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2008/04/30

最近買い込んだ書籍など拾い読み 6 

武田晴人著シリーズ日本近現代史『高度成長』(岩波新書 242頁 2008年4月) 780円+税

今日本の経済成長の鈍化が叫ばれているが(sinking Japan)、高成長経済という観念が時代の産物だと言う著者は、あとがきで公害問題、時代とともに変わる子どもの姿も書きたかったと記す。「朝日年鑑」が大いに参考になった由。現代史・同時代史はジャンル分けが難しいかも。前回のシリーズ日本近現代史『占領と改革』よりは読みやすいか−。

野村進著『調べる技術・書く技術』(講談社現代新書 254頁 2008年4月) 740円+税
著者はノンフィクション作家。たまにはハウツーものも読んで確認も必要だ。

2008/04/29

クロカル超人が行く 90 東京丸の内・東京国際フォーラム クラシックの祭典「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」開催会場

Nec_0213_3  もともとフランスのナントで1995年誕生したクラシックの祭典「ラ・フォル・ジュルネ」(熱狂の日)。第4回目の「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」はシューベルトとウィーンがテーマだ。年々増加していて今年は400以上のコンサートや関連プログラムを開催、100万人以上を見込んでいるらしい(開催日5月2日〜5月6日の5日間)。そして今年は金沢でも開催されるという。
早速よく晴れた昭和の日の午後、大改装中の東京駅丸の内側南口を出て会場のある東京国際フォーラムに向かった。有楽町駅寄りのチケット特設売場ではすでに知名度の高いコンサートはsold out、なかなか良いプログラムにはありつけないなと半ば諦め顔だった。そもそもそんなにクラシックに精通しているわけでもないし、せいぜい週末にインターネットラジオのOTTAVAを聴いているぐらいだ。でも去年の4月に開局直後から聴いているので1年は過ぎたのだ。筆者が購入した5月4日17時から17時45分の45分間のプログラムの内容は、シンフォニア・ウ゛ァルソウ゛ィア 指揮ヤツェク・カスプシク “ウィーンの舞踏会”シューベルト/ウェーベルン:ドイツ舞曲D820ヨハン・シュトラウス二世:「こうもり」序曲ブラームス:ハンガリー舞曲などだ。1階席はすでに売り切れ、2階席前の方でチケット代は1500円。安価なのではしごできるのがこの音楽祭の人気とか。今年のナントでは午前中演奏した曲が午後にはCDとなって売り出されたが、さて、東京ではどうか注目される。チケット購入後近くをブーラブラ、会場の東京国際フォーラムの隣のビルの1階で行われていた無料のコンサートを聴いた。
終わりの方の10分くらい聴いただけだったが、筆者がそのビルを出たとき何か爽やかさが残ったのだ。

ナントとかしようとTOKIO若葉燃え

2008/04/26

クロカル超人のグルメの話 カツオ 10 いわきの初鰹

カツオの話 10
JR常磐線いわき駅徒歩2分のところにあるS鮮魚店。筆者は開店間近を直撃した。仕入れから戻った車から小振りなカツオ一匹を取り出しながら、店主曰く、半月遅れで小名浜で今年初めて獲れたカツオだと。半身を皮付きとそうでないものとに分けて柵にしてもらった。2000円也。ついでに「めひかり」一箱(22匹)購入。1575円也。今年は不作だという。写真はS鮮魚店で撮ったもの。

俎板に小振りな動き初鰹

帰宅して早速この初ガツオをにんにくと生姜で味わった。
最高に美味 ! 超マイウ !

色艶や柔らかさも溶ける鰹色

ああ美味、美味ってるんだ海の幸

追記。寒さが多少感じられる季節の9月29日、法事の翌朝用事があって役所などに立ち寄った後、お土産にと忘れかけていたかつおの刺身半身とめひかり一袋をS鮮魚店で久しぶりに買った。戻りかつおは宮城産だが鮮度が今一つ、味もイマイチだった。決して安くはないかつおの刺身に正直がっくりである。その代わりめひかりは軽く焼いて丁度美味。家人も珍しく口に入れ、お騒がせ娘も食したのだ。実は法要でいわきに帰ったのだ。故人を偲ぶ気配はあったが、別の話題で沸騰、呆れる話はむしろ滑稽ですらあった。この非常識、草葉の下で眠る故人もきっと苦笑いしているのではあるまいか。かつおの話のオチだって?それは叔父の“かずお”さんの話。詳しくは関係者にお訊ねあれ。

年取れば“かつお”さんでも騙されて

お後がよろしいようで。
(2008年10月1日 記)

2008/04/24

超人の面白ラーメン紀行 91 大阪・北浜『とみ膳』

超人の面白ラーメン紀行 とみ膳
こういうラーメン店もあるから驚きである。御年75才くらいのおばあさんとおじいさんが作る味噌ラーメンが得意のラーメン店『とみ膳』。何か仕事着のブラウンにブラックの色彩から昔話の世界を想像してしまって思わずうふふ、なのだ。
しかし侮るなかれ、味噌ラーメンの種類は秘伝のスープと特製太麺が特長の札幌ラーメン(650円)、八丁味噌ラーメン、西京味噌ラーメン、とんこつ味噌ラーメン、味噌担々麺と豊富だ。いずれも650円だが、味噌は健康にも良いとその能書きが店内に貼ってある。入るなり大きなチャイムがなり客が入ったことを知らせてくれるのだ。首を痛めているのかギブスをはめてのラーメン料理、その仕草、語り口から気丈夫婆さんのイメージがぴったり、一方おじいさんさんは優しそう、俎板でチャーシューを薄く切っている仕草、その後ろ姿にのんびりの「の」を書いてあげたい気持ちだった。それで肝心のお味は? 秘伝のスープにしてはそれが思っていたほどでなかったのだ。
この店が西の兜町と言われている北浜にあるから可笑しい。
『とみ膳』1.スープ★★2.麺★☆3.トッピング★☆4.接客・雰囲気★★5.価格★★☆

2008/04/23

クロカル超人が行く 89 二本松市 歴史学者朝河貫一の墓

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二本松市出身の歴史学者朝河貫一の墓。アメリカ合衆国で日本人最初の大学教授である。東部の名門、イェール大学で教えていた。鹿児島の「入来文書」の研究で有名。

