーメンを紹介してきた実績があったからこそ浸透した。だからラーメンブームの波にも驚かない。今やラーメンは日本の食文化の一端を担っている)にあやかってか以前と比べると格別にビジネスモード全開の感じだ。驚くなかれ、異空間のなかで人の渦が所狭しと動いている。熱気もある。ゴールデンウィークの初日、ここへ来る途中の住宅街はいやに静かだったが、ラー博に入って一変した。人がすごい、しかも若者が大半、若い女性もいる、家族連れやカップルも、もちろん中高年はポツリポツリ。ここ最近のラーメンブームを支えているのはこういった若者なのかと合点がいった。早速館内に入るとすぐに、二階の店舗を見て回った。その後一階のDIP RAMEN『IKEMEN HOLLYWOOD』の前で並んだ。すでに25人位が並んでいた。隣接するラーメン店でも並んでいる。昭和の時代を再現した薄暗い空間では雲の流れも見える青空がリアルで印象的、何度も見上げて仕舞いにはパチリと写真に収めたほど。Ncm_0637券売機でつけ麺「IKEMEN DIP」(850円)を購入して待つこと20分、前に並んでいた若者6人衆を飛び越えて先にカウンター右端に座らせてもらった。Ncm_0636店員の指示に従えば本当は真ん中だったが居心地が悪そうなので右端に。注文の品が出てくる間店内と厨房を一瞥、黒人さんがオシャレな服装でもう一人の日本人スタッフとスタンドバイしていた。それに女性も黒シャツに赤白のネクタイの大人張りで注文対応に忙しそうだ。厨房では忙しく動き回っているスタッフたちのいでたちがすごい、黒のツバヒロハットを被った黒装束姿。開店して三日目、緊張感がピークになる頃、オーナーらしき男性の眼の動きが鋭くなる中、客の注文にトラブル場面も。そうこうしているうちに注文の「IKEMEN DIP」が供された。意外と早かった。運んできたのは例の黒人さんがではなく日本人の男性だった。見た目は色鮮やかで食欲をそそりそう。しかもどこか異国風。それは色合いを見れば一目瞭然。器は小さな黒塗りの釜系を使用。例によってスープを一振り、まろやかさ二倍、イタリアンの上品な味わい、美味。普通のつけ汁は鰹出汁が濃厚だがここには存在しない。そのウマミ成分は豚骨スープ、バジル、松の実、オリーブオイルそれにチーズをブレンドしたものらしい。一口では当てにくいブレンドの妙味だが素材をうまく引き出している。まろやかさはチーズが入っているからか。プカプカ浮かんでいるトマトも柔らかだ。惜しいかな、些か温いのが致命的だ。これはアメリカンスタイルの特徴?それともスープをうまく保つコツ?次に麺、太麺ストレート系でモチモチ感たっぷり、しかも卵をふんだんに使用しているのか黄色が目立っていた。パスタを食べているような不思議な食感。つけ汁につけてスルスルと啜るも、気がつけば多少器から漏れている、急いで器に入れ直してまた啜った。トッピングはシンプルで炙りチャーシュー2枚それにほんの一口程度添えたみず菜。このチャーシューは薄いが柔らかくしかも多少歯ごたえもある。うまく焼くものだ。それとも肉が良いか。完食。珍しく空腹だったせいか少し物足りなさを感じた。もう一つの看板メニュー「GHOST BUSTER DIP」(900円)を頼んでいた人も。豚骨スープ、生クリーム、トリュフオイル、ソテーしたマッシュルームが中身らしい。マッシュルームをバーナーで炙る客席でのパフォーマンスもこの目でも見た。さらに「BONITO RAMEN」(750円)もある。424163_5鶏ベースのスープに削りたての枕崎産鰹節をふんだんにトッピングしたもの。【この写真はネットから】この逆輸入のラーメン店は、何せまだ開店ほやほや、客の反応などが気になるが、斬新なチョイワル風のいでたちで明るい雰囲気を演出している。店内に飾られている英語のメッセージやメニューも刺激的だ。ここはアメリカンスタイルで主張。それにしても少し可笑しかったのは店員がイケメン、イケメン、お願いしますと客の注文を捌く声だった・・・。Ncm_0638
今やラーメンは新感覚時代へ、アメリカンスタイルでも十分イケるのだ。この店はそれを証明している。見た限りでは流行る予感 ? ある若い女性二人組は、ここ何?アメリカから出店した店ですとラー博のスタッフが説明していた。えっ、えぇ、だって。オドロキを隠せなかったようだ。
帰り際ラーメンのお菓子をはじめ麺、スープ、チャーシュー、どんぶり、はし、寸胴のラーメンアイテムなど、もちろん有名ラーメン店の生ラーメンや即席麺も売っているミュージアムショップで中村屋ラーメン(ここの店主が『IKEMEN HOLLYWOOD』出店のアドバイザーだとか)と大砲ラーメンの即席麺を買い込んで退散。その間約50分。今ラーメン博物館が面白い。
横浜市港北区 新横浜ラーメン博物館内 ロサンゼルスのラーメン店『IKEMEN HOLLYWOOD』①スープ★★☆②麺★★★③トッピング★★④接客・雰囲気★☆⑤価格★★

