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2011/08/05

超人の面白テレビ鑑賞 北欧スペシャル

 つい10日ほど前にノルウェーのオスロで銃乱射事件が起きて、あの平和な国が、と世界中が驚いた。痛ましい事件だった。そのまさに事件が起きた日の23日から8日間、BSプレミアムではノルウェー、スウェーデン、デンマーク、アイスランド、フィンランドの五ヶ国の北欧スペシャルを放送。筆者はたまたま新聞の番組欄で知ったのだが、視たのは再放送分。7月30日午後から視た番組。

①ワイルドライフ
北欧 スカンディナビアの四季 巨大な鹿が森を生きる(7月30日土曜日午後0:00〜1:00)
極寒の中で森に生きる動物たち。巨大なシカを通じて読み取れることは、食うか食われかの弱肉強食の様子だ。

②ぐるっと北欧5000キロ〜スカンディナビア半島・港町巡り〜(7月30日土曜日午後2:30〜4:00)
女優野村佑香がノルウェーの北端アルタから、ロフォーテン諸島、ベルゲン、ウルネス、デンマークのヒアツハルス、スウェーデンのヨーテボリ、オスロ、コペンハーゲン、バルト海のホーンホルム、ゴッドランド島のヴィスビィ、ストックホルム、フィンランドのトッルクまでの港町巡りの船旅5000キロ。
 ロフォーテン諸島の鱈(cod)干しの様子と漁の体験(女性を船に乗り入れると不漁のジンクスを破って大漁)、鱈料理を堪能。ゾルゲフィヨルド近くではバイキング船の木造船建造所を見学、そのデザインや技術に魅了、ウルネスでは最古の木造建築の教会、ここでは磔になっているキリストはうなだれていない、むしろ明るい。木造建築の極意は梁の工夫や釘のないところもバイキングの影響と教会関係者から説明を受ける(この教会の芸術的価値は雑誌「芸術新潮」2008年12月号特集〈ノルウェーの森へ 中世の美とオーロラの旅〉に詳しい)。デンマークに入ってヒアツハルスでは牛の出産シーンに立ち会うなど酪農体験。デンマークの酪農には150ものルールがあって例えば、出産後10日以内に届けなれば罰金をかされるなど細かい規制があるからこそ良質な乳製品を産むと真面目に語る酪農家、バイキングが嗜んだお酒ミュルの入ったチーズ作り―実は南欧からデンマークにもたらした―を学び試食。
 スウェーデンのヨーテボリはその昔は帆船が行き交う交易の中心地だったが鉄の町でもあり、その典型の鍛冶屋を訪問。器用に鉄を扱う職人はこの道40年以上のベテラン、鉄もインテリアとして重宝がられている由。
実際に農場で発見され復元したバイキング船をオスロの博物館で見て納得、その洗練された美意識や機能性、独特な船の先端に北欧人の魂の象徴を感得、海賊は器用で繊細だとそのイメージを見直しながら語る女優野村佑香には、確かな発見があったようだ。とここまで書いて肝心のメモ書きを電車の中に忘れたことに気付いた。仕方がないので後は拙い記憶を辿るしかない。
 ストックホルム、ストックとは柵、ホルムは中洲という意味、大小の島々からなるスウェーデンの首都、人口75万人。旧市街(Gamla stan)にはスウェーデン王室が住む宮殿がある。この辺の地理は大昔のスウェーデン語の教科書によく出てきた地域。でも女優野村佑香は初夏を彩るストックホルムではやはり自分も興味のある北欧家具の世界へ。家具デザイン専門学校を卒業したばかりの典型的なスウェーデン女性二人の作品を鑑賞、そのシンプルなデザインとユニークな素材の組み合わせや優れた機能性に感心。この二人は近くインテリアの会社を設立するという。
 バルト海を11時間かけて最後の停泊地フィンランドのトッルクへ。フィンランド人の家庭を訪問、サウナの洗礼を受け飛び込みの初体験までしてしまう。
旅は人を魅了するけれどもまた、良い意味では人を惑わすことも事実。

③Amazing Voice 驚異の歌声ハイトーン伝説ABBA
スウェーデン生まれのタレントリリコが出演、アバのデビューから解散までの軌跡を追った懐かしきミュージックシーンの数々。

④歴史館アンデルセン・童話に隠された秘話(7月31日午後0:00〜1:00)
博識の仏文学者鹿島茂は北欧文学についても言及。アンデルセンは貧しかったが最後には金持ち階級に世話になり生活に何不自由はなかった。『マッチ売りの少女』や『醜いアヒルの子』や『人魚姫』の解釈が面白い。司会は女優室井滋、心理学者の先生も出演。字幕と人物が合わなかったところもあったようだが。

⑤スウェーデン 神話の森を行く〜魅惑の鉄道 インランズバーナンの旅〜(7月31日午後1:00〜2:30)
夏に運行される鉄道に乗ってスウェーデンの森を訪ねる旅。この世界にあっては妖精伝説もまた魅力的。

⑥ニルスの不思議な旅2011〜美しき夏のスウェーデン大空中紀行〜
セルマ・ラーゲルレーヴの原作をタイムトラベルして現代風にアレンジ。低空飛行でスウェーデンを鳥瞰出来てこれまた楽しかった。

⑦北欧 ファンタジーが生まれる庭〜アグネータ・フロックの宝物〜(7月31日午後4:30〜6:00)
ストックホルム郊外に住むスウェーデンの切り絵絵本作家の優雅な日常生活を追った、愛情溢れる世界。

 以上、この北欧スペシャルの番組を覗いた限りでの映像寸評。見逃している番組もあったが、それはまたの機会か(この放送局は再放送をよくやっているので)このテレビ局が配信しているオンデマンドで視てみたい。これを機に筆者は去年書評を試みたチェコの作家カレル・チャペックの『北欧の旅』を再読。75年前の記録文学の傑作との比較に大いに刺激された。興味のある読者諸兄は筆者のコラム2010年11月20日〜26日の記事を読まれたい。

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