2008/04/19

クロカル超人が行く 88 吉野の桜

クロカル超人が行く吉野の桜

吉野山
靄に懸かりて
歩くわれ
何時来れるかと
桜じっと見ゆ

超人

奈良県吉野。山岳信仰の場の吉野山、そして吉野杉。その歴史は特に南北朝の悲歌で有名だが、また、日本一の桜の名所でもある。手元に吉野出身の歌人前登志夫(1926-2008.4.5)『存在の秋』(筑摩文庫 2006刊)を携え曇天の吉野に入った。

さくら咲くその花影の水に研ぐ夢やはらかし朝の斧は

かなしみは明るさゆゑにきたりけり一本の樹の翳らひにけり
  前登志夫 

永らく吉野山に住んでいる人でも、吉野のさくらの本当に美しい日は、たった一日しかなく、その花の日に逢うのは、むしろ稀なのだという。四月の気温による開花の微妙な息づきと、花の季節に多い春の風雨との取りあわせによって、さくらの満開の見事さは大きく左右されてしまう。さくらの花が咲ききわまった日の、あの異様な生命力のかがよいはどういったらよいのか。この世の時間をはるかに超えたところに、しんしんともえる不思議な発光体。―ところが、さくらの花は、その満開の時がそのまま息づまるような花吹雪の姿でもあるのだ。(前登志夫著『存在の秋』修験と花より)

  途中崖崩れで30分待たされるというハプニングがあったものの、無事上千本までバスで辿り着いた。金峯神社からぬか道を歩くこと30分、西行庵に着いた。途中泥道と目印の距離に多少違和感を覚えたが、幼少期の似たような体験が蘇ってきて僅かに足下が軽くなった。
これが山桜、意外と小さく葉と一緒に咲いていた。もう散り始めなのかいくぶん花のはかなさを感じたが、そこには風雨に耐えた凛とした桜があった。平地の桜とは品種も違うのだから当然だが、その樹の色調、花の形や葉の色合いに何か生き様を感じるのだ。風があれば花吹雪、遠景は絶景化するところだった・・・。しかし霊気とやらを感じて神秘的幻想的だ。桜は普通一般的なソメイヨシノの種類とは違ってシロザクラ

でこぢんまりとした咲きようなのだ。哀感がある。鳥が運んでできた岩場に咲く桜も見たかったがこの天気では叶わなかった。

遥かなる岩の狭間にひとりゐて人目つつまで物思はばや

そしてかの有名な和歌、

願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ

吉野山去年のしをりの道かへてまだ見ぬかたの花を尋ねむ

ついでに前登志夫著『存在の秋』にも引用が多かった和歌、

吉野山さくらが枝に雪散りて花おそげなる年にもあるかな

いずれも西行法師の和歌だ。その西行庵
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はひっそりとしていてかつわびしい佇まいだ。曇天かつ小雨混じりも手伝って尚更その感を強くした。

西行どん桜咲くとき眼は遥か

何故に住んだっ庵ここにあり

吉野の言霊が歴史の古層をつくる。ここでは静寂が堂々と胡坐をかいているのだ。だから霊気、いや、冷気があやしい。朝早い山間に鶯の声−

ホーホケキョ ホーホケキョ ケキョケキョ

更に遠くに近くに吉野の山桜を愛でた。
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旅人や足止めてしばし花の下

何とかして足の泥にも道標

靄晴れてとしばし祈るも、多分これからと誰かの声がした。

凍てとけて筆に汲み干す清水かな  芭蕉

その苔清水

を見てUターンしたのだ。

苔清水汲み上げても靄のなか  超人

帰り道で筆者の靴はぺたぺたと音を立てていた。危ない、転ぶと思わず呟く度にすれ違う人たちが一段と多くなって来た。もうすでに11時。山はラッシュアワーに近づいたのだ。急げ、参道の茶屋沿いをまっしぐら。途中葛餅、胡麻豆腐いろいろ、いろはにほへと、へとへととっと、やっと山岳信仰修験道の総本山で世界遺産金峯山寺蔵王堂
にまで来た。実は自家製揚豆腐を食べたことを飛ばしてしまった。げっ!この世界遺産の寺ではギターとバイオリンのジャズコンサートが開催中で多少の人集りがあった。
急げ、ロープウェイはどこどこ、あと7分、あった。筆者は急いでゴンドラに飛び乗ったが客は2人だけ、乗車時間は3分、その眺めは眼に優しい緑一色だった。

景色料、400円也。ロープウェイ駅を降りて驚嘆した。これから行く人の列、列だ。300人位いたか。ヒェ−!
 近鉄特急「さくら号」は12時2分に吉野駅から出るがあと30分はあるのだ。土砂崩れのハプニング以外は全てスケジュール通りに運んだ。
 さて、ここでひと休み。屋台で地鶏の焼き鳥と缶ビールで乾杯したのだ。店主曰く、関東や東北からの観光客が多く、九州からは少ないと。そう言えば外国人はいなかった。この焼き鳥の美味かったこと、眠気が吹っ飛んでしまった。

下界は晴れ上がった。

追記。"吉野の桜が危ない"とNHKの番組「おはよう日本」が特集していた。このままで行くと5年後ぐらいには桜が咲かなくなってしまうと京大農学部の専門家のコメント。吉野山の北東斜面が温暖化などの気候変動で生態系の異変が生じ、ナラタケ菌が繁殖してヤドリキやウメノキゴケが桜の木に生えてしまっていると指摘。桜の木の中身は普通密度が濃いがその木に空洞化が目立ち密度が薄くなっているという。世界遺産が本当に危ない !(2008年4月30日記)

