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2009/06/28

超人のジャーナリスト・アイ 109 マイケル・ジャクソンの死 英国公演についての報道 

マイケル・ジャクソンの死でロンドン公演の経済損失を伝える英紙の電子版。
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Michael Jackson's death leaves AEG Live facing £300m bill
AEG Live, the promoters of Michael Jackson's 50-date residency at London's O2 Arena, faces a bill of up to £300 million following the cancellation of the concerts.

By Jon Swaine and Jamie Dunkley
Published: 3:26PM BST 26 Jun 2009

US popstar Michael Jackson gestures as he addresses a press conference at the O2 arena in London, on March 5, 2009 Photo: AFP
It is thought the company was unable to get insurance for at least 30 of the concerts – which were due to start next month – after obtaining limited cover for between 10 and 20 of up to £130 million.

Insurers declined to take on the financial risk of the shows not going ahead, apparently concerned that the singer, who appeared frail at the unveiling of the concerts in March, would not be able to complete the run.


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Michael Jackson is dead: internet feels the strain Randy Phillips, AEG's chief executive, told The Daily Telegraph at the time that the company, which is owned by the American billionaire Philip Anschutz, was willing to "self-insure", shouldering the potential cost itself.

"It's a risk we're willing to take to bring the King of Pop to his fans," Mr Phillips said, insisting Jackson had passed a thorough medical "with flying colours". AEG declined to comment yesterday.

Ray Waddell, a live entertainment expert from Billboard magazine, reported yesterday that the limited cover AEG managed to obtain did not include Jackson's non-appearance – despite this typically being a basic component of such policies.

"Even if AEG had a policy, that doesn't mean Jackson's death, and the losses incurred, would be covered," he said.

"If [Jackson's death] was a pre-existing condition or drug- or alcohol-related, a normal cancellation policy would not cover that, even if he had passed a medical exam," Waddell quoted a source close to the situation as saying.

The original buyers of all 750,000 tickets for the "This Is It" residency, which were priced at £50-£75, are expected to be given a full refund.

However, fans who bought tickets through internet auction websites like eBay, where some paid thousands of pounds to touts, will not get their money back.

Tickets for the concerts sold out in one morning, after being bought at a rate of 11 per second.

In a statement, the O2 management said yesterday: "At this moment our thoughts are with Michael's children, family and friends. We will announce ticketing details in due course."

AEG and the O2 must now either find acts big enough to fill the 15,000-capacity arena for the 50 dates – which span July and next January and February – or let the venue sit empty.

Gary Bongiovanni, the editor of the concert magazine Pollstar, said: "They are taking a big hit. They will be able to re-book some of those shows. But those in July, the building will probably be dark."

Predicting the financial fall-out would be "messy, as well as expensive", Waddell predicted that AEG could make a claim against Jackson's estate. 英紙「Telegraph」2009年6月28日の電子版より

