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2010/01/07

超人の面白創作 携帯連載小説 ミルクプラント 36

 K市の牛乳博物館を訪ねた時、ガイドの男性がまだ来ていなかったので、1階フロア左側の一角に置かれ昔使っていた機械類を見て歩いた。大きな鏡、書画それに骨董などがある以外は、バター製造樽、ミルクタンクや瓶詰め機などその当時(昭和20年代から昭和30年代)使っていたものが所狭しと展示されていた。その中に見たことがあるタンクもあった。が、何よりそれらの機械類に増して驚いたのは、醸し出す臭いだった。これは牛乳屋特有の臭い、職業柄が空間に漂う瞬間で、また、居たたまれない雰囲気を醸し出すのだ。牛乳特有の柔らかくて多少臭いがきついと言ったら想像がつくだろうか。この臭いが牛乳屋の証明だ。多少嬉しくもありほろ苦さもあった。

 冷蔵庫に牛乳製品を収納したあとには最後の清掃が待っていた。貯蔵タンクの中、特に周りに付いた脂肪の塊を除去する作業や白いタイルの掃除、瓶詰め機械、多少ベタベタしていた床の掃除、丸いメガネが10個くらい組み合わさった搾乳検査機(ぐるりぐるりと何度か回して凝固状態を診る)などが置かれた作業台―ガラス窓近くに一定の高さに備え付けられていた―の整理と雑巾掛けなどタワシやホースを使って何度も擦ったり水かけして清掃作業をするのだ。ナオミの唯一の楽しみは、ホースでの水かけ作業だった。排水しやすいように溝ができていて、そこに汚れものをホースの水で誘導して流し込むのだが、この意外と清潔になっていく過程が爽快なのだった。だから何度でも水かけをしたものだ。水道代が多少かかったかも知れないが。もっとも排水溝に溜まったべとべとした牛乳の塊などが付着したところを取り除く作業には辟易した。特に排水溝の蓋の裏側の掃除が大変だった。


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