追記2。前登志夫の評論。久保隆のブログから引用。
前登志夫 著 歌集『落人の家』(雁書館刊・07.8.20)
 吉野の山に住まう歌人として知られる前登志夫の第九歌集である。一九二六年生まれの歌人にとって、九冊の歌集というのは、けっして多くはなく、どちらかといえば寡作の方に違いない。
 前登志夫は、長らく中央の歌壇とは関わりなく活動していたこともあって、わたしたちにとって、ある種、伝説化された歌人でもあった。詩人として出発、五六年に詩集『宇宙驛』を上梓。「異常噴火」して歌作を始め、「かなしみは明るさゆゑにきたりけり一本の樹の翳らひにけり」の鮮烈な一首を巻頭に配した第一歌集『子午線の繭』を出版したのは、六四年、三八歳の時である。文庫版『存在の秋』に付された自筆年譜によれば、六八年前後の十年間はほとんど都市へ出なかったとあり、七四年、四八歳の時、「大阪・金蘭短期大学に助教授として招かれ、十五年間の山籠りを解く」とある。その間の著作は、第二歌集『靈異記』、共著『現代短歌大系 8』、エッセイ集『吉野紀行』のみであった。六七年、歌と民俗の研究集団「山繭の会」発足させ、主宰し、八〇年、歌誌「ヤママユ」を創刊。本歌集を「ヤママユ叢書第七十七篇」としている。第三歌集『繩文記』(七七年刊、第一二回迢空賞受賞)上梓して十年の後に、第四歌集『樹下集』(第三回詩歌文学館賞受賞)を刊行。そして現在まで、二十年間、六冊という歌集を出している。わたしは、なにかに拘っているのだろうか。はじめの二十三年間で、三冊の歌集ということへの対比を考えれば、後の二十年間、六冊ということが、普通なら遅々としたものであっても、前登志夫の場合は、なにか加速度的な時間を意味しているようでならないのだ。
 「わが歌よ、死者の打つ木魂のように空を走れ!」(「存在の秋」)と宣した歌人は、堆積していく時間の往還のなかで、いまどのような場所に佇っているのだろうか。そのことが、わたしにとって最も関心が向かう所在である。
 『鳥獸蟲魚』、『青童子』、『流轉』『鳥總立』と続いた歌集名を瞥見すれば、最新歌集名は、これまでのどの歌集名にもなかった極めて実感的なものだといっていい。山間地を生活の場としてきた自分を〈落人〉と擬定とするのは、率直な表明であり、さらに〈家〉という空間に連関させていくこともまた、至極、自然のなりわいの表出ということになる。

 歌詠みにうつつを抜かし生きたればわがめぐりみな荒寥とせり
 やうやくにわれの煩惱も淡くなり歌詠むことは息するごとし
 わが魂はいづこさまよひゐるならむ谷間をへだてわが家を見れば
 とぎれとぎれの居眠りのまに歌詠めるわけのわからぬ頭蓋の谷間
 兩の羽ぼろぼろとなりし雄の蛾は雌に先だち息きれてをり
 紅葉の明るき村をとほりきてまたつぶやけり、みんなはどこへ

 はじめの歌詠み(む)の二首は、対称的なものとして捉えることができる。〈荒寥〉と〈息するごとし〉は、いうなれば時間の堆積が自らの身心に襞のように覆いかぶさってくる感受の在り様を示している。〈谷間〉という言葉に象徴化させた二首も、方位を変えて、同様の感慨を込めているといえよう。これらのことをさらに加速化させれば、〈雄の蛾〉の実態と〈みんなはどこへ〉という感性の拠りどころが、自らの存在の暗渠となっていることの表明であるというように、前登志夫にとっては、現在の「歌」があるということのように思える。
 かつて、村上一郎は、前登志夫の短歌世界を「倫理的な抒情の叫びを形象」しているとし、「自省に始まり、自嘲にはゆかずに、自虐・自罰にいたる前登志夫の自己に対する倫理の過剰なまでのつきつめ方は、彼の抒情の内容を翳深いものにしている。」(「前登志夫論―〈或る山びとの歌〉―」『現代短歌大系 8』収録)と述べていた。
 確かに、この最新歌集の歌篇たちも、そのような視線を敷衍させて捉えられないことはない。だが、前登志夫の〈現在〉は、「自省」を「倫理の過剰」へとつきつめることでは開示できない地平に至ってしまったと捉えるべきであるという気がする。つまり、堆積していく時間(老いや、やがて訪れるであろう死)を自然過程そのものとして受苦することを前登志夫の場合、良しとしてはいないことがわかるからだ。

 人間以前のわれにあらずや槇の葉につもれる雪を食べてゐるのは
 攫ひたるをみなは髪をなびかせて山驅くらむかわれの不在に
 守るべき山の砦も潰えしか、觀念の鳥あゆむ枯草
 はや夜明けわれを守りしは夜の皮膚、月沒りしのち竹群さわぐ
 蟾蜍そこ退けてくれ青草をそよがせてゆく形象ありき
 きつつきは木のテロリスト春の日のわれの頭上に穴穿ちをり
 若き日をきみはうたふな戰争と戰後の日々をうたふなきみは

 吉野の山々という自然に囲まれて住まう歌人にとって、〈歌詠み〉と〈生活〉は、一体のものであった。だが、どんなに隔絶された場所であっても、世俗的な社会の皮膜を忌避できるわけではない。是認する、しないに関わらず、わたしたちは、いつも反自然と自然の狭間のなかでしか生きていくことはできないからだ。「あとがき」で、「過酷な経済至上の世の中では、一市民として慎ましくおのれの生をいとなむ風景は、まるで落人のようにすら見えたりします」と述べている。自然が、人工化されることによって自然でなくなる必然を抱えもってしまった疲弊していくだけの現在社会は、誰でもがやがて、〈死〉に向かっていく必然と、それはパラレルなものだといっていい。
 だから、〈きみはうたふな〉という、倫理性から放たれて、ある意味、切実さをもった「自省」感は、この歌人にとって、〈現在社会〉や〈死〉に対する苛烈な〈抵抗〉の思いなのだと、わたしは受けとってみたいのだ。

(『図書新聞』08.1.12号)

2008/04/18

クロカル超人が行く 87 大阪造幣局の桜

クロカル超人が行く 87 <br />
 造幣局桜

大阪造幣局の桜通り抜けは4月16日〜22日まで開催中。生憎のこの日の昼時間帯は小雨模様だが元気な大阪のオバタリアンが仲間連れで徘徊していた。花笠他豊富な八重桜の種類はピカ一、その満開の桜をしばしご覧あれ。

2008/04/17

クロカル超人が行く 86  京都・祇園

クロカル超人が行く 京都祇園

八坂神社。シダレザクラで有名だが今回はパス

夕暮れの祇園花見小路南側
 
祇園街夕暮族の提灯か
 

この花見小路南側『一力茶屋』から4つ目の角を左に折れて4、5軒先の右側に創作料理の『萬燕楽』がある(京都のある大学のS先生の紹介)。この辺はお茶屋の風情を残した日本料理店やレストランがあり賑わっているが、『萬燕楽』もその一つでここで供される旬な一品はなかなかのものだ。焼き蛸、地鶏、お造りはもちろん胡麻豆腐、野菜チヂミそして海老チリソースは料理長おすすめの中華の逸品だ(店の人が持ってきた大きな黒板に書かれたメニューにあったのを見過ごしたみたい)。例によって筆者はかつおのたたきを頼んだ。筆者的にはイマイチ、お相手の某先生はうまい、ウマイと食べていた。2階の個室は何人か食するには最高だ。値段もリーズナブル。1階の座敷も中庭が見れてこれまたいい。二次会は歩いて1、2分のところにあるバー『フィンランディア』へ。改装して店内の雰囲気がシックになり更に込みあうようになった。「お客様すみません、ただいま満員です」と例のメガネをかけた、やや腰の低いバーテンダーの声、「二階は?」とかつて聞いていた和室の特別室を筆者が尋ねると「OK」の返事、ラッキーだった。「ニューヨーク」などのカクテルを頼んで一人加わり話は更にエスカレート、某先生の力説が続いたのだ。部外者ながら大学の教員と職員の役割分担については考えさせられた。
京都は祇園の“和”を楽しんだのだった。

