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2010/02/10

超人の面白創作 携帯連載小説 ミルクプラント 47

 ギリシャ語と英語それに読みをカタカナで記した紙片は、玉手箱にしまわれたかのようにずっと赤っぽい菓子箱の中に眠っていた。菓子箱にはヨーロッパの息吹があった。ギリシャ語の紙片もバルザック作『ゴリオ爺さん』のページに挿まれたまま置かれていた。そこには溶けた時間があった。紙片は一滴のようにみえ、触ると消えて無くなるようにも感じられた。紙の匂いもまた、彼方のものだった。
 ナオミはミルクプラント外ではザラ紙にドイツ語の名詞の変化や動詞の不規則変化を書き写しながら独習していたのだ。英語は教科書をほとんど暗記していてストーリーが語れるほどだった。やがて実際に外国の人と喋ってみたい衝動に駆られていた。それで思いついたのがO国際貿易港だった。英語圏の人達に自分の発音した英語が通じるのか試したかったが、その国際貿易港で出会った船員は、あまり英語が通じないギリシャの船員だったのだ。しかし親切だった。異文化との邂逅、それはナオミには鮮烈だった。

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