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2011/10/21

超人の面白読書 90 ノーベル文学賞受賞者スウェーデンの詩人トーマス・トランストロンメル氏の作品を読む 5

祖父の話し方は19世紀的だった。大概の表現は今日では驚くほど流行遅れのようだ。しかし祖父の話し振りや私の聞き取り方はそれが自然だった。祖父は背が低く、口髭を生やしていて、高くてやや曲がった鼻はトルコ人のようだと言っていた。気性は快活でいつでも燃えていた。時折起こる感情の爆発は、決して本気ではなく始まったらすぐ終わった。和解させることが得意で気持ちが穏やかであることに賭けた。祖父は批判される人々でさえその人たちの最良の側にいたかった。彼らがいなくともまた、会話中でも。『しかし、確かに誰彼がへそ曲がりだと認めなければならないこともある。そんな時はそうだ、そうだと相槌を打ち、本当に知らないと言うのだった。
離婚後母と私はフォルクンガ通り57番地に引っ越した。下層中産階層の住居が立ち並ぶ地域でいろいろな人たちが互いにひしめきあって住んでいた。この住居での記憶は登場人物の適切なリストがあった30年代あるいは40年代の映画のシーンのように整理できる。愛すべき管理人、私が称賛する彼女の夫は頑丈で口数が少なく、ガス中毒にもかかったが、そのことで危険な機械にあえて近づいたことも何となくわかった。
 しっかり者の往来人たちはそこにはほとんどいなかった。彼が階段でたまに酒を飲むことがあれば少しずつ正気に戻った。1週間に何度かホームレスの人たちがベルを鳴らした。ぶつぶつ言いながら玄関に立っていたので、母がサンドイッチを分けて上げた。お金よりパンをあげたのである。

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