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2010/02/19

超人の面白創作 携帯連載小説  ミルクプラント 49

 ノルウェー人は背丈が高い人が多いが意外と素朴で気さくな人達である。ナオミはこの小さな小学校の女性の先生二人に習った。一人は長身のJ先生、もう一人はJ先生の後任のG先生、この先生は20代の後半で目がくりっとしていて全体的に丸顔で黒髪、語り口も穏やかで包容力のある女性だった。ノルウェーの家庭の食卓でよく出されるクッキーを作ってくれた。コーヒーはインスタントでコーヒー専用のミルクの代わりに牛乳を注いだものだった。後年ナオミは東京にある北欧家庭料理店で同じような食感を味わった。その家庭料理店はスウェーデンの南部地方のものだ。また、この小さな小学校では英語と日本語それにノルウェー語とスウェーデン語が素朴な教授法で行われたが、ナオミには今も目に焼き付いている光景がある。それは四畳半とわずか一畳の床、その床に置かれていた小さな椅子と机―これはイプセン劇の小道具を思い出させるが、最も彼女はイプセンよりはビョルンソンがノルウェーでは人気がありますと言っていた―に年代物のブラックのタイプライターがあった。戦争映画や古い名作映画に出てくるようなタイプライターである。キートントンではないがモールス信号を送るように丸いキーを叩くのだ。紙に打ち出されるアルファベットが擦れたり濃かったりとキーを打つ力加減で微妙に写し出されるのである。紙もタイプライター用だから薄くインクの付き具合もあまりよくなかった。しかし印字されたアルファベットは何とも言えない風情があったのだ。北欧語独特の特殊記号のaの上につける小さな○はないから手で書くのだった。例えば、arのaの上に小さな○をつけて、オールと読み「年」という意味になるのだ。

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