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2008/12/31

2008年(平成20年)年の瀬 続 川柳

①ガソリンの価格狂乱針動かず

②あなたとは違うんですよあっそっくん

③オリンピック北京の空はグレーゾーン

④ギョウザは皿に盛られずカミ隠し

⑤給付金福澤諭吉も苦笑い

⑥双子かよフラダンサーも時の人

⑦危機きっと唸ればいいか世界初

⑧社長の声社員固持にウソハラム

⑨クイズボケテレビよ磨け知の連鎖

⑩ブッシュさんイラクに飛んで靴避けて
 
超人Img168
    

マスコミ報道ですでにお馴染みの「ブッシュゲーム」サイトはこちら→とリンクを張ったのですが・・・。
みなさんそれぞれそのサイトにアクセスして年越しゲームをお楽しみあれ。

それではみなさん、今年一年お世話になりました。
来年もどうぞよろしく。


2008年(平成20年)年の瀬 今年亡くなられた著名人

 2008年(平成20年)年大晦日。今年はこれを書けば101本目、途中多少ピッチが落ちて目標の150本までは手が届かなかった。反省。通算646本だが目標の1002本(星新一は1001本のショート・ショートをものにしたがそれを1本超えること)まであと356本だ。2日に1本ずつ書けば目標達成になる。なかなかきつい作業なのだが、やれないことはないだろう。そのひとつは書評の数を100本と設定しているのでこのコラムを充実させたい。今読みかけの本が20冊以上あるのでこれをまず精選してクリアすること。そう言ってもいい加減に書くわけにもいかないのだ。
読解力や文章力が問われるのだ。ということで今年最後のページは、筆者の関心の範囲で今年亡くなられた著名人を毎日新聞朝刊からピックアップしてしのぶ試みだ。

斉藤 眞 86 東大名誉教授・元ICU教授 米国政治外交史の専門家
ボビー・フィッシャー 64 元チェスチャンピオン マスコミに度々登場して話題に
スハハルト 86 元インドネシアの大統領
川村二郎 76 文芸評論家・ドイツ文学者
中村寅吉 92 プロゴルファー・指導者
市川 崑 92 映画監督
アラン・ロブグリエ 85 フランスのヌーボー・ロマンの代表的な作家
松永伍一 77 詩人・評論家
小島朋之 64 慶大教授 中国近現代史の専門家
草森紳一 70 評論家
石井桃子 101 児童文学者
チャールトン・ヘストン 84 米国の俳優
前 登志夫 82 歌人
川内康範 88 作詞家・作家
小川国夫 80 作家
角田文衛 95 歴史家 古代史の専門家
イブ・サンローラン 71 ファッションデザイナー
水野晴郎 76 映画評論家
宮迫千鶴 60 画家・エッセイスト
レイモンド・ルフェーブル 78 ピアニスト・作曲家
佐々木久子 78 随筆家
工藤幸雄 83 ポーランド文学者・翻訳家・詩人
ロッキー青木 69 鉄板焼きチェーン店「ベニハナ」創業者
大野 晋 88 国語学者
赤塚不二夫 72 ギャグ漫画家
服部 正 100 作曲家
アレクサンドル・ソルジェニーツィン 89 ロシアノ作家
華 国鋒 87 中国の元共産党主席
寺内大吉 86 作家兼浄土宗大本山増上寺法主
澄田 智 92 元日銀総裁
俵 萌子 77 評論家・作家
草柳文恵 54 キャスター
日野てる子 63 歌手
小島直己 89 作家
西郷信綱 92 国文学者
ポール・ニューマン 83 米国の俳優
吉田直哉 77 元NHKディレクター
緒方 拳 71 俳優
杉原幸子 94 元外交官故杉原千畝氏の妻
三浦和義 61 元輸入雑誌販売会社社長
リーガル秀才 81 漫才師
上田耕一郎 81 共産党元副委員長
筑紫哲也 73 ジャーナリスト・元朝日新聞記者・ニュースキャスター
加藤一郎 86 民法学者・元東大総長
加藤周一 89 評論家・作家
遠藤 実 76 作曲家
アーチボルト・コーチャン 94 元ロッキード社副会長
上田 哲 80 元社会党衆議院員
飯島 愛 36 元タレント
サミュエル・ハンチントン 81 『文明の衝突』で有名な米国の政治学者


2008/12/30

超人の面白ラーメン紀行 102 テレビ東京発最強ラーメン伝説

テレビ東京発最強ラーメン伝説。ここ何年か年末になるとラーメンランキングが定番になってきたようだ。日テレ、TBS、テレビ朝日などでだ。今回はテレビ東京の番組、少し捻って評判のラーメン店に新作ラーメンを作ってもらい、5人のラーメン通が審査、3つ以上“参った”をもらえば合格という趣旨。そのラーメン店は下記の通り。

