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2010/01/11

超人の面白創作 携帯連載小説 ミルクプラント 40

 冷蔵庫のある棟にはアイスキャンディ製造工場があった。ここではアイスキャンディ、アイスモナカ、アイスシャーベット、オッパイキャンディなどを製造していた。木製の大きな冷却庫が3基あった。冷蔵庫のすぐ脇にあった水色の冷却庫はうまく冷却が働かなかったせいかあまり使えなかった。だから蓋したままの状態でその上にものが無造作に置かれていた。そのそばには長い作業台があって、ここで出来上がったアイスキャンディを袋に詰めた。冷却庫には茶色いアンモニア水がたっぷり入っていて、その中に調合されたアイスキャンディの原料の入ったブリキ製の金型―平べったいものや真四角それに丸いものまで数種類のものが片方10本、もう片方10本の対にして作られていた―を固定された枠に嵌めて冷却する。途中頃合いを見計らってアイスキャンディの棒を素早くさしていくのだが、まだ冷えていない状態では棒が倒れてしまうし、だからと言って冷え過ぎると棒がささらず折れてしまうのだ。もちろんタイミングが悪くお釈迦も作った。それと大失敗は、アイスキャンディの原料が入ったブリキ製の金型を固定された枠に嵌めるのだが、位置がずれるとアンモニア水の中に落ちてしまうのだ。これを引き上げるのには多少エネルギーが要った。中はアンモニア水だ、冷たいのなんの、下手すると凍傷を起こしてしまうのだ。ナオミやヒロミや姉など労働に駆り出された家族の者達もこの作業には失敗を繰り返した。アイスキャンディができるまでの工程は、この型を何セットか入れて列にし、木製の蓋(間仕切りされた開閉自由な蓋だがそれなりに重い)を閉め、棒をさし終えたら凍るまでしばらくアンモニア水に浸しておく。その時間40分〜1時間。冷却後、温水槽に浸して型からアイスキャンディを一本一本抜き取る。あまり浸しておくと溶けて型崩れを起こすので手加減が重要だ。。これを作業台に持って行き、袋詰めをして冷凍庫で保管するのだ。袋詰めも、袋がビニール製なので滑りやすいから散らばったりしたが、多少の風を送れば口がうまく開き、スムーズにアイスキャンディを中に押し込むことができた。この作業も家族全員交代で当たった。数的には結構あった。一時フリザーの機械を使ってアイスモナカも製造していた。これは調合の難しさ(甘さ加減)もさることながら、作業工程の正確さ(固まり具合)と冷凍庫での保管の難しさ(中を冷やし過ぎないこと)もあって、小さいわりには手間がかかった。また、オッパイキャンディは、ゴム製の袋に原料を入れて、空気を入れる小さな道具を使い、膨らませてから手でゴムを押してこぶを4、5個作る。それを輪ゴムで口のところを結んで冷却庫で凍らすのである。凍らしたオッパイキャンディは、持つところが丈夫な網で掬い、水洗いをして冷蔵庫に保管するのだ。アイスシャーベットはと言うと、細長いビニールの袋に原料を入れ、口を熱して閉じ冷却庫で凍らすのだ。足と手を使うのだが、熱してある平らなところに手でビニールの口1センチを挟み込み、足で操作して瞬時に張り付けるのである。下手するとビニールが切れてお釈迦を作ってしまうのだった。ナオミもよく失敗して父から叱られた。むしろ弟のヒロミの方が上手かった。これらのアイスキャンディは、チョコレート味、ミルク味、フルーツ味と数種類製造された。
 チョコレート味のキャンディとオッパイキャンディは店頭でよく売れた。

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