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2011/04/07

超人のジャーナリスト・アイ 137 雑誌「ニューヨーカー」最新号日本特集“JAPAN CRISIS ”を読む 2

 この「ニューヨーカー」の日本の危機と題した日本特集は、阪神淡路地震での経済損失とその再興など今度の東日本大震災の経済的損失と日本経済の縮みをエコノミストが分析・予測したコラム(対岸の火事的ではないと思う筆者だが)、人々の表情をリアルに抉り出した写真も臨場感があった(カメラマンの心眼か)、被災地リポート、阪神淡路地震を題材にした村上春樹の小説などを掲載した内容。割いたページは25ページ。
 さて、大江健三郎氏のコラムの続きだ。この筆者のコラムでは私訳を試みながら読み解きたい(この小文は最初仏紙の「ルモンド」に掲載された)。何故ならこの知識人の言及は大変示唆に富んでいるからだ。しばし彼のメッセージに耳を傾けてみたい。

 ビキニ環礁水爆実験地で被災した漁師が、後に核支持者の傲慢さと核抑止力の神話を告発することに一生を捧げた。それは私が大惨事前夜の漁師を呼び起こした暗い前兆の類だったのか。彼もまた、原発と取り繕う危険と闘ってきたのだ。私は日本の同時代史についてずっと考えてきた。長崎・広島の原爆犠牲者、ビキニ環礁水爆実験の犠牲者そして原子力発電施設の犠牲者のことだ。これらを通じて日本の歴史を考えるならば、悲劇は自ずと明らかだ。今日原子炉の危険が現実的になってきたと思う。日本の歴史は新しい局面を迎えたが、私たちはもう一度原子力の犠牲者の目線でまた、苦難から勇気を勝ち取った男や女の目線で物事を見つめなければならない。最近の災害から学ぶべき教訓は、生き残ってからも同じ過ちを繰り返すことをしないかどうかということだ。この災害は劇的な仕方で二つの現象と結びついている。地震に対する日本の脆弱性と原発が示した危険性だ。第一番目は有史以来直面しなければならなかった現実で、第二番目は地震や津波より更に大惨事的でさえあることが分かってきたことだが、人間の仕事だ。広島の悲劇から日本人は何を学んだか?〈続く〉

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