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2008/07/20

超人の面白読書 43 江越弘人著『幕末の外交官 森山栄之助』

Img004_4森山栄之助は幕末に活躍した通詞・外交官で、ペリー、ハリス、ヒュースケン、プチャーチン、エルギン卿、オリファント、オールコック、オイレンブルグ、パークスなどの外国からやってきた人たちと外交交渉をし条約締結にその生涯を捧げた人である。本書はその幕末(NHKの大河ドラマ『篤姫』が高視聴率を取っているが、時代的にはちょうどこの時代)徳川家定、家茂、慶喜の時代に流暢なオランダ語や英語を駆使して外交交渉にあたった先駆的な通訳官兼外交官、森山栄之助の自伝である。今までジョン万次郎やジョセフ・ヒコなど漂流民が米国船に救助され通訳者として帰国した人たちは井伏鱒二などの小説でもお馴染みだ。この森山栄之助についても吉村昭の『黒船』や『海の祭礼』に描かれてはいる・・・。森山栄之助(多吉郎)という人物を評価していくことが、幕末から明治にかけての時代を正しく理解することにつながるのではないかと考えると著者は「はじめに」で書いている。それこそ外国側の記録では知られているが、日本側では川路聖謨(としあきら)の『長崎日記』『』下田日記』のほかに見ることができないらしい。治外法権、関税など不平等条約の烙印を押され、後の明治政府がこの条約改正に躍起になっていたことは歴史の知るところだ。筆者などは英語研究の草分け的存在の方に興味を惹かれるが、それよりもこの地域史研究者の忘れられた人物に焦点をあてた本書は面白い。少し前に筆者は石川榮吉著『欧米人の見た開国期日本―異文化理解としての庶民生活』の書評を試みた。本書はこの幕末期日本に来た欧米人が時の政権に開港を迫る通商・外交交渉の舞台を一通訳官を通して描いたとも取れるが、父親もオランダ通詞といういわば通訳官一家の家族(結婚や離婚、妻や子供のことなどで不明な点が多い)、外国奉行などの上司、通詞仲間、弟子の福地桜痴(源一郎)らの人間模様も描いている点も見逃せない。時々散見される繰り返しが気になるがすぐ読めてしまう200ページ足らずの本だ。先駆者はそれなりにいろいろと苦労したのである。
(弦書房 定価1800円+税 2008年6月刊)

2008/07/19

超人の面白ラーメン紀行 95 千代田区『服部』

超人の面白ラーメン紀行 95
 連日の暑さもうなぎ上り(土用の牛の日も間近)の今日、都心の気温は32度、湿度もあって蒸し蒸し。こんな暑さでもラーメンを食べる輩がいるのだ。何を隠そう筆者もその一人だ。
 前から気になっていたラーメン店の『服部』(住所は千代田区西神田2-1-8)。午後3時5分前に入って滑り込みセーフ。このあと3時ジャストに入って券売機で券を買おうとした若い男性二人は、店の女性店員に営業終了とそっけなく言われて出て行った。時計はまだ3時ジャストだった。店長っぽい男性が女の人だったら入れるね、などとため口、入れてあげればいいのにと他人事ながら同情してしまう。
店自慢の「じゅーしーつけめん」(750円)に挑戦、筆者はどういう訳かつけ麺は今まで一回も食していない。ラーメンにある一定のこだわりがあったかもしれない。カタカナのコの字形のカウンターのみで12席の小さなラーメン店だが、出て来たつけ麺は四角い洋食風の皿に中細麺、メンマ、ネギ、海苔そしてなかなか美味そうなチャーシューがこじんまわりと盛られ、同時に刺激的だと言われているスープも出た。早速香りづけに揚げたニンニクをパラパラとスープにかける、麺を入れる、トッピングを少しずつ入れる、ここで混ぜる、そしておもむろに口に入れる、一連の動作が完了するとあっ、これは美味いと唸ったのだ。何だか一連の動作を書いていて、そうだな、漫画家の東海林さだおの文章に似ているな、と苦笑してしまった。多少辛めの独特のタレは多少濃厚だが香りづけの揚げニンニクと相性が絶妙にいい、気持ちまろやかになったスープがストレートな麺に馴染むのだ。引き締まった感じのチャーシューは、硬さと軟らかさが相まって美味。スープ割りは鰹風味たっぷり、一気に飲んでしまった。メニューは、ラーメン700円、盛り合わせじゅーしーつけめん910円、なぜかコロナビール、350円など。昼時間帯閉店間近だったからか筆者の後ろの方で香水を撒いていた人がいて(店は狭い)、誰だろうと思ったらここの若い店員の女の子で帰る支度をしていたらしい。香水の匂いが鼻に突いたのだ。
千代田区『服部』1.スープ★★☆2.麺★★☆3.トッピング★★4.接客・雰囲気★☆5.価格★★☆

2008/07/17

超人の面白ラーメン紀行 94 港区『汐留ラーメン』

 汐留の日テレにある『汐留ラーメン』。開店して6年は経つか、その後どんな按配か他店行きを止めて決行した。あの時は50何番だったかな、ともかく長い列の中にいて1時間以上かかって店に入った記憶がある。そして、実際食べてみて思ったほどではなかったのだ。それ以来の来店だ。和食からラーメンに鞍替えした店主は日テレのラーメン王に挑戦、見事一位に選ばれた凄い人なのだ。あの神奈川県高座渋谷の『中村屋』それに文京区の『大喜』などの“日テレ系”ラーメン店だ。