①東十条『ほん田』人気の「鶏だし味らーめん」Photo

天才といわれる若干22歳の店主。斬新さが売り。
塩ラーメンが得意とするところだが、新作は「NEO塩ラーメン」(1000円)。
3名に“参った”をもらい合格。1月から限定にて発売予定。

②高田馬場『麺屋宗』
焙煎塩ラーメンが人気ラーメン。新作は「鴨三昧」(950円)、審査厳しく、改良進化形で1月から限定販売。

③神保町『覆麺』
洒落たつもりだが、覆面はちと怖い―。焦がしネギのトッピングの醤油系覆面ラーメン(750円)が人気商品。
顔に似合わずリンゴなど甘味のあるラーメンを試みるも失敗。その後改良して1月より限定発売。

④練馬『はないち』ホタテ貝柱と生あさりのスープ「しおらーめん」(650円)Photo_2
家庭の味にこだわるママさん店主。夫が支える珍しいケース。
意外と厳しい審査員に好感度。頑張るママは子供にも食べられるトマトベースの脇役まで用意、ま、一般的なラーメンだ。でも“参った”賞ナンバーワンに輝いたのだ。


 ⑤中目黒『藤巻激城』
あの“藤巻兄弟”の強気の雰囲気を醸し出す自信家ラーメン店主の作り出すラーメンは、トムヤンクンベースの高級ラーメン(3000円 !)だ。Photo_4
そう、以前に池尻でやっていたユニークなラーメン店。全席8席完全予約制。新作のスープは納豆をすりつぶしたもの(500円 !)。一応合格。

⑥板橋『コンセプト』
北野たけし監督の映画にも出演した元俳優が店主。近くのフランス料理店で魚の臭いを消すリキュールをヒントに新作を挑むも不合格。その後改良、1月から限定にて発売。

⑦鶯谷『麺処遊』
にぼしラーメンが得意。王子で評判のシンプルラーメンを経営する父親、その二代目。新作のあさり系シンプルラーメンは完敗。審査後改良、1月に限定販売。

⑧中野『麺や七彩』「塩味喜多方らーめん」(670円)Photo_3
喜多方ラーメン醤油系。スープと麺作りのコラボ、2人で作るラーメン店。小麦にこだわり、スープにこだわる二人三脚のラーメンは煮込みラーメン(1000円)。審査員全員が“参った”の完全勝利だ。店主は号泣。今までの苦労が報われたうれし泣きだ。【写真はいずれも各ラーメン店のホームページと情報雑誌から】


審査員は元大勝軒の山岸氏、なんつっ亭の古谷氏、支那そばやの佐野氏が常時、俳優、女優、ラーメン評論家の方は入れ替わり、計5人。切り口がイマイチだが、もう少し遠出もして良い店をもっと紹介してほしかった。

2008/12/24

2008 クリスマスイブ 二コライ堂

クリスマスイブ 二コライ堂

グリーンクリスマス

クリスチャンでもないのに
クリスマス
クリスマス
イブ

何だか分からないけれど
クリスマス
クリスマス
イブ

いつもは華やかに彩られて
クリスマス
クリスマス
イブ

今年の急冷化はなんだ
クリスマス
クリスマス
イブ

夢が楽しみが消されたような
クリスマス
クリスマス
イブ

ツリーもケーキもキャンドルもすくなめ
クリスマス
クリスマス
イブ

赤いトナカイや口ひげサンタが身近に来ない
クリスマス
クリスマス
イブ

ニューヨークではセールが大不振
クリスマス
クリスマス
イブ

プレゼントが買えない
クリスマス
クリスマス
イブ

春にあれだけ好景気と騒いでいたではないか
クリスマス
クリスマス
イブ

金の亡者がスベッタからか
クリスマス
クリスマス
イブ

なんだかんだおちゃのみず
二コライ堂のてっぺん
グリーンがさらに深く
空に伸びればグレーゾーン

グリーンクリスマス
グリーンのクリスマス

人はエコ色と持て囃すが
クリスマスイブも
エコだろタコだろ

もう染まってしまった

グリーンクリスマス
グリーンクリスマス


超人の面白読書 48 最近買い込んだ本

最近買い込んだ本。

1. 加藤周一編『ハーバート・ノーマン 人と業績』(2002年 岩波書店)

以前に確かこの外交官・日本研究家・歴史家の断片を読んだことがあったと記憶しているが。主に歴史家のアンソロジーだが、結構読めるし、再評価は当然と言えば当然だろう。

2.水村美苗著『日本語が亡びるとき』(2008年11月2刷 筑摩書房)