2009/06/19

クロカル超人が行く 116  K大学講演会 「詩のボクシング」で対戦した谷川俊太郎 VS ねじめ正一が再び対戦 ? 生きる言葉を語りそして自作詩朗読 

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「詩のボクシング」で対戦した詩人・谷川俊太郎とねじめ正一が再び対戦?と期待して出かけたK大学の講演会。先週の土曜日にNHK-BSで再放送されたらしいが見逃した。その著名な二人の詩人が詩のボクシングを主宰する楠かつのり氏のいる大学のチャペルで講演したのだ。パイプオルガンがドーンと中央に鎮座したホールで学生そして一般人あわせておよそ600人(一般人は30人ほど)、大物詩人の講演とあって会場は満員御礼。もっとも授業の一環という意味合いもあったが。
 早速登場した二人、Tシャツやホワイトシャツの軽装スタイルだ。手には朗読用の本や原稿の入った紙袋を携えて。楠かつのり氏の進行で「声と言葉が教えてくれる生きる低力」の講演会が始まった。はじめに司会者のゲスト紹介、鉄腕アトムやフランク永井の作詞者でもある谷川俊太郎氏(詩で生計を立てている数少ない詩人の一人)、一方、詩の登竜門のH賞受賞者で直木賞受賞者のねじめ正一氏(鈴木志郎康や正津勉の系譜か)、ねじめ正一氏は阿佐ヶ谷で民芸品店も営んでいる(先日筆者は夕刊に載った彼の記事を興味深く読んだばかりだ。中学時代に先生に君は意外と文章が上手いんだねと褒められた。そのことがきっかけで俺でも書けると思ったという。筆者にもそんな経験もあるが・・・)。打ち合わせは十分に練ったとは思うのだが、聴きづらい司会者の声、それにゲストをうまく引き出ださなければいけない役なのに司会者が喋り過ぎたようだ。「ことば」について語り始めた。「ことば」の存在は矛盾の塊であってことばの意味づけ以前のことに着目していると語る谷川俊太郎氏に対して、中学2年から詩を書いてきているが、未だに宙ぶらりんの自分がいるのを感じていると語るねじめ正一氏。兄弟がいない孤独な環境下と甲子園をめざした野球少年、時代状況も環境も違うが、どちらも東京育ちだ。そして資質は違うがお二人ともユーモアのセンスが抜群なのだ。ねじめ正一氏が野球の話をすると、野球と詩、関係あんのと谷川俊太郎氏が突っ込むのだ。詩を信用しないで詩を書いてきたこと、信用できることばをさがすこと、意識的な散文とは違って、詩を書くときは深層からでてくることばで書くこと、だからなんでこんな詩を書いてしまったか分からないのだという。それが詩だと。ポエジー―。これは二人に共通だった。司会者の主宰する「詩のボクシング」については、声が優先されて詩が出てこないとは谷川俊太郎氏、また、現代詩には現場感覚が徹底的に欠けていたとも言って、朗読はむしろ先祖帰りだと。ねじめ正一氏は今でこそ詩の朗読は一般的になってきたが、それまでは悲惨なものだったと。「詩のボクシング」も詩を壊すくらいにやることを主張すること(谷川俊太郎氏)、今や“教育的”になってしまった、負けたら全否定だもの、遊びの精神がないと(ねじめ正一氏)。お互いの言い分がノッてきたように見えたが、学生が飽きてきたせいか(聴きづらいこともあったが)筆者等一般人席の二階からも居眠りしている学生が男女と問わず増えてきたのがすぐわかった。谷川俊太郎氏がその光景を見るや、飽きてきたんです、そろそろ朗読でもしますかと切り出した。そして、ねじめ正一氏から朗読が始まった。すると、何事が起きたのかとマイクでがなりたてる声に反応したのか今まで寝ていた学生ほぼ全員が起きてしまった。効果抜群だ。放送禁止用語も多用するねじめ正一氏の詩だがと司会者の楠かつのり氏、「かあさんがあーちゃんになった」、テンポの速い、コミカルな詩だ。続いて谷川俊太郎氏のちょっと過激でユーモアたっぷりの「なんでもオマンコ」。いやー、これには笑った。学生は戸惑ったか―。かつて介護の疲れで一時もの書きを中断していた78歳の老詩人は今は健在だ。なぜか"スッピン"という言葉が出てしまった。普通は女性の表情に使う言葉だが、谷川俊太郎にぴったりだ。その後交互に詩の朗読が2,3回続いた。久し振りに詩の朗読を堪能した感じだ。ねじめ正一氏の詩は面白いが長い、さっと読んだ原稿を床に投げ飛ばす姿がまたニクイ。ここで谷川俊太郎氏が朗読した詩の一つを引用してみよう。

さようなら

私の肝臓さんよさようなら
腎臓さん膵臓さんもお別れだ
私はこれから死ぬところだが
かたわらに誰もいないから
君らに挨拶する

長きにわたって私のために働いてくれたが
これでもう君らは自由だ
どこへなりとも立ち去るがいい
君らと別れて私もすっかり身軽になる
魂だけのすっぴんだ

心臓さんよどきどきはらはら迷惑かけたな
脳髄さんよよしないことを考えさせた
目耳口にもちんちんさんにも苦労をかけた
みんなみんな悪く思うな
君らあっての私だったのだから

とは言うものの君ら抜きの未来は明るい
もう私は私に未練がないから
迷わずに私を(この先4文字あり ! メモ書き判読不明!)
泥にとけよう空に消えよう
言葉なきものたちの仲間になろう

(詩集『私』より)

谷川氏は最新刊の『トロムソコラージュ』(2009年5月刊)で187行の長いバラード風の詩を書いている。
一方、ねじめ氏は詩人の那珂太郎のことを書いた『荒地の恋』、絵本、野球のことなど散文の方へエネルギーを注いでいるようだ。

この後学生から2、3の質問を受けて講演は予定時間を大幅に超過して終了。面白かった。

2009/06/14

超人の面白読書 59 第140回芥川賞受賞作品 津村記久子著『ポトスライムの船』

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『ポトスライムの船』は2008年11月号の文芸誌「群像」に本の題名になっている「ポトスライムの船」それに同誌2007年1月に載った「十二月の窓辺」」からなる190ページ足らずの本。
 年収163万円のアラサー女性のつましかな生き方を描いた一見どこにでもあるストーリーを取り上げた、“ジミーオオニシ”も驚く関西版青春小説だ。主人公の派遣社員のナガセはバイト先の店、パソコン教室の講師そして工場のラインで働く独身女性だ。工場に貼ってあった163万円で行ける世界一周旅行、これで南太平洋のパプアニューギニアあたりでカヌーを漕ぐことを夢見て働き貯蓄に励む。時折財布を眺めては消費の実態を把握しながら倹約をしている。ライン勤め、パソコン教室の講師、夜のアルバイトそれでも年収は163万円、これは少なすぎるくらいだ。そこに奈良の実家に離婚した子持ちの女友達が転がり込む。母親と一緒に暮らしているナガセは、友達の子どもが母親が可愛がるのをみて自分が早く結婚してほしいと思っていると感じる。アルバイト先、職場そして家にも観葉植物の「ポトスライム」、その観葉植物を水差しすることで根を張り、葉を出し更に新芽が出ることの楽しみを何よりも生き甲斐としている。癒されるからだ。実は作者は、その瓶の向こうに見える日常を見ていたのかも知れない。じっと耐える日常を―。

