« 超人の新年の詩 2012  the year of the Dragon | トップページ | 超人のスポーツ観戦 2012年 箱根駅伝総合優勝は東洋大学 »

2012/01/02

超人の面白映画鑑賞 イングマール・ベルイマン初期作品など

 筆者は今2011年のノーベル文学賞受賞者スウェーデンの詩人トーマス・トランストロンメル氏の散文詩「ある詩人の回想」の私訳を試みていて、あと7ページ足らずのところまでこぎつけた。主に通勤電車の中で携帯電話を使って。
 その中に戦前の中学校生活を描いている箇所があり、その学校はイングマール・ベルイマン脚本の映画『もだえ』のロケに使われ、作者自身も他の生徒と一緒にエクストラ201201022247000で5、6箇所のシーンに出ていることは以前このコラム(参照:2011年12月20日付コラム)で書いた。

【右の写真は多分エクストラのシーンだろう。この中に中学生のトランストロンメル氏がいるはず】 

 ベルイマンの初期の作品『もだえ』を含めた下記の7本を年末年始に約10時間30分かけてビデオ観賞した。これは2007年にテレビ放映したものを知人に頼んで録画してもらったもの。今頃になって偶然に―ひょっとしたらトーマス・トランストロンメル氏がその著作で言及していたところが出てくるかもとの期待もあって―その3本のビデオを開陳したのだ。

①『もだえ』1944年、97分。
Hets_4     
    【上の写真は原作タイトル“HETS”のシーン】
②『危機』1946年、88分。③『愛欲の港』1948年、94分。
④『歓喜に向かって』1950年、96分。
⑤『夏の遊び』1951年、92分。
⑥『悪魔の眼』1960年、84分。
⑦『この女のすべてを語らないために』1964年、77分。
 以上、1940〜1960年代の作品の一部。喜劇や悲喜劇ありの初期作品だが、①の『もだえ』は他の作品と違って社会問題を扱った作品だ。当時の教育とナチズムに対して強烈な批判を展開している。ベルイマンの高等学校での体験が基になっているらしい。筆者的には戦前のスウェーデンの学校の構造や雰囲気、それと当時のアパートや市街の状況そしてファッションが映像を通じて理解できたから貴重だった。ベルイマン監督の処女作②の『危機』は田舎に慎ましく暮らす病気がちの育ての親とその娘、都会で派手に暮らす生みの親と悪魔性を帯びた甥の恋愛葛藤劇。結局女を漁る癖のある甥の自殺で元のさやに納まる娘。恋愛劇と人間の強欲さも見える、田舎と都会暮らしの人間の有様の対比が面白い。③の『愛欲の港』では港町で港湾労働者として働く男と工場で働く更生施設帰りの女の恋愛劇。最後は取り返しのつかない事件を起こして外国逃避行を試みるが、乗船の手はずができたとき、考えが変わり生まれ育った町で暮らすと決心する。少女時代の母親と父親のいさかいシーンでは時計、人形というベルイマン得意の小道具が活躍する。他の作品は喜劇や風刺仕立てで、やや入り組んでいる。個性的な女優と衣装、男優の動きの機微とメリハリの利いたセリフ、セットやロケなども古い映画の中では興味がつきない。生涯54本の映画、126本の劇作品、39本のラジオドラマを書いたベルイマン、そのテーマは性的苦悩、孤独、人生の無意味さの追及、神の問題等々難解さでなる監督だが、結婚は5回、最後には南部の小島にごく親しい人たちと住み、人を寄せつけなかったという。

 さて、ベルイマン作品『もだえ』のエクストラ出演シーンの中で、中学生のトーマス・トランストロンメル氏を発見できたか ? 答えはNejである。しかし解決法はある。映像をスローモーションにしかつ拡大すれば見つけられるかも。その当時の写真もスウェーデン語の原作には載っているし……。だがこの話は主題から外れるのでこの辺で止めておこう。


« 超人の新年の詩 2012  the year of the Dragon | トップページ | 超人のスポーツ観戦 2012年 箱根駅伝総合優勝は東洋大学 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 超人の面白映画鑑賞 イングマール・ベルイマン初期作品など:

« 超人の新年の詩 2012  the year of the Dragon | トップページ | 超人のスポーツ観戦 2012年 箱根駅伝総合優勝は東洋大学 »

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31