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2009/04/18

超人の面白映画観賞 キーラ・ナイトレイ主演『ある公爵夫人の生涯』

1007307_01「つぐない」、「ドミノ」、「プライドと偏見」、「キングアーサー」、「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」などに主演した女優のキーラ・ナイトレイ。歴史ものから現代もの、アクションから文芸ものまで幅広く、しかも最近ではその演技にさらに磨きがかかってきたイギリスの人気女優だ。
『ある伯爵夫人の生涯』は、悲劇の死を遂げたダイアナ元王妃の先祖で美貌と知性の持ち主、ジョージアナ・スペンサーの愛を求めてスキャンダラスに生きる姿を描いた作品だ。ゴージャスなコスチュームが見物の映画でもある。数々の衣装部門の賞を受賞している。アマンダ・フォアマンの同名の伝記小説の映画化だ。
 最初にこの映画は実話に基づいていると字幕が入るところから始まる。物語の舞台は18世紀イギリス、貴族の娘ジョージアナ・スペンサー(キーラ・ナイトレイ)が母の命により大富豪のデボンジャー(レイフ・フィンズ)公爵家に若くして嫁ぐが、世継き(古くて新しい問題だが)を生むだけしか関心のない夫は、使用人に子を産ませたり、愛人を同居させたりと専ら下半身にしか興味がない。公爵夫人はそんな現実に悩み相談するうち政治家グレイと関係を持ち子を産むが、夫に許してもらえず(夫は恫喝に近い決定を下す)、相手の政治家の家に仕方なく引き渡す。やがて世継ぎの男子を出産、夫の告白を受け入れ思い止まり、社交界に愛人とともにカムバックを果たす。映画はここで終わる。そしてエピローグ。その後ジョージアナ公爵夫人は名社交界の立役者人として活躍、愛人も夫人が亡くなるまで同居し、夫人の死後その愛人は伯爵夫人に。一方、政治家グレイは後に首相になる。ときどき夫人はおしのびでその政治家の家に出向き娘に会っていたらしい。その娘は子供にジョージアナと名前をつけた。エピローグは人間のスキャンダラスな面が切り落とされ、その後のこの女性のしなやかな人生を端的に語る。そこには寛容の精神、否、宿命的なものが横たわっているようにみえる―。常人では理解不可能、イプセンのノラとはまた、違っていた。思い止まる場面に胸が詰まったのだ。キーラ・ナイトレイの特徴的な顔立ちとメイクそれに18世紀の衣装が映えた。伯爵夫人が子どもたちと遊ぶ場面や若い政治家と密会する場面など美しい田園風景は、映画「プライドと偏見」を思わせた。2008年イギリスBBC制作。監督ジョー・ライト、上映時間1時間50分。この日は夜上映だったからか観客が思ったよりずっと少なかった。その観客の大半はやはり女性客だった。
このキーラ・ナイトレイも胸の大きさに悩んでいるらしい。

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