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2009/08/21

超人のジャーナリスト・アイ 110 朝日新聞文化欄の記事など 1

 早いもので8月も下旬、夏の総括には少し早いが、最近気になっている事柄に触れてみたい。ジャーナリスト・アイと言うよりはむしろ“雑雑考考”と言ったところ。偶然にも朝日新聞文化欄を覗いたら似たような問題についての記事が掲載されていたのだ。8月10日、11日と15日の3回に渡って連載された。題して「現代○○の謎」。下の未来の記事の最後は、雑誌「思想」編集長の互盛央氏の言葉で締め括っている。現代思想で大きな理論がうまれていなくても、人間の考える力、情報を集める力は変わっていない。理念をあきらめてはいけないし、役に立たないことを考える価値を信じたい。人間の想像力を信じたいと。結果の出にくい人文諸科学の分野のレベルが大学機関等で問われたりして知のゆらぎが問題になっているが、ここで言及している「役に立たないことを信じたい、人間の想像力を信じたい」ということが筆者がまさに最近気になっていることなのだ。
 若い頃から読書―大方は乱読雑読斜め読の類―をしてきたが、最近富にこんなことしてて本当に良いのかと不安気味なのだ。無駄の効用を信じて、せっせと本を買っては乱読、積読、挙句には未読で終わるのが普通の日常がずっと続いたが、去年亡くなった筑紫哲也氏の言葉を引用しながら、知の買いかぶりがなくなったと復刻版・雑誌「朝日ジャーナル」のコラムで編集長が書いていたのを思い出した。ニューアカデミズム、あんなものはなかったとこの間の大江健三郎賞受賞公開対談で大江健三郎氏が一蹴していたが、筆者が今、つくづく思うのはやはり独学のすすめだ。この大江健三郎賞受賞者の文芸評論家、安藤礼二氏もそうだ。言い換えれば、好きなことをずっとし続けることのタフさだ。ビンボー大学生時代には今の大学には見られない大学闘争や最近特に元気な吉本隆明の小難しく分厚い本などが生協に並び、片手にはマンガ本、もう片方には朝日ジャーナルを持ち、街を闊歩するのがステータスの時代だった。しかし、当時はもちろんインターネットもない時代で知的情報の紡ぎ方は用意ではなかったが、それでも知的好奇心があって“たどれる”楽しさがあったのだ。岩波新書の梅棹忠夫著『知的生産の技術』はそんなビンボー学生には福音の書だった。特に独学には格好の指南書なのだ。あれから幾星霜、今もって京大式情報カードはメモ書き用で常時携帯している。〈続く〉

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