 さて、気温31度の真夏日の午後2時前、券売機で迷った挙げ句、「正油ラーメン あっさり」(790円)のごく普通のラーメンを買い頼んだ。お客さん、こっちの窓側でお願いしますと半ば強制的な店員の声に筆者が反論、カウンターが空いているのでそちらではダメかと尋ねるとちょっと間を置いて、後の女性が・・・何やらブツブツと言っていたが、しょうがないの顔つきでカウンターに通された。30人は入るが数えたら15人の半分の入りだった。そうこうしているうちに頼んだラーメンが出てきた。例によって一啜り、スープが多少塩辛い、極細の麺に絡んではいるがイマイチだ。何かパンチがないか緩い感じがした。トッピングは薄目のチャーシュー、ほうれん草、半熟玉子、メンマ、刻みネギなど、そうか、からっと揚げた鶏肉がベーコンの細切れっぽく散りばめられていた、そうだ、これがここのラーメンの得意なところだと思い出したのだ。カウンターは油っぽいのか多少ベドベドしていた。ラーメン専門店にもメンテナンスが求められるのだ。 
『汐留ラーメン』1.スープ★★☆2.麺★★3.トッピング★★4.接客・雰囲気★5.価格★☆

超人のジャーナリスト・アイ 90 雑誌「ニューヨーカー」の風刺画

Img003_3昨日の毎日新聞朝刊には7月14日発売の「ニューヨーカー」最新号の表紙の風刺画が今話題になっている話が載っていた。毎日新聞によると、その風刺画は米大統領選の民主党指名候補確定のオバマ上院議員と妻のミシェルさんをテロリストのように描いていて、オバマ陣営から悪趣味だと反発を食らっていると伝えている。確かに見れば多少行き過ぎ、しかし範囲内―。筆者は1ヶ月前からニューヨークに住んでいる身近な人間にこの雑誌「ニューヨーカー」を現地で購入して航空便で送ってくれるよう頼んでいるがまだ手元に届いていない。さては船便か、と考えていた矢先のカバー風刺画騒動だ。雑誌「ハーパーズマガジン」はその電子版のコミカルな動画配信サイトでこの問題を皮肉たっぷりに伝えていた。短編小説、詩などのフィクション、街の話題、演劇評、書評も充実しているが、何といっても風刺画がこの雑誌のもう一方の持ち味だろう。かつてこのクオリティマガジンには哲学者Hannh Arendt ハンナ・ア―レントが“The life of the mind”などを連載していた時(邦訳「精神の生活 1.2」 は1994年 岩波書店刊)、筆者はこの連載を夢中になって読んだ。内容を完全に理解できたかは分からない。あれから幾星霜―。この雑誌については翻訳家でエッセイストの常盤新平氏が詳しい。何年か前は経営も厳しいと伝えられ、購読システム、広告収入、紙面改革などを行ったと聞く。今は確か女性編集長が辣腕をふるっているらしい・・・。
“カバー仕切れない”ということで、しばらくはこの雑誌から目が離せない。
そういえば、去年あたりかデンマークの新聞に掲載された風刺漫画の騒動も世界をかけめぐった。
【写真左上: 2008年7月16日付毎日新聞朝刊から】
追記。今日ニューヨークの身近な人間から「The New Yorker」June23、July7 & 14号の2冊が届いた。残念ながらこの後の号が上述の号だ。この号も送ってくれるようすでにメールを打ったばかり。久しぶりに手にして価格が4.50ドル、合併号は4.99ドルと以前より価格が上がっている。それに雑誌の大きさが一回り小さくなっていた。日本の丸善の丸の内店あたりで買えば1冊1500円はする。6月23日号の書評は作家のJohn Updikeジョン・アップダイクのEthan Canin の最新刊"America, America"(Random House; $ 27)、題してAn upstate Sagaだ。まだパラパラ捲っている。(2008年7月18日 記)

2008/07/16

超人のジャーナリスト・アイ 89 芥川賞・直木賞受賞

 昨日芥川賞受賞の揚逸氏についてはすでに書いた。一つ思い出したことがある。「ワンちゃん」が雑誌「文学界」に載った時に毎日新聞の文芸評で評論家の川村湊氏が取り上げていたことだ。その時の新聞を取り出せば分かることだが、なんて書いてあったか、確か有望な新人登場の類の言葉だったろうか。中国文学者の藤井省三氏は日本文学の開国、新しい「越境文学」と評していた(「日経新聞」2008年7月16日朝刊)。
 直木賞受賞は「切羽へ」の井上荒野氏。気骨の作家井上光晴の娘だ。この作家については筆者も雑誌のインタビュー記事かなにかで読んでいた。
選考委員の平岩弓枝氏は現在日経新聞の私の履歴書を執筆中で、今朝の記事は自分の直木賞受賞の日を回想していた。彼女は昭和34年7月、第41回の直木賞受賞者である。当時は今みたいに大騒ぎをしなかったらしい。文藝春秋社の宣伝効果はいかに―。

2008/07/15

超人のジャーナリスト・アイ 88 最近の新聞書評欄斜め読み

最近の書評欄を斜め読み。

1. 佐野眞一著『甘粕正彦 乱心の曠野』新潮社 1900円

7月13日付毎日、朝日、日経の3紙に載ったノンフィクション。読売も目を通したが残念ながらなかった。四大紙制覇の偉業達成はならなかったものの、各紙の評者はノンフィクション作家佐野眞一の資料渉猟には脱帽していて、甘粕正彦、特に大杉栄一家暗殺事件の新事実に肉薄していた。久々に読ませる一冊かもしれない。この謎の人物については大分前に李香蘭こと山口淑子の私の履歴書に書かれていたか。

2.ギュンター・グラス著依岡隆児訳『玉ねぎの皮をむきながら』集英社 2652円

一昨年の8月頃にショッキングな作家の告白が海外のメディアを賑わし、ポーランドでは賞を剥奪だと躍起になっていた事件をご記憶の読者諸氏も多かろう。ダンツィヒ、今のポーランドのグダニスクに生まれ、美術に目覚めそして文学の道、左派知識人となった一人のノーベル賞作家の自叙伝である。その作家の名はあの『ブリキの太鼓』で知られるドイツ人のギュンター・グラス。彼がこの本でナチスの親衛隊であったことを告白したのだ。特にポーランドの人たちの反応が荒ましかった。毎日新聞の書評欄にドイツ文学者の池内紀氏が、「自伝が出る前の大騒ぎであって、本が出るやいなや、騒ぎは急速に終息、自伝そのものが語りかける圧倒的な叙述がメディアの煽り立てる空騒ぎを一挙に消し去った」とこの本の意義を強調していたのが印象的。

