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2009/08/23

超人のジャーナリスト・アイ 110 テレ東美術番組「美の巨人たち」―前川國男邸

Photoこのテレ東の美術番組「美の巨人たち」も今年で10年目を迎えるらしい。2009年8月14日付毎日新聞夕刊の放送欄で貧しい無名画家発掘も光るとしたタイトルで、この長寿番組の人気の秘密をナレーターの俳優小林薫や永田浩一プロデューサーのインタビューを交えながら探っていた。最近は渋い小林薫の声にプラス、シリアスときにコミカルなドラマも挿入されて益々内容の濃い番組になってきている。不況でもろに制作費削減が取り沙汰されているテレビ番組制作だが、この長寿番組は海外ロケや著作権処理などに膨大な費用がかかるにもかかわらず予算は減っていないと担当のプロデューサー氏。自信の一端が伺えるところだ。筆者もこの記者と同様に無名の作家や気鋭の現代芸術家も取り上げてほしいと期待したい。

  さて、絵画だけではなく今回は建築シリーズ。以前にもヴォーリズを取り上げていたが、フランス人建築家、ル・コルビュジェの弟子、前川國男作「前川國男邸」が今回の一枚だ。西洋建築の様式美と日本建築のそれを配した傑作である。最初品川の上大崎に建てられたが、今は移築されて小金井市にある江戸東京建物園にある。下記はテレ東番組HPからの引用。

4週連続でお送りする、日本の建築スペシャル第3弾。今回は、東京文化会館や、国会図書館、京都会館などで知られる建築家、前川國男の自邸、『前川國男邸』を紹介します。
わずか30坪の土地に建てられた、どこか懐かしい日本民家。空を切り取るような切妻屋根に、建物の中央に据えられた丸柱。渋みのある茶色の壁は、ぬくもりと落ち着きを醸し出します。しかしその内部は、モダンな造りとなっています。リビングは、高さ4.5メートルの吹き抜けが生み出す開放感があり、南向きの格子窓からは優しい光が差し込みます。そしてリビングの味わい深い階段の先にはロフトが設けられています。
P003
革新的な造形で、20世紀の建築界に革命を起こしたフランス人建築家、ル・コルビュジェ。彼の書いた本に、前川は心を奪われます。東京帝国大学建築学科で学んだ前川は、昭和3年、卒業式を終えたその足でパリへ旅立ちます。憧れのコルビュジェのアトリエに勤め、建築家としての第一歩を踏み出しました。当時のコルビュジェは、従来の伝統や慣習を否定し、技術の進歩を活かした自由な空間作りを掲げていました。前川は彼の下で2年間の実務を経験し、近代建築の信念と理想を受け継いでいきます。帰国後は日本独自の近代建築を目指し、30歳で事務所を構えました。しかし、日本は戦争に突入し、設計の仕事はなくなっていきます。そんな中、昭和17年、前川は妻と二人で暮らす家を建てました。それが、前川國男邸です。戦争による資材統制によりほとんど木材しか使えず、また建坪30坪以下という制限があった中で、前川は3LD、キッチン、ロフト付きという、モダンな一戸建てを建築するのです。空襲により事務所を焼失すると、ここを事務所代わりに使い実務を続けました。敗戦後住宅不足に直面すると、安く、簡単に作れる木造のパネル組み立て式住宅を考案し、ここから戦後の日本の復興を支えました。前川は、あるテーマを持って建築に取り組んでいました。それは、人のために建築は何が出来るのか(太字は筆者)、ということです。このテーマの答えの一つが、彼の自邸には隠されていました。前川が30坪という敷地に込めた、思いに迫ります。
P004写真左は前川國男の一筆書きの図、一見迷路だが広がる空間がきちっと考えられているのだ。国立国会図書館の内部もそうなのかと改めて考えさせられた次第。

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■次はWEBPAGEより

1942年(昭和17)品川区上大崎に建てられた住宅です。
中庭を正面に大きく開けていて二階部分は組んだ木の間にガラスがはめ込まれ、照明など建物の内装や生活空間が少し見える様な開放的なデザインになっています。それとは反対に一階部分は障子によって外部からの視線から生活空間が見えない様に建築家の配慮がなされています。しかし、この障子を開けると中庭の芝生と一階部分とが一体化したような開放的、且つ木の素材で出来た家が庭の自然によく映える自然環境の間となります。
内装は変わっていて、どちらかというと統一感はなく、球の形をした照明やカサを被った形の照明、椅子や机のデザインも様々で他の住宅に比べると計算高いというよりは“奇抜”なデザインだったと思いますが、幅広い年齢層の人が馴染める住宅デザインだったと思います。あまり仕切りがなく天井なども吹き抜けになっているので書斎や寝室も風通しが良く、快適な空間になっていました。(土屋 聡美)

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