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2012/01/31

超人の面白読書 90 ノーベル文学賞受賞者スウェーデンの詩人トーマス・トランストロンメル氏の作品を読む 46 余滴

2011年10月始めにノーベル文学賞の発表があったが、日本ではあまり知られていない詩人トーマス・トランストロンメル氏の本をノーベル文学賞発表のあとすぐに都内の洋書店へ駆け込んで予約、1週間くらいでアメリカから届いた。それが『The Great Enigma』。それとインターネットでスウェーデンの版元から直接手に入れたe-bookの原書をゲット。英訳本をたよりにスウェーデン語の原書を参照しながら(スウェーデン語では意外と手間隙かかるのではとの勝手な筆者の思いで)、その本に掲載されている「わが回想」の日本語訳を試みた。それから約3ヶ月かけてようやく1月28日に“私訳”を終えた。大半が朝の通勤電車内で携帯電話のメール機能を使って行った。原書で約40頁、英訳本で約25頁そして日本語“私訳”で約21頁(但しA4判)だ。
回想、博物館、小学校、図書館、中学校、悪魔祓い、ラテン語の小見出しがついて幼少の頃から大学入学直前までの回想が綴られている。著者60才の回想記は筆者のそれとはかけ離れて一言でいえば〈内なる図書館〉の構築の過程であったか。誰でも小学校、中学校それに高校ではその時々の心に残る教師が良いにつけ悪きにつけいるものだ。筆者の例でいえば、高一の生物(著者は生物学や地理学それに中世の歴史が得意だった)の授業で生物担当の教師が、高校自分に出来の悪かった生徒でも後に大成する云々の話を白衣を着ながら語っていたのを昨日ように鮮明に覚えている。今そのことの意味をつらつら考えるに、エネルギーがまだまだ残っているので、それを自分が発見して行けばある程度(運不運はあるが)人生の荒波の中でナビが見つかり、自信をもって理想(自分の夢の実現)の岸に辿れるのではないかという意味だと解釈できた。
この回想を読み解く限りでは、著者は教師の一人息子というま、恵まれた環境(筆者の友人にもいるが)で育っているけれどもまた、早くして離婚の環境にも接していてその家族愛や兄弟姉妹などの揉まれ方が些か違っている。しかも1930〜1940年代の戦前戦中だ。その時代の幼少時の過ごし方―小学校前、小中学校生活―が手に取るように分かるのだ。特に教師の観察や描写が鋭い。思い入れや造形も深いのだ。筆者的にはギリシャ・ラテン語の教師のボッケン先生が魅力的だ。それとおませだったのか著者の博物館や図書館通いも凄い。しかも学校に上がる前にである。博物館では余りに熱心に通ってくるので正規登録させてもらったり学者と議論したりしている。相当おませである。また、図書館では大人の本を借り出そうとして司書に断られ、叔父が一計を案じて借り出しに成功する。悪ふざけもあるのだ。全てはかわいい少年の好奇心を満たしてあげたいばかりの大人の配慮なのだった。

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