今年後半の話題の書。刺激的なタイトルは読者をさらにエキサイトさせる。評価は分かれるところだが、総じていいみたい。筆者は雑誌で読み、書評をこのコラムで書いた。第3章までで4〜7章は未読だ。できれば全部雑誌に載せて欲しかったが、雑誌は新潮社、書籍は筑摩書房と版元が違うのだ。両版元とも商売上はプラスに作用したはず。最後の章あたりで憂国の顔が覗いているらしい(この辺は未読、未読)。

3.別冊「環」図書館 アーカイブ学とは何か(2008年11月 藤原書店)

最近の図書館学の現状報告書。20の小論と30の大学図書館、公共図書館そして専門図書館などの現場リポート。これ1冊を読めば図書館の現状が大方分かるはず。データもつき読み応えはある。

4.塩川伸明著『民族とネイション―ナショナリズムという難問』(2008年11月 岩波新書)著者はロシア現代史・政治論が専門。タームの再定義から始まって最近の動向を具体的に描く。

5.鶴見良行著『バナナと日本人』(2003年4月第45刷 )著者あとがきで『アジアはなぜ貧しいか』(朝日選書)が総論、本書が各論と著者。岩波新書70周年記念号の読者アンケートで一番多かった本(多分、正確に統計を取ったわけではないが)。バナナの誕生から食卓で食べられるまでのプロセスの面白いこと。

6.中岡哲郎著『日本近代技術の形成』(2006年 朝日選書)486頁もある専門書。技術史の専門家が渾身をこめて書いた好著。いろいろと学ぶところが多い。続きは朝日新聞出版のPR誌「1冊の本」に連載中だ。

7.『編集とは何か』(藤原書店)粕谷一希、寺田博、松居直、鷲尾賢也他が長年の編集者経験を語る。

2008/12/21

超人のジャーナリスト・アイ 99 アイスランドの新聞『Reykjavik Grapevine』の電子版

アイスランドの金融危機から二ヶ月余り、その後どうなったのか気になりネットサーフィンしてみた。興味深い記事をアイスランドのレイキャヴィークで出している無料の新聞『Reykjavik Grapevine』電子版の最新号で見つけた。アイスランド大学の哲学教授のパル・スクラソン教授とのインタビュー記事。以下はその引用。題して「仕方なしの背信」。