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因みに、新横浜ラーメン博物館で只今『IKEMEN HOLLYWOOD』以外に出店中のラーメン店。山形県赤湯 龍上海本店、埼玉県川越 頑者、博多 麺の坊 砦、宮城県気仙沼 かもめ食堂、熊本県こむらさき、北海道札幌 すみれ、神奈川県横浜 支那そばや、東京 二代目げんこつ屋。

2013/04/24

超人の面白ラーメン紀行 171 新横浜ラーメン博物館内 ロサンゼルスのラーメン店『IKEMEN HOLLYWOOD』

今回の面白ラーメン紀行は緊急執筆。筆者はラーメン博物館へ行ってみようとこの3ヶ月間考え続けていた。少し面白ラーメン店もあるなと2月上旬までには食べに行くと決めていたのだが行けず。最近では世のラーメンブームが本格化し始めた頃からここの博物館の企画もシャープになってきたようだ。ご当地のラーメン開店・紹介がメインイベントには変わりはないが、新たにスープ、麺、トッピングのニューウェブが出始めている。またメディアもそれを後押ししている格好だ。そんな中今日ラーメン博物館にオープンするのは、アメリカはロサンゼルスのラーメン店『IKEMEN HOLLYWOOD』だ。いわゆる黒船の来襲ー。筆者は1980年代後半のニューヨークのラーメン店を多少は知っているつもりだが(『なかよし』他、しかし異国情緒的で美味ではなかった)、ここ7、8年かこれだけラーメンかワールドワイドになってきたのは日本の進化し続ける食文化のしたたかさか。
新横浜ラーメン博物館が20周年記念行事の一環として、日本には店がなく、現地の気候、風土、食文化を取り入れた「世界ご当地ラーメン」を誘致・紹介する企画の第一弾。世界17カ国200軒を調査したという。パリ、ロンドン、フランクフルト、アムステルダム、ロサンゼルス、ニューヨークなど。ネーミング、内装、服装など「尖ったラーメン」を追及し無国籍なテイストに日本の食文化を融合するという。今日オープンする『IKEMEN HOLLYWOOD』のメニューはとんこつをベースにしたつけめん、「Johnny Dip」(850円)と「Ghost Buster Dip」(950円)他8種類。さて、どんな味わいなのか興味津々ではある。筆者は今度の土曜か日曜に食べに出向きたいと考えている。それはさておきニューヨークで人気のラーメン店『MOMOFUKU RAMEN BAR』も調査中、なかなかのパフォーマンスらしい。行って確かめたいと考えている。もしかしたら二ヶ月後くらいに食した感想を届けられるかも・・・。