口角沫とんだ春の絵巻なり

クロカル超人が行く 85  京都・清水寺 3

クロカル超人が行く 清水寺3

清水寺正門

お土産店のショ―ウインドウ

クロカル超人が行く 85 京都・清水寺 2

クロカル超人が行く 清水寺2
アボジと子供の声が聴こえたり、ヨーロッパの国の観光客の団体がガイドに付き添って熱心に説明を聴いていた。ここは清水の舞台ー。

2008/04/16

クロカル超人が行く 85 京都・清水寺

桜が散った風情はちと淋しいが、どっこいまだ咲いている桜がある。シダレザクラだ。京都の清水寺のシダレザクラには何とも言えない艶やかさがある。西日に照らされたそのサクラが多少揺れる、陽が入る、遮断される。そして、一枚のフレームに収まるのだ。ここを最初に訪れたのは高校の修学旅行だから大昔、それ以来の訪問。あの時はその前年か前々年に事故ったので修学旅行は中止していた。筆者たちの時分に丁度再開となったが二泊三日だった。今遠い記憶が微かに蘇ってくる。

2008/04/13

クロカル超人が行く 84 春の東京散歩 銀座・築地・人形町・赤坂 新旧東京再発見

  このところ低気圧が来たりして天気が思わしくなかったが、今日は晴れた。ある友人がこの4月下旬に退職して関西に帰ってしまうこともあり、その記念も兼ねて「大江戸ツアー」(その彼の名称)否、新旧東京再発見の散歩と相成った。起点は銀座4丁目の三越前。歌舞伎座Nec_0103
は12時半の次の講演待ちの人が外国人を含めてすでに10人位いたか。本当は歌舞伎も観たかったが何せ5,6時間の長丁場、さわりだけでもと考え関係者に尋ねると、一幕1時間、立ち見観劇もあるとのこと(900円)、時間を有効的に使う観点から今回はとりあえずスキップ。
寿司で有名な築地の『江戸銀本店』、まだ開店して間もなかったか誰も入っていず。店の女性には「まだこの辺に来たばかり、何時までやってますか」と尋ねると、「夜の9時半まで」との返事。実はあまりお腹がすいていなかったのだ。「すみませ-ん」と呟く筆者。次に向かったところは当然築地場外市場Nec_0105
だ。もうかれこれ20年位前に来たが、その時は確か日曜日で休み、そのためほとんどの店は閉まっていたのだ。仕方なく海沿いを歩いたのを記憶している。あれから20年、築地市場も移転問題でゆれている。しかし最近外国人の観光客のスポットにもなっているし、テレビやインターネットの美味しいお店紹介やランキングも手伝ってか人が多いのだ。海鮮丼の店は行列、一巡してあのテリー伊藤のお兄さん、てるおさんが経営している卵焼きの店『丸武』Nec_0108
には多少人だかりがあった。テリー伊藤の顔も店の看板、お兄さんはいなかった。途中『スタバ』で休憩。アイスコーヒーを一杯飲んだ。
 さて、築地本願寺を見て次の東京再発見、レトロの町に出向いた。人形町だ。大分前にある人が大怪我をしてその間ピンチヒッターで手伝う羽目になった。それでその人の会社の口座があった人形町の信金に来ていたのだ。今は散歩のコースなど雑誌に書いてあって便利だ。人とすれ違うとその類に出くわすのだ。レトロを思わせる著名なところを回ってこの界隈は3,40分コースだという。

人形町駅→大観音寺→芸者新道(よし梅、芳町亭)→親子丼の玉ひで→谷崎潤一郎生誕の地(つい前の記事のPR雑誌紹介、雑誌「PS Journal」12号の藤原学著「谷崎潤一郎と日本橋」を参照」Nec_0119
→甘酒横丁(豆腐の双葉商店、Nec_0133
鯛焼きの柳屋、煎餅の草加屋など)→しゃぶしゃぶの今半→洋食の芳味亭→人形町

レトロ顔群れなす男女春を拭く

大体このコースのレトロ一杯の場所を堪能したのだが、サプライズが二つあった。一つは親子丼で有名な『玉ひで』。Nec_0113Nec_0114

何と200人以上並んでいて2時間以上待ちだと言うのだ。参ったな、これかテレビ、雑誌やインターネットの美味しい店紹介の具体的な効果だなと思ったのだ。以前から一度食べたいとは思っていたが、これでは神田駅の『伊勢』でも良かったぐらい。結局洋食の『芳味亭』の洋食ランチ(1650円)で落ち着いた。若い女性もいたがここでは中高年が主役で多かった(退職間近の関西人の彼は「メニューにナポリタンもあって頼むか迷った」と2時間位過ぎたあとに筆者にこっそり言った)。"とりあえず"食前酒はビールそして懐かしい味が一杯のランチ-。Nec_0129
ごちそうさまでした。
もう一つのサプライズは大正期創業の鯛焼の『柳屋』。Nec_0132
何代目かは知らないが若っぽい女性が足でリズムをとりながらせっせと昔ながらの方法で焼いていた。その焼き上げった鯛焼きがぴょんと網に乗るあたりの絶妙は本物の鯛の泳ぎっぷりに似て見てる方も気持ちがいい。

 鯛痛いと焼き上がる隊春のどか


鯛焼130円、なぜかアイス(小倉・バニラ)も売っていて、150円。ドライアイスはありませんの店の但し書きに筆者は何かレトロ感を感じた。30分並んでやっと買うことが出来た。歩きながらバニラ入りの最中は退職寸前の彼と淡白な昔の味を分け合った。美味。(帰宅後家人がこの冷めた鯛焼をチンして食し曰く、皮が薄くてシャキシャキ、うっ、まいと)