Involuntary treason
Professor of Philosophy Páll Skúlason on the economic crisis.
Words by Sveinn Birkir Björnsson
Páll Skúlason is professor of philosophy at the University of Iceland, and former Rector at the same institution. A Grapevine reporter sat down with Páll to discuss the philosophical sides of the current economic crisis, and to investigate if the current economic bankruptcy was perhaps preceded by a moral bankruptcy.
Philosophers have been outspoken about the current economic crisis. Is this in some way a moral or a philosophical problem?
I would like to draw a distinction between the philosophical questions this raises and the moral questions. Philosophically speaking, these are exciting times, because we are witnessing the end of a certain world. It is a world governed by an ideology which seeks to explain everything by purported laws of economics and has preached that the free market is the only correct way to run human society. This ideology is of course related to economic globalization, and one should not underestimate its influence on almost every aspect of human life in recent times. I think we must look at the downfall of the Icelandic banking system in the light of this ideology and of the policy of economic globalization which has been so dominant worldwide.
Philosophically speaking, we are witnessing great changes to the social world. The disasters we are facing are economic, but at the same time, they are social, political and cultural as well. One might even say that that they have their metaphysical dimension. The material world affects our attitudes and beliefs. It permeates our thoughts, our homes, and our private lives. The bank crash has many implications, not only on the economic aspect of our existence, but also on the way we think about the meaning of our personal and social existence. We know that our social lives are changing drastically because of the financial crisis. This break is even more radical than people realise, because the institution upon which we build our social reality, the state, has failed in its main function, namely to provide security and stability for its citizens.
What the Icelandic nation is experiencing is that the state, the fundamental institution that is supposed to insure our common safety and well-being, is unable to fulfil its role. It has failed dramatically.
It seems to me that people have lost sight of the main function of the state. Justice should be the main principle of the state, but it seems like recently, that principle has been substituted by the principles of efficiency and the bottom line. Do you agree?
Yes, that is because here in Iceland the focus has been on the state as an instrument of power. But this is merely a technical aspect of the state. The state also has an ethical aspect – and people should never forget that fact. Indeed, the technical and the moral aspects should never be separated. They are two sides of the same coin. On the one hand the state is our fundamental institution that grounds our moral duties, such as justice and safety which are ethical concerns. On the other hand, the state is an instrument for reaching certain aims through governmental institutions. But these aims should always be grounded on morality. If we tend to look at the state as a mere instrument, the claim for justice is forgotten.
We rarely see the matters of the state discussed unless it is a discussion about economic matters.
Yes, and this tendency has been growing. The policy of the dominant political parties in Iceland has been to reduce the activity of public institutions and move resources which have belonged to the public domain into the hands of individuals through privatization. This is in the spirit of neo-liberalism which has been the policy of the Icelandic government for many years now. The free market ideology which accompanies this policy has become a kind of “common sense” for many people. There has been very little public criticism of this ideology. To take an example, the word ‘competition’ has been much too widely used and applied here and is the key term of the ideology we have been presented with lately. Competition has been praised for being always for the good, which is obviously false. This is moreover a word that is an ideal tool for tarnishing or disintegrating the idea of our common interests that bind us together, the idea we need to preserve and uphold.
Competition instead of cooperation?
Let’s not forget that competition can in many cases be very good! The task is to be able to apply it correctly or, in other words, to determine when it is for the good and when it is harmful. But if you only ever talk about competition, competition, competition, you push the idea of cooperation off the table. The ideas of cooperation and communal enterprise have been forced aside in this reality in which we have been living. Notice also that competition, whether in the market or even in sports, relies on cooperation. Without cooperation, the idea of competition does not even make sense.
Is greed a motivational factor in this crisis?
What we have witnessed with globalization – and we have been a part of that process – is the attempt to always increase the production of material goods in an effort to further increase the production of material goods. Money, or capital, is the means to this end. Globalization has brought growth to financial institutions, we played this game and we were quite successful for a few years; apparently we became one of the richest nations in the world. Nobody was a ‘real man’ unless he was aiming to make more money. Our whole society was brainwashed with the idea that the most important goal in life was to make money. Money became the measure of all things.
A society like this can never prosper. Greed is the impulse ever to strive for more money or more material goods without any consideration as to the meaning of the goods in question. A society that is governed by the idea that money is the only value becomes inevitably corrupt and succumbs to greed. It forces economic thinking upon all aspects of life, upon politics, upon families, upon aspects of life in which money really has no value and is of no importance, aspects of life where other values matter more.
For example, you don’t go to school in order to become rich. You go there to get an education. But what we have seen is that young people have fallen prey to the idea that you only go to school to get a degree which exclusively seen as an investment, a stepping stone to a high paying job, i.e. something which pays you interests on this investment.
This has perhaps been very apparent in Icelandic universities, where the increase in students in business related fields has been almost astronomical. And this leads us to something else, which is the commodification of education.
Yes, there has been a tendency to look at students as consumers, and the relationship between teachers and students as that of a seller and a buyer. This is downright corrupting. Education does not follow the laws of economics. This sort of thinking has become very prevalent in our society, and this is a corrupting way of thinking.
Will this crash result in changes? Or is this perhaps just a minor setback?
I hope that we will have the good fortune to turn away from this development and try to create another form of society. We must realise that the society that we have been building was intolerable. A society that is primarily governed by the laws of economy is deeply flawed. It does not take fully into account political values like democracy and fairness, ethical values like justice and friendship, or social values like respect and privacy. There are two changes that need to be made if we are to improve our society. On the one hand, we will need to rebuild the state and make sure that it functions properly. Iceland is a very young state, and it has never functioned as it should. Our democracy is flawed. This is undoubtedly related to our size. Instead of governing the state as a political entity, there has been a tendency to govern the state in the same way that you would run a family or a small company.
Number two: we need to create an economy in accordance with our abilities, that is, production based on what we are capable of producing. And we need to maintain consumption in relation to our production capabilities. There has been a divide between our production and our consumption that is completely unnatural. We have consumed much more than what we have produced.
How do we go about this?
I don’t believe anyone had bad intentions, but the people who have led this country have made far too many mistakes and have clearly failed to do their duty. They have lost all credibility, and I don’t think they will ever regain it. They have no alternative but to resign. This goes for the government as well as key financial institutions. What has been most blatant was the carelessness. People did not pay attention to the signs that were clear. The situation was reported as very serious more than a year ago, and no one reacted in a responsible way. I heard someone describe this as “involuntary treason.” The people responsible have to leave, and we need to clear the table and start over.
We need to strengthen the foundations of democracy, and the most important thing is that the democratic institutions start working the way they should. We need to separate the three branches of power more clearly. The legislative and the executive branches are too closely entangled. The parliament as a legislative power has been ruined. It is completely in the hand of the executive power, something like 90% of all laws passed in parliament originate within the executive branch. So in fact, there are just a few people who make all the decisions.
In addition, the parliament is meddling in all sorts of technicalities that should never be in their hands in the first place. Parliament should focus on the big picture, safeguarding our common interests. The legislative branch has two main goals, to set laws, and to protect our rights and common interests. But the system has failed its supervisory role. What has happened is that we are like a group of teenagers that wakes up one day to find out that their parents have careless and not safeguarding their interests.

