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2011/10/22

超人の面白読書 90 ノーベル文学賞受賞者スウェーデンの詩人トーマス・トランストロンメル氏の作品を読む 6

 私たちは最上階の5階に住んでいた。4つのドア、それに屋根裏に通じる入口があった。その一つのドアは報道カメラマンのオルケという名前だった。報道カメラマンのそばに住んでいることは嬉しいように思われた。私たちの隣は中年になりかけの独身者で黄ばんだ顏をしていた。電話によるブローカーの仕事を家でしていた。電話中に彼はよく陽気な高笑いをするのでその声が壁を通じて私たちのアパートまで聞こえた。他にコルクのぽんと抜く音が何度も聞こえていた。当時ビ―ル瓶は金属の蓋だったからだ。このディオニオス的な音―高笑いやコルクのぽんと抜く音―は時々エレベーターの中で会う幽霊のような蒼白い顔をした老人にはほとんど無関係ない様子だった。年月が経つにつれ彼は疑い深くなり、一時よりあまり笑わなくなった。

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