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2012/01/07

超人の面白読書 90 ノーベル文学賞受賞者トーマス・トランストロンメル氏の作品を読む 35

続きの私訳に入る前に、少しこのトーマス・トランストロンメル氏の作品『わが回想』の周辺に触れてみたい。一つは作者が地理にも詳しくしかもストックホルムの南部地区に長く住んでいることだ。『わが回想』は十代までの時期、博物館、図書館、中学校、高等学校での回想が主のためストックホルム市街の地名や通りの名などがよく出てくる。筆者は理解をより深めるためもあってストックホルム市内地図を買い、いつでも調べられるように鞄に入れて持ち歩いている。非常に助かるのだ。もう一つは先に書いたようにイングマール・ベルイマン脚本の映画『もだえ』が作者も言うように当時の(戦前の)学校の雰囲気を十分に伝えているばかりではなく、周辺の通りや建物なども映像で読み取れるから、今とりかかっている私訳に大変役立っているのだ。筆者の十八番の言辞、点→線→面の観点から言えば、面だ。立体的に理解できるのである。さて、私訳の続きに戻ろう。

学校では憤怒のプリマドンナがいてヒステリックな怒りの塔を構築するのに授業の大半を費やしていた。神の怒りを受ける人を無くすためだけだが。
私の担任のモッレは、プリマドンナではないが、定期的に来る抑えきれない激情の犠牲者だった。不幸にも私の一番思い出深いことは彼の激情だったのだ。(筆者註。『もだえ』のラテン語教師みたい)大きな感情の爆発が起きたのは月に2回程度だったろうか。しかし担任の権威主義が最もはっきりと注がれるのは得てしてこういう場合によってだった。
こんな授業のただなか、雷が風景を遮って轟かせた。稲妻が光ったことは誰にも明らかだが、どこなのかを予測するのは誰にもできなかった。モッレはある生徒たちの犠牲にはならなかった。彼は厳格で公平だった。誰もが稲妻に打たれた。
ある日稲妻が私を襲った。私たちはドイツ語の文法を開けと命じられた。私はできなかった。鞄の中にあるのか、家に忘れて来たのか?
「立て!」
私はモッレが机から踊って私のところに近づくのを見た。それは野原で一頭の雄牛が近づいて来るのを見ているようなものだった。

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