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2011/11/17

超人の面白読書 90 ノーベル文学賞受賞者スウェーデンの詩人トーマス・トランストロンメル氏の作品を読む 17

一昨日の毎日新聞夕刊にトーマス・トランストロンメル氏のことが書かれた記事が載っていた。ノーベル文学賞発表の5日後の10月11日夕刊にやはりトーマス・トランストロンメル氏の写真が載っているが、その後方に書があって、その書のことで読者から問い合わせがあり、それにも応える形で同じ記者が書いた記事。厳密に言えば、10月11日の記事はトーマス・トランストロンメル氏の長年の友人でストックホルム在住のジャーナリスト、クリステル・デューク氏の文章を佐藤由紀記者が翻訳したもの。また、11月14日の記事は佐藤由紀記者自身のもの。
今私訳中のトーマス・トランストロンメル氏の散文詩『ある詩人の回想』には、高等学校で友人たちと校内誌を発行し、そこに彼の詩編が掲載されたことが書かれているが(私訳はまだそこまで行っていない!)、その辺のちょっとした事情を高等学校以来の友人であるクリステル・デューク氏が書いていた(10月11日の記事参照。筆者はこの記事をうっかり見逃していた。で、毎日新聞本社に出向いて入手した)。
そのクリステル・デューク氏の文章にトーマス・トランストロンメル氏が国民詩人である一端を覗かせる件がある。
子供の洗礼から結婚式、誕生日、葬式まで、日常生活のさまざまな場面でいつも彼の詩が読まれるからだろう。ごく普通の人にも理解出来る詩を書き、題材も日常から取ったものが多いが、クリステル・デューク氏も書いているように、突然、詩的な魔法によってまったく別なイメージに変容する。読者を人生の呪縛から解き放つ、言わばメタファーの達人なのだ。
そのトーマス・トランストロンメル氏が中国の昆明に滞在したときに手に入れた書は、著名な書道家が書かれたものと記事は解説している。早い時期から俳句を嗜み、日本や中国に行きたい夢は捨てていないが、やはり高齢で健康的な問題もある。筆者的には日本に来てもらい、芭蕉を生んだ国を堪能してもらいたい。
前掲11月14日の毎日新聞夕刊の記事から句作を拾ってみよう。

脱走者
捕らえられし
ポケットいっぱいの
アンズダケ

送電線
厳寒の王国の上にのび
あらゆる調べの
北にあり

サングラスをかけ
鳥のこえが
暗くなる

海はかべ
カモメの叫びが聞こえる
わたしらに手をふる

ひそやかな雨の音
わたしは秘密ひとつをささやいて
響き合わせる

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