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2012/01/27

超人の面白読書 90 ノーベル文学賞受賞者スウェーデンの詩人トーマス・トランストロンメル氏の作品を読む 44

ボッケンは慢性的な関節炎を患っていて強く足を引きずっていた。早く動くのがやっとだった。彼は自分の鞄を机の上に投げ出していつもドラマチックに教室に入って来た。数秒後私たちは機嫌が良いか悪いかはっきりと判った。天気の状態が彼の気分に影響するからだった。ある冷たい日に彼の授業は全く快活そのものだった。低気圧に覆われていて雲が多いときには彼の授業は抑えがたい怒りの爆発で中断され、鈍くイライラした雰囲気の中でのろのろと授業が進められた。 彼は他のラテン語の先生と同じだと想像することすらできなかった。事実学校の先生より他に想像することは難しいと言われていたはずだ。最終学年の前年のコースで現代詩の自分の作品を製作中だった。私が古い詩を引用したと同時にまたラテン語の授業が戦争、元老院や執事官の歴史ものからカトウルスやホラチウスの詩に進んだときには、私はボッケンの支配する詩的世界に喜んで入ったのだ。
詩をこつこつ学ぶことは勉強になった。こんなふうに。生徒がまず多分ホラチウスからのスタンザを朗読しなければならなかったはずだ。

Aequam memento rebus in arduis
servare mentem, non secus in bonis
ab insolenti temperatam laetitia, morituri Delli

ボッケンが叫んだ。「訳しなさい!」そして生徒が強制された。
一つの気持ちでさえ…あー… 思い出して下さい、一つの気持ちに…いや、… 気難しい気持ちを持ち続けることが、そしてダメなら…あー…そしてこの、気持ちのいい…あー…極端な…あー…溢れている喜び、いつかは死ななきゃならないデリウス

現在古代ローマ時代のテキストは本当に地に落ちた。しかし次のスタンザのときにホラチウスがラテン語で詩の奇跡的な正確さを携えて戻って来たのだ。一方でつまらないものや老朽化したもの、他方で楽天的なことや崇高さを選択することで私はたくさん教えられた。それは詩と人生のことを扱っていた。詩の形式をおさえることで次のレベルまで引き上げてくれた。芋虫の足が消えて翼が広がったのだ。人は希望を失うべきではないのだ。
悲しいかな、ボッケンは私がいかに古典のスタンザから学んだか全く知らなかった。彼には私が1948年秋の学校誌に掲載された1940年代的な詩を書いている生徒にしか理解していなかったのだ。彼が私の詩の出来を見ると、大文字や句読点のマークを一貫して避けたことに関して彼は憤慨の反応を示した。私は粗野の進んだ兆候の一つだと判った。このような人はホラチウスの詩にも動じないに違いない。

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