序に言えば、アイスランドの最新ニュースは『Iceland Review』(英語)でも読める。

追記。今朝の読売新聞朝刊によれば、アイスランドのブライアン・カウエン(~ソンではない !)首相が来年1月に来日する。アイスランドにおける経済危機の打撃は大きく、失業率が現在の7%から来年には10%に上昇するとの悲観的な見方を読売新聞とのインタビューで明らかにした。(2008年12月21日付読売新聞朝刊)

追記2。この記事はなかなか示唆的である。お金は全てではない、他の価値もあるのだと。また、身の丈を知ることだとも言っている。1年ほど前にこの最悪の金融危機の兆候が報道されていたもかかわらず、責任ある方法で対処しなかった。I heard someone describe this as “involuntary treason.”
これはただ単なる小国アイスランドだけの問題ではないはずだ(2008年12月22日 記)。

2008/12/13

クロカル超人が行く 100 関内・石川町 ギリシャ料理店『アテネ』『オリンピア』

 師走の風を受けてワンダーリング。しかし風は暖か、気温も18度、横浜中華街はそれなりの人で賑わっていたが、驚くほどではなかった。

どこか変街灯り揺れ師走風

そんな折り中華街の石川町駅から5分くらいのところにあるギリシャ料理店『アテネ』200812121852000に向かった。入る前に懐かしい店を二軒隣に発見した。待ち合わせ時間にまだ多少時間があったので、その懐かしいレストラン&バー『NORGE 』
200812122114000
に寄った。大昔の青春時代の一ページを蘇らせた。カウンターの隅に座りノルウェーのビール“オース”を注文。癖のないあっさりした味である。実は1870年(明治3年)にノルウェー人がこの付近の山手地区にビールの醸造所を作った。1884年(明治17年)には潰れてしまうがこれがキリンビールの始まりと最近読んだ雑誌に書いてあったのだ。『NORGE』のママは黄色いポルシェを乗っているらしいが、この手の色を好むのは(ぶつけられない色とも)どこか飛んでいる人と店のスタッフから漏れ聴いた話。早い時間で客はポツリ、ポツリだった。
 レストラン&バー『アテネ』はカウンターの樹の温もりがピカッと感知できる憩いの場所だ。また若々しい女性陣の連携プレーもウェルカムだ。壁にはこれがギリシャとばかりの躍動感溢れるレリーフが貼られていた。すでに外国人が4名、杯を傾けていた。奥のテーブルには仕事帰りに寄った風の二人が、ワインを嗜みながらギリシャ料理に舌鼓。 時刻は7時を回った。H氏からの電話が携帯に入った。今関内駅、久し振りの横浜で乗り物を間違えたと。その5、6分後、再度携帯に電話が入った。今度は店の前で電話をかけている姿が見えた―。
まずはギリシャのビール“ミトス”で乾杯。軽く打ち合わせを済ませた後、いよいよギリシャ料理だ。いわしのマリネ(1000円)、鱈のフライとサラダ添え(1300円)などを頬張りながら、ビール、ウゾというアニス(ハーブの一種)入りの白いリキュールをロックで(氷を入れると白濁に変化)そしてギリシャの赤ワイン、ナウサ、最後に国産のサッポロビールを飲んだ。口のなかはギリシャの飲み物で満杯。ウゾもやや辛口の赤ワインもいい。もちろんいわしのマリネも鱈のフライもまあまあ。店のコースターの青Img021
はもっとエーゲ海の真っ青な青になどと注文つけたり身辺調査をしたりとしばしカウンターのアルバイトのと女性と歓談。H氏も負けてはいなかった。そのうち誰かに振る舞われるフランスパンをカウンターで見るや、二人ともフランスパンを即追加注文。新鮮なオリーブをつけて食した。美味!この後中華街でちょっと嗜み、H氏がお気に入りのもう一つのギリシャ料理店『オリンピア』200812122154000(こちらが支店)に行った。元スカンディアのシェフ(近くにある美味いピザ屋を教えてくれたが閉店後)や小柄だがナイスボディでエネルギッシュなママの語り口にH氏は得意芸のオマケの話で対応、またオレンジ色の甘いカクテルを店からゲットしたのだった。何でもオーナーは元シーマンのギリシャ人とか。
筆者たちが入ったときにはパーティーで貸切後のせいかガラガラだったが、午前零時頃にはあちこちに客が。普段は夜遅くはサッカー観戦で賑わうらしい。えっ、スポーツバー ? 夜は更けていた・・・・・。