2013/04/17

超人の面白読書 100   芥川賞作家 黒田夏子著『abさんご』他 その前に

とうとうこの「面白読書」も100回目。主に通勤電車の中での読書と書評執筆だったが、携帯電話、スマホやipadを使用しての作業だった。これらの機能習熟が効率を上げることは分かっていても、手がうまく動かないことを痛感することしきり。特にスマホはー。苦労するのである。
先週村上春樹の新刊『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』が異例の初回50万部で発売になった。今度は文藝春秋社からだ。このタイトルは思わせぶりにみえるが、春樹ファンならずとも憶測したい気になるが。
先週の土日だったかBSチャンネルを捻っていたら、アメリカのテレビ番組で村上春樹の翻訳者がプレゼンをやっていた。早口でまくしたてて終わったがこういう番組もあるのだと関心してしまった。今やノーベル文学賞の最右翼、かつてのカワバタ、アベ、ミシマ、オオエなどの作家を超えて日本を代表するワールドワイドな一大作家だ。彼は北欧好きでノルウェーなどよく訪れている。しかし、彼は芥川賞を取っていないのだ!芥川賞といえば、筆者はどうしても村上龍の『限りなく透明に近いブルー』を思い出してしまう。“康夫ちゃん“もその後に続くがやはり、村上龍の書いたアメリカンぽさの不良性が衝撃的だった。文学賞の一つである芥川賞はショウ化していて面白くないが(創設者の菊池寛はほくほく?)、その芥川賞がまたまた話題に。森敦以来の年配者の受賞が出たのだ。その作品のユニークなことー。文章の美学か文章ののもつやわらかさと想像力の賜物なのか。受賞からすでに3ヶ月が過ぎ去ろうとしているが、このコラムではあえて芥川賞作品や候補作品を取り上げてみたい。(続)

2013/04/16

超人の面白読書 99 三瓶恵子著『人を見捨てない国、スウェーデン』 11

急いで小見出しを追おう。児童オムブズマン、虐待はある、病気になったら、年をとったら、失業したら、障がいをもっていたら、障がいをもっている子どもにはと続き、それぞれ具体的な数字を示してくれていて参考になる。ストックホルムでの医者の診察料は日本より高いみたい。勿論18才未満は無料。歯の治療も高額だか限度額を越えた場合には国が負担してくれるという。20才未満は無料。出産前のケアや出産費用も無料。
終章 若者が考えるこれからのスウェーデンでは子どもの幸福度チェックなど。スウェーデンの若者の93%が人生に満足、あるいは大体満足しているという。また、「スウェーデンは子どもと若者にとって良い国だと思うか」のアンケートに対して81%がはいと答えている。小見出し、何を改善するかのところでは、移民、人種差別主義、学校、犯罪と刑罰、環境、気象問題、お金と経済、失業問題、暴力、暴行、政治、国家運営の順(5年前の児童オムブズマンの年次統計)。これはスウェーデンの若者の社会に対する関心の高さを示している。また、スウェーデン人の選挙への関心は、2010年の国政選挙で80.0%だったという。税金の使い道の関心の高さを物語っているのだ。
「高福祉・高負担」の国だからかもしれない。個人が支払う所得税率は28%から62%(日本は5%から40%)、日本の消費税に相当する付加価値税momsは基本が25%(食料品は12%、文化関係は5%)だという。国に貯金している格好とは著者のコメント。日本のある新聞の夕刊には「幸福論」のページがあって毎回面白く読んでいるが(大人の人の、今は幸せかい?といった感じ)、幸福の実感は日本の若者よりスウェーデンの若者の方にあることがよく解った。同時に、自立した若者へ育てていくスウェーデンの社会があることも事実、政治力の確かな手応えがそこには横たわっているのかもしれない。スウェーデンの新聞を眺めていると、自動車産業の破綻、雇用、犯罪、政治的混乱など話題に事欠かないのも現実。同じ福祉国家で男女平等政策が行き渡っているノルウェーでは、青年の銃乱射事件という惨い事件が起きたことは記憶に新しい。本当に理想の国はあるのか。良い国に住んで幸せを感じて生きていたいとは誰もが願うものだろう。そのためには子どもを自立した人間に育てていくことが大切で、それは大人の役割なのだ。要は積極的に関わって変えていくことかもしれない。本書はそのことを教えてくれている。最後に本書のオアシス的効果抜群のコラムー著者の夫君が描いたーからスウェーデンペット事情を短く。
スウェーデンはペット大国らしい。猫が94万人の人に160万匹飼われて第1位、第2位は犬で175万人の人に100万匹飼われているという。家族の一員となりにくい金魚や小鳥を飼うような人は少ないらしい。
岩波ジュニア新書 176頁、2013年2月刊 本体価格:820円。

