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2010/01/18

超人の面白創作 携帯連載小説 ミルクプラント 44

 ミルクプラントの裏側には細く背の高い桐の木と無花果の木が植えられていて、ミルクプラントに緑色の色彩を添えていた。その2つの植物の葉の生え方が似ていたようでもありまた、違った形で生えていたような感じでもあった。ミルクプラントの外側に面した窓ガラスを開けて空気の入れ替えをすると、植物の独特の匂いが漂い新鮮だった。無花果の木は背丈はそれほど高くはなかったが、枝分かれして横に伸び、比較的大きな葉が邪魔なくらい生い茂っていた。元々はアラビア産の植物で江戸時代に長崎経由で日本に入って来たらしい。さて、何本くらいあったのか。推測の域はでないけれども、少なくとも12、3本位はあったか。実りの季節になると、ナオミたちは竹で編んだ笊を小脇に抱えて無花果の木によじ登ったものだ。あまり太くなかったためかたまには枝が折れたりした。赤紫色と縦に線が入った熟れた無花果の実は、皮をうまく剥いて食べるとやわらかくて甘い味がした。しかし、もぎ取り方を一歩間違えば、白い乳汁が手や顔など身体の一部につくので厄介だった。その独特の樹液はゴムの樹液と似ていて粘り気があった。
 今ではどこに行ってしまったのか検討もつかないが、恐らくは火事や新築の際に消失してしまったと容易に想像はつくのだが、学生服を着た坊主頭のナオミの兄が無花果の木によじ登っている元気な姿の写真があった。
ミルクプラントの裏側は子どもの遊び場の天国だった。ナオミがまだ小学校低学年の頃は―。

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