3.小川国夫著『止島』講談社 1700円

4月に亡くなった小川国夫の短編集。
何週間か前に神保町のとあるバーで店の女主人が、小川国男さんに書いてもらったのよ、と店の奥から出してくれたのが「青銅」と書かれた喫茶店のマッチ。静岡県の藤枝出身のカトリック作家、地味だが感性豊かな作品が多い。その風貌はかつての太宰治っぽく、はないか―。昔読んだ記憶はあるが・・・。

4. 片山杜秀著『音楽博物誌』アルテスハブリッシッング 1900円

読売新聞の本よみうり堂の「著者来店」で紹介された平成の怪人の異名をとる評論家。博覧強記、こういう人もいるのだ。オタクである。凄いのはこの写真で見る限り目標は、戦前の右翼の巨魁、大川周明の評伝を書くことです、というあたり。表情からは想像がつかないのだ。日本政治思想史専攻の慶大准教授、刈部直と同類っぽいか―。
5. 岩田靖夫著『哲学とはなにか』岩波新書 735円

第Ⅳ章「他者という謎」が感慨深かったと毎日新聞書評欄の評者。本書の白眉はヴィーゼルの言葉とか(そうか、ひょっとすると『夜と霧』 ?) "理解"とか"知識"とかのレヴェルを超えた、人間的な「開き」の境地として提示されているという。市井の哲学者木田元はある出版社のPR雑誌に哲学について連載しているが、哲学をわかりやすく書いていてオモシロイ。その根源的な問いは知識の羅列だけでは解決できない、地下水のごとく言葉が汲み上げてくるものではないか―。

 上記の追加記事を書いていたら、第139回芥川・直木賞が開かれ、芥川賞が楊逸(ヤンイ―)さん(44才)の「時が滲む朝」(文学界6月号)に決まったのニュース。中国人では初めての受賞。先週の土曜日、TBSの情報番組「王様のブランチ」で筑摩書房役員の松田哲夫氏がこの作家を予想していた。筆者はまだ読んでいない。

2008/07/13

超人の面白読書 39 石川榮吉著『欧米人が見た開国期日本−異文化としての庶民生活』 7

 2009年横濱開港150周年記念企画、「横濱開港新聞」創刊号 嘉永6(1853)年6月9日 PR版 監修 横浜開港資料館・横浜都市発展記念館 発行 神奈川新聞社の一面トップ記事には浦賀沖「黒船」現る、ペリー提督、久里浜上陸、幕府に米大統領国書と太文字の見出し。この時ペリー提督は日本の開国を求めて幕府と交渉を繰り返したが、ついには老中首座の安部正弘は国書を受け取ることを同意、同提督は久里浜に上陸したとはこの新聞のリードだ。石炭補給地、捕鯨船燃料確保、遭難者の保護や食料、薪炭などの補給や通商を求めての上陸だった。1年後ペリー提督は再来日し日米和親条約が嘉永7(1854)年3月3日横浜村で締結(下田や箱館開港など12カ条)、この時の日本側通訳は森山栄之助、アメリカ側はウィリアムズとポートマンだ。この通訳官森山栄之助については次回の書評で触れる。この記事によれば、条約調印後ペリー提督一行は、しばしの休息を横浜村散策にあて名主を訪問、お歯黒の妻とその娘にお菓子や味醂酒のもてなしを受け上機嫌だったという。お歯黒の話はこの辺にして、この書評の最後に筆者が興味を引かれたところを何ヵ所か本文から引用して終わろう。
 お雇い外国人の一人、地質・鉱物学者のアメリカ人レフェイエル・パンペリー(1862年から1年位日本に滞在)の観察によると、湯屋には「男湯」・「女湯」と記した二つの入口があるが、この仕切りは敷居を越えると終わっていて、中に入ると混浴であった(『アメリカ・アジア横断』1870年刊)。辺鄙な湯治場などで今でも見られるやりかたであると著者がコメントしている(本文P.42)。次ページの写真「下田の混浴場」は大分あとのものだが(C.Crow,1939年とあるが)、今となっては貴重な写真だ。こういった混浴のシーンや珍しい異人が通れば素っ裸で外に出ること(イザベラ・バードの秋田での話)や長崎でカッテンディーケ(海軍伝習所第二代教育班長、『滞在日記抄』1860年刊)やポンペ(オランダ商館の医師、日本近代医学の父ど呼ばれた。『日本における五年間』1867-68年刊)が見た湯屋から出た男女が素っ裸で町を歩いている姿やアンベール(スイス人、『図解日本』1870年刊)が見た隅田川東岸の本所での湯屋から出た男女が裸体で歩いている姿にしても、日本の習慣ではあたりまえのこととみなされて誰も咎めないのだということなど当時の外国人の驚きようをその著作から引用しているが、日本人が特別に淫蕩・卑猥なのでも羞恥心を欠いているのでもなく、欧米人とそのありかたが違うだけのことであると著者は自分の見解を述べている。上述したパンペリーは「旅行者の意見は、概して自分の体験の中で強く印象づけられた出来事にもとづいている」、しかし「思慮深い旅行者は、歩き回る最初の段階で、二つの民族間の関係に距離があればあるほど、同じ尺度で彼らを測ることがよりいっそう困難であることを学ぶ」としたうえで、「一国民を描くには、まず彼らの内的生活―いかに行動し、考え,かつ彼らの家庭関係が何であり、彼らの美徳と悪徳がなんであるか―を知らなければならぬ」(訳文は伊藤尚武氏)と、まるで現代の文化人類学者のような意見だと著者は驚いている(P.48)。当時の旅行者の見識は高い。1869年(明治2年)東京で男女混浴の禁止令、1872年(明治5年)には人前で裸になったり肌脱ぎになったりすることも禁止されたという。
グリフィス(『みかどの帝国』1876刊)によると、開港に先立って二つの場所を作った。税関と女郎屋(遊郭、妓楼)だという。日本人用遊郭に気の荒い外国人の船乗りが立ち入ると、とかく喧嘩騒ぎが絶えないからでだった。その妓楼の最たるものが横浜の港崎(みよざき)遊郭の岩亀(がんき)楼と五十鈴楼、とりわけ岩亀楼の「遊女喜遊伝説」は有名だという。1862年(文久二年)岩亀楼の遊女が、アメリカ人と褥を共にするよう強要されたとき、時世を詠んで自害した。