追記。総務省が一昨日発表した直近の出生率は1.41。出生率が上がって来ていると。特に30代が顕著て20代ではむしろ減少している由。(2013.6.7 記)

2013/04/15

超人の面白読書 99 三瓶恵子著『人を見捨てない国、スウェーデン』 10

そろそろ本書の書評も終わりに近づいたようだ。最終章を書く前に、筆者はつい最近この本と関わる事柄を一つはテレビ報道でまた、他方は新聞で見つけたので一言。good newsはBS-TBS日曜夜の報道番組で出生率が2.0になった村の話。人口3000人の長野県下條町で行財政改革の結果、これから結婚する人たちや結婚して子どもが小さい若い夫婦の方々を対象にインターネットなど設備が充実しているアパートを町が格安で提供して若者の誘致に成功し子どもの数が増えた例。町長のアイデアの勝利とか。小規模の自治体は一度ためもしてもよいかも。その代わり道路整備などは町が資材を提供して村民がボランティアで舗装作業しながら財源圧縮に努めているらしい。実行するには相当覚悟して取り組まなければとは町長の弁。もう一つはbad newsで、先週末神奈川県湯河原町でいじめがあったニュースが新聞に載ったこと。滋賀県大津市のいじめ事件はまだ記憶に新しいというのに、この種の問題はあとを立たない。
本書はジュニア向けの新書だが示唆に富む事柄が散りばめられているので、特に関係者には読んでもらって大いに参考にしていただきたい。(つづく)

2013/04/11

超人の面白読書 99 三瓶恵子著『人を見捨てない国、スウェーデン』 9

「いじめ」(スウェーデン語mobbning)の取り組みとして、著者はストックホルム市南部のファシュタ地区の教師が1990年代に始めた取り組みで画期的な成果を上げた「ファシュタ・モデル」(Farstamodellen)を紹介している。
1、いじめ対策グループ(教師)が、ある生徒がいじめられているという情報を得る。いじめかどうか議論し、密かに、教師やいじめられている生徒の親とコンタクトをとる。
2、いじめられている生徒と個別に話をする。「なにが起きた?」、「どのくらいひんぱんに?」、「どのくらい長く?」、「誰と誰がいじめる?」
3、いじめていると疑われている生徒(生徒たち)が学校にいるときに、彼らを一人ずつ対話に呼ぶ。対話は大人二人で行い、一人が生徒と話し、一人が記録をとる。対話に呼ばれる生徒は事前にまったくそのことを知らされない。また、学校がいじめに注目していることも知らされない。彼らは、学校がいじめについて知っていること、その状況を深刻だと考えていること、いじめは直ちにやめなければならないことを知らされる。話をする大人は、実際に起こったことの確かさのみを話す。不確かなことがあってはならない。いじめた生徒自身がいじめをやめるために何をするかについて話す。この話し合いが最も重要。
4、フォローアッブの対話においては、いじめられた生徒、いじめた生徒(生徒たち)が現在の状況をどう思っているかについて語る。いじめた生徒は、問題が明るみに出て、自分自身の行動を正すためにヘルプを受けることを感謝する。いじめた理由を追求するのではなくて、いじめをやめるために具体的に何をするかに注目しているのが重要なポイント。
そしていじめ防止策。気にかける、人間がダメなのではなく、行動が間違っているんだと示す、良いふんいきをつくる、やめなよ、と言うことだと著者はスウェーデンの民間いじめ防止団体、「フレンズ」(friends)の例を引いて書いている。児童オムブスマン、虐待の話と続く。(つづく)

2013/04/10

超人の面白読書 99 三瓶恵子著『人を見捨てない国、スウェーデン』 8

第3章 人を見捨てない国、スウェーデンでは日本でも社会問題の「いじめ」と「いじめ防止策」に触れている。これは示唆に富む話だが、その前に子どもの小遣いについての表があるので拾ってみよう。

【1ヶ月の小遣い】
年齢(年) 金額(クローナ)
7        90
8        100
9        110
10       130
11       170
12       200
13        300
14        400
15       600
16       1000(約1200円)
17       1050
18       1050
19       1050