さて、そんな人形町から突然ギアを切り替えて赤坂に向かった。三井不動産・TBSの共同開発で3月下旬オープンした今一番ホットなスポット、赤坂サカスだ。再開発でできたエリアはTBS一色とオープンカフェアンドバーや何某プロデュースの新種のレストランそれに再生した日本料理店などが新しいビル内に並ぶ。ここは日本か、と一瞬ヨーロッパの、アジアのどこかと迷ってしまうほどだ。Nec_0140Nec_0139

TBS、シアター、アミューズメントパレス、まさに現代の顔が見える。オープンカフェで赤ワインとビールで談笑しているカップルなど熱気に溢れているのだ。今や家に閉じこもってしこしこと食事などしない比較的若い人たちだ。

AKASAKA SAKAC AKASAKA SAKU AKASAKA SAKUSAKU

 ところで、その後銀座に戻った。ライオンビアホールは夕暮れちょっと前、いたね、中年男性万歳組、しかしその中にも若い女性もチラホラ見えてビールの味は格別、例の退職寸前の彼はいいね、いいねの連発だった。その顔には歩き疲れた顔も見え隠れしていた。彼曰く、これだけ中高年が元気なら日本も大丈夫だ、と。筆者の脇の席にはスペイン系の観光客の初老夫婦がステーキを食べながらビールジョッキーを傾けていた。また、後ろの席では銀座を知り尽くしているような老姉妹らしい女性が楽しげに飲んでいた。このライオンビアホールは時代の生き証人、天井を見れば判るがレトロの建物は歴史を刻んできたに違いない。話に聞けば親、子、孫と3代続けて通っている家族もいるという。生ハム、衣付きめひかりのあげものなどそれに生ビール、もう腹一杯、胸一杯-。
夕闇が迫ってきた。最後は銀座5丁目にあるバー『ルパン』Nec_0143
で〆。『斜陽』や『走れメロス』などの代表作を持つ太宰治、『堕落論』の坂口安吾、『夫婦善哉』の、心斎橋カレー店『自由軒』(はい、昔行きました)でも有名な織田作之助らの無頼派の作家などが通ったことで有名なバーだ。今年で80年だと店主が言っていた。なるほど店の佇まいは一瞬昭和初期に戻った感じである。またまた退職間近の彼曰く、こういうところが何とも良い、また来ようっと。筆者は一番隅の太宰の定席でウィスキーとカクテルを飲んだ。時代を刻んできたカウンター、叩くと"トカトントン"と聴こえそうだ。そのグラスにはレトロの街と未来の街が入り混じっていた。
先輩、元気でまた会おう。

太宰治
坂口安吾
織田作之助

おお ! 無頼派諸君
君達は永遠だ-

時代を超えて今日同じくともに
したのだ

ありがとう
先輩
しかし
時代は回った
先輩たちの写真は
あのヒロポンの頃

時代は欝な顔をしている

追記。この老舗バー「ルパン」で半世紀もの間バーテンダーをつとめた高崎武さんが18日、82歳で死去したと朝日新聞が報道。高崎武さんは姉の故高崎雪子が1928年(昭和3年)に銀座のビルの地下に開業、武さんは1951年からここでバーテンダーとしてつとめた。1981年以降病気で出られなくなった雪子さんのあとを支えた。一時閉店で話題になったが、今はバーキーパーが後を継いでいる。かつて常連の坂口安吾が愛した卵で割ったカクテル「ゴールデンフィズ」はあまりにも有名(2008年7月20日 記)。


学術先端情報-学術mini情報誌「PS Journal」最新号の紹介 8

Img013_2特集: 研究者の現在ⅩⅠ地方文学研究者は今
目次
■鷗外『椋鳥通信』における西洋文化の受容と伝搬
 富山大学教授 金子幸代
■石川近代文学館徳田秋聲原稿について
 金沢学院大学教授 秋山稔 
■谷崎潤一郎と日本橋人形町
 京都大学助教 藤原学
■東京裁判と文学
 京都橘大学教授 野村幸一郎
■「小説で読む日本の問題」を求めて」
 福島大学教授 澤正宏
■朝日新聞復刻版・縮刷版広告