 露をだに厭ふ倭の女郎花
   ふる亜米利加に袖はぬらさじ

この伝説には真偽両説あるが、「唐人お吉伝説」などと同じく、後人の創作だと著者は書くのだ。(P.57)
「 破廉恥な日本人」の章は続く。幕府公認の遊郭は、延宝(1678)の藤本箕山の『色道大鏡』によれば、その当時江戸新吉原、京都島原、大坂新町、長崎丸山など、全国で20余ヶ所をかぞえたという。その他、私娼ともなると、ケンペルやシーボルトが見たように、日本全国いたるところにあり、幕府もときにこれを取り締まりはするものの、実際には野放し状態に近く、とくに街道筋の宿場町や港町では、飯盛女が、旅籠一軒につき何人というような形で、黙認というか半公認されていた。もっとも栄えたのは大都市江戸、ここでは元和3年(1617)に現在の中央区掘留2丁目付近に遊郭の設置が幕府によって許可された。当時このあたりは一面の葭原であったため、吉原遊郭と呼称された。明暦3年(1657)の江戸の大火(いわゆる振袖火事)ののち、吉原遊郭は浅草千束へ移転させられ、以後、吉原といえばここを指すようになったが、正しくは新吉原であり、もとのほうは元吉原である(P.62)。
品川も東海道の第一の宿場であったため、宿役の御用が多いからという理由でその繁盛ぶりは他の宿を遥かに凌駕して、天保15年(1844)年の飯盛女の実数は、1348人をかぞえたという。そうか、ナルホド、ザ、ワールドだ。
以下蓄妾のすすめ、三行半、女の実力では、グリフィスは日本の妻は、表向きは男性に服従しているが、じっさいには、気転・言葉・愛嬌・魅力などによって男性を巧みに支配していると分析、当節でも思い当たる男性のかたは多いのではないかと著者。欧米人の目には、日本女性の内股歩行はすこぶる評判が悪いと書き、着物の非活動性を指摘している。履物や雨具、扇子と懐紙(ハンカチより便利とはオリファントやオイレンブルクが褒めている)、肉を食べない日本人、食事での調味料の話では醤油と塩には言及しているものの味噌と味噌汁にはまったく言及がないのは不思議だと著者。砂糖は黒砂糖しかなかったからかアンベールは金沢(金沢八景)に一泊した折に老婆から白砂糖をねだねられたと書いている。日本の魚、寿司などの食文化の言及も面白い。食事作法、自由自在の畳の活用、枕(木枕の不思議、筆者もそう思うのだ)、陶芸などにみられる日本人職人の優秀さ、急いで付け加えれば、呉服屋「越後屋」の大きさといい繁盛ぶりといいロンドンやパリの百貨店より勝っているかもしれないとシュリーマンの見聞記に言及、そして最後の章では矛盾だらけの日本人を扱っている。不誠実な、正直で親切、勤勉でいて悠長、礼譲でいて無作法、清潔好きの清潔知らず(風呂好きのわりにはお湯をあまり取り替えない)の日本人と、外国人が指摘した矛盾をみている。
 著者はおわりに異文化理解の心得の章で次のように締めくくる。もともと異文化理解など出来なくて当然なのかもしれない。それでもなおかつ異文化間の協調を保つためには、世間は他人ばかりであるのと同様に世界は多様な異文化の集合体であることを承知したうえで、己の文化、己の価値観を絶対視して異文化を評価することをせず、ましてや己の文化や価値観を相手方に強要することなく、異文化を異文化として容認する寛容さが肝要であろう。そのうえで押しつけではない強調点を探ることが国際交流とか国際化の前提である。世界の諸文化の画一化が国際化なのではない。画一化は人類文化の衰退である。
 この本は2006年に著者が逝去され、弟子の須藤健一氏が手書きの遺稿をワープロ化して刊行したとある。弟子の須藤氏は刊行にあたってのなかで書いている。サイードの『オリエンタリズム』(1978年)において、西洋の東洋に対する思考と支配の様式を強く批判している。それは、西洋人がオリエントを自分に都合よく解釈し、ひとつの様式をもった存在として表現し、さらに支配する正当化の言説に対する批判である。本書で石川は、欧米人が描いた旅行記、日記、見聞記の内容が、西洋人が日本を理解するための一枚岩的な見方や考え方、つまり「一つの様式」を提示していないことを示唆している。彼・彼らは、自分らが目にした日本の一つの習慣や事項に関しても異なる解釈をし、多様に表象しているからである。いろいろと横道に逸れながら書いたが、本書は異文化理解の真髄を読み解く好著である。


2008/07/12

超人の面白読書 39 石川榮吉著『欧米人が見た開国期日本一異文化としての庶民生活』 6

 先週の朝日新聞の読書欄にこの本にも出てくるイギリス人女性探検家イザベラ・バード著『イザベラ・バードの日本紀行』(講談社学術文庫 1500円)の書評を読んだ。知識と好奇心に裏打ちされた観察眼の鋭い、脂の乗った40代に来日しているが、その前にアメリカ紀行、ハワイ諸島紀行などの紀行文をものにしていたと評者(田中優子氏)は書いていた。すでに北関東、東北・北海道を旅して書いた『日本の未踏の地』(1880年刊 普及版1885年刊 普及版邦訳名『日本奥地紀行』平凡社東洋文庫)などで知られ、最近でも新聞のコラムニストが引用していた。
その前回触れたお歯黒の話でイザベラ・バードが現在の栃木県藤原あたりを旅した時のエピソードを著者は面白い話として紹介している。彼女が眉毛も剃らず、歯も黒く染めていなかったために、土地の娘さんたちから外国の男に間違えられたと記している。当時まだ外国人というものを、ほとんど、あるいは、まったく知らなかったそのあたりの住民は、外国人の女性にも剃眉・お歯黒の習俗があるものと思いこんでいたわけである。著者はこの話は大変面白いだけではなく、とかく自分らの常識を世界の常識と思い込みがちであることへの戒めとして聞くことができるだろうとコメントしている(本文32P.)。また、イザベラ・バードは地方旅行で寝泊まりする時に発生する蚤の大群には大分往生したらしい。明治の初めの地方はまだそういう時代だったのだ。筆者などは小さい時に夜など爪でする蚤潰しにある種の快感を覚えたものだ。