 もうひとつの作品は『十二月の窓辺』。職場のパワーハラスメントを扱ったややシビアな小説。これもどこにでもありそうな職場の出来事だが、ここには作者の実体験に基づいたと思われる確かな社会を見る眼がある。その眼は女性のしなやかだが観察の鋭い眼だ。心の葛藤などを描いた心理描写も巧み。
 文章は関西弁を駆使してやわらかさを出しているけれども、特に難解さはなくむしろ、平淡。個人的すぎる日常の断片を描いただけにみえる『ポトスライムの船』に対して、『十二月の窓辺』は社会への眼差しがある。
 途中投げ出したりして多少読むのに手間取った。あっと驚くストーリー展開もなく想定内。地味過ぎて面白さに多少欠けているのだ。ただ文章の流れはある一定のリズムがあって心地よい。カタカナの表現の多用は、作者のインタビューの記事によれば、自分の文章はあまり行分けしていないので、やわらかいイメージを出したかったためと語っている。それにしても次の描写はどこかで見た光景だ。もちろんフィクションだが―。
 
 寺社町の火曜の夜のカフェは暇で、ヨシカは明日の早朝に出す分のスコーンを成形して、冷蔵庫にしまった後は、ずっとパソコンに向かって顧客向けのメールマガジンの草稿を書いていた。ナガセも、入口にやってきた客からは見えないソファに座って、ポップアップ絵本の作り方についての英語の本を眺めていた。

筆者等が訪ねたとき、このソファには大谷大学の先生二人が座って議論していた(一人はフランス人と店主が教えてくれたのだ)。

 作者津村記久子氏は1978年大阪生まれ。2005年「マンイーター」で第21回太宰治賞受賞。2008年『ミュージック・ブレス・ユー!!』で第30回野間文芸新人賞受賞。『君は永遠にそいつらより若い』、『カソウスキの行方』、『婚礼、葬礼、その他』、『アレグリアとは仕事ができない』など。今年の1月下旬に『ポトスライムの船』で第140回芥川賞受賞。

 そう言えば、今は無き、我が生涯の師、種村季弘の御魂にこの書を捧ぐ、と書いた諏訪哲史著『アサッテの人』(第137回芥川賞受賞作品)は、「ポンパ、ポンパ、・・・ポンパなんだポンパ、であります、・・・ポンパ、そう、いやポンパに違いない・・・」のところで中断中だ。読むのを忘れていたのだ。"ポンパ"の彼はすでに最近の「群像」などで精力的に作品を発表している。

2009/06/11

超人のジャーナリスト・アイ 108 バルト海沿岸のリトアニアに初の女性大統領誕生の記事

 しばらくBaltic Timesの電子版を見ていない間に、バルト海沿岸の小国リトアニアで初の女性大統領誕生のニュース。副首相、財務省や欧州委員会の委員を歴任したダリア・グリバウスカイテ氏だ。格闘技の黒帯を有し、改革に邁進する政治家としてのイメージから、リトアニア版“鉄の女”と呼ばれる。自分の給料(1200万円)も半減すると表明。リトアニア語の他英語、フランス語、ロシア語、ポーランド語を話す。(2009年5月31日付「毎日新聞」朝刊“キーパーソン”欄から)アイスランドと同様に小国(人口約200万人)の経済危機が深刻だ。失業率は15%を超えているらしい。

 Grybauskaite highlighted Lithuania's parental leave program as a possible area for budget cut.It allows parents to stay home with a child with full pay for one year and 85 percent of their salary the second year.Both parents are eligible,though only one of them can receive the benfits.“Raising babies for two years is a very good idea, but does Lithuania now have enough resources for this program ? I am not here,”Grybauskaite said. ―from The Japan Times Weekly May 23,2009

parental leave育児休暇

2009/06/10

クロカル超人が行く 115 四谷三丁目 チェコ料理・ビール・絵本『だあしゑんか』

超人が行く四谷三丁目チェコ料理
超人が行く四谷三丁目チェコ料理
超人が行く四谷三丁目チェコ料理
超人が行く四谷三丁目チェコ料理
 チェコには大分昔に文通していた女性がいて、確か名前がズデンカ・ナバコーバといい、「プラハの春」のときには手紙の送り先がプラハやスターリングラード(当時の地名)そして短期留学先のロンドンからと二転三転していて大変だった。今も彼女から頂いた英語で書かれたチェコ語入門書が本棚の隅に置かれたままだ。彼女のサイン入りで―。
 何で見つけたかは忘れてしまったが(多分ネット)、四谷三丁目にあるチェコ料理・ビール・絵本のバー『だあしゑんか』。チェコビールの味に取りつかれて、ついに1年前に店まで出してしまったらしい。ピルスナー系ビールの本家チェコは世界一のビール消費量を誇る。東京駅ナカのリカーショップでもチェコの缶ビールをゲットできるが、この『だあしゑんか』のチェコビール「ウルケル」や「バドバー」は本場チェコの匂いたっぷりで美味しい。定番チェコ料理の「グラーシュ」(ボルシチ風煮込みに茹でたパン)も素朴な味わい、またチェコ菓子もお土産にしてもらった。自分の蔵書と売り物の絵本が所狭しと並んでいて、朗読会や上映会も開催されている。今日はこれからチェコのアニメを2時間位放映するのだという。小さいがなかなかやる気十分な店だ。
若い店主によれば、チェコ以外の東欧の料理、ポーランド料理『ポロネーズ』は愛知万博後に名古屋市にオープン、本格的なハンガリー料理店は都営地下鉄白金高輪駅付近にあると。長崎のハウステンボスより規模は小さいが、チェコ村が鹿児島空港近くにあることも知ったのだった。写真のウオッカはポーランドのアブソルベントabsolwent。また、チェコの鯉料理については今度と店主に話して辞去。

