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2009/10/22

超人の面白創作 携帯連載小説 ミルクプラント 4

 ナオミはこの事故をずっと忘れかけていた。体育の時間や運動会、特に100メートル走などの短距離競走のスタート時と疾走時に悩まされた瞬発運動障害や6月の梅雨時期には何となく手を頭の後ろにあてていないと鈍痛が走るむちうち症状はいつの間にか消失していた。それはこの交通事故から完全に治癒するまでなんと20年くらい要したことになる。実家に帰るたびにそのむちうち症状などを父親や母親に話すと、ナオミ、それは栄養失調症の症状だと笑って取り合ってくれなかったのだ。
 また、ナオミの目は左右の視力の差が極端にあり過ぎて、どちらかで視ているせいかときどき疲労が募るのだ。これもこの事故のせいかと思いたくないが、その前後のデータが今はない。かつて実家に小学校の通信簿がタンスの隅に学年順に重ねて置いてあった。その通信簿―中学、高校の時分にそのタンスを開けたついでに、チラリ、ニヤリとして半開きした通信簿を見入ったものだが―には視力の数値も書き込まれていた。それが実家の新築の餌食にあってきれいさっぱり消え去ったのだ。だから残っていない。いや、正確に記せば残っていないらしい。はては、新築してから3、4年後くらいに、ミルクプラントがあったところを後に住まい用に改築された家が火事になった。そのときに全て無くしたのだろうか。

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