内容詳細はこちら→「img014.pdf」をダウンロード

「小説で読む日本の問題」を求めて
 福島大学教授 澤正宏

 
 2007年(昨年)度は専門分野の研究とはいえ、久しぶりに現代詩に関する仕事に追われるばかりの一年間であった。「コレクション・モダン都市文化 第Ⅱ期・第28巻」として編著を任され、6月に刊行した『ダダイズム』(ゆまに書房)では、世界のダダイズムの歴史の概観のなかに、やや特殊ともいえる日本のダダイズムを関連づけたり、何冊かの日本のダダイズムの書物や雑誌を紹介したが、大変だったのは日本を重視した世界のダダイズムの年表作りであった。原稿を書きながら同時進行で古書目録を漁り、注文の乱発でなんとか作成できてほっとしている。
 7月には『復刻版 ゲエ・ギムギガム・プルルル・ギムゲム』(全10冊、不二出版)が刊行され、別冊に「『ゲエ・ギムギガム・プルルル・ギムゲム』と現代詩」を執筆した。幻の詩誌といわれてきたこの雑誌が復刻されるまでの経緯にはいろいろあったようだが、この刊行は専門的な立場からみても本当に画期的なもので、私もある事情から15年前にこの詩誌の全コピーを入手していたので、復刻と詩誌の解説とに参加させて頂くこととなった。この詩誌は日本に超現実主義が受容される直前での、日本語による前衛的な詩の試みを研究するには第一級の資料である。その他、9月には福島市で「中原中也生誕100年祭IN FUKUSHIMA」が催され、トークショウ「中原中也と福島~中原中也の魅力をめぐって~」に参加、あらためて中也のモダニズムという課題を意識することになった。この課題は今年の5月に昭和文学会と中原中也研究会との合同研究会で話すことになっている。また、編集委員、執筆者として参加した、今年の2月に刊行の『現代詩大事典』(三省堂)
も大きな出来事になった。私は「瀧口修造」「吉岡実」「詩と詩論」「新散文詩運動」「東北の詩史」「詩人の小説」などを担当したが、この事典の総企画・編集を担当した飛鳥勝幸氏の労は多大なものであった。
 さて、今年の3月に依頼されて、福島市で「ハンセン病の文学――戦後のハンセン病小説を読む――」という講演をした。これは、以前にこの冊子に書かせて頂いた、学生たちと新しく始めた小説演習の、私なりの一つの成果の発表でもあって、また、この3月に大学院を修了していく、ハンセン病文学を3年半にわたり研究してきた院生との共同研究の一つの成果でもある。現在、ハンセン病の文学の担い手、ないしは研究者は少ない。しかし、私の研究の姿勢は、今後、ハンセン病はなくなる病気ではあっても、日本の政府が、とりわけ近代以降に犯して来たハンセン病者に対する差別の実態の歴史は、ハンセン病の文学を通して確認され、明らかにされ、まだなお告発されなければならないというところにある。
 講演の内容(研究の一端ということにもなるが)を簡単に紹介すれば、まず第一に、戦後のハンセン病小説といっても、戦時下で隔離されていた殆どのハンセン病患者にとっては、「癩予防法」(昭和6年4月公布)が完全撤廃されない限りは、隔離に関わる様々な実態は戦時下と地続きであり、敗戦が文学に大きな影響を与えることはなかったということがあげられる。第二に、ただこの時期には、敗戦になったことでハンセン病の治療薬としてのプロミンの有効性(この発見は昭和16年3月、薬の開発成功は昭和18年11月、ともに米国で)が日本でも評価され始め(昭和22年)、無癩県運動、強制収容、断種の法制化、特別病室(重監房)事件、強制労働など、世界のハンセン病理解とは逆行していく日本の隔離政策、方針などのなかで、本格的な救済にはならなかったがプロミンの国家予算化(昭和24年4月)がなされ、患者による人権闘争運動(最初の動きは昭和22年8月頃)が拡大していく様相を呈してきたということがあげられる。
 つまり、昭和24年あたりを境に、日本のハンセン病は、それまでの第一期ともいえる歴史から第二期ともいえる歴史を迎えるのであり、小説も既述したような内容を描いているのである。第三期をどの頃におくかはまだ課題であるとしても、第二期を昭和35(1960)年まで延ばして考えた場合、この時期にハンセン病小説として新しく現れたもっとも特徴的な描写の一つは、プロミン効果や人権闘争の描写の他に、隔離された生活のなかでの抑圧された性の描写ということであった。
ハンセン病文学の研究においては資料不足ということがあげられる。現在、ハンセン病療養所で発行された雑誌の収集や整理、保存がすすめられていると聞くが、この研究においては何をおいても
まず、このことをやらなければならない。いや、文学以前に、もう既にいろいろなところでなされているのだが、ハンセン病患者の歴史の実態を文字や映像や口承によって明らかにすることが大切である。私にとってのハンセン病文学は、「小説で読む日本の問題」の大きな一つである。


2008/04/09

超人の面白ラーメン紀行 90 豊島区『ホープ軒本舗大塚店』

超人の面白ラーメン紀行
JR大塚駅近くにある『ホープ軒』のおやじの仲間の店、『ホープ軒本舗大塚店』。他に吉祥寺店、杉並店があるそうな。育った人たちの店は恵比寿西の『ラーメン香月』、都内各所にある『ラーメン弁慶』、渋谷区幡ヶ谷『特麺コツ一丁ラーメン』、千葉県市川市『ニューホープ』。それでは本家本元はと言えば、1960年代、赤坂の弁慶橋の袂で屋台のラーメンを開いたのが始まり。かつてNHKがあった内幸町での屋台ラーメンは繁盛したそうな。そして千駄ヶ谷で店舗を持った黄色印の『ホープ軒』(思い出した、河出書房の近くの)。あの背脂の入った、とんこつ白湯醤油ラーメンだが、筆者は何度か挑戦してみたものの、食後はいつもイマイチとの感想なのだ。要は合わないのだ。それならなぜ食べる?体調によっては行けるかもとつい入ってしまうのだ。また、臭いがこもらない工夫のしてある開放的な店の佇まいに引かれてしまうのかもしれない。もやし、メンマ、チャーシュー、海苔そして軟らかい細麺は好みだが、このとんこつ白湯のスープがきつい。味付け玉子は硬いかなと迷った挙げ句結局頼まない。店は同じ時間帯に行くせいか男性1人、外国人風の女性1人のお馴染みのメンバー。ラーメン一杯600円は手頃だ。「ホープ軒」は店によって多少手を加えて出しているらしい。この記事は『ホープ軒』のWEBSITEを参照。
『ホープ軒本舗大塚店』①スープ★☆②麺★★☆③トッピング★☆④接客・雰囲気★☆⑤価格★★★

愛ホープそうだと思う君の舌

2008/04/06

最近買い込んだ書籍など拾い読み 5 季刊雑誌「A Public Space」5号・最新号他 

 この3月中旬過ぎから読書量が鈍っている。1年に何度かこの「読書の鬱」の状態がある。忙しくしている方が好きなタイプで、電車の中での読書、音楽、テレビを見ながらの読書など多角的、重層的な仕方が性に合っているのかもしれない。それとどうも「気分が乗らないこと」も最近は大いに関係しているようだ。
 ということで久し振りに買い込んだ書籍・雑誌の紹介・拾い読み。

A PUBLIC SPACE ISSUE FIVE 2008年1月刊 アパブリックスペースリテラリープロジェクト社 ニューヨーク
アメリカの文芸季刊雑誌「パプリック スペース」第5号・最新号Img009_2

定期購読の期間が切れて更新手続きが多少遅れた雑誌。今回は特集は見当たらず。翻訳詩を含めた12編の詩、小説5本そしてエッセイやドキュメンタリーの構成で書き手25名、201ページ。パラパラ捲ってみるとかつて日本の日欧現代詩フェスティバルにも出席し自作朗読もしていたスロヴェニアの詩人Tomaz Salamunの名前に出くわした。

THE DETOUR ACROSS THE DELAWARE
・・・
TOMAZ SALAMUN
Translated from the Slovenian by Thomas Kane & the author

Inebriating. We're inebriating. Seasons are
clay windows, we climb through them
all radiant. We count our push-ups.

With yoga, the leg might go into the mouth.
I noticed you're trimmed.
The most intresting to me was

the epic route that only remained in segments,
as dead bricks. Still, the underworld
knows what it knows. It knows

how to stuff the dead animals, how
to paint the upper layer of the little hands.
Don't cry because they

licked it. Only time gets exausted from
rubbing. We're children in bran,
all three with hair. Beauty

corrodes our face. I take Yahveh's
prick and write with it,
because it lay on the table,sun!

