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2012/03/25

超人の面白読書 91 羽田 正著『新しい世界史へ―地球市民のための構想』 4

第二章 いまの世界史のどこが問題か?ここでも小見出しを追いながら、興味深いところは書き写したりして読み進んでみよう。
1 それぞれの世界史 古びたデザイン、自国史と世界史、ここではフランスの歴史教科書を取り上げて具体的な記述を試みているが、もちろん著者も書いているように、フランスとその周辺に限られていることは当然かもしれない。そこでは日本についての記述が明治維新になって初めてたった一行されているだけで、あとは日本の占領地域が図示されているのが目立つ程度だと著者は書く。
筆者はかつてアメリカの中学の歴史の教科書は読んだことがある。購入したのか借りてきたのか分からないが。アメリカの歴史教科書は自国についての歴史―歴史が浅いせいか―を詳細に描いていて、さらに理解を深めるため質問事項も組み込まれていた。英語読解にはいい材料と聞いて読んだのだった。
そして当然といえば当然だが、次のような見解を著者は述べる。

日本の高校で世界史を学んだ日本人と、フランスの高校で歴史を学んだフランス人が、世界史や双方の国の歴史に関する知識を共有したうえで、ビジネスや国際会議などの場で商談や討議を行うのは相当に難しいはずである。

次に中国の世界史教科書を目次を差し挟んで見ているが、世界史は中国のことを除いていて、自国史は別に学ぶようになっていると。要は二本立てで学ぶようだ。著者はここでは言及していないが、日本についての記述が時々問題になる。つい最近も名古屋や東京の首長たちの歴史認識発言で物議を醸し出したことは記憶に新しい。
それぞれの世界史、2 現状を追認する世界史、自と他を区別する歴史、では歴史学の現状を憂いてこう書く。

現在の歴史学は、時代を先導する松明であったかつてとは異なり、時代の後ろからその速い歩みを呆然と見送っているという状態に陥っている。歴史研究を職業とする人々は、歴史学の社会的な存在意義について、もう一度真剣に考えてみるべきだろう。

「イスラーム世界」の実体化、中国とイスラーム世界、3 ヨーロッパ中心史観 現行世界史最大の欠点、ヨーロッパ史の不思議、日本人のヨーロッパ史と小見出しは続く。〈つづく〉

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