2009/06/09

超人の面白ラーメン紀行 119 渋谷区『はやし』

超人の面白ラーメン紀行
 昨日行こうと思って行けなかったラーメン専門店『はやし』。京王井の頭線渋谷駅(西口改札口)脇の坂を登って左折したところにあるが、筆者は道玄坂2丁目から来て、少し迷ってしまった。通り過ぎてしまうほどの佇まい。らーめん(700円)を注文。少し経ってすり鉢状のどんぶりに入ったらーめんが供された。上品である。らーめんが出てくる前に水を一杯と目の前にあるコップを手に取ってびっくり、普通のより重いのだ。器もきちっとしたものを出そうとの店主の心遣いがこんなところにも表れていた。さて、らーめんだが、鰹出汁が効果的なスープにストレートな中細麺が絡み、旨みを上手く引き出していた。和風味の典型だ。美味。トッピングはチャーシュー、やや太めのメンマ(超美味!)、海苔に刻みネギがほんの少々だ。このチャーシューは色形よし、味よしそして軟らかさよしの絶品である。麺もなかなかだ。メニューは到ってシンプル、らーめん(700円)、味付玉子らーめん(800円)と焼豚らーめん(1000円)の3品のみ。店内は黒をベースにしたシックな造りでカウンター10席。店主と奥さん?の二人で切り盛りしている。
営業時間: 11:30〜15:30 定休日: 日曜日・祭日 住所: 渋谷区道玄坂1-14-9ソシアル道玄坂1階
『はやし』1.スープ★★☆2.麺★★★3.トッピング★★☆4.接客・雰囲気★★5.価格★★☆

2009/06/08

超人の面白ラーメン紀行 118 渋谷区『博多ラーメン凪 渋谷店』

超人面白ラーメン紀行
渋谷駅徒歩10分のとこにあるラーメン専門店『博多ラーメン凪 渋谷店』。濃厚豚骨と極細麺それに女性スタッフオンリーが特徴。ラーメン(680円)を食べたが、豚骨スープが濃厚の割りにはイケた。意外とまろやかだった。麺は自家製極細麺。完食。月曜日のはっきりしない空模様の昼下がり、客は5、6人だった。店内は入口の一角が9人座れるカウンターで、奥にはテーブル席4卓、夜は麺酒場になるらしい。
味玉ラーメン780円、キクラゲラーメン780円、チャーシュー麺880円、特製ラーメン900円。麺の固さ→軟らかさの表現がおもしい。ハリガネ→バリ→カタ→ふつう→やわらかの5段階で表示。カウンターの上の方にはメニューの代わりに“豚合言葉"なるものが並んでいた。
営業時間: 11:30〜15:00 17:00〜3:00  無休 住所: 渋谷区東1-3-1
『博多ラーメン凪 渋谷店』1.スープ★★☆2.麺★★☆3.トッピング★☆4.接客・雰囲気 ★☆5.価格★★

2009/06/07

超人の面白読書 58 今日の新聞書評斜め読みほか

 昨日日文研主催の東京講演会(第18回)「日本文化を考える」の後半部分、末木文美士国際日本文化研究センター教授の「日本仏教を見直す」を有楽町朝日ホールで聴いた。『仏典をよむ 死からはじまる仏教史』(新潮社 2009年)や『他者/死者/私』(岩波書店 2007年)などの著書をもつ仏教学者だが、1時間少しの講演は仏教を解りやすく語ってくれたことだ。1、仏教史をどう見るか、2、日本の仏教をどう見るかが講演のあらまし。以前に大江健三郎賞の講演会でも曼荼羅が取り上げられていたが、ここでも日本宗教に基づく世界観の基本的枠組み(世界観の曼荼羅)をスキームで説明していた。存在しているいないかが問題ではなく、死者とどう関わって行くかが問題だと提起していたことが印象的だ。そして、仏教における開祖中心主義は一度解散した方がよろしいと言い、また,仏典解釈だけに終始するのではなく、自ら考えることが大切だと語った。ここには宗派的な偏見に陥らず、自由な目で見て欲しい講演者の意図が読み取れたような気がした。
閑話休題。
 久し振りに新聞書評欄の渉猟を試みた。毎日新聞、読売新聞、朝日新聞、東京新聞の各紙。村上春樹の久々の長編小説『1Q84』(新潮社 2009年5月下旬刊 上下各本体1800円)Img075
がバカ売れらしい。上下合わせて96万部以上、単純に960000×1800として本体価格で17億円以上だ。わずか1週間足らずでだ。アマゾンでは予約が1万部に達したそうだ。版元の新潮社は内容を極秘で宣伝(もっとも原稿入手してから1年もの間いろいろと周到なやり取りがあったらしい)、一種の市場の飢餓感を煽ったようだ。早速読売新聞の書評欄「本よみうり堂」は、若手作家の小野正嗣氏と分子生物学者福岡伸一氏の競作書評を載せている。途方もない愛の物語とか一つ一つの人生を自分の物語として自分で語りなおすこと、しかも重要なのは、その均衡は動的なものとして可能性のありかを示すと読んだそれぞれ。朝日新聞書評も翻訳家鴻巣友季子氏のやや長い書評を載せている(実は見落としていたのだ !)。筆者はまだ最初の5,6ページを読んだばかりだ。何やらジョージ・オーウェルの『1984』を思い起こす。早くも不況からの脱出口を見つけようと関連ビジネスが動き出したようだ。レコード会社のコロンビアはチェコの作曲家ヤナーチェクのCD「シンフォニエッタ」を増産するらしい。漢字読みや経済ノウハウものがベストセラーの今年の前半期、さてさてどこまで伸びて社会現象化を起こすか、注目の一冊だろう。