因みに日本の子どもの小遣い事情はどうかと思いネットであたってみた。こんな結果だ。

【1ヶ月の平均】 小学1.2年生(7、8才)553円、小学3、4年生(9、10才)860円、小学5、6年(11、12才)1370円、中学生(13才~15才)、2513円、高校生(16才~18才)、5651円
(2011年、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」より。

この統計でみる限り、日本とスウェーデンの小遣の格差は大きく日本の子どもの方が贅沢だ。しっかり者が若いうちに育つかは親御さん次第なのだが。さらに子どもたちが喜びそうな法律もつい最近できたのだ。祖父母が孫に1500万円まで非課税で贈与できる制度、この4月に実施。政治は何をするところ?150兆円の箪笥預金を引き出そうとする施策?それより政策立案できない国会議員や役人を思いきって減らさなくては始まらない。人口減少に歯止めのかからない日本、民主党議員他いろいろな人たちが「視察」という名目でスウェーデン詣をしたことはよく知られている。彼らは歴史的背景や実現していった過程を同じ目線で掴み取ったか。小国だから比較にならないと頭越しに学ぼうとしない国会議員もいる日本だが、少子高齢化現象は担う働き手がいなくなることでこの国の「かたち」を変えてしまうほどだ。かつてのスウェーデンもつそうだった。女性を働きやすくする法律を作るなどして国を変えていったのだ。そして未来を託された子どもたち。少し脱線したようだ。「いじめ」の話に移ろう。(つづく)

2013/04/08

超人の面白読書 99 三瓶恵子著『人を見捨てない国、スウェーデン』 7

ここでは小見出しの育児休暇、保育所のところで統計的な数字を拾ってみよう。日本との違いが一目瞭然だからだ。1901年に出産に関して4週間の育児休暇を認め、1939年には結婚、妊娠、出産を理由に女性を解雇してはいけない法律ができる。1959年に出産後3ヶ月の育児休暇制度ができる。2002年には480日に改正され今日まで続いている。母親・父親の両方が対象としており、両方が均等にわけるとボーナス(1日あたり50クローナ。約600円)がついたり、「パパの月」(現在は2ヶ月間。父親が取らないとその期間は育児休暇がなくなってしまうため、多くの父親が少なくともその間は仕事を休んで育児をする)が設けられているそうだ。育児休暇制度にはスウェーデンの男女平等政策の歴史が反映されているらしく、20世紀初めには女性国会議員はほとんどいなかった。今では国会議員の45%が女性で、また、国や地方自治体などの公共部門の長の6割が女性だが私企業部門ではまだ二割程度だと著者は書いている。
保育料は子どもの数、預ける時間数、親の収入によって違うらしく、国によって最高額が決められている。
下記はそれを表で示したもの。

【保育料の最高額】
 
          料金      最高額
保育所
 子ども1人 親の収入の3%  1260クローナ(約15000円)
    2人      2%    820 
   3人以上      1%   420
学童保育所
 子ども1人      2%   840
     2人      1%   420
  3人以上      1%   420

日本の幼稚園に相当する教育的活動は保育所に含まれるので、その部分(年間525時間分)は無料。最近ではその部分の教育的活動が学校の中に組み込まれて、「就学前学校」という名前になっているが、一般的には「〇年生」と呼ばれ、義務教育ではないけれども市が運営しているので無料と著者。(つづく)

2013/04/07

超人の面白読書 99 三瓶恵子著『人を見捨てない国、スウェーデン』 6

ここで特に注目に値するのは⑧の養い家族の場合。親がアル中や薬中の場合には市の社会委員会が適任者を見つけて住まわせる臨時の場合と養子縁組の場合があるという。養子縁組は主にアジアやアフリカから乳児を連れてくる場合が多いらしい。スウェーデンの人口の約2割は外国人で、スウェーデンは積極的に労働者や難民を受け入れていて、その結果容貌の違う人たちが歌手やスポーツ選手として幅広い分野で活躍している、と著者は書いている。彼らの多くは外国からの移住者や難民らしい。また、親が何度も結婚するとどこまでが家族かわからなくなる、新しい現象も今起きているらしい。
この後は小見出しを追おう。家族の範囲?離婚、スウェーデンの親子関係。ここでは日本と似た現象も書かれている。子どもたちに自立心を強く促しているスウェーデンでも「マムボ」mamboなる現象があると知って、筆者などは少しほっとするが。マムボとは大人になっても実家に住みついている人、特に成人した息子が母親と暮らすケースも見られるという。この現象を皮肉的な意味も込めて「マムボ」(=母親と一緒に住む)というらしい。小見出しの続き。おしおき禁止、男女平等の国、育児け休暇、保育所ー。(つづく)