2008/07/11

超人の面白俳句 2008年夏

赤魚鯛食べる先生梅雨知らず

京の夏ぎおんギオーンと山車を組み

立松さん何を見てたの京の汗※

夏に咬んで尾張名古屋は地下でもつ

恋狂いモナの身体は二度死んで

チャン・ツィイー昇る龍かよ富豪獲り


※追記。京都駅でみかけた立松和平氏は、2010年2月8日多臓器不全で亡くなった。

2008/07/10

超人のジャーナリスト・アイ 87 HOKKAIDO TOYAKO SUMMIT 5

 北海道・洞爺湖サミットは今日午後議長国の日本の福田総理が会のまとめを発表して3日間の会議に終止符を打つ。今日は中国、インドやブラジルなどの新興国を交えて地球温暖化対策などの諸問題を議論する。 
 ここまで書いて時間は過ぎた。北海道・洞爺湖サミットは参加国最大の12ヶ国、地球温暖化ガス排出量を2050年までに半減する(中国やインドなど新興国の反対意見もあって)長期目標を世界全体で共有することなどの議長総括発表で9日閉幕した。結局具体的な数値目標は得られず、官僚主導の玉虫色で終わった感じだ。国連での交渉に舞台は移された。一体このサミットでは何が決められたのか。原油、食糧価格高騰に緊急の歯止め策が具体的に盛り込まれたのか、世界経済の低迷にマクロ的な処方がなされたのか、問題は残されたままだ。
洞爺湖の天気は会期中結局、雨、霧靄で視界は限りなくゼロに近かった。どこかのテレビ報道ではないが、会場に設置さたエコ技術先進国日本の数々の関連製品に具体的に触れたことが何よりの具体的な成果だったとやや冷ややかに伝えていた・・・。また、ドイツなど環境対策として日本の三洋電機が開発した太陽光発電に産官民が取り組み具体的な成果を出している国もあるので(今その三洋電機の巨大な太陽光発電があるところを新幹線で通り過ぎたが)、こういった取り組みを地球規模でやったらいいと思うのだ。地球は病んでいるのである。
追記。警備も含めて今回の北海道・洞爺湖サミットの総費用は約600億円かかったという。

2008/07/09

超人の面白読書 39 石川榮吉著『欧米人が見た開国期日本―異文化としての庶民生活』 5

 今北海道・洞爺湖では先進国首脳会議 G8 HOKKAIDO TOYAKO SUMMITが地球温暖化対策、食糧高騰、原油高騰、北朝鮮問題などもはや先進国だけの問題では片付かない問題解決に向けて新興国やアフリカ諸国入れての拡大版で開催中だが(世界の金持ちの数では今年はインド、中国、ブラジルらロシアがランキングしているとはあるラジオ番組での話)、今から150年前のアジアの極東の国・日本にはサミットに集まった国々の祖先たちが覇権と利を富まそうとやって来ては(聞こえは悪いが)好き勝手なことを書いている。今はアメリカから政府専用機で11時間、ヨーロッパからでさえ14、5時間で来れる時代、テクノロジーの発達はすごいがそれだけ負の遺産も抱え込んできたともいえるのだ(かつてのイギリスの産業革命がもたらした明暗、アメリカの大量生産と失業、日本の工業化と公害そして最近の中国などを見れば一目瞭然)。各国の要人と仲介する通訳者達のご苦労も分かるというものだ。
 ところで、今筆者はこの本の書評の最後を書いているが、この著者が歴史学者ではなく文化人類学者に注目、その庶民の生活を複数の外国人が活写しているところに注釈と異論を施している点が誠におもしろいのだ。賛辞、羨望、理解、誤解、偏見、差別、侮蔑などが外国人が書いた書物に多い。それはもしかしたら驚きと無知さ加減の代償だったかも知れないと想像したくもなるのだが・・・。
 日本の既婚女性のお歯黒と剃眉には開国期・幕末期と言っても士農工商の身分社会に残る笑えない生活習慣、当時日本を訪れた外国人はその醜さに呆れていると著者は書いているが、面白いことに、それでは今の時代劇に見られる女性みんなは未婚者かそれとも妾なのかととぼけて書いている。そのくせ男性は威張っていて女性もつくるが働き者でしっかり者の女房に負けていると福井でお雇い外国人の世話係を担当している一家の行動をこの主の米国人がつぶさに観察している。日本人の熱湯好きには例えば、伊豆の銭湯を訪ねて、なに裸、なに混浴、なに不潔だのと日本人の生活習慣にケチをつけている外国人もいる。清潔好きな日本人が不潔とはお門違いもいい加減にしろと言いたいのは著者とは大分年も違う筆者も同感だ。銭湯は社交場、憩いの場また、疲労回復の場、即ち明日への鋭気を養う重要な役割を担っても来たのだ。西欧流のbathingとはちと訳が違うのだ。しかし時代はこの銭湯の習慣を忘れかけて内風呂の個人主義に陥り銭湯が街から消えている。最近では健康志向も手伝って、スーパー銭湯が出現、多少盛り返してはいる。
話は逸れた。外国人が見た開国期日本の話だが、異文化体験からどう異文化を理解していくのかが著者の言いたいことだろうことは容易に想像がつくのだ。「〜観」を突きたいのだ。最後まで書こうと思ったが瞼が閉じ始めてきた。続く。
追記。この本でも紹介しているが『横浜市史稿風俗編』(昭和6年刊)が面白い。また、神奈川新聞社が来年横浜開港150周年に併せて開港資料館監修の「横浜開港新聞」を刊行していて6回になるらしい。今筆者の手元にないが、頼んでいるので何れこの書評と引っ掛けて紹介してみたい。