日経新聞書評欄
①『世界は村上春樹をどう読むか』四方田犬彦ほか編(文春文庫 657円)
2006年東大駒場キャンパスで行われた国際シンポ「春樹をめぐる冒険」の記録集。

②今橋理子著『秋田蘭画の近代』(東大出版会 6500円)
小野田直武の描いた傑作「不忍池図」がライトモチーフの本書は秋田蘭画に関する本格的な研究書。

③岸田夏子著『麗子と麗子像』(求龍堂 3000円)
石橋美術館にある「麗子像」、本物の迫力があった。また、ごく最近でもテレビ東京の「美の巨人たち」でも取り上げていたが、岸田劉生はなかなかの人物だったようだ。誤解を招いたその実像に孫の画家が挑む楽しい本。

 しかしここまで拾い読みしたが、やはり最近の出版不況の話を思いつくままに少し。
いろいろと原因は何なのかと自分なりに考えてきたつもりでいるが、日経新聞の書評囲み記事「活字の海で」を読んでいたら、思想誌「大航海」や「国文学」も休刊。同じ思いがこの欄の文芸評論家三浦雅士氏の言葉に象徴されていることを発見したのだ。「世界の変容」と語る。「経済が文化の下部構造という位置づけを超えて全面化し、文化は顧みられなくなった。この地殻変動の衝撃はあまりにも大きく、あまりにも深刻」。人が生き方の規範や価値、知的な楽しみを活字メディアに求める時代は過ぎ去ったと三浦は見る。筆者も相対化や知の低準化が起こっていて、ニヒリズム的気配に汚染されていると見る。今の政治、経済や社会の閉塞感と大いに相関関係にあるのは確かだ。また、活字メディアの媒体変化もそれに輪をかけているようで、一方で巨大化する割には業界全体としては足腰が弱まるばかりで体力維持ができにくい状態だ。そんな中にも、京都の本屋グループの読者掘り起こしの試みや大手ナショナルチェーンの若手のアイデアによるコーナー作りで成果をあげていることを知るにつけまだまだ捨てたものではないと思うのだ。(朝日新聞書評欄の"本の裏側"などを読んで)かつての70年代前半から20年あまりの書店員だった人たちが、少しずつ書き手の方に露出し始めているが(朝日新聞出版のPR雑誌「一冊の本」の最近の号をみよ)、時代状況は一変したのだと思う。価値観が変わったのだ。それでも本の価値を広めて精神生活を豊かにする本質的な意味は、近代経済合理性だけの世界だけではない、もう一つの世界に屯する人間の本質を自ら読み解く人間的な営為によりどころを見出すからだろう。そんなに悲観的になってどうする、ある種の楽観も必要だろう。それは可能性にかけるということだ。

毎日新聞書評欄
④鹿島茂著『吉本隆明1968』(平凡社新書 1008円)
評者松原隆一郎の評と見出しの「なぜ偉いか 申し子世代が詳細に注解」で事足りよう。

⑤松田哲夫著『「王様のブランチ」ブックガイド200』(小学館101新書 740円)
最近のベストセラーの火付け役的存在の著者が厳選した200冊。

東京新聞書評
⑥柄谷行人著『柄谷行人 政治を語る』(図書新聞 1575円)
作家・歌人の小嵐九八郎との対談集。思考の歩みを時代を追ってたどれる構成。

朝日新聞書評欄
⑦村上春樹著『1Q84』(新潮社 上下各本体1800円)
メランコリーの夜は明けたと書く評者の翻訳家・鴻巣友季子氏。村上ワールドへの誘い―。
 まずは読破だ。
朝日書評欄の紙面が変わった。もっともっと充実化を図って欲しいものだ。

■最近買い込んだ書籍や雑誌

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●週刊朝日緊急増刊「朝日ジャーナル 創刊50年 怒りの復活」(朝日新聞出版 490円)
この表紙を見て驚嘆、筆者が20代に出した詩集の表紙Img082_4
にそっくりなのだ。
 社会学者見田宗介をはじめ、浅田彰、宇野常寛、東浩紀、柄谷行人、鶴見俊輔、蒲島郁夫(なかなかよかった)、湯浅誠、赤木智弘、吉岡忍、中森明夫、辻元清美、秋元康他多数参加。「格差」や「貧困」の世に蘇った朝日ジャーナル。