朝風は特急の名か異邦人

◆オマケである。
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『オリンピア』の名物料理ムサカとオリーブ。美味。【写真は店のHPから】

 ここまで書いてきて書き忘れたことが二つある。一つはギリシャ人との出会い。高校1年時に田舎の国際港でギリシャの貨物船に乗船して中を案内してもらい(英会話実践のため直接行動に出たが)、バルザック作『ゴリオ爺さん』の英訳のペーパーバックスをもらい、簡単なギリシャ語の会話を紙に書いてもらったことだ。二つ目はこの12月6日に少年の死をきっかけにギリシャ国内で抗議の嵐か吹き荒れていることだ。学生が中心だが、一部の暴徒はアテネ市内の新聞社、銀行、新車販売店の放火や高級レストランなどに投石、被害が広まっているらしい。国営企業の合理化で失業者も出ていることなど経済の先行き不安に漠然と抗議、“理由なき革命”だと地元の新聞社の編集部幹部の意見まで載せていた(毎日新聞2008年12月12日夕刊)。翻って日本、最近の大手企業の人員削減、内定取り止めなどの報道などを読めば、決して対岸の火事ではないはずなのだが、静かな若者たちがいる様子。まだ恵まれているのか、社会意識が幼いのか、分からない。この国の政治力が大いに問われているのに、肝心の政治が迷走している。
そう、レストラン&バーの見聞記だった。

2008/12/11

超人のジャーナリスト・アイ 98 ノーベル賞受賞式

200812112129000今年のノーベル賞受賞式がスウェーデンの首都ストックホルムの市庁舎で行われた。先程その映像がリアルタイムで入ってきた。見慣れた北国の冬の風物詩とは言え、華やいだ雰囲気のなかにも厳粛さが漂っていたようだ。実際その場に居合わせていないのだから“ようだ”しか言いようがないないが(笑)。今年は特別な授賞式である。何せこの市庁舎の会場に日本人3人(物理学賞受賞の南部氏は奥様の具合が悪いと辞退。代わりにシカゴ大での授賞式となった)も出席という前代未聞の快挙を成し遂げたのだから。驚嘆したのはノーベル賞受賞委員会の司会者が日本語で名前や受賞理由を手短に行ったことだ。強弱アクセントの残る日本語だったが、そのもてなしぶりと日本語の勉強の努力に敬意を表したい。「〜のヤブッーレyabu're」は特に筆者の耳に心地よく残ったのだ。朝のTBSのニュース番組ではご丁寧に食事体験を記者に試させていた。メインデッシュである分厚い丸状の肉が人目を引くが、値段は1,000クローネ(約12,000円)位でそんなに高くはないようだ。銀のスプーンやナイフは日本製で新潟県オジヤの山崎金属工業が製造している。小林、益川、下村の各氏は着慣れない燕尾服姿で壇上に。奥方二人は着物、一人はドレス姿で会場の最前列に夫のグスターフスウェーデン国王からの受賞を見守っていた。益川節を報道陣は引き出すが、当の本人はさすが嫌気をさしていた様子。丁丁発止、サービス精神が旺盛なのだろう。
CONGRATULATION !
そして12月13日は確か「ルシア祭」だ。

付記。その後の情報では、日本人はディナー後はダンスを楽しまず真っすぐにホテルに帰った由。が、益川氏がいない!彼はテーブルにメガネを忘れて取りに戻ったらしい。あくまでも人間的な益川教授―。

2008/12/10

超人の面白ラーメン紀行 101 八王子市『吾衛門』

超人の面白ラーメン紀行 101
 西八王子駅まで遠征して食べたラーメンはごく普通、強いて言えば昭和30年代の味。しかし侮るなかれ、チャーシューはやわらかくて美味。あとはごくごく普通だ。鶏ガラ醤油のあっさりしたスープ、やや縮れやや黄色っぽい極細麺、玉子はないが、海苔、メンマ、刻み葱などがトッピング、チャーシューは多少小さめ、5枚。息が合っている感じだ。若店主も感じがいいし、同じような格好の従業員の方(?)もgood。昨日と打って変わって汗ばむ陽気の今日は、歩くと一枚また一枚と脱ぐ羽目に。店の常連かバイクが趣味みたいで、やれエンジン替えて70万円だとか自慢のバイク談義に店主と花咲かせていた。
『吾衛門』は飾っけなしのカウンター10席の店。中華そば(500円)、ネギラーメン(650円)、チャーシューラーメン(750円)他
『吾衛門』1.スープ★★2.麺★☆3.トッピング★★3.接客・雰囲気★★☆5.価格★★★