2008/07/08

超人のジャーナリスト・アイ 86 G8 HOKKAIDO TOYAKO SUMMIT 4 世界の新聞は北海道・洞爺湖サミットをどう伝えたか フランスの代表的新聞「レクスプレス」電子版斜め読み

Photo_121549504846410フランスのサルコジ大統領が記者会見していた午後7時のニュースを観たが、ではフランスの新聞はどう伝えているか。下記はフランスの代表的な新聞「L'EXPRESS」の電子版から。

2050年までに温暖化ガス排出削減半減にとの見出し。

Les gaz à effet de serre réduits de moitié en... 2050
Par AFP, mis à jour le 08/07/2008 07:35:21 - publié le 08/07/2008 07:35:21


Les gaz à effet de serre réduits de moitié en... 2050
Par AFP, mis à jour le 08/07/2008 07:35:21 - publié le 08/07/2008 07:35:21

AFP/Nicolas Asfouri

Les chefs d'Etat et de gouvernement des pays riches du G8 ont entamé mardi à Toyako (Japon) une réunion consacrée à l'envolée des prix du pétrole et de l'alimentation, à l'environnement et aux grands problèmes politiques du moment comme la situation au Zimbabwe.


Fils RSS Widgets Les dirigeants des huit pays les plus industrialisés ont continué leurs discussions mardi 8 juillet au Japon sur l'économie et sur le climat. Un accord serait intervenu pour réduire de moitié les gaz à effet de serre d'ici à 2050 mais des engagements à moyen terme, pays par pays, devraient intervenir ultérieurement.
Les chefs d'Etat et de gouvernement des pays riches du G8 ont entamé mardi 8 juillet à Toyako (Japon) une réunion consacrée à l'envolée des prix du pétrole et de l'alimentation, à l'environnement et aux grands problèmes politiques du moment comme la situation au Zimbabwe.

Les dirigeants du G8 (Allemagne, Canada, Etats-Unis, France, Grande-Bretagne, Italie, Japon, Russie) doivent discuter toute la journée en séance plénière dans un hôtel de luxe de l'île japonaise de Hokkaido. Une série d'entretiens en tête à tête est également prévue dans l'après-midi.

"Durant la matinée, les discussions ont à l'économie mondiale. Les dirigeants parleront de comment faire face à l'inflation et à l'envolée des prix des matières premières", a expliqué un haut fonctionnaire japonais.


Le président américain George W Bush et son homologue russe Dmitri Medvedev, le 8 juillet 2008 à Toyako, au Japon

AFP/Tomohiro Ohsumi

Les dirigeants du G8 (Allemagne, Canada, Etats-Unis, France, Grande-Bretagne, Italie, Japon, Russie) doivent discuter toute la journée en séance plénière dans un hôtel de luxe de l'île japonaise de Hokkaido. Une série d'entretiens en tête à tête est également prévue dans l'après-midi.
Les cours du pétrole, qui ont plus que doublé depuis un an, et l'instabilité des marchés financiers née de la crise des prêts hypothécaires à risques "subprime" aux Etats-Unis, constitueront le gros morceau des discussions.

Réduction de 50% des gaz à effet de serre d'ici à 2050

Le changement climatique a été abordé au cours du déjeuner. Les dirigeants des huit pays les plus industrialisés se sont accordés Japon sur la réduction "d'au moins 50%" de leurs émissions de gaz à effet de serre d'ici 2050 et sur la définition ultérieure, pays par pays, d'objectifs à moyen terme, a annoncé le Premier ministre japonais Yasuo Fukuda.

Des discussions plus poussées à ce sujet auront lieu mercredi entre les dirigeants du G8 et ceux de sept autres grandes économies, dont l'Inde et la Chine. Cette dernière est récemment passée au premier rang des pays pollueurs.

Mardi après-midi, les chefs d'Etat et de gouvernement du G8 devaient se pencher sur l'aide au développement de l'Afrique. Ils analyseront le résultat de leurs entretiens, la veille, avec les dirigeants de sept pays africains invités pour une journée à Toyako.

Les policiers japonais stoppent un groupe de manifestants anti-G8, à Toyoura au Japon, le 7 juillet 2008

AFP/Nicolas Asfouri

Une cinquantaine de militants altermondialistes qui voulaient marcher vers l'hôtel du sommet à Toyako ont été bloqués par une centaine de policiers anti-émeute. Ils se sont dispersés après un face-à-face tendu.
"Il est important de soutenir les politiques agricoles des pays en développement. Le G8 poussera également pour la levée des restrictions aux exportations" qui aggravent la crise alimentaire mondiale, a poursuivi le haut fonctionnaire japonais. Un communiqué spécial du G8 sur cette crise alimentaire devrait être publié à la fin de la journée, a-t-il indiqué.

Enfin, la journée de mardi s'achèvera par un dîner de travail consacré aux grands problèmes politiques mondiaux, aux premiers rangs desquels figurent le Zimbabwe, la situation au Proche-Orient, les dossiers nucléaires iranien et nord-coréen, les violences en Afghanistan ou encore le Darfour.

Lundi, les dirigeants des pays riches du G8 ont été soumis à une forte pression des pays africains pour tenir leurs promesses d'aide, vitales pour surmonter l'envolée des prix des matières premières et la crise alimentaire.

Les chefs d'Etat et de gouvernement du G8 et ceux des pays africains invités (Afrique du Sud, Algérie, Ethiopie, Ghana, Nigeria, Sénégal, Tanzanie plus l'Union africaine) s'étaient retrouvés pour un déjeuner, suivi d'une séance de travail.