田村紀雄著『海外の日本語メディア 変わりゆく日本町と日系人』
世界思想社 2008年2月 本体2800円Img010


『米国初期の日本語新聞』(共著編、勁草書房 1986年)、『アメリカの日本語新聞』(新潮社、1991年)などの著書をもつ著者の最新刊。ここにはこの分野で先行研究した著者のその後の成果が散りばめられている。筆者も前著に刺激されて新聞史料を漁っている一人だ。最新情報だと貴田さんのあとでも日本語新聞をニューヨークで続けている人がいるらしい。

長島要一著『日本・デンマーク 文化交流史 1600−1873』
東海大学出版会 2007年9月 318ページ 本体5800円Img011


岩波新書『森鴎外 文化の翻訳者』の著者の本格的な日本・デンマーク交流を歴史的に考察した学術書。
今朝の毎日新聞書評欄でも江戸時代の異文化交流史に偉大な痕跡を残したシーボルトに関する本が取り上げられていた。現在コペンハーゲン大学異文化研究・地域研究所アジア部長の職にある著者が、江戸時代の鎖国時期に日本はオランダとは交易があったが、本書は当時の文献を渉猟しながら主にそのオランダの東インド会社に勤めていたデンマーク人に光りを当てることで近世の日丁関係史を構築する。1803年にすでにコペンハーゲンに日本人が滞在していたという。本格的な交流が始まるのは明治時代、岩倉使節団が米国・ヨーロッパを視察旅行しデンマークやスウェーデンなどを訪問してからだが、その克明な旅行記は久米邦武の『米欧回覧実記』に詳しい。誤記も大分あるが筆者などは海外旅行のときに持参している本でもある。著者は5年前にDe dansk-japanske kuluturelle forbindelser 1600-1873( Museum Tuschulanum, Copenhagen 2003)のタイトルでデンマーク語ですでに上梓している。本書はその日本語版的要素を含んでいる。同じような史料を多少齧っている筆者には大変示唆に富んでいて面白い。

古城健志新訳『ストリンドヘリイ小作品』
コスモヒルズ 2007年7月 157ページ Img012


昨年亡くなった北欧映画の巨匠、イングマール・ベルイマン監督は自国のスウェーデンの作家アウグスト・ストリンドベリイから大きな影響を受けていることは良く知られた事実だ。自然主義文学が流行った明治・大正時代にはかなり翻訳書も出たが今はほとんど絶版の状態だ。当時はドイツ語からの重訳が多かった。今回「夕立」(1907年)、「より強きもの」(1907)や「恋とパン」(1882年ごろ)をスウェーデン語から翻訳したもの。それにしてもスウェーデンで出ている『アウグスト・ストリンドベリイ全集』は全100巻だからその規模に驚く。

軽部直・片岡龍編『日本思想史ハンドブック』
新書館 2008年3月 本体2000円 

本書は比較的若い研究者38名が書いた日本思想史入門書。巻末には入門編を終えた人のための次なるステージが用意されていて(ブックガイド。著者が選んだ65冊の本)便利だ。本文は入門書だが比較的若い研究者の考え方が伺えて参考になる。238ページ。

超人のジャーナリスト・アイ 78 最近の新聞記事 The New York Times電子版

2008年4月4日付ニューヨークタイムズ電子版には出版社新ハーバーコリンズグループが作家の前払いを削減との見出し。下記は2008年4月4日付ニューヨークタイムズ電子版ビジネス欄からの引用。

New HarperCollins Unit to Try to Cut Writer Advances


By MOTOKO RICH
Published: April 4, 2008
HarperCollins Publishers is forming a new publishing group that will substitute profit-sharing with authors for cash advances and will try to eliminate the costly practice of allowing booksellers to return unsold copies.

In a move that surprised many industry insiders, HarperCollins announced on Thursday that Robert S. Miller, the founding publisher of Hyperion, the adult books division of the Walt Disney Company, would leave his post of 17 years to lead this new, as yet unnamed entity.

The new unit is HarperCollins’s effort to address what its executives see as some of the more vexing issues of the book industry. “The idea is, ‘Let’s take all the things that we think are wrong with this business and try to change them,’ ” said Mr. Miller, 51. “It really seemed to require a start-up from scratch because it will be very experimental.”

The new group will also release electronic books and digital audio editions of all its titles, said Jane Friedman, president and chief executive of HarperCollins, a unit of the News Corporation.

“At this moment of real volatility in the book business, when we are all recognizing things that are difficult to contend with, like growing advances and returns and that people are reading more online, we want to give them information in any format that they want.”

The new group is entering a difficult market for books generally. Citing economic uncertainty, the Borders Group announced last month that it was considering selling itself. Barnes & Noble also said it expected first-quarter results to be slightly down from the previous year.

Author advances and bookseller returns have long troubled the publishing industry. Best-selling authors can command advances so high that publishers often come away with slim profits, even for books that are significant successes. Publishers also sometimes offer high advances to untested authors in the hopes of creating new hits, but often those gambles do not pan out.

Ms. Friedman said the new group, which will initially publish just 25 titles a year, would offer “low or no advances.” Mr. Miller, who was most recently president of Hyperion, said he hoped to offer authors a 50-50 split of profits. Typically, authors earn royalties of 15 percent of profits after they have paid off their advances. Many authors never earn royalties.

Jennifer Rudolph Walsh, a literary agent, said: “I’m not cynical about it, and I’m open to ideas, but I think it’s too soon to say what the validity of it is. These words seem fine and interesting, but how does it benefit the author and how do we find our readers?”

Under standard practices, booksellers can return unsold books, saddling publishers with the high costs of shipping and pulping copies. Mr. Miller said the publishers could share with authors any savings from eliminating returns. A spokeswoman for Barnes & Noble declined to comment on HarperCollins’ plans.

Robert P. Gruen, executive vice president for merchandising and marketing at the Borders Group, said that it was premature to comment specifically on the new business, but he said, “We generally support the idea of looking at potential solutions to a return system that is not working well for the industry as a whole.”

The new group, which Ms. Friedman is calling a studio, will most likely publish hardcover editions priced at the low end of the market, around $20 a copy. She pointed to some of the titles that Mr. Miller had published while at Hyperion as models, including “The Five People You Meet in Heaven” by Mitch Albom and “The Best-Loved Poems of Jacqueline Kennedy Onassis.”

