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2009/10/31

超人の面白創作 携帯連載小説 ミルクプラント 13

 ガラス戸の玄関を開けると小さな板の間があって左側に使い古された事務机、右側すぐ脇が下駄箱、その上が開閉式の物置、障子戸を開けると6畳一間の客間と続くナオミの母屋には、右側に電話台兼伝票や判子などが入った引き出し五段付の小物、中央付近に炬燵台、左奥隅にテレビ、その奥はやや大きめの障子戸で仕切られていた。昔使っていたところらしく薄暗かった。客用の食器具が置かれた戸棚だったか。その奧は戸を開けて(滅多に開けられることはなかったが)一歩外に出ると裏の第二の便所だった。家と外は竹柵で仕切られて、細い桐の木、無花果の木が母屋の裏手にあった。その脇は生活道そして用水路が流れていた。
いつだったかナオミはすぐ下の弟ヒロミとその昔使っていた薄暗い空間に立ち入ったことがあった。いつも子ども心にこの奧には何があるのか秘密めいた空間をこじ開けたいと考えていたのだった。単なるがらくたの集まりか、興味は尽きなかった。特に雨の日の夜は気持ちが悪かった。激しい雨音がトタン戸を叩くと、その混じり音とともにガタガタガタッ、ところが、途中からチュチュチュッの音に、あっ、ネズミだった。
障子に小さな穴を開けて薄暗い一角に恐る恐る手を差し伸べたナオミと弟ヒロミ―。

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