2008/12/06

ある評論家の死 評論家・作家加藤周一

 今朝のBSニュースで評論家・作家の加藤周一氏の死を知った。昨日岩波新書70周年記念号の「図書」を読んでいたら(識者に印象に残った新書をアンケート調査したもの)、ある人文系の研究者が『羊の歌』を上げて、こんなに頭の良い人がいたのかと読後の衝撃を書いていた。今その雑誌と執筆者を確認したかったが(註。今日神保町の信山社に寄ってその記念号を手に入れた。そして確認、今や格差関係では第一人者の橘木俊詔同志社大学教授だった。2009年1月14日記)、偶然東京駅附近でお会いした児童文学者と科学読物を主宰している児童文学者辛島泉さん(この日が初対面、U氏のお知り合い)にあげてしまった。その加藤周一氏が多臓器不全で死去、享年89才。巨きな知性の持ち主が逝った。1942年作家中村真一郎や福永武彦らと韻律を重んじた言語的実験、マチネ・ポエティックに参画、「1946・文学的考察」で注目され、評論活動を開始。『雑種文化』やカッパブックスの『読書術』で話題に。著作は数十冊にも及ぶ。もちろん平凡社から著作集もでている戦後の一大知識人の一人だ。若い自分筆者も自伝的エッセー『羊の歌』や『続羊の歌』(いずれも岩波新書 1968年刊)を読んだ。そこには戦前戦後の知の蠢きがキラ星のように現れていた。そしてあのヒロシマの状況も医者として関わり悲惨さを目のあたりにした。かつて評論家山室静氏に生前一度だけお会いしたとき、「近代文学」は加藤周一と三島由紀夫を発見したことだと自慢げに話していたのを思い出した。2年前にまた、丸山真男関連を読んでいてその後加藤周一、木下順二、丸山真男著武田清子編『日本文化のかくれた形』を読み、加藤周一著『日本文学史序説補遺』を買い、そしてその後同じ著者の『日本文化における時間と空間』(岩波書店 2007年刊)を購入したと思ったが書棚等を探したが見あたらなかった。ひょっとしたらそう思い込んでいて購入していなかったのかもしれない。最近ではかもがわ出版から対談集が出ていてたまには立ち読みしたり新聞広告を読んだりしていた。もちろん朝日新聞の夕刊の「夕陽妄語(せきようもうご)」も読んでいたが、ここ二三年は新聞を変えたこともあってご無沙汰していたのだ。である体の文体を避ける加藤周一氏は、一見断言調に響くが明快な論理に近付ける方法を日本語にも強要していた、否実験していた、そして自ら開発定着に向けて論陣を張り続けた稀有の人なのだ。筆者はこの加藤周一氏の文体に影響を受けた者の一人である(序でに急いで付け加えれば、“来る者は拒まず、去る者は追わず”の精神もだ。日常的にはながら族のすすめも。テレビを消音にしてラジオを聴くなど)。それは日本人の持つ曖昧さを極力避け論理と感性の秩序を構築する一方、古今東西の文学や翻訳などの文化的問題に止まらず、政治的問題にもある種の見識をもってコミットしてきたことだ(ひとつには日本国憲法第九条を守る言動をみれば明らかだ)。加藤周一の評論集は今も生き続けている。そして日本の古典文学に投げかけた諸問題『日本文学史序説』、つい最近死去した筑紫哲也の編集長よりずっと前の朝日ジャーナル誌上に連載が発表された第1回目の記事とりわけタイトルの文字を鮮明に覚えている。切り抜きもし何度も読んだ。それは鮮烈だった。この知性の持ち主は平凡社の百科事典で林達夫の跡を継ぎ編集長に就任、自ら執筆も担当したことで遺憾なく発揮された。しかし日本における百科事典市場はすでに飽和状態、曲がり角に差し掛かっていて期待していたほど売れなかった。最近では日本の社会・文化の特徴そして時間・空間意識に考察を加えていたのだ。諸外国の大学で教鞭をとった経験をもつ(プリンストン大学での教え子の一人は、今年の話題の書『日本語が亡びるとき』の作者水村美苗である)、外国語の達人でもあった(作家大江健三郎氏が、2008年12月6日付朝日新聞の文化欄でアメリカ滞在中の出来事として、アメリカの音楽評論家に武満徹の音楽を魔法のように通訳していた人がいたと聞かされた。確かその人が加藤周一氏と追悼文で書いていた)。もちろん絵画や音楽など芸術にもそして中国関係にも造詣が深かった。テレビや雑誌で拝見する格好は白髪で額が大きく、眼光も鋭い。ジェスチャー交じりの鋭い切り口とのびやかな声そして溢れる知性―。こういう知性の持ち主はもう出てこないと思う。合掌。
追記。今日の朝日新聞のコラム「天声人語」は加藤周一氏の追悼文だ。(2008年12月7 日記)


