« クロカル超人が行く 143 東京駅エキナカショップ グランスタ | トップページ | 超人の面白読書 77 ノルウェーのノーベル賞作家 ビョルンソン著『アルネ』 »

2010/12/07

超人の面白、街の話題 9 ダウンシフターなど

 NHK朝のニュースで30代の若者に焦点をあてたコーナー「ミドルエイジクライシス」を視た。新たに生まれたダウンシフターと呼ばれる人たちだ。見慣れない言葉だが、元々はアメリカから伝わった言葉らしい。収入が以前より少なくとも自分らしく生きてゆくことの方を選択したのだ。他人を蹴飛ばしても売上に固執して勝ち抜こうとすることやパイの食い争いなどの過酷で無意味な仕事を止めて、たとえ収入がダウンしても自分のしたいことをすることがより良い人生を送れると考えた若者たち。ダウンシフターという本を書いた男性は、百貨店から居酒屋店主へ、その店に出入りしているビジネスパーソンは農業、それぞれに充実していて楽しいという。少し前には勝ち組と負け組や負け犬とすぐ線引きをして自分の帰属意識を確認しては冷たい目線を露骨にする我々日本人。生存競争には勝たなければという意識が結果的には戦後のある時期までの日本を支えてきた。ところが、自分たちのコードでばかり交わした結果、外界のコードを読み取れず孤立化、いわばいつの間にかガラパカコス状態に陥ってしまったのが日本の現状だろう。日本の政治経済それに社会システムそれ自体が制度疲労や没価値を生み出し、若者に希望や夢を持たせ得ない有様が露呈している。価値観の多様化や環境問題もある。行き過ぎた資本主義の矛盾の塊が今の世の中だ。
 あるインターネットラジオのパーソナリティーが、本の紹介のコーナーで、この本の著者とは多少意見を異にするとしながらも、彼もこの著者と同じ高校で倫社担当の先生に習ったらしい。好きなことは人間誰にでもあるのだからそれを徹底的に極めろ、中途半端はいけないと語った言葉が印象的で影響を受けたという。しかし、大抵の人間は中途半端で自分の人生を終えてしまうというのが筆者の最近の観想だ。ニヒリズムの大家ニーチェの言葉をピックアップした本が売れていることも今の世相を反映しているような気がする。羅針盤のない時代はややもすると方向を失い漂流しがち、そこを想像・創造してこそ何か手応えを感じるのではあるまいか。保身が充満している。私利私欲に走りすぎて他人が見えない。格差社会の到来で、ぎすぎすしたストレスの大きな世の中だ。本当に根底からの世直しが必要なのかもしれない。30代の危機は団塊ジュニア世代だ。人口が多いだけ目立つが、親たちもある意味では自由と平等それに改革を推進した世代だった―。

« クロカル超人が行く 143 東京駅エキナカショップ グランスタ | トップページ | 超人の面白読書 77 ノルウェーのノーベル賞作家 ビョルンソン著『アルネ』 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 超人の面白、街の話題 9 ダウンシフターなど:

« クロカル超人が行く 143 東京駅エキナカショップ グランスタ | トップページ | 超人の面白読書 77 ノルウェーのノーベル賞作家 ビョルンソン著『アルネ』 »

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31