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●G・C・スピヴァク著鵜飼哲監修『スピヴァク、日本で語る』(みすず書房 本体2200円)
2007年一橋大学で行われたコロンビア大学比較文学社会センター長G・C・スピヴァク氏の講演集。

最後に海の向こうでの書店の話を一つ付け加えておこう。
昨年5月ニューヨークのマンハッタンにオープンした旅行書と無名の外国書籍に特化した書店。5番街19丁目にある『アイドルワイルド』(この名前はJFK空港の旧名)。今年一月以来、2けた成長を続けている。この書店の特徴は、個人のニーズにあわせた個別サービスだとか。差別化して生き残りをはかるアメリカの独立系書店だ。
【from The Japan Times Weekly June 6, 2009】

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2009/06/06

超人の観劇 インターナショナル・シアターカンパニー・ロンドン第32回日本講演 ポール・ステッピングズ脚色・演出 『ロメオとジュリエット』

超人の観劇『ロメオとジュリエット』
Prologue:
Two households, both alike in dignity,
In fair Verona, where we lay our scene,
From ancient grudge break to new mutiny,
Where civil blood makes civil hands unclean.
From forth the fatal loins of these two foes
A pair of star cross'd lovers take their life:
Whose misadventured piteous overthrows
Do with their death bury their parent's strife.
The fearful passage of their death-mark'd love,
And the continuance of their parent's rage,
Which, but their children's end, nought could
remove,
Is now the hours'traffic of our stage.

いずれ劣らぬふたつの名家
花の都のヴェローナに
いままた吹き出す古き恨みが
人々の手を血で汚す。
仇と仇との親たちから
生まれた幸薄い恋人
あふれあたりはその死もて
親の不和をも埋めたとは。
死の影深きその恋の成り行き
いとし子の命はてるまで
親と親との争いを、
これより舞台の二時間にて
高覧のほどを。

身体表現とは彫刻のように掘り起こすことと語る演出家・ポール・ステッピングズの『ロメオとジュリエット』。(配布された小冊子から)

このプロローグにはrhyme韻がきちんと踏んである。

 かつて学生時代にこのシェークスピア作の『ロメオとジュリエット』を読んだことがあったか、強烈な印象はない。ただシェークスピア劇は明治の坪内逍遥から始まって最近の小田島雄二訳と何度もその時代時代の文学者、作家や翻訳家によって翻訳かつ上演されてきた、最も人気のある有名な作品だ。もちろん筆者も白水社版小田島雄二訳『シェークスピア全集』を揃えている。大分前にオリビア・ハッシー主演の映画『ロメオとジュリエット』も観ていた。

実はある先生の研究室を久し振りに尋ねた際の課外授業だったみたい。突然チケットを渡され、院生3人の先生代行よろしく会場の金沢公会堂へ。
観劇はイングマル・ベルィマン作の「ある結婚の風景」を観て以来久し振りだ。始めはま、大体知っているしなど高を括って観ていたが、だんだんとストーリー展開の中に入り込まさせられた。役者の迫力ある演技とほんの間近で観られたことがラッキーだったかも知れない。特にばあや、ジュリエット、神父やジュリエットの父親などの役者の演技に引き込まれたのだ。ジュリエットの父親役の俳優―自分の家の問題を娘のジュリエットに話して聞かせているが―は、フランス生まれのギタリスト、クロード・チアリそっくりだった。中世の鬘も似合って可笑しかった。内容は生きるか死ぬかの真剣勝負そのものだったが。
 ところで、舞台で話している言語は?日本語かそれとも英語か。野暮な質問だが、正解はKing'English。今は英語のシャワーの中にいないので、急にEnglish worldに入ると慣れるまで多少時間がかかるのだ。アクセントやイントネーション、中世英語そしてシェークスピア独特の言葉使いと言い回し等々があって、そう簡単には理解できたとは言い難い。むしろもっとヒアリングを、だ。だが、それにもまして迫力ある演技とドラマツルギーがものをいったのだ。その誰かが言った台詞の一言、ancient lady 使い古された女には苦笑い―。
観劇時間2時間45分、日本語電子字幕付き。特別鑑賞券1000円(K大学創立記念事業の一環)

2009/06/05

超人の面白読書 57 西成彦著『世界文学のなかの『舞姫』』後編

 早速西成彦著『世界文学のなかの『舞姫』』の目次を覗いてみよう。

まえがき

テクスト―森鴎外『舞姫』

第1回 南米の太田豊太郎

第2回 エリスの面影とともに生きる

第3回 『舞姫』から120年

 このみすず書房の《理想の教室》シリーズは、ライヴ感覚の言葉による書き下ろしで高校生が読んでもわかりやすく作られている新シリーズだ。他には佐々木幹郎著『中原中也 悲しみからはじまる』をはじめ6点を刊行。安価で手軽、通勤電車のなかで1往復で読めてしまうほどだ。筆者は寝転んで読んだ。

