« 超人の面白観劇 京都芸術劇場 春秋座『マラルメ・プロジェクト』 | トップページ | 2010年 夏の詩 »

2010/07/27

超人の面白詩歌鑑賞 2 ステファンヌ・マラルメ作「海の微風」

海の微風

肉体は悲しい、ああ、そして私はすべての書物を読んだ。
にげる、あすこへにげる!未知の水泡と天空の中の
存在に酔っている鳥の群れを感じる!
何にも、眼に写る古園もなく、何にも
海の中へ濡れて行く心をとどめるものでもない
おお夜! 清浄の保護する空白の紙の
上に私のランプの寂しい明りもなく
また幼児に乳をのませる若い女房もいない。
私は出発しよう! 帆柱をゆする汽船よ
異国の自然界のために錨をあげよ。
一つの「倦怠」は残酷な希望に悩まされ、
ハンカチフは最後の告別だとまだ信じ
また恐らく帆柱は暴風雨をよびおこし
難破船の上に風に傾くものだと信じる
その難破船も消え、帆柱も帆柱も豊かな島も……
しかし、おお僕の心よ、水夫の歌を聞け!

                      Brise Marine

【西脇順三郎訳】
〈 世界詩人選7 マラルメ詩集 1996年10月20日初版 小沢書店刊より〉

筆者はこの詩が好きでノートに書き写したほど。特に最初の一行。

La chair est triste, hélas! et j'ai lu tous les livres.

文語調の鈴木信太郎訳もインパクトがあった。今捜し求めて購入したサルトル著渡邊守章訳『マラルメ論』を読み始めている。

« 超人の面白観劇 京都芸術劇場 春秋座『マラルメ・プロジェクト』 | トップページ | 2010年 夏の詩 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 超人の面白観劇 京都芸術劇場 春秋座『マラルメ・プロジェクト』 | トップページ | 2010年 夏の詩 »

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31