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2012/01/15

超人の面白読書 90 ノーベル文学賞受賞者スウェーデンの詩人トーマス・トランストロンメル氏の作品を読む 40

しかし私の怖さは増大し夜明けまでまとわりついていた。夜中支配した感情は恐ろしい人フリッツ・ラングのようだった。『マビュース博士の遺言』のはじめのシーンで機械や部屋が揺れ動いている間誰かが隠れている工場のシーン。夜はさらに静けさを増していたが、すぐにこんな状態にいると解った。
自分の存在で一番重要な要素が病気だった。世界は広い病院だった。人間が肉体や精神の中で変形されるのを私はじかに見たのだ。灯りが燃えて恐ろしい顔を掴み返そうとするが、時々うとうとして瞼を閉じてしまうと、突然に恐ろしい顔が私に近づいて来たのだ。
すべて沈黙のまま起こったが、沈黙の声が際限なく騒がしかった。壁紙の原型が顔に変身。時々沈黙が壁のちくちく鳴る音で破られた。何で生み出されたか?誰が?私が?私の病的な考えがそうさせたから壁が崩れたのだ。さらに悪いことには…。私が狂っていたのか?ほとんど。
私は狂気に引き込まれるのを恐れたが、一般的には病気を怖く感じなかった。心気症のケースはめったになかった。が、病気の絶対的な力で恐怖を引き起こしたのだ。映画のシーンのように、つまらないアパートのインテリアが絶えず人物に変身する場所や単調な音楽が聞こえるときなどに、私は全く違った外の世界を経験した。病気にうなされ目覚めたからだが。数年前には私は探検家になりたかった。今私はなりたくなかった未知の世界への道を推し進めてしまった。私は悪魔の力を見つけてしまったのだ。むしろ悪魔の力が私を見つけたと言った方が正確かも知れない。

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