2008/12/05

超人のドキッする絵画 17 石井一男

超人のドキッする絵画 石井一男
超人のドキッする絵画 石井一男
毎日新聞の夕刊に“夕飯は300円”と見出しが踊ってサプライズの埋蔵画家石井一男。たまたま通りかかった本郷の東大赤門前の画廊で個展を見た。17点のうち13点が売約済。1点80000円くらいだ。何件か先に画廊っぽい喫茶店『ルオー』があるが、筆者はこのこぢんまりした画廊に入るやルオーの絵を思い出した。「女神」と題した絵がほとんど。純粋、独特のデフォルメされた表情、心が洗われるほどの世界。そんなに大きくもない絵、むしろ小さい、イコン風?そんな連想が自然と浮かぶのだ。ある中年の男性は一度見たら忘れられない絵だね、とさり気なく言っていたことが印象的だ。外は雨、多少冷たかったが濡れてもいい気分になった。こういう画家もいるのだ。

2008/12/04

超人の面白読書 47 「芸術新潮」12月号 特集 ノルウェ-  中世の美とオーロラの旅

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ヴァイキングと言えば荒正人著『ヴァイキング』(中公新書)を思い出すが内容は忘れた。しかし有名な先のくるりと曲がった独特のヴァイキング船の写真は覚えている。
今回偶然にも雑誌「芸術新潮」12月号を出張先の大阪の書店で手に入れた。北欧中世ものしかも美術も図像学の分野を旅と写真とエッセーで綴った好企画だ。ポイントは中世ノルウェーの木造教会(スターヴヒルケ)。特に扉口彫刻だ。題して「ノルウェーの森へ 中世の美とオーロラの旅」。旅の文は図像学・ロマネスク専門の美術史家金沢百枝氏とノルウェー人物史を書く小澤実氏、撮影は筒口直弘氏、なかなか力が入っているのである。160ページのうち約6割を占めているのだ。まずはノルウェーのフィヨルドの景色、写真で見るかぎりでは綺麗に澄んでいる。静寂がある。ソグネフィヨルドの支流、バルスネフィヨルド。12世紀末のボルグンの有名な木造教会、ソグネフィヨルド付近。ヴァイキングの子孫が建てた立派な教会が残っていた。この美術紀行は古い教会を訪ねては教会のドアの紋様、中の構造、祭壇付近の紋様を一つ一つ見てあるく。竜の紋様はキリスト教が入る前のもので畏れの象徴、魔除けだろうと教えてくれる。ロマネスク的美術史観で読み解き、図像学的解析を試みている。ここまで描かれたものを読み解くにはそれなりの素養と鋭い分析ばかりではなく、ある種の想像力や勘も働かないとなかなか謎が解けないはずだ。幸いに執筆者は『ロマネスクの宇宙―ジローナの天地創造の刺繍布を読む』(東大出版会 2008年4月 定価12,600円)なるロマネスクのイメージを一新するといわれている書物をものにしている。そもそもヴァイキングという語は古北欧語の「vikjngr」で「掠奪と交易の旅 」を意味するという。しかし筆者は「入江の人々」とずっと記憶していた。vik―は英語でinlet(=入江)の意味。因みにThe American Heritageでは次のような記述だ。 Viking―One of a seafaring
Sandinavian people who raided the coasts of northern and western Europe from the eighth through the tenth century.【写真は本文p.28~P.29より】
<続く>

クロカル超人が行く 99 千代田区神保町『兵六』

クロカル超人が行く 神保町
 日本のカルチェラタン 、お茶の水・神保町界隈。旧主婦の友会館や山の上ホテルなどのヴォーリズの建築物や明治大学タワービルをしばし眺めて古本屋へ入った。何気なく上の方を眺めながら一巡。そして三省堂書店本店へ。今読んでいる雑誌の執筆者の本を探したが高価で手が出なかった。そして思い出して暖簾を潜ったのが創業60年の『兵六』である。名物料理の焼売(500円)だ。つまみはもう一品、もちろんさつま揚げ。お酒は大ビンのラガービール、それにやっぱり焼酎の薩摩無双。常連客に混じって若い女性二人が顔を真っ赤にして隣で呑んでいた。先代の名物親爺さん(いつも混んでいたのでなかなか入れなかった・・・)と比べると三代目は大分やわらかである。元々はこの場所で出版社をやっていてやがて飲み屋を始めたらしい。そして今年で創業60年という。名物料理が並ぶ、林芙美子の文字と先代の店主の写真が歴史を刻んだメニューの紙の上に並ぶ。名店である。
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