Les pays africains attendent notamment du G8 qu'il confirme l'engagement pris lors du sommet de Gleneagles (Ecosse) en 2005 de doubler son aide annuelle à l'Afrique en 2010 par rapport à son niveau de 2004 (25 milliards de dollars).

Selon eux, moins d'un quart des 25 milliards de dollars supplémentaires d'aide promis ont effectivement été débloqués jusqu'à présent.

La première journée de travail des dirigeants du G8 n'a été perturbée par aucune manifestation à proximité.

Une cinquataine de militants altermondialistes qui voulaient marcher vers l'hôtel du sommet à Toyako ont été bloqués par une centaine de policiers anti-émeute. Ils se sont dispersés après un face-à-face tendu.
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G8 HOKKAIDO TOYAKO SUMMIT 3

 北海道・洞爺湖サミット会場から約30キロ離れたメディアセンターには環境に配慮した設備が注目されているとか。天然の雪を10万トン持ち込み、それを地下に貯蔵し循環させて冷やしているのだ、いわば自然の冷蔵庫化だ。気温は22度位らしい。また、これだけの人数が一挙に集まると食堂施設が大変なはずだが、それはそれで環境に優しい弁当が会期中100万食も用意されているという。「クールアース・デー」の昨夜8時には東京タワー、都庁舎など一斉にライトダウンして二酸化炭素排出削減に貢献するイベントが行われたが、それを見た地方から来た人があまりにも寂しすぎる、帰って冷房温度を抑えますとコメントしていた記事が今日の朝刊に載っていた。
 さて、G8+アフリカ7ヵ国拡大会議が昨日開催された。アフリカ諸国の食糧高騰と危機は想像を絶するもので貧困と格差それにジンバブエに見られる政情不安など深刻化している問題を取り上げて話し合いが持たれたが、新聞などの報道を読む限りでは、食糧輸出規制撤廃などのアフリカ支援目標と進捗を検証する枠組みを創設することで合意といった程度だ。海外のメディアも議長国の日本の福田首相は無難に終わってくれればと願っていて、大した成果は期待できないのではと冷ややかな見解もあるらしい。
“SUSTAINABLE”持続可能な―。筆者には今必要なキーワードはこの言葉のような気がするのだ。

2008/07/07

G8 先進国首脳会議 洞爺湖サミット G8 HOKKAIDO TOYAKO SUMMIT 2

 今回の洞爺湖サミットは、日本、アメリカ、カナダ、ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、ロシアの主要8ヵ国に中国、韓国、インド、インドネシア、オーストラリア、ブラジル、メキシコそしてアフリカの南アフリカ、アルジェリア、セネガル、ガーナ、ナイジェリアの招待国を加えるとサミットに参加するのは22ヵ国にのぼる。今や地球の温暖化対策にしても食糧問題、石油高騰、アフリカの貧困と教育支援、北朝鮮の核・拉致問題にせよ解決は新興国にも委ねて解決を図る時代である。生憎雨降りの洞爺湖サミット会場には報道関係者が4000人詰め掛けた。どんな記事を世界中に発信するのか注目される。

2008/07/06

G8 先進国首脳会議 洞爺湖サミット G8 HOKKAIDO TOYAKO SUMMIT

Webimg_55_12_pic_02_27月7日は「ク-ルア-ス・デ゛-」 ライトダウンに参加して地球の未来に想いをはせようとの政府広報が今朝の毎日新聞に載っている。続けてその広報は言う。夜8時から施設や家庭でのライトダウンを呼び掛けています。皆さんも七夕の夜空の下で、地球の未来に想いをはせてみませんかと呼び掛けている環境省の広告だ。7月7日の七夕祭りにあわせた格好だが、ちょっと飛んでいないか-。この文言には多少の違和感があるのだ。
 明日から2日間にわたって開催されるG8先進国首脳会議。今回のホストは日本、北海道・洞爺湖が舞台で二酸化炭素排出量削減(京都議定書)などの環境問題が主要なテーマだが、米国のサブプライム問題による金融市場の混乱、石油に食料危機それに北朝鮮問題などが話し合われる予定だが、単なるセレモニーではなく実質的な、実りある討議と結果を期待したい。すでに一番乗りでアメリカのブッシュ大統領が来日し日米首脳会談も開かれた模様。二酸化炭素排出量削減策ではアメリカの協力が最大でロシア、中国、インドの協力も不可癖だ。もはやエネルギー問題がグローバルな問題で深刻だ。また、貧困と教育支援も格差社会の是正策には必須の問題だが、やはり今回は中国、インド、ブラジルなどの新興国を交えての石油高騰の是正策、食料価格の適正価格など経済問題が主要テーマになろう。今や毎日ニュースで流れているくらいの緊急を要する問題だからだ。そして開催国ニッポン、東京などは至る所に警察官がいて物々しい厳戒態勢だ。やり過ぎの感を禁じえない。この経費たるや馬鹿にならない額ではないか-。それにしても安倍前首相は気の毒だ。Webimg_1_91_080704_0730_2【写真左上: 洞爺湖 写真右下: 2008年7月4日撮影の洞爺湖周辺 いずれも洞爺湖町役場のHPより】

