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2009/10/29

超人の面白創作 携帯連載小説 ミルクプラント 11

 勝手口付近はまた、自転車2台と125CCのバイクの置き場でもあった。ナオミの中学高校時代、夜内緒でこのバイクを乗り回していたものだ。ガソリンの減り具合と交番を気にしながら。
 勝手口を入ると五右衛門風呂の風呂場、籾殻や木っ端などが燃料で風呂場自体は新旧混在していたが比較的広かった。ナオミが思い出すのはこの風呂場で盥を出して兄弟姉妹が各々順番待ちで洗濯をしたことだ。ナオミの家は自分のことは自分でする不文律があって日曜日午前中など待ちの時間があったのだ。その間ラジオを聴いたり片付けをしたりしていた。風呂場の先右側に道路から小川(半分汚染されたどぶ川否溝)を渡って入れる勝手口があり、囲炉裏、その先に炊事場がある。手前が洗い場、その上が食器棚、奥にかまど(”へっつい”と言っていた)があった。飯台がかなりのスペースで鎮座していた。誰に聞いたか確か母だったと思うが、その飯台は脚が座敷用に短く切られて不自然だった。これはね、ナオミ、お祖父さんが一家団欒にと切ってくれたのだよと母が自分の父のことをほのめかした。その祖父は1000メートル近い山の麓の開墾地に家を構えて山林業を営んだ男だ。ナオミはその祖父の葬式には母と行ったが、当時としては異例の人数で途中まで数えて諦めたほどだ。一千人はいた。長い長ーい行列だった。村長までやった人と聞いた。ナオミ、酒飲め、茶碗に並々ついでくれた。小学生の低学年にだ。まだ葉煙草や梨畑が裏にあった囲炉裏で濃い睫毛が特徴の祖父が悪戯っぽく語ってくれたのが懐かしい。

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