« 超人のジャーナリスト・アイ 96 アメリカの雑誌を読む 小国アイスランド報告 8 | トップページ | 超人のジャーナリスト・アイ 96 アメリカの雑誌を読む 小国アイスランド報告 10 »

2008/10/23

超人のジャーナリスト・アイ 96 アメリカの雑誌を読む 小国アイスランド報告 9

 クリントン政権的穏健の公平で多少生ぬるいところがあったようで、このようなやり方では人民同盟党の効果は成功に程遠かった。ダムプロジェクト反対の一部が1999年に旗揚げした左翼緑の党を演出する国会議員、コルブルン・ハルドルスドッティル氏はこの保守的な傾向は国の性格だと教えてくれた。市民が政党に参加するのは難しい。これらの問題で働いている団体や特別なグループに市民が参加するのも難しい。市民をもっと獲得しようとするなら、本当に私たちが強くなることだろう。しかし彼らにはまだその時期が来ていないのだ。
嘆願の運動もしくはダムについての国民投票もなかったのだ。事実、唯一協力的なキャンペーンはSaving Icelandという小さな機関からだった。インターネットで見る限りではアイスランド人ではなく、様々な国の人が運営している。もっとも不屈で影響力のある地方の反対は芸術家たちだ。法案が宙に浮くや議会の外で反対し始めた。ダムで沈んでまもないある場所について2003年のテレビドキュメンタリーのために、写真家でナチュラリストのグドムンデュル・パル・オラルフソン氏は、景観そのものに対して何をやったかを示す地域について自著のページを破り取った。この夏レイキャビークの繁華街の展示場でアーティストのルリ氏は洪水と自然喪失と呼ばれるビデオを搭載した。

閑話休題。ネットで昭和63年10月初版の紀伊國屋新書、山室静著『アイスランド』を入手。このタイトルの本は大分前に購入していたが、どこかに行ってしまったので古本で買い直したのだ。本の内容もすっかり忘れた。アイスランド、特にサーガやエッダなどの文学の概説書である。著者の山室静氏には生前ある人と新宿でお会いした。この本の著者略歴でわかるように日本女子大や文化学院で教えていたが、あるときお茶の水駅近くで講義ノートをなくしてしまったらしい。その時大学も辞めてしまったと和装でもの静かな、しかし飲むほどに雄弁になる、作家、翻訳家そして文芸評論家の山室静氏がぽつりと語っていたのが印象的だった。この本の口絵にあるアイスランド訪問時に「近代文学」同人の一人、荒正人氏が撮影した写真はまだ若い時のものだ。児童文学者でムーミンの翻訳でも有名だが、日本の北欧文学の先駆者宮原晃一郎を尊敬してやまない。その明治大正期の自然主義文学隆盛における北欧文学の成果は、山室静氏の別の著者『北欧文学ノート』に註として記載されている。昭和初期(4、5年頃)に出た新潮社世界文学講座「北欧文学編」だ。当時の北欧文学の日本における水準が解る。

« 超人のジャーナリスト・アイ 96 アメリカの雑誌を読む 小国アイスランド報告 8 | トップページ | 超人のジャーナリスト・アイ 96 アメリカの雑誌を読む 小国アイスランド報告 10 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 超人のジャーナリスト・アイ 96 アメリカの雑誌を読む 小国アイスランド報告 8 | トップページ | 超人のジャーナリスト・アイ 96 アメリカの雑誌を読む 小国アイスランド報告 10 »

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31