洞爺の夏霧靄晴らすか政治ショ-

2008/07/05

超人の面白ラーメン紀行 95 中野区『青葉』

超人の面白ラーメン紀行
 夏日で30度は越えていたが、汗を吹き吹き久し振りに中野サンロードを通った。それは十何年という月日が経っていた。土曜日の昼下がりの人の多いこと、びっくりである。ともかく暑い。そんな通りの銀だこ店を右折、路地を通って左折して1、2分歩くと左側に屋台の雰囲気を残した店が見えた。かの有名なラーメン店『青葉』だ。実は今日は武蔵境の『きら星』に行く予定だった。JR中野駅に電車が着いた途端、あっ、“青葉”があると突然思い出して降りてしまったのだ。
箱形のカウンターは13席すべて満席、仕方なく並んだ。先にオーダーをタレントのハナに似た女性から尋ねられ、一瞬戸惑いながらも「中華そば」から「特製中華そば」(850円)に切り替えて頼んだ。玉子が入っているかがポイントだったのだ。10分は待ったか、「特製中華そば」が出て来た。スープの量が思ったより少ない、豚骨醤油系だがやけにチャーシューが多い。一振り二振りしてあの動物系と魚介系のダブルスープに舌鼓を打ったのだ。確かに美味いがこれも好みかな、とすでにスープ、ストレート系太麺よりチャーシュー3枚の方に関心の度合いが移っていた。柔らか。少し前に食べたラーメン店のと似てたか― 。今日は真夏日だったせいか、つけ麺、特製つけ麺がよく出ていたようだ。引っきりなしに客が入る→待つ→食べる→払う→出るの一連のサイクルは筆者のいる限りでは切れ目がなかったのだ。青、緑、黄、赤の"符号"を使ったオーダーシステムが広い厨房の一角に置かれていたが、13席の配置図には色分けで注文状況が人目で判るのだ。なかなか合理的である。
ここは3年前に店主が暴行・軟禁されるという事件が起きてテレビのニュースでも流れた。
メニューは中華そば650円、つけめん700円、特製中華そば850円、特製つけめん900円、チャーシューそば1000円の5種類のみ。営業時間10:30―20:00。定休日は金曜日。
中野区『青葉』スープ★★☆麺★★☆トッピング★★接客・雰囲気★★価格★★


2008/07/04

クロカル超人が行く 94 葉山町立図書館の「堀口大學諸家献呈とサイン」展 続 

2008/07/03

クロカル超人が行く 94 葉山町立図書館の「堀口大學諸家献呈本とサイン」展

クロカル超人が行く
 葉山町立図書館には詩人で翻訳家の堀口大學文庫がある。その企画展「諸家献呈とサイン」展を見た。最近亡くなった作家の小川国男をはじめ、詩人の金子光晴、草野心平、高橋新吉、宗左近、西脇順三郎、飯島耕一、大岡信、石垣りん、吉原幸子、小説家の石川淳、大佛次郎、柴田翔、歌人の安宅夏夫、生方たつゑ、俳人の富安風生、国文学者の池田弥三郎、仏文学者の河盛好蔵、画家の有島生馬など三田人脈他の面々・・・。
 ここには温厚で優しい堀口大學の人柄と訳詩業の先達に敬意を払う数々の芸術家達の肖像がある。とりわけ作家の個性的な筆跡は見事なまでに生き生きしていて語りかけてくるようでもある。滝井孝作、金子光晴、江藤淳等々。その中でも堀口大學の主訳業『月下の一群』のコーナーがひときわ光彩を放っていた。最近ではこういった展示会にもマルチメディアが登場してきている。もちろんここの展示会にもビデオ装置があって堀口大學訳の「ミラボー橋」がパリの映像とともに流れていた。

クロカル超人が行く 93 スペイン料理店『BODEGA』

  クロカル超人が行く  BODEGA

 2回目の訪問のスペイン料理店「BODEGA」。今日入荷したばかりのラガー系スペインビールそれに辛口系の赤ワインなどを堪能。待ち合わしていたS氏とCHEERS!彼は瓶のラベルのスペイン語をすらすらと訳していた。そして訛りの抜けない暖かい日本語で「何々の嵐」と教えてくれたのだ。予約で一杯のテーブルには誰彼の誕生日とかでフランス人もちらほら、やはり女性客が多かった。夜の帳がすっかり落ちた頃には、2件目のトルコ料理店にいてあの羊肉シシカバブとトルコビールや白いあぶさん系のトルコのカクテルを楽しんだ。これが意外とイケたのだ。これで終われば良かったのだが、とことん派は別な店長の甘い誘いもあって3件、4件目と続いて気がついたときにはスペイン、トルコ、イギリス、日本と何ヵ国を渡り合っていた。
ここは丸の内国際ビル。飛行機に乗らなくても十分に海外旅行ができるのである。

2008/07/01

超人のジャーナリスト・アイ 85 「コピペ」問題

 大学のリポート提出で問題になっていることが、インターネット普及と共に肥大化、大学の先生もその惨状に愕然とし立ち上がったというニュースを今朝のテレビで興味深く観た。「コピペ」というコンピュータの操作技術を使ってコピーして貼り付けられる便利な機能だ。例えば、ある事柄について3000字以内にまとめてリポート提出せよとの要請に対し、学生はインターネット上でその事柄が載っているところ―ウィキペディアなど―を探して拝借し貼りつけていとも簡単にリポートを完成させて提出しまうが、提出されたリポートを読んだ先生が、同じような文章に相当数ぶつかり不思議に思って調べてみると、この便利な「コピペ」の機能を使っていることが判明したという。これでは自分で調べて考えるという独創性が失われるとの危機意識からリポート提出を止め、ディベートに切り替えて思考のトレーニングをしているという。また、「コピペ」 だと分かるソフトをソフト会社が開発中で来年には市販される見通しらしい。 この問題は以前から筆者も親しい先生から聞いていた。便利なものがあれば何にでも飛び付く、そんな手法は当たり前だが、その分きちっとした考え方が身につかない。社会に出ていろいろな問題に直面した時に困ってしまう人間を造り出してしまうのだ。哲学者のデカルトの有名な言葉“Je pense, donc je suis.”「我考える、故に我あり」を想起させたのだ。

超人の面白読書 42 石川榮吉著『欧米人が見た開国期日本―異文化としての庶民生活』 4

開国期・幕末期に日本に来た青い目をした外国人は、いろいろなことを記していたのだとこの本を読んで改めて思った。この本でも触れているが、筆者は以前にシュリーマンの日本旅行記の書評を書いたことがある。語学の天才でもあった彼は藍貿易で巨万の富を築き、その後ビジネスから手を引いて考古学の道へ進む。そして終にはトロイヤの遺跡の発見者になるのだが、そのシュリーマンが1860年代初めに世界漫遊の途上に来日、横浜、町田、八王子、麻布、浅草、吉原などを見聞、その印象記をアメリカに渡る船上で書いたのがシュリーマンの日本旅行記である。

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