 カイゼル髭風の森鴎外―若いときの哲学者の西周(森鴎外とは親戚で影響を受けた人。「哲学」なる言葉を編み出した人としても有名)と並んでいる写真とは大分違う―の小説。高校時分の現代国語の時間に『阿部一族』だか『山椒大夫』だか歴史小説と思うが、漢字が多く難しい作品だったと記憶している。テキスト読解より担当の若い色気のあるH先生の顔と細い声それに毎日変わる服装の方が妙に印象に残っているのだ。ということで森鴎外の作品は正直言って苦手だった。むしろ漱石の方が入りやすかった。

 巻末の読書案内には『舞姫』に関する文献が並んでいる。長谷川泉(編)『森鴎外 『舞姫』作品論集』、小金井喜美子『森鴎外の系族』、小堀杏奴『晩年の父』、森於兎『父親としての森鴎外』、荻原雄一(編)『舞姫―エリス・ユダヤ人論』、小平克『森鴎外論―「エリーゼ来日事件」の隠された真相』、林尚孝『仮面の人・森鴎外―「エリーゼ来日」三日間の謎』、植木哲『新説 鴎外の恋人エリス』、西成彦『胸さわぎの鴎外』。著者もコメントを施しているが、特に注目は小金井喜美子『森鴎外の系族』、荻原雄一(編)『舞姫―エリス・ユダヤ人論』、西成彦『胸さわぎの鴎外』だろうか。

 著者は比較文学、ポーランド文学専攻の学者だけあって、この『舞姫』の位置づけもタイトル名にあるように世界文学のコンテクストに置かれている。そこが興味をそそられるところだ。その典型は第1回 南米の太田豊太郎の章だろう。 著者がサンパウロで「日本人の海外進出と移民文学」と題して講演した後、ブエノスアイレス在住の日系人から「南米の太田豊太郎」とも言うべきアルゼンチン移民の草分けが実在したとの情報提供を受ける。島崎藤村の紀行文『巡礼』に書かれている「I博士」 こと伊藤清蔵は、ドイツ留学中にドイツ人女性と恋仲になり、一旦は帰国、後再会して南米アルゼンチンに移住。専門の農業経営学の実戦を試み、アルゼンチンでも有名な牧場主になって幸せに暮らしたとのこと。著者はこの南米アルゼンチンの話を聞かされて、改めて『舞姫』を読み返したらしい。そしてこう書く。

 太田豊太郎だって、完全にエリスを見捨てたとは決まっていない。そこはさすが小説の達人だけのことはあります。鴎外は、肝腎なところを曖昧にぼかしながら、宙ぶらりんの形で物語を終わらせているのです。(註。筆者―なるほど、鴎外はぼかしたか―)それでは鴎外はなぜ『舞姫』を書いたのか、夫婦関係の安定化を図る意味、ドイツ人女性に寄せる未練をひけらかして、開き直ったのか。
著者も真相は分からないという。
 この3回の講義の最後に著者は文学は、書かれていることを読むだけではなく、書かれないまま放置された部分を読者が補足していく読みもまた求めていますと締括っている。
その他男性の性欲の対処方法を論じた「性欲雑説」、『ヴィタ・セクスアリス』、ジャパニーズ・ディアスポラ、『舞姫』異聞―湯浅克衛『カンナニ』、『舞姫』の基本構造、「舞姫論争」など興味が尽きない。この150ページ足らずの本は森鴎外『舞姫』のあらたな読みを提供してくれているのだ。世界文学のなかで。

2009/06/04

クロカル超人が行く 114 横浜点景

クロカル超人が行く
クロカル超人が行く
クロカル超人が行く
クロカル超人が行く

Y150 横浜点景。
臨港パークで行われた節目の開港祭、そのフィナーレを飾る花火大会。その数3500発。3万人はいたか。帰宅途中の横浜駅東口までの道中で漏れ聞いた話。40代後半くらいの少しふくよかな女性、これでまた、メイドのみやげができたと。そんな年?!喝!【写真左上一番目】


久し振りの横浜中華街。ウーロン茶専門店で2、3日前に入荷した台湾産の高山茶、108g2500円をゲット(8gはおまけ。店主にもっとおまけをと懇願するも、110gになると追加料金を取りますだと)。美味。特大肉まんもいつもの店で購入。
【写真左上二番目】

たまたま寄港したメキシコの帆船「CUAUHTEMOC」。青いマスクをかけている乗組員は皆無。皆若い。厨房が覗けたが、パン屑と寸胴の鍋、何を料理していたかは判明せず。【左上写真三番下】