Mr. Miller’s exit from Hyperion follows the departure in January of Will Schwalbe, editor in chief, to pursue an unspecified Internet-related project. Ellen Archer, publisher of Hyperion, will take over as president from Mr. Miller.

Also on Thursday, Weinstein Books announced that Rob Weisbach left his post as president and chief executive to pursue other publishing opportunities.

At HarperCollins, Mr. Miller said he was considering offering both e-book and audio editions of the hardcovers at no extra cost to the consumer.

2008/04/05

クロカル超人が行く 83 帝国ホテルのバイキング料理『SAL』  

東京の桜も今年のこの時期天候に恵まれて長持ちしているが、そろそろその桜も散り始めている。散り際にある感慨、もののあわれ、美学を感じる日本人は古来和歌にその想いを馳せてきた。

 願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ 西行

 散ればこそいとど桜はめでたけれ憂き世になにか久しかるべき

長い間一度は行ってみたかった帝国ホテルのレインボールームのバイキング料理。筆者は"花見散歩"という特別な昼時間を利用して日比谷まで仲間二人と足を運んだ。帝国ホテルのホームページにはレインボールームの名称変更とバイキング料理について書いてあった。曰く、「レインボールーム」は開業110年を迎え創業当時の名前『SAL』に戻し、2月5日にグランドオープンした。バイキング料理は日本だけの呼び方で、海外ではビュッフェなどと呼ぶが、もともとバイキングとは、北ゲルマン族のことで、1957年にスカンジナビア航空が「東京−コペンハーゲン」路線で映画「バイキング」が公開されたのを機に、東京の帝国ホテルが北欧料理を食べ放題で紹介し、話題集めたことから始まるそうだ。それ以来「食べ放題」の料理が「バイキング」料理と呼ばれるようになった。(「インペリアルバイキング」帝国ホテル東京HP)
フランク・ロイド・ライトの建築で有名な帝国ホテル。立て直された新生インペリアルホテル、その14階からの眺めは
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真下に青々とした日比谷公園、遠くは新宿高層ビルあたりまで見える。「お客様、お待たせしました」との声がかかった。午後1時過ぎ、バイキング料理『SAL』に入った。
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皇居など眺められる窓際のテーブルは無理かなと筆者が考えているうちにウェートレスは右奥近くの4人掛けのテーブルを案内した。「残念ながら窓側のテーブルは予約で一杯です」予想したとおりだ。広い部屋の真ん中には最初何からと迷うぐらいの料理が並べられていた。まずは有名なローストビーフのコーナーに出向いたが、「お客様、残念ながらローストビ−フは夕方のメニュ−です。昼はオレンジソースのポークローストですが」「はい、それで結構です」(本当はローストビーフが食べたかった ! umum)。レンズ豆のスープ、三種類のパン、ナポリタン、オムライス、白身魚のから揚げ、エビフライ、ポテトで第1回目、それにオプションのイタリアワイン「キャンティクラシコ」(1グラス、1,280円)付き、二回目は国産牛ほほ肉の赤ワイン煮込みニョッキ添えとエスカルゴのフリカッセ香草バター風味、三回目はサラダ、四回目はスモークサーモン、各種ハム、五回目はデザートとフルーツそれにコーヒーだ。三人で入ったのだがそのうちの二人は更にビーフカレーも食べるほど食欲旺盛、彼曰く「雰囲気が変れば入るんです。旅行と同じですよ」それにしてもビックリである。もう一人は盛んに腹を擦っていた。普段食べなれていないものを食べると人間は無理するのだ。ナポリタン以外は美味しい、おいしゅうございました。「200人は入れるレストランです。今日は180人以上入っています。天候にはあまり左右されません」と筆者の質問にウェーターが答えてくれた。昼の一時思い切った食事もそうだが(5000円代で手頃な値段)何よりゆったりとした時間が流れていた。また、「ここは違うな、好みの女性がいた」と仲間の一人が言っていたのが印象的だ。

桜散る皇居見たさにヴァイキング
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バイキング料理『SAL』 4月ランチメニュ−

Our Chef's will give the last touch in front of you

お客様の前にて仕上げます


マルセイユ風 ブイヤベース
Bouillabaisse Marseillaise
国産牛ほほ肉の赤ワイン煮込み ニョッキ添え※
Cheek of Japanese Beef Stewed in Red Wine, with Gnocchi
ゴルゴンゾーラチーズのピッツァ
Pizza with Gorgonzola
若鶏のバロンティーヌ
Chicken Ballottine
エスカルゴのフリカッセ 香草バター風味※
Fricassee of Escargots with Herbal Butter
ポークのロースト オレンジソース※
Roast Pork, with orange Sauce

デザート&フルーツ※
Fruits and Dessert

Cold Dishes
冷たい前菜
タコとオリーブのレモンソース添え
Octopus and Olieves with Lemon Sauce
グリーンピースのムースとコンソメゼリー
Green pea moussevwith Consomme Jelly
カリフラワーのスープ アーモンド風味
Almond Scented Cauliflower Soup
シーフードマリネ カプリ風
marinated Seafood Capri
コールドミート盛り合わせ
Chilled Meats with Cornichons and Olives
スモークサーモンとメダイの盛り合わせ※
Smoked Salmon and Smoked Sea Bream
テリーヌ3種の盛り合わせ マヨネーズソース※
Assorted Terrines
グリルしたズッキーニと茄子の香草マリネ
Marinated Zucchini and Eggplant
帝国ホテル伝統のポテトサラダ ミモザ風
Potato Mimosa Salad
マグロのカルパッチョ 春野菜のサラダ添え
Tuna Carpaccio with Salad of Spring Vegetables
本日のスープ
Today's Soup
パン各種※
Breads Selection
チーズ盛り合わせ 季節のドライフルーツと共に
Cheese Selection
季節のサラダ※
Seasonal Salad

Hot Dishes
温かいお料理

本日のおすすめパスタ※
Today's Pasta Dish
白身魚のから揚げ アンチョビソース※
Deep White Fish with Anchovy Sauce
白身魚のオーブン焼き レンズ豆のソース※
Baked White Fish with Lentils
若鶏のバスク風
Basque Style Broiled Chicken
オムライス デミグラスソース※
Steamed Rice in Omlet with Demiglace Sauce
春野菜のグラタン
Vegetable Gratin
季節の温野菜※
Warm Seasonal Vegetable
野菜のグリーンカレー
Vegetable Green Curry
ビーフカレー
Beef Curry
ミックスフライ※
Fried Selection

※筆者が食したもの



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