2013/04/04

超人の面白読書 99 三瓶恵子著『人を見捨てない国、スウェーデン』 5

最近日本でも離婚率が高くなってきているが(幼子の虐待も増えていて目に余るが)、スウェーデンでは家族のあり方がさらに多様化しているようだ。それは本書の第2章家庭、そして家族を読めばよく理解できる。これを読むと子どもたちがかわいそうと思ってしまうのも普通のような気がするが。著者が何度も書いているように、スウェーデンでは「夫婦の愛」がすべて、冷めてしまえばあっさり別れてしまい、またパートナーを見つけるのだとか。憎しみあって分かれるのではなく、むしろ離婚後は「友人関係」となる「すんなり離婚」のケースが多いという。どれだけ家庭環境が多様化しているか本書から拾ってみよう。カッコ内はスウェーデンでの呼称らしい。①実の両親がそろった家庭(核家族)②両親のうちの片方だけが実の親である場合(再構成家族)③結婚はしていないけれど男女二人の親がそろっている場合(サムボ家族、サムボsambo=一緒に住む、同棲婚、事実婚)④結婚しているけれど「ママが二人」の場合(同性婚家族)⑤あるいは「パパが二人」の場合(同性婚家族)⑥母親とだけ一緒に暮らしている場合(単親家族)⑦父親とだけ一緒に暮らしている場合(単親家族)⑧養い親の家庭で一緒に暮らす場合(養い親家族)〈つづく〉

2013/04/02

超人の面白読書 99 三瓶恵子著『人を見捨てない国、スウェーデン』 4

本書は後述するように家庭環境特に夫婦のあり方、働き方、いじめ対策、福祉の受け方、環境問題などがかなり日本と違って進んでいる、否平等観が徹底している社会だからこそこういったことが可能になるのだろう。それもこれも基本は小さい時に受ける教育そのものにあるのだ。
さて、フリースクールの話。一言でいってしまえば、生徒の自主性を重んじた私立学校だ。株式会社立(6割、この他に非営利団体や基金の経営もある)で自分にあったカリキュラムを作り出し、それによって先生がつく。自習がかなりあり自由度が高い。これは生徒の自主性を重んじた教育システムだが、さぼることもこれまた、制限がないという欠点もはらんでいる。著者が、その一つのクンスカープススコーランに通うイサク君、レイアさんそしてオスカル君に取材、彼らの学校生活が具体的に描かれている。また、家庭科(名称が家庭科および消費者知識科と変更、名称も実践的だ)、社会科の授業内容も興味深い。〈つづく〉

2013/04/01

超人の面白読書 99 三瓶恵子著『見捨てない国、スウェーデン』 3

目次を簡単に追ってみよう。序章  ピッピの国の若者たち   1章  学校が実社会の手引きになる   2章  家庭そして家族  3章   人を見捨てることのない社会  終章   若者が考えるこれからのスウェーデン。各章ごとに具体的なスウェーデンの生活風景を切り取ったコラムが挟み込まれている。
教育制度改革は過去に何度も改革が試みられ、現在の制度になったわけだが、ここで注目すべき点は選択肢の幅が広いこと、職業教育に力を入れていること、教育を受けるチャンスがいつでもあることだ。硬直化していなく弾力的なのだ。後生大事にしている日本の教育制度とは大分違うようだ。20130402104006_00001勿論基礎学校(日本の小学校と中学校に相当。日本でも小中学一貫校も増えてきているが)から大学まで無料。義務教育は基礎学校の9年間。メガネにも県によっては補助金がつくという。基礎学校および高校レベルでは、公立学校の他に私立のフリースクールも高校で48%、基礎学校で12%まで占めるほど増えてきているらしい。入学金や授業料はやはり無料。教え方にかなり自由度が高いフリースクール(friskola)とは?〈つづく〉

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