赤レンガ倉庫→横浜駅東口のクルージングは10分間で580円。途中みなとみらい駅に寄った。海上からの目線も大事かも。【写真左上一番下】

2009/06/02

超人の面白読書 57 西成彦著『世界文学のなかの『舞姫』』前編

Img073_3今日6月2日は横浜開港150周年。MM21周辺では式典が行われ、盛大に花火が打ち上げられるという。また、50周年、100周年、150周年の新たな企画展も始まる。そんなお祭りムードの横浜だが、筆者は先週小雨混じりの中、港の見える丘公園近くの『神奈川近代文学館』200905291316000_2
を訪ねた。『舞姫』の作者と言えばあまりに有名なあの文豪森鴎外、その企画展が開催中だからだ。最近はギャラリートークといって、学芸員が企画展のあらましを大きなスクリーンの前で話してくれるから理解が深まる。今の時代は多角的でないと人が集まらないのだろう。そんな文学館事情も覗けた2時間だった。一つ二つ感想を。森鴎外はドイツ語が相当できた。衛生学の学術書をドイツ語で書いた本も展示されていたが、当時の東大医学部はドイツ語で講義していて、森鴎外は教科書のメモ書きを漢文でしていたほど漢籍に素養もあった。筆者もドイツ語は一時大学受験科目に選んだほど。今はすっかり忘れた。少し勉強すれば戻るかもしれないが、何せ気力がない。森鴎外のひい孫のエッセイスト森美奈子氏がかつて森鴎外がドイツで泊まった場所を訪ねた写真や作詞した横浜市歌などの貴重な資料も展示されている。この企画展の最後に夏目漱石が森鴎外宛に送った手紙が展示されていたが、これまた、達筆だった(筆使いも素晴らしい。あまり達筆過ぎて読めない!)。漱石も漢文に通じていたが、英文は鴨長明の『方丈記』を訳したぐらいだから、これまた、相当の語学力である。もちろん英国留学経験のある英文学者だ。学生時代に漱石の訳した英文を筆写したものだ。二人とも諸芸に秀でた文豪なのだ。それにしても彼らの時代から100年以上も経っているのに知の地平はお寒い限りだ。もう一つ。森鴎外の軍医と作家の二足のわらじや家族愛などがわかる手紙類が豊富に展示されているけれども、通俗的だがやはり、『舞姫』のモデル探しが一番面白い。エリーゼ・ヴィーケルト。森林太郎を追って当時のドイツから遥々横浜港までやってきたのだ。また、わずか10余日間滞在で森家は年上の義弟の計らいで追い返してしまう。その時の森林太郎の様子はいかがだったかつい想像したくなる。死ぬ直前に妻に彼女に関する手紙類を燃やさせたが、意外と妻の方はあっけらかんとしていたのではと推理するのは、この5月に出たばかりの『世界文学のなかの『舞姫』』の著者西成彦氏だ。〈後編〉に続く

2009/06/01

クロカル超人が行く 113 国立国会図書館・国会分館 & 国会議事堂見学

クロカル超人が行く 国会分館他
クロカル超人が行く 国会分館他
 国立国会図書館・国会分館(調査及び立法考査局)は国会議事堂4階にある図書館。衆議院と参議院の間、議事堂本館中央部に位置している。館の性格上国会議員や国会関係者が利用するため、新刊書、雑誌や新聞などは日本一早く揃う図書館だ。開架式で74の閲覧席、貸出は5点以内で新刊図書、3週間、新刊以外は1ヶ月、雑誌・新聞は1週間。また、国会議員のための専用閲覧室が衆議院側と参議院側に各1室設けられている。開館時間は月曜日から金曜日、午前9時30分から午後5時までだが、国会審議の状況等により延長される。土日祝日は休館(国会審議が行われる場合は開館)。最大の特長は、全国の新聞が北は北海道新聞から南は沖縄タイムズまでその数60種、発刊後1〜3日後に見られ、バックナンバーは1年分利用できることだ。議事資料・法令資料は国会会議録(第1回帝国議会から現在まで)、議案、官報、法令全書、現行法令集等や外国元元首等の国会演説集もある。(「国立国会図書館」のパンフレットより)
 筆者は今、毎日新聞(2009年4月15日付)の御厨貴東大教授の連載記事、「権力の館を歩く 東京・永田町 衆議院」を再読している。つい最近ある人の伝手で国立国会図書館・国会分館を含む国会議事堂内をガイドしてもらった。33年以上勤めている衛視さんにポイントの場所の説明を受けたわけだが、後でこの御厨教授の記事を再読してみて手に取るようによく分った。
 国会議事堂は二・ニ六事件直後の1936年11月に17年の月日を要して完成。地上3階地下1階建(一部4階、塔屋付き)、建築費は当時の金額で2,570万円。伊藤博文、板垣退助、大隈重信の銅像のある中央広間→赤じゅうたんを踏んで(本当は赤ではなく朱色に近い)総檜造の本漆塗りの天皇陛下の御休所→衆議院議院運営委員会室→大臣室→衆議院本会議場200905211440000
などを見て回って議員食堂で200905211504000_2休憩したのだ。国会議事堂の建築材料はほとんど国内産のものが使われているが、ステンドグラス、ドアノブそして郵便ポストは例外で外国製とベテランの衛視さんの話。全体的に重厚で歴史の重みを感じるが、薄暗い。NHKのY記者が何か考えながら歩いていたり、テレビでよく見かける民主党の若手議員や国対委員長なども見かけた。今日は何か発表があるのか中央玄関の2階あたりには記者連中が屯していた。200905211415001

 衆議院だけでも1日5000人以上の見学者があるらしい。
そんな国政の中枢部の4階に国立国会図書館・国会分館はある。この館は図書閲覧貸出そして調査が本来の目的だが、意外な舞台になることもあるのだ。興味ある方は上述の御厨教授の毎日新聞の記事を読まれたい。(一部パンフレット「国会」を参照)

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